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十三章 わたくしの結婚
19.国王陛下の別荘での最後の夏
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翌朝はフランツとマリアに起こされて、朝のお散歩に行った。庭に出るとハインリヒ殿下とユリアーナ殿下、エクムント様にオリヴァー殿も待っていてくれた。
「おはようございます、クリスタ嬢。この時間でももう暑いですね」
「わたくしは日傘がありますから少しは平気ですが、ハインリヒ殿下は暑いでしょう」
「木陰で涼みませんか?」
木陰のベンチに誘われてハインリヒ殿下とクリスタが並んで座っている。
フランツとマリアとユリアーナ殿下は護衛のために兵士と歩いている犬に興味津々だった。
「この犬は何という種類ですか?」
「ドーベルマンと申します」
「名前はありますか?」
「名前は番号で付けられていますが、私たち世話役の兵士は愛称で呼んでいます」
「可愛いですね、撫でてもいいですか?」
「匂いを覚えさせた方は噛まないように躾けられています。触っても平気ですよ」
質問攻めにして、触っていいという許可を得てフランツとマリアとユリアーナ殿下はおっかなびっくりドーベルマンを撫でていた。
「ドーベルマンは優秀な護衛犬です。元々は耳が垂れているのですが、耳の病気になりやすいので、耳が立つように切ってしまうのです」
「耳を切るのですか!?」
「痛くないのですか!?」
「少し可哀相な気がします」
「耳を切らないと、耳が蒸れて病気になってしまうことがあるのですよ。必要なので切っています」
説明を受けてフランツとマリアとユリアーナ殿下は尖った耳にそっと触れて労うように撫でている。撫でられてドーベルマンは舌を出して目を輝かせていた。
「この子はご主人さま方が大好きなようです。撫でてもらって喜んでいます」
「また一緒に遊ばせてください」
「お仕事中、ありがとうございました」
「いつも守ってくれてありがとうございます」
フランツとマリアとユリアーナ殿下がお礼を言うと、兵士は深々と頭を下げて名残惜しそうなドーベルマンを引っ張って去って行った。
朝食は食堂でみんなで取った。
そのときに国王陛下が話をしてくださった。
「この国の国王と、国を継げるようになった年齢の皇太子が同じ場所で避暑を過ごすというのは今後できないことだ。私はユストゥス夫婦を招いて避暑をするかもしれないが、ハインリヒと共に過ごせるのは今年が最後になるな」
「父上、私も皇太子としての自覚を持って、国を支える立場になります。学園を卒業後は父上の政務もいくつか私にお任せください」
「彼の国の国王が養子をとることを決めたそうだ。その祝いの儀に出てくれるか?」
「はい、もちろんです」
「私はこの国を離れられないのでな」
国王陛下の言葉だと、こういう風に国王陛下が主催になってハインリヒ殿下やノルベルト殿下、ノエル殿下やわたくしやエクムント様やクリスタやレーニ嬢やオリヴァー殿やフランツやマリアを集めて避暑を過ごすのはもう終わりになる。これが最後の全員一緒の避暑になるのだ。
「クリスタ嬢やエリザベート嬢やエクムント殿は来年から私が招きます」
「ノルベルトとノエルとユストゥス夫妻とフランツとマリアとレーニとオリヴァーは私が招くことにしようかな」
「別々にはなってしまいますが、王宮の式典やお茶会ではまた会えますので」
「そうだな。そのときには共に出席しよう」
ハインリヒ殿下も皇太子として自覚を持って行動しなければいけない時期に来ていたようだ。クリスタが変わったようにハインリヒ殿下も変わって行けるだろう。
朝食を食べ終わると、両親と国王陛下と王妃殿下は食堂に残って、ソファに移って話をしているが、わたくしはエクムント様に手を取られて廊下に出ていた。クリスタとハインリヒ殿下も、レーニ嬢とフランツも、マリアとオリヴァー殿もそのまま部屋には帰りたくない雰囲気である。
