416 / 528
十二章 両親の事故とわたくしが主役の物語
24.レースの縁取りの扇
しおりを挟む
シュタール家から帰る直前に、オリヴァー殿がわたくしとクリスタちゃんとまーちゃんと母に細い箱を渡してくる。
箱を開けると、綺麗なレースの縁取りの扇が入っていた。
「辺境伯領はこの暑さですので、扇でも使って風を起こさないと耐えられないでしょう。このレース編みはフィンガーブレスレットの工房の編み方を改良したものなのです」
「レースの縁取りの扇なんて初めてですわ」
「とてもお洒落ですね」
「わたくしにもいただいていいのですか?」
「わたくしにまであるのですね」
まーちゃんと母も扇をもらって喜んでいる。まだ七歳になったばかりのまーちゃんは扇を持つのは初めてである。
淑女の嗜みとして扇をパーティーバッグに入れておいて、口元を隠して笑うのに使ったりするのだが、まーちゃんはまだ小さかったので、扇を使うまでもなかったのだ。
扇は暗い色が主流なのに、レースの縁取りで白くて、金糸や銀糸で刺繍の入っている扇はとても美しかった。
「ありがとうございます、オリヴァー殿」
「とても嬉しいです」
「わたくし、扇を持つのは初めてです。初めての扇がオリヴァー殿のくださったものでとても幸せです」
「わたくしにまでありがとうございます」
お礼を言いながらも、これを国王陛下の別荘で出して使ったら、ノエル殿下もユリアーナ殿下もレーニちゃんも王妃殿下も興味を持つだろうということは頭の片隅にあった。わたくしたちが使うということは、宣伝にもなるのでオリヴァー殿が新しいデザインの扇を流行らせようとしているのならば、わたくしたち一家が国王陛下御一家の前で使うのが一番早いのである。
そういう計算もあるのだろうが、まーちゃんは純粋にオリヴァー殿からの初めての扇を喜んでいるし、わたくしもレースの縁取りのある白い美しい扇には見とれるほどだったので、純粋に喜んでもいた。
馬車が用意されて辺境伯家に戻ることになる。
わたくしはエクムント様と二人で辺境伯家の馬車に乗り、両親とクリスタちゃんとふーちゃんとまーちゃんがディッペル家の馬車に乗る。
実のところ、辺境伯領にも王都にもディッペル家は別荘を持っている。他の土地でも大抵の場所には別荘を持っている。各地で出される馬車はその別荘から持ってこられているのだ。
別荘があるのは知っているが、わたくしは辺境伯家に泊まるのに慣れてしまっていて、別荘に泊まったことは一度もない。別荘はきちんと管理されていていつでも使えるはずなのだが、それを使う必要はないのだ。
ただ、別荘で管理している馬車だけはいつも便利に使われている。
辺境伯家もディッペル家と同じく王都にもディッペル公爵領にも他の領地にも別荘を持っている。ほとんどの貴族はそのようにして各地に別荘を持っているのだ。
別荘を使うことがほとんどないとしても。
辺境伯家に帰ると、まーちゃんが扇を取り出して広げてみてその美しさにため息を零し、ぱたぱたと自分を扇いでみている。
「エリザベートお姉様、クリスタお姉様、いい香りがします」
「軸の木に香を焚きしめているのでしょうね」
「わたくしの扇もいい香りがしますわ」
扇で起こした風に乗って香りが漂ってくるのを、まーちゃんは感激しながら嗅いでいる。
「香が薄くなったら、いい香りの香を焚きしめましょうね」
「エリザベートお姉様、してくださいますか?」
「一緒にしましょうね」
幸せそうに扇を胸に抱いているまーちゃんに、わたくしは快く返事をしていた。
辺境伯家で食事をして、その日は休んで、次の日は扇の工房に見学に行って、その次の日はオリヴァー殿とナターリエ嬢とシュタール侯爵を招いてお茶会をして過ごした。
辺境伯領にいる間、まーちゃんはずっと幸せそうにしていた。
「オリヴァー殿、国王陛下の別荘でお会いしましょうね」
「マリア様、そのときにはお茶をご一緒しましょう」
「はい、オリヴァー殿」
約束をしてオリヴァー殿とナターリエ嬢とシュタール侯爵を送り出すまーちゃんは恋する乙女の目をしていた。
一週間の辺境伯領滞在も始まってしまえばあっという間に終わってしまう。
荷物を纏めて帰りの馬車に積んでもらっていると、エクムント様がわたくしの手を取る。
「エリザベート嬢、今年の誕生日には婚約指輪を、来年の誕生日には結婚指輪を作らせましょう」
