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十一章 ネイルアートとフィンガーブレスレット
45.エクムント様の嫉妬
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クリスタちゃんとふーちゃんのお誕生日の前日からエクムント様はディッペル家に泊まってくださる。辺境伯領から移動が大変なのもあるが、エクムント様はそれでも執務が忙しいときには当日やってきていたので、最近は執務が落ち着いているのかもしれない。
前日の夕食までに来たエクムント様と夕食を一緒に食べて、食後、食堂のソファで寛いでいると、エクムント様がわたくしに微笑みかける。
「辺境伯領での執務が落ち着いているおかげで、エリザベート嬢と過ごす時間も取れるようになりました」
「わたくしと過ごすために前日から来てくださっているのですか?」
「カサンドラ様に言われているのです。エリザベート嬢と円満な関係を築きなさいと」
「え!? わたくしとエクムント様は非常にいい関係ですよ」
「それでも、年頃のエリザベート嬢には何か心変わりすることがあるかもしれないと言われました。私はエリザベート嬢を信じていますよ」
そう言われて思い出したのは学年の終わりの日だった。
あの日、わたくしはお茶会の後で女子寮を訪ねてきた一人の男子生徒に呼び出されていた。
「エリザベート・ディッペル様、あなたに婚約者がいて、私に少しも希望がないのは分かっています。ですが、一生の思い出に、私とプロムで踊っていただけませんでしょうか?」
それはペオーニエ寮に所属している男子生徒で、確か侯爵家の跡取りだった気がする。
侯爵家の跡取りならば、婚約が決まっていて、卒業後は結婚が決まっているのだろうが、わたくしにプロムのパートナーを申し込んできた。
「申し訳ありませんが、わたくしは婚約者がいる身。婚約者のエクムント様をお慕いしております。婚約者のエクムント様に顔向けできないようなことはしません。お断りいたします」
はっきりとわたくしの気持ちは伝えて、その男子生徒は泣きそうな顔で帰って行ったのだが、わたくしはその男子生徒の名前も顔も全く覚えていなかった。
「実はそのようなことがありました」
「勇気のある生徒ですね。名前は?」
「それが、覚えていないのです」
興味がなかったので聞く気がなかったし、その男子生徒もわたくしに申し込んだとなれば婚約者との関係が微妙になってしまうかもしれない。それを考えて、あえてわたくしはその男子生徒のことを記憶に残さなかった。
「学園に所属していると気が大きくなって勘違いする生徒がいるのですね。エリザベート嬢は公爵令嬢で身分差があるというのに」
本来ならば声をかけてはいけない相手のはずなのに、男子生徒はわたくしを寮の入り口のロビーまで呼び出した。一人で行くのは不安だったのでわたくしはクリスタちゃんについてきてもらっていた。
「わたくし、その男子生徒の名前を覚えていますよ」
「後でこっそりと教えてください、クリスタ嬢」
一緒にいたクリスタちゃんはしっかりと男子生徒の名前を覚えていたようだった。
「エリザベート嬢をかけて決闘をしかけられたら、私は受けるつもりですよ」
「そこまでの勇気はないと思います」
士官学校を出ているエクムント様と、学園しか出ていないその男子生徒では決闘と言えば勝敗ははっきりと分かるだろう。エクムント様が負けるわけがない。
「エクムント様は十一歳で士官学校に入られて、十七歳で卒業されたのですよね。わたくしは十二歳で学園に入学して、十八歳で卒業しますが、士官学校は仕組みが違うのですか?」
「私は早く独り立ちしたかったので、無理を言って十一歳で士官学校に入学させてもらったのです。カサンドラ様に十一歳のときに声をかけられたというのもありました」
「十一歳のときにカサンドラ様に声をかけられたのですか?」
「はい。『エクムントが士官学校に入学し、卒業して、五年間ディッペル家で修業をしたら、辺境伯家に養子に迎えて将来は辺境伯となるようにしたいと思うがどうか?』と聞かれて、私はキルヒマン家の三男でもらえる領地もなかったので、すぐに決断しました」
決断した年が十一歳だったので、エクムント様は普通よりも一年早く士官学校に入学したのか。一年でも早く辺境伯領に行きたいという気持ちが先に立ったのだろう。
士官学校は早くから入学するという柔軟な対応もしてくれるらしい。
「エクムント様は士官学校を卒業しています。その男子生徒は学園しか卒業していません。決闘をしたらどちらが勝つかなんて分かりきっていると思いますよ」
「それでも、私の婚約者にプロムのパートナーを申し込んだのですから、婚約者の名誉のために私は戦わねばならないでしょう」
「やめてください、エクムント様。はっきりとお断りしたのでこの話はもう終わりです」
「私の婚約者のエリザベート嬢に手を出されそうになったのに?」
エクムント様の表情が笑っているがなんだか怖いような気がしてわたくしは驚いてしまう。エクムント様もこういう表情をなさるのだ。