「昨日国王陛下の別荘の書庫をお借りしたのですよ。興味深い本がたくさんありました。エリザベート嬢、今日は料理の本を探してみませんか? 異国の料理の本を」
「それはいいですね。異国の料理には興味があります」
「他の皆様もいらっしゃいませんか?」
エクムント様の誘いにハインリヒ殿下もクリスタも、レーニ嬢とフランツも、マリアとオリヴァー殿も賛成して、ユリアーナ殿下も一緒に書庫に向かった。
国王陛下の別荘の書庫は王宮の書庫とは少し違って代々の国王陛下が興味をお持ちだった資料が納められている。
その中に料理の本もあって、わたくしは手に取っていた。
「トウモロコシ粉で作るトルティーヤだそうです。タコスというお料理が食べられるようです」
「トウモロコシ粉は辺境伯領でも取れますね」
「これも新しいスパイスが必要になりますね」
「辺境伯領ではタコスは食べられていないのですか?」
「私は初めて見ます」
図解もしてあるタコスのレシピを覚えようとしているわたくしに、エクムント様が書庫の管理人に頼んで紙とペンを貸してもらっている。手渡された紙にペンでわたくしはレシピを書き写した。
「エクムント様がこんなに異国の料理を食べたがるわたくしに協力してくださるなんて思いませんでした」
「私もエリザベート嬢が求める異国の食べ物に興味津々なのですよ。食べるのを楽しみにしています」
結婚してもたくさん色んな国の料理を調べて食べましょうね。
そんなことを言われるとわたくしは舞い上がってしまう。
これならば前世で食べていた料理も色々と再現できるのではないだろうか。
お刺身は生魚が食べられるか分からないので無理かもしれないが、お醤油を既にわたくしは手に入れているので、作れる料理の幅が増えている。
後は出汁を取る方法なのだが、鰹節が手に入らないだろうか。
鰹節が手に入ったら、お好み焼きやたこ焼きも作れるかもしれない。
懐かしい食べ物を思い浮かべると、前世の記憶が蘇ってくるが、それもわたくしであるという実感は薄く、物語で読んだような感覚だった。前世で生きていたわたくしという人間の物語を今世のわたくしが読んで知っている。
前世のわたくしにとっては今世のわたくしは物語の中の登場人物だったが、今のわたくしにとってはエリザベート・ディッペルというわたくしが自分以外の何物でもない。
もう物語の内容も変わっているし、この世界の主人公はクリスタだがわたくしたちはハッピーエンドの先までも生きていくのだ。
その先に何があってもエクムント様と一緒ならばわたくしは平気だろうと思っていた。
わたくしとエクムント様が料理の本を見ている間に、クリスタとハインリヒ殿下は装飾の本を見ていたようだ。
「お姉様、見てください。このドレスのデザイン、素敵ではありませんか?」
「白薔薇がたくさんついているデザインなのですね」
「わたくしは王家が決めたドレスを着て結婚します。そのことに何の文句もありません。ですが、お姉様は好きなドレスを着られるのだから、考えて見られてはいかがですか?」
ドレスのデザインを見せられてわたくしはクリスタからその本を受け取る。クラシックなドレスだが、白薔薇の装飾が美しい。
「エクムント様、このドレスはどうでしょう?」
「とても美しいですね。エリザベート嬢は女性の中でも長身の部類に入るので、よくお似合いになると思いますよ」
エクムント様にそう言っていただけてわたくしはドレスのデザインの候補としてそのデザインを目に焼き付けるようにじっと見つめた。残念ながらコピー機も何もないので、わたくしが記憶しておくことしかできない。
「このスカートの刺繍を全て銀糸で行ってはどうでしょう。きっとティアラやヴェールの刺繍によく合います」
「それはいい考えですわ、エクムント様」
ドレスのデザインも実際に絵に描かれているものを見ると固まってきて、わたくしは強く結婚を意識する。
