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十三章 わたくしの結婚
3.辺境伯領のわたくしの部屋
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夕食の後、わたくしは広い豪華な部屋に招かれた。
その部屋に行くまでの廊下でエクムント様が説明してくださった。
「エリザベート嬢が辺境伯領へ嫁いできてくれたときのための部屋を用意しているのです。今は私が選んだカーテンやベッドカバーを使っていますが、エリザベート嬢がお好きなものを選んで構いません」
そう言われていたが、星空の模様のベッドカバーも、シックなターコイズブルーのカーテンも、わたくしは一目で気に入ってしまった。
「わたくし、このままで十分です。とても素敵なベッドカバーとカーテンです」
「気に入ってくださったならよかったです」
「エクムント様が選んでくださったのですから、大事に使います」
エクムント様はわたくしの趣味にぴったりと合うものを選んでくださっていた。
部屋に入ると、ソファセットがあって、机があって、椅子もあって、ベッドもある。
結婚したら夫婦の寝室でエクムント様と一緒に寝るのだと思っていたから、わたくしはベッドがあることに驚いていた。
「このベッドは?」
「結婚しても一人で眠りたい日があるかもしれません。それに、結婚するまでの間はエリザベート嬢が夫婦の寝室に泊まることはできませんからね」
言われてみればその通りだった。わたくしはまだエクムント様と一緒に夫婦の寝室で眠るわけにはいかない。
「夏休みに辺境伯領に来られたときには、クリスタ嬢用のエキストラベッドを入れて、二人で過ごせるようにしましょう」
「それは嬉しいですわ。レーニ嬢も来たときはどうしましょう?」
「そのソファはベッドにもなるのです。エキストラベッドを入れたらこの部屋では三人で眠れます」
しっかりとしたソファはベッドにもなるものだった。
わたくしの部屋が辺境伯領にあるということは、辺境伯領に嫁ぐ日をどうしても意識してしまう。
エクムント様を見ると、わたくしの手を引いて広い胸に抱きしめてくださる。
「このまま私のものにしてしまいたい」
「エクムント様……」
「ふふっ。大丈夫ですよ。エリザベート嬢が成人して学園を卒業するまで待っています」
声を出して笑うエクムント様にわたくしは見とれてしまっていた。
エクムント様の腕に抱かれていると、わたくしの心臓が早鐘のように打ち鳴らしている。恥ずかしいような、嬉しいような、複雑な気持ちである。
「明日の朝は、二人きりで庭を散歩しましょう」
「何時にお庭に行ったらいいですか?」
「いつもフランツ殿とマリア嬢と一緒に行くときには何時にしていますか?」
「朝の六時くらいです」
「それではそのころに」
指を絡めて約束をするわたくしとエクムント様。
エクムント様の腕から離されるかと思いきや、エクムント様に前髪を持ち上げられて額に口付けをされる。
「お休みなさい、エリザベート嬢」
「お、お休みなさいませ、エクムント様」
唇にではないが、額に口付けをされてわたくしは熱を持つ額を押さえてお休みの挨拶をしたのだった。
シャワーを浴びて寝る準備をしてベッドに入ると、美しい夜空の模様のベッドカバーが目に入る。手の平で撫でるとさらさらとして心地よい。
全然暑さも重さも感じないし、もしかするとこのベッドカバーは絹でできているのかもしれない。
辺境伯領は冬でも雪が降ることはないし、夏場は暑くなるので、カーテンも涼し気な薄いものだった。
美しいベッドカバーとカーテン。
ベッドにもなるソファ。
エクムント様の選んだものに囲まれてわたくしはぐっすりと眠った。
翌朝目を覚ますと、朝の六時近かった。
急いで洗面を済ませて支度をして庭に出ると、もう外は明るくなり始めている。
庭ではエクムント様がシャツとスラックス姿で待っていてくださった。