「エリザベート嬢に手を出そうとするとこうなるのだと見せておいた方がいいのではないかと思いまして」
「エクムント様、やりすぎはよくありませんわ。クリスタも、エクムント様にあの男子生徒の名前を教えてはいけませんよ」
「お姉様、いけませんか?」
「決闘だなんて血生臭いことはわたくしは好きではありません」
エクムント様が必ず勝つにしても、男子生徒がどうなってしまうか心配である。痛い目を見せられて、わたくしへの想いを断ち切れればいいのだが、エクムント様への憎しみを蓄えてしまいそうな気がするのだ。
わたくしのせいでエクムント様が憎まれるのはよくない。
辺境伯家と侯爵家で身分は違うとはいえ、中央の貴族と関係が悪くなるのは避けたかった。
「エリザベート嬢はその男子生徒を庇うのですか?」
「わたくしが心配なのはエクムント様です。中央の貴族と辺境伯領が関係が悪くなるのはよくないでしょう?」
わたくしが言えばエクムント様も納得してくださったようだ。
「それならば、その男子生徒の名前は聞きません」
「わたくしがエクムント様から心を違えるなんてことは絶対にありませんので、ご安心ください」
宣言すると、エクムント様も頷いてくださった。
もしかするとエクムント様は少し嫉妬深いのかもしれない。
わたくしはそう思っていた。
春になったので朝も暖かく起きやすい。
早朝にふーちゃんとまーちゃんが起こしに来ても、わたくしはすぐに布団から出ることができた。
洗面をして身支度を整えて廊下に出ると、隣りの部屋のクリスタちゃんもちょうど部屋から出るところだった。
「エリザベートお姉様、クリスタお姉様、おはようございます」
「今日もとってもいいお天気ですよ」
楽し気に朝の散歩に出かけるふーちゃんとまーちゃんと追いかけていくと、庭でエクムント様と合流する。エクムント様はシャツとスラックス姿でラフな格好だった。
わたくしとクリスタちゃんもワンピース姿だ。
「おはようございます、エクムント様」
「おはようございます、エリザベート嬢」
挨拶をするとエクムント様がわたくしの手を取る。手を握られて、わたくしは心拍数が上がるのを感じる。
「クリスタお姉様、鬼ごっこの鬼をしてください!」
「わたくしたち、逃げます!」
「分かりました。十数えますよ?」
クリスタちゃんとふーちゃんとまーちゃんはわたくしとエクムント様の時間を邪魔しないでくれる。鬼ごっこを始めたクリスタちゃんとふーちゃんとまーちゃんを見ていると、エクムント様が唇を弧の形にした。
「私も小さいころは兄たちと鬼ごっこをたくさんしました」
「エクムント様は強かったのですか?」
「足は速かったですね。でも、兄にフェイントをかけられて捕まることもありました」
わたくしの知らないエクムント様の小さなころの話を聞けている。
わたくしは庭を駆け回るふーちゃんとまーちゃんに、エクムント様の小さなころの姿を重ねていた。
前日の夕食までに来たエクムント様と夕食を一緒に食べて、食後、食堂のソファで寛いでいると、エクムント様がわたくしに微笑みかける。
「辺境伯領での執務が落ち着いているおかげで、エリザベート嬢と過ごす時間も取れるようになりました」
「わたくしと過ごすために前日から来てくださっているのですか?」
「カサンドラ様に言われているのです。エリザベート嬢と円満な関係を築きなさいと」
「え!? わたくしとエクムント様は非常にいい関係ですよ」
「それでも、年頃のエリザベート嬢には何か心変わりすることがあるかもしれないと言われました。私はエリザベート嬢を信じていますよ」
そう言われて思い出したのは学年の終わりの日だった。
あの日、わたくしはお茶会の後で女子寮を訪ねてきた一人の男子生徒に呼び出されていた。
「エリザベート・ディッペル様、あなたに婚約者がいて、私に少しも希望がないのは分かっています。ですが、一生の思い出に、私とプロムで踊っていただけませんでしょうか?」
それはペオーニエ寮に所属している男子生徒で、確か侯爵家の跡取りだった気がする。
侯爵家の跡取りならば、婚約が決まっていて、卒業後は結婚が決まっているのだろうが、わたくしにプロムのパートナーを申し込んできた。
「申し訳ありませんが、わたくしは婚約者がいる身。婚約者のエクムント様をお慕いしております。婚約者のエクムント様に顔向けできないようなことはしません。お断りいたします」
はっきりとわたくしの気持ちは伝えて、その男子生徒は泣きそうな顔で帰って行ったのだが、わたくしはその男子生徒の名前も顔も全く覚えていなかった。
「実はそのようなことがありました」
「勇気のある生徒ですね。名前は?」
「それが、覚えていないのです」
興味がなかったので聞く気がなかったし、その男子生徒もわたくしに申し込んだとなれば婚約者との関係が微妙になってしまうかもしれない。それを考えて、あえてわたくしはその男子生徒のことを記憶に残さなかった。
「学園に所属していると気が大きくなって勘違いする生徒がいるのですね。エリザベート嬢は公爵令嬢で身分差があるというのに」
本来ならば声をかけてはいけない相手のはずなのに、男子生徒はわたくしを寮の入り口のロビーまで呼び出した。一人で行くのは不安だったのでわたくしはクリスタちゃんについてきてもらっていた。