「エクムント様のタキシードにも銀糸で刺繍を施したらいいですね」
「それはいいかもしれませんね」
結婚式の衣装を決めているときのわたくしは本当に幸せだった。
「おはようございます、クリスタ嬢。この時間でももう暑いですね」
「わたくしは日傘がありますから少しは平気ですが、ハインリヒ殿下は暑いでしょう」
「木陰で涼みませんか?」
木陰のベンチに誘われてハインリヒ殿下とクリスタが並んで座っている。
フランツとマリアとユリアーナ殿下は護衛のために兵士と歩いている犬に興味津々だった。
「この犬は何という種類ですか?」
「ドーベルマンと申します」
「名前はありますか?」
「名前は番号で付けられていますが、私たち世話役の兵士は愛称で呼んでいます」
「可愛いですね、撫でてもいいですか?」
「匂いを覚えさせた方は噛まないように躾けられています。触っても平気ですよ」
質問攻めにして、触っていいという許可を得てフランツとマリアとユリアーナ殿下はおっかなびっくりドーベルマンを撫でていた。
「ドーベルマンは優秀な護衛犬です。元々は耳が垂れているのですが、耳の病気になりやすいので、耳が立つように切ってしまうのです」
「耳を切るのですか!?」
「痛くないのですか!?」
「少し可哀相な気がします」
「耳を切らないと、耳が蒸れて病気になってしまうことがあるのですよ。必要なので切っています」
説明を受けてフランツとマリアとユリアーナ殿下は尖った耳にそっと触れて労うように撫でている。撫でられてドーベルマンは舌を出して目を輝かせていた。
「この子はご主人さま方が大好きなようです。撫でてもらって喜んでいます」
「また一緒に遊ばせてください」
「お仕事中、ありがとうございました」
「いつも守ってくれてありがとうございます」
フランツとマリアとユリアーナ殿下がお礼を言うと、兵士は深々と頭を下げて名残惜しそうなドーベルマンを引っ張って去って行った。
朝食は食堂でみんなで取った。
そのときに国王陛下が話をしてくださった。
「この国の国王と、国を継げるようになった年齢の皇太子が同じ場所で避暑を過ごすというのは今後できないことだ。私はユストゥス夫婦を招いて避暑をするかもしれないが、ハインリヒと共に過ごせるのは今年が最後になるな」
「父上、私も皇太子としての自覚を持って、国を支える立場になります。学園を卒業後は父上の政務もいくつか私にお任せください」
「彼の国の国王が養子をとることを決めたそうだ。その祝いの儀に出てくれるか?」
「はい、もちろんです」
「私はこの国を離れられないのでな」
国王陛下の言葉だと、こういう風に国王陛下が主催になってハインリヒ殿下やノルベルト殿下、ノエル殿下やわたくしやエクムント様やクリスタやレーニ嬢やオリヴァー殿やフランツやマリアを集めて避暑を過ごすのはもう終わりになる。これが最後の全員一緒の避暑になるのだ。
「クリスタ嬢やエリザベート嬢やエクムント殿は来年から私が招きます」
「ノルベルトとノエルとユストゥス夫妻とフランツとマリアとレーニとオリヴァーは私が招くことにしようかな」
「別々にはなってしまいますが、王宮の式典やお茶会ではまた会えますので」
「そうだな。そのときには共に出席しよう」
ハインリヒ殿下も皇太子として自覚を持って行動しなければいけない時期に来ていたようだ。クリスタが変わったようにハインリヒ殿下も変わって行けるだろう。
朝食を食べ終わると、両親と国王陛下と王妃殿下は食堂に残って、ソファに移って話をしているが、わたくしはエクムント様に手を取られて廊下に出ていた。クリスタとハインリヒ殿下も、レーニ嬢とフランツも、マリアとオリヴァー殿もそのまま部屋には帰りたくない雰囲気である。
「昨日国王陛下の別荘の書庫をお借りしたのですよ。興味深い本がたくさんありました。エリザベート嬢、今日は料理の本を探してみませんか? 異国の料理の本を」