「遅れてすみません」
「いいえ、時間ぴったりですよ。私が少し早く来たのです」
隣りに並ぶと、エクムント様がわたくしの手を握る。指を絡めて手を繋いで歩いていると、緑の茂みが見える。
ブーゲンビリアやハイビスカス、アラマンダやプルメリアはまだ花をつけていないようだが、青々とした葉っぱはよく茂っていた。
庭には春薔薇の植えてある場所もある。春薔薇を見ていると、エクムント様がわたくしに声を掛ける。
「皇帝ダリアではありませんが、普通のダリアを植えている場所もあります。一緒に見に行きますか?」
「行きたいです」
「ブルーサルビアも植えています」
ダリアはエクムント様がディッペル家に仕えていたころにわたくしのお誕生日にプレゼントしてくれた花だった。そのせいでわたくしは花の中ではダリアが一番好きだった。
そういえばエクムント様はダリアがわたくしの誕生花だと言っていなかっただろうか。
「ダリアはわたくしの誕生花なのですか?」
「そうですよ。本に書かれていました」
「エクムント様の誕生花は何なのでしょう」
「調べたことはありませんね。今度調べてみますか」
話しながら庭を歩いてダリアの茂みの前に立つ。残念ながら花は咲いていなかったが、これからダリアも花が咲くだろう。
「ブルーサルビアも植えたのですか?」
「エリザベート嬢は小さなころに私にプレゼントしてくれたでしょう? あれから、ブルーサルビアが好きな花になりました」
わたくしがエクムント様から貰ったダリアを好きになったように、エクムント様もわたくしが差し上げたブルーサルビアを好きになってくれている。それはとても嬉しいことだった。
「辺境伯家に嫁いできてもダリアの花もブルーサルビアも春薔薇も庭にあります。見慣れたものがあった方がエリザベート嬢は落ち着くのではないかと思ったのです」
シュタール家の庭にナターリエ嬢とオリヴァー殿がまーちゃんのために薔薇の花を植えたように、エクムント様もわたくしのためにダリアやブルーサルビアや春薔薇を植えていてくれた。その心遣いがわたくしには嬉しかった。
朝の散歩が終わると、エクムント様とカサンドラ様と一緒に食堂で朝食を取る。
朝食はパンと生ハムとチーズとカリカリに焼いたベーコンとオムレツとフルーツサラダだった。フルーツのたくさん入ったサラダはデザート感覚で美味しくいただく。
飲み物は当然のようにわたくしにはミルクティーが出てきた。
「ディッペル領から貰った長毛の牛は山間の牧場で育てられています。まだ数は少ないですが、牛は出産しないと牛乳が出ないので、増えていくことでしょう」
そうなのだ。
わたくしもすっかりと忘れていたが、動物は出産しないとお乳は出ない。長毛の牛は長い期間牛乳を出すというが、それも出産してからの期間のことだ。出産していない牛からは牛乳は搾れないのだ。
そうなると牛が次々と生まれてくることになる。
牛肉用の牛ではないので、肉にされることもないだろう。
増えていく牛の中の雌牛は育ったら乳牛になるのだろう。
「このミルクティー、ディッペル領で飲むものと変わりませんわ」
「それはよかった。エリザベート嬢の舌を満足させられるなら、乳牛を買った甲斐があります」
わたくしのために山間で飼われている乳牛は、そのうちに辺境伯領中に牛乳を広めるのではないだろうか。
辺境伯領でも普通にミルクティーが飲まれる日は遠くない気がしていた。
朝食が終わるとわたくしは荷物を片付けて帰る準備をする。
トランクに荷物を詰めて、馬車に運ばせているとエクムント様が来てくださる。
「駅まで送りましょう」
「お忙しくないのですか?」
「少しの時間でも一緒に過ごしたいのです」
そんなことを言ってくださるエクムント様にわたくしは甘えることにして、駅まで送ってもらった。
冬の日にディッペル領で駅でエクムント様を見送ったのはわたくしだったが、今度は春の辺境伯領でわたくしをエクムント様が見送ってくださることになる。