「わたくし、婚約はもう八歳のときからしておりますわ」
「婚約指輪は作っていなかったでしょう? エリザベート嬢の手が成長途中だったので作らせなかったのです。今ならば大きくサイズが変わることはないでしょう」
今年のわたくしのお誕生日に婚約指輪を作って、来年のお誕生日には結婚指輪を作る。
それは結婚式へのカウントダウンのようでわたくしは心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
「とても嬉しいです」
「婚約指輪にはサファイアを、結婚指輪には裏側に小さなサファイアをはめ込みましょう」
具体的に婚約指輪と結婚指輪の話を聞いて、わたくしは期待に胸が膨らむ思いであった。
「エリザベート嬢、愛しています」
手を引き寄せられて、薬指に口付けを落とされて、わたくしは顔が熱くなってくる。エクムント様はわたくしの左手を取っているので、その薬指は指輪を付ける場所である。
両親もクリスタちゃんもふーちゃんもまーちゃんもいる前で、左手の薬指に口付けられて愛の言葉を囁かれて、わたくしはどうすればいいのか分からなくなってしまう。
「わ、わたくしも」
愛しています、とまでは口に出すことができなかったが、エクムント様はにこりと微笑んで、わたくしの手を取ったまま、馬車のステップを上がらせてくれた。
エクムント様に口付けられた左手を胸に抱くようにして馬車の座席に座ったわたくしに、隣りに座ったクリスタちゃんがため息をついていた。
「エクムント様はスマートに愛の言葉も囁くのですね」
「そ、そうですね。みんながいるのにびっくりしました」
「お姉様は幸せですか?」
クリスタちゃんの問いかけに、わたくしはこくこくと頷く。
「お姉様が幸せならば、わたくしは何も言いません。言えません……」
なんとなくクリスタちゃんが、わたくしとエクムント様に対して言いたいことがあるような気はしているのだが、それが何か分からずに、わたくしはただ左手を右手で握って胸に抱いていた。
ディッペル家に帰ると、今度は国王陛下の別荘に行く準備をしなければいけない。
辺境伯領の夏は厳しいので、涼しい服と日よけの上着が必須だったが、今度は王都の夏を想定して荷造りをしなければいけない。
ワンピースも辺境伯領で着たものはかなりラフなものだったが、詩的な場とはいえ国王陛下の御前に出るので、少し形式ばったワンピースを選ばなければいけなかった。サンダルは履かないで、薄いストッキングと磨かれた革靴を履くようにする。
サンダルを履けないのは残念だが、国王陛下の御前で素足を晒すようなことはできなかった。
「クラリッサ、せっかく足の爪を塗ってくれたのに、見せられなくて残念です」
「足の爪は伸びるのが遅いので、塗ったままにしておいてよろしいのではないでしょうか。爪は見せるためだけに塗るのではありません。ご自分が楽しむために塗ってもよろしいのですよ」
「そうですね。わたくし、足の爪に塗ってもらったネイルは、自分で楽しむことにします」
まーちゃんとクラリッサの会話に、わたくしも足の爪のネイルは剥がさないでおこうと心に誓った。足の爪ならば見えないので、学園が始まっても剥がさずに済むかもしれない。
自分の楽しみのために爪を塗るというクラリッサの考えが、わたくしはとても気に入ってしまった。
「お姉様、扇は入れましたか?」
「入れましたわ。新しい扇も、今まで使っていた扇も」
「わたくしも今まで使っていた扇を入れましょう」
新しい扇を持っていくか気にしているクリスタちゃんには、今まで持っていたものも一緒に持っていくことを伝える。
国王陛下の別荘で、わたくしたちが扇をお揃いで持っていたら、話題になるに違いない。
それも楽しみだった。
箱を開けると、綺麗なレースの縁取りの扇が入っていた。
「辺境伯領はこの暑さですので、扇でも使って風を起こさないと耐えられないでしょう。このレース編みはフィンガーブレスレットの工房の編み方を改良したものなのです」
「レースの縁取りの扇なんて初めてですわ」
「とてもお洒落ですね」
「わたくしにもいただいていいのですか?」
「わたくしにまであるのですね」
まーちゃんと母も扇をもらって喜んでいる。まだ七歳になったばかりのまーちゃんは扇を持つのは初めてである。