「それはいいですね。異国の料理には興味があります」
「他の皆様もいらっしゃいませんか?」
エクムント様の誘いにハインリヒ殿下もクリスタも、レーニ嬢とフランツも、マリアとオリヴァー殿も賛成して、ユリアーナ殿下も一緒に書庫に向かった。
国王陛下の別荘の書庫は王宮の書庫とは少し違って代々の国王陛下が興味をお持ちだった資料が納められている。
その中に料理の本もあって、わたくしは手に取っていた。
「トウモロコシ粉で作るトルティーヤだそうです。タコスというお料理が食べられるようです」
「トウモロコシ粉は辺境伯領でも取れますね」
「これも新しいスパイスが必要になりますね」
「辺境伯領ではタコスは食べられていないのですか?」
「私は初めて見ます」
図解もしてあるタコスのレシピを覚えようとしているわたくしに、エクムント様が書庫の管理人に頼んで紙とペンを貸してもらっている。手渡された紙にペンでわたくしはレシピを書き写した。
「エクムント様がこんなに異国の料理を食べたがるわたくしに協力してくださるなんて思いませんでした」
「私もエリザベート嬢が求める異国の食べ物に興味津々なのですよ。食べるのを楽しみにしています」
結婚してもたくさん色んな国の料理を調べて食べましょうね。
そんなことを言われるとわたくしは舞い上がってしまう。
これならば前世で食べていた料理も色々と再現できるのではないだろうか。
お刺身は生魚が食べられるか分からないので無理かもしれないが、お醤油を既にわたくしは手に入れているので、作れる料理の幅が増えている。
後は出汁を取る方法なのだが、鰹節が手に入らないだろうか。
鰹節が手に入ったら、お好み焼きやたこ焼きも作れるかもしれない。
懐かしい食べ物を思い浮かべると、前世の記憶が蘇ってくるが、それもわたくしであるという実感は薄く、物語で読んだような感覚だった。前世で生きていたわたくしという人間の物語を今世のわたくしが読んで知っている。
前世のわたくしにとっては今世のわたくしは物語の中の登場人物だったが、今のわたくしにとってはエリザベート・ディッペルというわたくしが自分以外の何物でもない。
もう物語の内容も変わっているし、この世界の主人公はクリスタだがわたくしたちはハッピーエンドの先までも生きていくのだ。
その先に何があってもエクムント様と一緒ならばわたくしは平気だろうと思っていた。
わたくしとエクムント様が料理の本を見ている間に、クリスタとハインリヒ殿下は装飾の本を見ていたようだ。
「お姉様、見てください。このドレスのデザイン、素敵ではありませんか?」
「白薔薇がたくさんついているデザインなのですね」
「わたくしは王家が決めたドレスを着て結婚します。そのことに何の文句もありません。ですが、お姉様は好きなドレスを着られるのだから、考えて見られてはいかがですか?」
ドレスのデザインを見せられてわたくしはクリスタからその本を受け取る。クラシックなドレスだが、白薔薇の装飾が美しい。
「エクムント様、このドレスはどうでしょう?」
「とても美しいですね。エリザベート嬢は女性の中でも長身の部類に入るので、よくお似合いになると思いますよ」
エクムント様にそう言っていただけてわたくしはドレスのデザインの候補としてそのデザインを目に焼き付けるようにじっと見つめた。残念ながらコピー機も何もないので、わたくしが記憶しておくことしかできない。
「このスカートの刺繍を全て銀糸で行ってはどうでしょう。きっとティアラやヴェールの刺繍によく合います」
「それはいい考えですわ、エクムント様」
ドレスのデザインも実際に絵に描かれているものを見ると固まってきて、わたくしは強く結婚を意識する。
「エクムント様のタキシードにも銀糸で刺繍を施したらいいですね」
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