「エリザベート嬢気を付けて」
「またすぐに会えますわ」
「その日を楽しみにしています」
列車に乗り込むわたくしに、エクムント様はずっと手を振り続けていた。
その部屋に行くまでの廊下でエクムント様が説明してくださった。
「エリザベート嬢が辺境伯領へ嫁いできてくれたときのための部屋を用意しているのです。今は私が選んだカーテンやベッドカバーを使っていますが、エリザベート嬢がお好きなものを選んで構いません」
そう言われていたが、星空の模様のベッドカバーも、シックなターコイズブルーのカーテンも、わたくしは一目で気に入ってしまった。
「わたくし、このままで十分です。とても素敵なベッドカバーとカーテンです」
「気に入ってくださったならよかったです」
「エクムント様が選んでくださったのですから、大事に使います」
エクムント様はわたくしの趣味にぴったりと合うものを選んでくださっていた。
部屋に入ると、ソファセットがあって、机があって、椅子もあって、ベッドもある。
結婚したら夫婦の寝室でエクムント様と一緒に寝るのだと思っていたから、わたくしはベッドがあることに驚いていた。
「このベッドは?」
「結婚しても一人で眠りたい日があるかもしれません。それに、結婚するまでの間はエリザベート嬢が夫婦の寝室に泊まることはできませんからね」
言われてみればその通りだった。わたくしはまだエクムント様と一緒に夫婦の寝室で眠るわけにはいかない。
「夏休みに辺境伯領に来られたときには、クリスタ嬢用のエキストラベッドを入れて、二人で過ごせるようにしましょう」
「それは嬉しいですわ。レーニ嬢も来たときはどうしましょう?」
「そのソファはベッドにもなるのです。エキストラベッドを入れたらこの部屋では三人で眠れます」
しっかりとしたソファはベッドにもなるものだった。
わたくしの部屋が辺境伯領にあるということは、辺境伯領に嫁ぐ日をどうしても意識してしまう。
エクムント様を見ると、わたくしの手を引いて広い胸に抱きしめてくださる。
「このまま私のものにしてしまいたい」
「エクムント様……」
「ふふっ。大丈夫ですよ。エリザベート嬢が成人して学園を卒業するまで待っています」
声を出して笑うエクムント様にわたくしは見とれてしまっていた。
エクムント様の腕に抱かれていると、わたくしの心臓が早鐘のように打ち鳴らしている。恥ずかしいような、嬉しいような、複雑な気持ちである。
「明日の朝は、二人きりで庭を散歩しましょう」
「何時にお庭に行ったらいいですか?」
「いつもフランツ殿とマリア嬢と一緒に行くときには何時にしていますか?」
「朝の六時くらいです」
「それではそのころに」
指を絡めて約束をするわたくしとエクムント様。
エクムント様の腕から離されるかと思いきや、エクムント様に前髪を持ち上げられて額に口付けをされる。
「お休みなさい、エリザベート嬢」
「お、お休みなさいませ、エクムント様」
唇にではないが、額に口付けをされてわたくしは熱を持つ額を押さえてお休みの挨拶をしたのだった。
シャワーを浴びて寝る準備をしてベッドに入ると、美しい夜空の模様のベッドカバーが目に入る。手の平で撫でるとさらさらとして心地よい。
全然暑さも重さも感じないし、もしかするとこのベッドカバーは絹でできているのかもしれない。
辺境伯領は冬でも雪が降ることはないし、夏場は暑くなるので、カーテンも涼し気な薄いものだった。
美しいベッドカバーとカーテン。
ベッドにもなるソファ。
エクムント様の選んだものに囲まれてわたくしはぐっすりと眠った。
翌朝目を覚ますと、朝の六時近かった。
急いで洗面を済ませて支度をして庭に出ると、もう外は明るくなり始めている。
庭ではエクムント様がシャツとスラックス姿で待っていてくださった。
「遅れてすみません」
「いいえ、時間ぴったりですよ。私が少し早く来たのです」
隣りに並ぶと、エクムント様がわたくしの手を握る。指を絡めて手を繋いで歩いていると、緑の茂みが見える。
ブーゲンビリアやハイビスカス、アラマンダやプルメリアはまだ花をつけていないようだが、青々とした葉っぱはよく茂っていた。
庭には春薔薇の植えてある場所もある。春薔薇を見ていると、エクムント様がわたくしに声を掛ける。
「皇帝ダリアではありませんが、普通のダリアを植えている場所もあります。一緒に見に行きますか?」
「行きたいです」
「ブルーサルビアも植えています」
ダリアはエクムント様がディッペル家に仕えていたころにわたくしのお誕生日にプレゼントしてくれた花だった。そのせいでわたくしは花の中ではダリアが一番好きだった。
そういえばエクムント様はダリアがわたくしの誕生花だと言っていなかっただろうか。
「ダリアはわたくしの誕生花なのですか?」
「そうですよ。本に書かれていました」
「エクムント様の誕生花は何なのでしょう」
「調べたことはありませんね。今度調べてみますか」
話しながら庭を歩いてダリアの茂みの前に立つ。残念ながら花は咲いていなかったが、これからダリアも花が咲くだろう。
「ブルーサルビアも植えたのですか?」
「エリザベート嬢は小さなころに私にプレゼントしてくれたでしょう? あれから、ブルーサルビアが好きな花になりました」
わたくしがエクムント様から貰ったダリアを好きになったように、エクムント様もわたくしが差し上げたブルーサルビアを好きになってくれている。それはとても嬉しいことだった。
「辺境伯家に嫁いできてもダリアの花もブルーサルビアも春薔薇も庭にあります。見慣れたものがあった方がエリザベート嬢は落ち着くのではないかと思ったのです」
シュタール家の庭にナターリエ嬢とオリヴァー殿がまーちゃんのために薔薇の花を植えたように、エクムント様もわたくしのためにダリアやブルーサルビアや春薔薇を植えていてくれた。その心遣いがわたくしには嬉しかった。
朝の散歩が終わると、エクムント様とカサンドラ様と一緒に食堂で朝食を取る。
朝食はパンと生ハムとチーズとカリカリに焼いたベーコンとオムレツとフルーツサラダだった。フルーツのたくさん入ったサラダはデザート感覚で美味しくいただく。
飲み物は当然のようにわたくしにはミルクティーが出てきた。
「ディッペル領から貰った長毛の牛は山間の牧場で育てられています。まだ数は少ないですが、牛は出産しないと牛乳が出ないので、増えていくことでしょう」
そうなのだ。
わたくしもすっかりと忘れていたが、動物は出産しないとお乳は出ない。長毛の牛は長い期間牛乳を出すというが、それも出産してからの期間のことだ。出産していない牛からは牛乳は搾れないのだ。
そうなると牛が次々と生まれてくることになる。
牛肉用の牛ではないので、肉にされることもないだろう。
増えていく牛の中の雌牛は育ったら乳牛になるのだろう。
「このミルクティー、ディッペル領で飲むものと変わりませんわ」
「それはよかった。エリザベート嬢の舌を満足させられるなら、乳牛を買った甲斐があります」
わたくしのために山間で飼われている乳牛は、そのうちに辺境伯領中に牛乳を広めるのではないだろうか。
辺境伯領でも普通にミルクティーが飲まれる日は遠くない気がしていた。
朝食が終わるとわたくしは荷物を片付けて帰る準備をする。
トランクに荷物を詰めて、馬車に運ばせているとエクムント様が来てくださる。
「駅まで送りましょう」
「お忙しくないのですか?」
「少しの時間でも一緒に過ごしたいのです」
そんなことを言ってくださるエクムント様にわたくしは甘えることにして、駅まで送ってもらった。
冬の日にディッペル領で駅でエクムント様を見送ったのはわたくしだったが、今度は春の辺境伯領でわたくしをエクムント様が見送ってくださることになる。
「エリザベート嬢気を付けて」
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