淑女の嗜みとして扇をパーティーバッグに入れておいて、口元を隠して笑うのに使ったりするのだが、まーちゃんはまだ小さかったので、扇を使うまでもなかったのだ。
扇は暗い色が主流なのに、レースの縁取りで白くて、金糸や銀糸で刺繍の入っている扇はとても美しかった。
「ありがとうございます、オリヴァー殿」
「とても嬉しいです」
「わたくし、扇を持つのは初めてです。初めての扇がオリヴァー殿のくださったものでとても幸せです」
「わたくしにまでありがとうございます」
お礼を言いながらも、これを国王陛下の別荘で出して使ったら、ノエル殿下もユリアーナ殿下もレーニちゃんも王妃殿下も興味を持つだろうということは頭の片隅にあった。わたくしたちが使うということは、宣伝にもなるのでオリヴァー殿が新しいデザインの扇を流行らせようとしているのならば、わたくしたち一家が国王陛下御一家の前で使うのが一番早いのである。
そういう計算もあるのだろうが、まーちゃんは純粋にオリヴァー殿からの初めての扇を喜んでいるし、わたくしもレースの縁取りのある白い美しい扇には見とれるほどだったので、純粋に喜んでもいた。
馬車が用意されて辺境伯家に戻ることになる。
わたくしはエクムント様と二人で辺境伯家の馬車に乗り、両親とクリスタちゃんとふーちゃんとまーちゃんがディッペル家の馬車に乗る。
実のところ、辺境伯領にも王都にもディッペル家は別荘を持っている。他の土地でも大抵の場所には別荘を持っている。各地で出される馬車はその別荘から持ってこられているのだ。
別荘があるのは知っているが、わたくしは辺境伯家に泊まるのに慣れてしまっていて、別荘に泊まったことは一度もない。別荘はきちんと管理されていていつでも使えるはずなのだが、それを使う必要はないのだ。
ただ、別荘で管理している馬車だけはいつも便利に使われている。
辺境伯家もディッペル家と同じく王都にもディッペル公爵領にも他の領地にも別荘を持っている。ほとんどの貴族はそのようにして各地に別荘を持っているのだ。
別荘を使うことがほとんどないとしても。
辺境伯家に帰ると、まーちゃんが扇を取り出して広げてみてその美しさにため息を零し、ぱたぱたと自分を扇いでみている。
「エリザベートお姉様、クリスタお姉様、いい香りがします」
「軸の木に香を焚きしめているのでしょうね」
「わたくしの扇もいい香りがしますわ」
扇で起こした風に乗って香りが漂ってくるのを、まーちゃんは感激しながら嗅いでいる。
「香が薄くなったら、いい香りの香を焚きしめましょうね」
「エリザベートお姉様、してくださいますか?」
「一緒にしましょうね」
幸せそうに扇を胸に抱いているまーちゃんに、わたくしは快く返事をしていた。
辺境伯家で食事をして、その日は休んで、次の日は扇の工房に見学に行って、その次の日はオリヴァー殿とナターリエ嬢とシュタール侯爵を招いてお茶会をして過ごした。
辺境伯領にいる間、まーちゃんはずっと幸せそうにしていた。
「オリヴァー殿、国王陛下の別荘でお会いしましょうね」
「マリア様、そのときにはお茶をご一緒しましょう」
「はい、オリヴァー殿」
約束をしてオリヴァー殿とナターリエ嬢とシュタール侯爵を送り出すまーちゃんは恋する乙女の目をしていた。
一週間の辺境伯領滞在も始まってしまえばあっという間に終わってしまう。
荷物を纏めて帰りの馬車に積んでもらっていると、エクムント様がわたくしの手を取る。
「エリザベート嬢、今年の誕生日には婚約指輪を、来年の誕生日には結婚指輪を作らせましょう」
「わたくし、婚約はもう八歳のときからしておりますわ」
「婚約指輪は作っていなかったでしょう? エリザベート嬢の手が成長途中だったので作らせなかったのです。今ならば大きくサイズが変わることはないでしょう」
今年のわたくしのお誕生日に婚約指輪を作って、来年のお誕生日には結婚指輪を作る。
それは結婚式へのカウントダウンのようでわたくしは心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
「とても嬉しいです」
「婚約指輪にはサファイアを、結婚指輪には裏側に小さなサファイアをはめ込みましょう」
具体的に婚約指輪と結婚指輪の話を聞いて、わたくしは期待に胸が膨らむ思いであった。
「エリザベート嬢、愛しています」