「わたくし、その男子生徒の名前を覚えていますよ」
「後でこっそりと教えてください、クリスタ嬢」
一緒にいたクリスタちゃんはしっかりと男子生徒の名前を覚えていたようだった。
「エリザベート嬢をかけて決闘をしかけられたら、私は受けるつもりですよ」
「そこまでの勇気はないと思います」
士官学校を出ているエクムント様と、学園しか出ていないその男子生徒では決闘と言えば勝敗ははっきりと分かるだろう。エクムント様が負けるわけがない。
「エクムント様は十一歳で士官学校に入られて、十七歳で卒業されたのですよね。わたくしは十二歳で学園に入学して、十八歳で卒業しますが、士官学校は仕組みが違うのですか?」
「私は早く独り立ちしたかったので、無理を言って十一歳で士官学校に入学させてもらったのです。カサンドラ様に十一歳のときに声をかけられたというのもありました」
「十一歳のときにカサンドラ様に声をかけられたのですか?」
「はい。『エクムントが士官学校に入学し、卒業して、五年間ディッペル家で修業をしたら、辺境伯家に養子に迎えて将来は辺境伯となるようにしたいと思うがどうか?』と聞かれて、私はキルヒマン家の三男でもらえる領地もなかったので、すぐに決断しました」
決断した年が十一歳だったので、エクムント様は普通よりも一年早く士官学校に入学したのか。一年でも早く辺境伯領に行きたいという気持ちが先に立ったのだろう。
士官学校は早くから入学するという柔軟な対応もしてくれるらしい。
「エクムント様は士官学校を卒業しています。その男子生徒は学園しか卒業していません。決闘をしたらどちらが勝つかなんて分かりきっていると思いますよ」
「それでも、私の婚約者にプロムのパートナーを申し込んだのですから、婚約者の名誉のために私は戦わねばならないでしょう」
「やめてください、エクムント様。はっきりとお断りしたのでこの話はもう終わりです」
「私の婚約者のエリザベート嬢に手を出されそうになったのに?」
エクムント様の表情が笑っているがなんだか怖いような気がしてわたくしは驚いてしまう。エクムント様もこういう表情をなさるのだ。
「エリザベート嬢に手を出そうとするとこうなるのだと見せておいた方がいいのではないかと思いまして」
「エクムント様、やりすぎはよくありませんわ。クリスタも、エクムント様にあの男子生徒の名前を教えてはいけませんよ」
「お姉様、いけませんか?」
「決闘だなんて血生臭いことはわたくしは好きではありません」
エクムント様が必ず勝つにしても、男子生徒がどうなってしまうか心配である。痛い目を見せられて、わたくしへの想いを断ち切れればいいのだが、エクムント様への憎しみを蓄えてしまいそうな気がするのだ。
わたくしのせいでエクムント様が憎まれるのはよくない。
辺境伯家と侯爵家で身分は違うとはいえ、中央の貴族と関係が悪くなるのは避けたかった。
「エリザベート嬢はその男子生徒を庇うのですか?」
「わたくしが心配なのはエクムント様です。中央の貴族と辺境伯領が関係が悪くなるのはよくないでしょう?」
わたくしが言えばエクムント様も納得してくださったようだ。
「それならば、その男子生徒の名前は聞きません」
「わたくしがエクムント様から心を違えるなんてことは絶対にありませんので、ご安心ください」
宣言すると、エクムント様も頷いてくださった。
もしかするとエクムント様は少し嫉妬深いのかもしれない。
わたくしはそう思っていた。
春になったので朝も暖かく起きやすい。
早朝にふーちゃんとまーちゃんが起こしに来ても、わたくしはすぐに布団から出ることができた。
洗面をして身支度を整えて廊下に出ると、隣りの部屋のクリスタちゃんもちょうど部屋から出るところだった。
「エリザベートお姉様、クリスタお姉様、おはようございます」
「今日もとってもいいお天気ですよ」
楽し気に朝の散歩に出かけるふーちゃんとまーちゃんと追いかけていくと、庭でエクムント様と合流する。エクムント様はシャツとスラックス姿でラフな格好だった。
わたくしとクリスタちゃんもワンピース姿だ。
「おはようございます、エクムント様」
「おはようございます、エリザベート嬢」
挨拶をするとエクムント様がわたくしの手を取る。手を握られて、わたくしは心拍数が上がるのを感じる。
「クリスタお姉様、鬼ごっこの鬼をしてください!」
「わたくしたち、逃げます!」
「分かりました。十数えますよ?」
クリスタちゃんとふーちゃんとまーちゃんはわたくしとエクムント様の時間を邪魔しないでくれる。鬼ごっこを始めたクリスタちゃんとふーちゃんとまーちゃんを見ていると、エクムント様が唇を弧の形にした。
「私も小さいころは兄たちと鬼ごっこをたくさんしました」
「エクムント様は強かったのですか?」
「足は速かったですね。でも、兄にフェイントをかけられて捕まることもありました」
わたくしの知らないエクムント様の小さなころの話を聞けている。
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