手を引き寄せられて、薬指に口付けを落とされて、わたくしは顔が熱くなってくる。エクムント様はわたくしの左手を取っているので、その薬指は指輪を付ける場所である。
両親もクリスタちゃんもふーちゃんもまーちゃんもいる前で、左手の薬指に口付けられて愛の言葉を囁かれて、わたくしはどうすればいいのか分からなくなってしまう。
「わ、わたくしも」
愛しています、とまでは口に出すことができなかったが、エクムント様はにこりと微笑んで、わたくしの手を取ったまま、馬車のステップを上がらせてくれた。
エクムント様に口付けられた左手を胸に抱くようにして馬車の座席に座ったわたくしに、隣りに座ったクリスタちゃんがため息をついていた。
「エクムント様はスマートに愛の言葉も囁くのですね」
「そ、そうですね。みんながいるのにびっくりしました」
「お姉様は幸せですか?」
クリスタちゃんの問いかけに、わたくしはこくこくと頷く。
「お姉様が幸せならば、わたくしは何も言いません。言えません……」
なんとなくクリスタちゃんが、わたくしとエクムント様に対して言いたいことがあるような気はしているのだが、それが何か分からずに、わたくしはただ左手を右手で握って胸に抱いていた。
ディッペル家に帰ると、今度は国王陛下の別荘に行く準備をしなければいけない。
辺境伯領の夏は厳しいので、涼しい服と日よけの上着が必須だったが、今度は王都の夏を想定して荷造りをしなければいけない。
ワンピースも辺境伯領で着たものはかなりラフなものだったが、詩的な場とはいえ国王陛下の御前に出るので、少し形式ばったワンピースを選ばなければいけなかった。サンダルは履かないで、薄いストッキングと磨かれた革靴を履くようにする。
サンダルを履けないのは残念だが、国王陛下の御前で素足を晒すようなことはできなかった。
「クラリッサ、せっかく足の爪を塗ってくれたのに、見せられなくて残念です」
「足の爪は伸びるのが遅いので、塗ったままにしておいてよろしいのではないでしょうか。爪は見せるためだけに塗るのではありません。ご自分が楽しむために塗ってもよろしいのですよ」
「そうですね。わたくし、足の爪に塗ってもらったネイルは、自分で楽しむことにします」
まーちゃんとクラリッサの会話に、わたくしも足の爪のネイルは剥がさないでおこうと心に誓った。足の爪ならば見えないので、学園が始まっても剥がさずに済むかもしれない。
自分の楽しみのために爪を塗るというクラリッサの考えが、わたくしはとても気に入ってしまった。
「お姉様、扇は入れましたか?」
「入れましたわ。新しい扇も、今まで使っていた扇も」
「わたくしも今まで使っていた扇を入れましょう」
新しい扇を持っていくか気にしているクリスタちゃんには、今まで持っていたものも一緒に持っていくことを伝える。
国王陛下の別荘で、わたくしたちが扇をお揃いで持っていたら、話題になるに違いない。
それも楽しみだった。
270
お気に入りに追加
1,684
あなたにおすすめの小説

その転生幼女、取り扱い注意〜稀代の魔術師は魔王の娘になりました〜
みおな
ファンタジー
かつて、稀代の魔術師と呼ばれた魔女がいた。
魔王をも単独で滅ぼせるほどの力を持った彼女は、周囲に畏怖され、罠にかけて殺されてしまう。
目覚めたら、三歳の幼子に生まれ変わっていた?
国のため、民のために魔法を使っていた彼女は、今度の生は自分のために生きることを決意する。

かつて私のお母様に婚約破棄を突き付けた国王陛下が倅と婚約して後ろ盾になれと脅してきました
お好み焼き
恋愛
私のお母様は学生時代に婚約破棄されました。当時王太子だった現国王陛下にです。その国王陛下が「リザベリーナ嬢。余の倅と婚約して後ろ盾になれ。これは王命である」と私に圧をかけてきました。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
実家から絶縁されたので好きに生きたいと思います
榎夜
ファンタジー
婚約者が妹に奪われた挙句、家から絶縁されました。
なので、これからは自分自身の為に生きてもいいですよね?
【ご報告】
書籍化のお話を頂きまして、31日で非公開とさせていただきますm(_ _)m
発売日等は現在調整中です。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる