388 / 528
十一章 ネイルアートとフィンガーブレスレット
42.クリスタちゃんの願い
しおりを挟む
部屋の前まで送ってきてくださったエクムント様がわたくしに言う。
「今日はお疲れでしょう。ゆっくり休んでくださいね」
「ありがとうございます、エクムント様」
お辞儀をして部屋に入ろうとすると、エクムント様の手がわたくしの手を引く。腕の中に抱きこまれてしまってわたくしは身じろぎすることもできない。長身でしっかりとした体付きのエクムント様の腕が、わたくしを抱き締めている。
「このまま攫ってしまいたい。エリザベート嬢」
「エクムント様!?」
攫ってしまいたいというのはどういうことなのだろう。
わたくしは二年後には辺境伯領に嫁ぐことが決まっている。攫わなくてもわたくしはエクムント様のものになるのだ。
「わたくしは、エクムント様のものです」
「いいえ、エリザベート嬢は一生エリザベート嬢。私を含めて誰かのものになる必要などありません」
「でも、エクムント様の妻になります」
「それは私も楽しみにしています」
逞しい腕に抱かれて、エクムント様の言う意味を考えようとするのだけれど、エクムント様と密着しすぎて、わたくしの心臓の音がエクムント様に聞こえているような気がして落ち着かない。
エクムント様のものにわたくしがなりたいと思っていても、エクムント様は誰のものになる必要もなく、わたくしはわたくしだと尊重してくれる。そんな紳士なところがまた憎らしいお方という単語をわたくしの脳裏に浮かべさせる。
「お休みなさい、エリザベート嬢」
「お休みなさい、エクムント様」
エクムント様の手がわたくしの頬を撫でて、前髪を掻き上げて、額に口付けが落ちる。おでこへのキスは子どもに対しても行うお休みのキスだが、こんな風に抱き締められてキスをされるのは初めてでわたくしは心拍数が上がるのを抑えきれない。
するりとエクムント様の腕が解けて、わたくしは一抹の寂しさを感じる。もっとエクムント様の体温を感じていたかった。もっとエクムント様に抱き締められていたかった。
けれどもうお休みの挨拶もしたのだから、部屋に戻らなければいけない。
ドアを開けてエクムント様を振り返ったら、そのままの位置で動かずにわたくしに手を振ってくださっていた。わたくしも手を振り返して部屋に入った。
「お姉様!」
「クリスタちゃん!?」
「お帰りなさいませ、エリザベートお姉様」
「レーニちゃんも!」
部屋に入るとクリスタちゃんとレーニちゃんが寝る準備をしているところだった。二人とももうお風呂に入ってパジャマに着替えている。
「先に帰っていたのですか」
「晩餐会で疲れてしまって、舞踏会までは参加できませんでした。ハインリヒ殿下が送ってくださって、先に部屋に戻っていました」
「わたくしも、パートナーがいないのに舞踏会に行くのはつまらないし、疲れていたので母に言って先に帰らせてもらいました」
クリスタちゃんもレーニちゃんも最初から舞踏会に参加していなかったようだ。背伸びをして大人ぶって舞踏会に参加してみたが、わたくしも夜が遅くなってきて疲れてしまっていた。
「わたくしは舞踏会に参加しましたが、疲れてしまって、エクムント様に送っていただいて帰ってきました」
「足音がドアの前で止まってから、しばらく時間が経っていませんでしたか?」
「クリスタちゃん、聞き耳を立てていたのですか!?」
「だって、お姉様は秘密主義で、わたくし、気になるんですもの!」
クリスタちゃんは聞き耳を立てていたようだ。わたくしは変な声を出すようなことがなくてよかったと思っていた。
「そういう風に探るのはお行儀がよくないですよ」
「分かっていますが、お姉様は大人の恋愛をなさっているのに、わたくしは全然そんな気配がなくて、どうすればいい雰囲気になるのか教えてほしかったのです」
「そんな気配が、とは?」
「ハインリヒ殿下は、わたくしの手にもキスをしてくださらないのです」
手の甲にキスならば、わたくしはエクムント様に小さいころにされたことがある。あれは婚約式のときだっただろうか。手の甲へのキスは敬愛の意味もあるので、年齢は関係なくしていいはずなのだが、ハインリヒ殿下はクリスタちゃんに触れることに躊躇いを覚えているらしい。
それもそのはず、ハインリヒ殿下はまだ十六歳なのだ。エクムント様のようにスマートにキスをしたりできるはずがない。
「ハインリヒ殿下はまだ十六歳なのですよ。クリスタちゃんもまだ十四歳だし」
「わたくしは、手の甲にくらいキスをしてくださってもいいと思うのです」
「それはそうですが、クリスタちゃんはハインリヒ殿下に多くを望みすぎではないのですか?」
「愛している」と言ってほしいとか、プロポーズを自分の意志でしてほしいとか、手の甲にキスをしてほしいとか、クリスタちゃんはハインリヒ殿下に夢を持ちすぎているような気がする。
ハインリヒ殿下はまだ十六歳なのだから、人前で「愛している」と言ったり、プロポーズを自分の意志でしたり、手の甲にキスをしたりするのが恥ずかしいかもしれないのだ。人前でなければいいと思うかもしれないが、ハインリヒ殿下ともなると、常に護衛はついている状態で、その他にも部屋には空気のように使用人が何人もいる。
その状態でクリスタちゃんといい雰囲気になるというのも難しすぎるだろう。
「婚約者に望んではいけないことですか?」
「エクムント様は大人で、二十七歳になられました。エクムント様と同じことをハインリヒ殿下に望むのはいささかハードルが高いと思うのです」
「わたくしは、恋人同士になりたいのです」
婚約者というのと恋人同士というのは若干意味合いが違うかもしれない。婚約者は将来の結婚を誓った相手だが、恋人同士はお互いに好き合って一緒に過ごす間柄といったところか。
元々ハインリヒ殿下とクリスタちゃんも最初の出会いは最悪だったが、徐々に絆を深めてお互いに望んで婚約者になった。いわば両想いの恋人同士が婚約しているような状態のはずである。
「ハインリヒ殿下とクリスタちゃんは婚約しているし、恋人同士ではないのですか?」
「ハインリヒ殿下は婚約してから、わたくしへの態度が変わった気がします」
「何が不満なのですか?」
「わたくし、ハインリヒ殿下ともっと触れ合いたいのです。エクムント様とお姉様が羨ましいのです」
二十七歳の大人のエクムント様と十六歳のまだ青年で思春期のハインリヒ殿下を比べること自体おかしいような気がするのだが、クリスタちゃんは真剣だった。
「わたくしも、ハインリヒ殿下にキスしてほしいのです!」
はしたないと言われるかもしれないが、はっきりと口にしたクリスタちゃんに、それまで静かに聞いていたレーニちゃんが反応した。
「わたくしの婚約者のふーちゃんはまだ七歳です」
「レーニちゃん?」
「七歳ですが、ふーちゃんは自分のできる限りでわたくしに好意を伝えてきてくれます。わたくしはそれが嬉しくて、ふーちゃんのことが大好きで可愛いと思っています」
「レーニちゃんはふーちゃんのことを想っているのですね」
「はい。まだ恋愛感情ではないかもしれないけれど、わたくし、誰も男性を愛せないと思っていたけれど、ふーちゃんのことは特別に思っています。エクムント様はエクムント様なりに、ハインリヒ殿下はハインリヒ殿下なりに、ふーちゃんはふーちゃんなりに愛情を伝えてくる、それを比べるのは一番よくないことではないのでしょうか」
レーニちゃんの言葉にクリスタちゃんは自分が言っていたことに気付いたようだ。ずっとエクムント様とハインリヒ殿下を比べて、羨ましいとばかり言っていたクリスタちゃん。
「レーニちゃんの言う通りですわ。わたくし、間違っていました。ハインリヒ殿下はハインリヒ殿下、エクムント様と比べてはいけませんでした」
「クリスタちゃんが理解してくれてよかったです」
それでその場はおさまって、わたくしはお風呂に入ってパジャマに着替えて寝る準備をした。
婚約者が年上で紳士だということは、クリスタちゃんにも羨ましがられるようなことなのだと思うと、エクムント様がわたくしを抱き締めた腕の逞しさ、胸の厚さ、体温を思い出して体が熱くなる。
両手で頬を押さえて布団に入ると、エクムント様の姿が目の裏に浮かんでいた。
格好良くて、素敵で、大人なエクムント様。
攫ってほしいとあのとき答えたらどうなっていたのだろう。
エクムント様の腕の中にいられるならば、どこに攫われてもわたくしは幸せな予感しかしていなかった。
「今日はお疲れでしょう。ゆっくり休んでくださいね」
「ありがとうございます、エクムント様」
お辞儀をして部屋に入ろうとすると、エクムント様の手がわたくしの手を引く。腕の中に抱きこまれてしまってわたくしは身じろぎすることもできない。長身でしっかりとした体付きのエクムント様の腕が、わたくしを抱き締めている。
「このまま攫ってしまいたい。エリザベート嬢」
「エクムント様!?」
攫ってしまいたいというのはどういうことなのだろう。
わたくしは二年後には辺境伯領に嫁ぐことが決まっている。攫わなくてもわたくしはエクムント様のものになるのだ。
「わたくしは、エクムント様のものです」
「いいえ、エリザベート嬢は一生エリザベート嬢。私を含めて誰かのものになる必要などありません」
「でも、エクムント様の妻になります」
「それは私も楽しみにしています」
逞しい腕に抱かれて、エクムント様の言う意味を考えようとするのだけれど、エクムント様と密着しすぎて、わたくしの心臓の音がエクムント様に聞こえているような気がして落ち着かない。
エクムント様のものにわたくしがなりたいと思っていても、エクムント様は誰のものになる必要もなく、わたくしはわたくしだと尊重してくれる。そんな紳士なところがまた憎らしいお方という単語をわたくしの脳裏に浮かべさせる。
「お休みなさい、エリザベート嬢」
「お休みなさい、エクムント様」
エクムント様の手がわたくしの頬を撫でて、前髪を掻き上げて、額に口付けが落ちる。おでこへのキスは子どもに対しても行うお休みのキスだが、こんな風に抱き締められてキスをされるのは初めてでわたくしは心拍数が上がるのを抑えきれない。
するりとエクムント様の腕が解けて、わたくしは一抹の寂しさを感じる。もっとエクムント様の体温を感じていたかった。もっとエクムント様に抱き締められていたかった。
けれどもうお休みの挨拶もしたのだから、部屋に戻らなければいけない。
ドアを開けてエクムント様を振り返ったら、そのままの位置で動かずにわたくしに手を振ってくださっていた。わたくしも手を振り返して部屋に入った。
「お姉様!」
「クリスタちゃん!?」
「お帰りなさいませ、エリザベートお姉様」
「レーニちゃんも!」
部屋に入るとクリスタちゃんとレーニちゃんが寝る準備をしているところだった。二人とももうお風呂に入ってパジャマに着替えている。
「先に帰っていたのですか」
「晩餐会で疲れてしまって、舞踏会までは参加できませんでした。ハインリヒ殿下が送ってくださって、先に部屋に戻っていました」
「わたくしも、パートナーがいないのに舞踏会に行くのはつまらないし、疲れていたので母に言って先に帰らせてもらいました」
クリスタちゃんもレーニちゃんも最初から舞踏会に参加していなかったようだ。背伸びをして大人ぶって舞踏会に参加してみたが、わたくしも夜が遅くなってきて疲れてしまっていた。
「わたくしは舞踏会に参加しましたが、疲れてしまって、エクムント様に送っていただいて帰ってきました」
「足音がドアの前で止まってから、しばらく時間が経っていませんでしたか?」
「クリスタちゃん、聞き耳を立てていたのですか!?」
「だって、お姉様は秘密主義で、わたくし、気になるんですもの!」
クリスタちゃんは聞き耳を立てていたようだ。わたくしは変な声を出すようなことがなくてよかったと思っていた。
「そういう風に探るのはお行儀がよくないですよ」
「分かっていますが、お姉様は大人の恋愛をなさっているのに、わたくしは全然そんな気配がなくて、どうすればいい雰囲気になるのか教えてほしかったのです」
「そんな気配が、とは?」
「ハインリヒ殿下は、わたくしの手にもキスをしてくださらないのです」
手の甲にキスならば、わたくしはエクムント様に小さいころにされたことがある。あれは婚約式のときだっただろうか。手の甲へのキスは敬愛の意味もあるので、年齢は関係なくしていいはずなのだが、ハインリヒ殿下はクリスタちゃんに触れることに躊躇いを覚えているらしい。
それもそのはず、ハインリヒ殿下はまだ十六歳なのだ。エクムント様のようにスマートにキスをしたりできるはずがない。
「ハインリヒ殿下はまだ十六歳なのですよ。クリスタちゃんもまだ十四歳だし」
「わたくしは、手の甲にくらいキスをしてくださってもいいと思うのです」
「それはそうですが、クリスタちゃんはハインリヒ殿下に多くを望みすぎではないのですか?」
「愛している」と言ってほしいとか、プロポーズを自分の意志でしてほしいとか、手の甲にキスをしてほしいとか、クリスタちゃんはハインリヒ殿下に夢を持ちすぎているような気がする。
ハインリヒ殿下はまだ十六歳なのだから、人前で「愛している」と言ったり、プロポーズを自分の意志でしたり、手の甲にキスをしたりするのが恥ずかしいかもしれないのだ。人前でなければいいと思うかもしれないが、ハインリヒ殿下ともなると、常に護衛はついている状態で、その他にも部屋には空気のように使用人が何人もいる。
その状態でクリスタちゃんといい雰囲気になるというのも難しすぎるだろう。
「婚約者に望んではいけないことですか?」
「エクムント様は大人で、二十七歳になられました。エクムント様と同じことをハインリヒ殿下に望むのはいささかハードルが高いと思うのです」
「わたくしは、恋人同士になりたいのです」
婚約者というのと恋人同士というのは若干意味合いが違うかもしれない。婚約者は将来の結婚を誓った相手だが、恋人同士はお互いに好き合って一緒に過ごす間柄といったところか。
元々ハインリヒ殿下とクリスタちゃんも最初の出会いは最悪だったが、徐々に絆を深めてお互いに望んで婚約者になった。いわば両想いの恋人同士が婚約しているような状態のはずである。
「ハインリヒ殿下とクリスタちゃんは婚約しているし、恋人同士ではないのですか?」
「ハインリヒ殿下は婚約してから、わたくしへの態度が変わった気がします」
「何が不満なのですか?」
「わたくし、ハインリヒ殿下ともっと触れ合いたいのです。エクムント様とお姉様が羨ましいのです」
二十七歳の大人のエクムント様と十六歳のまだ青年で思春期のハインリヒ殿下を比べること自体おかしいような気がするのだが、クリスタちゃんは真剣だった。
「わたくしも、ハインリヒ殿下にキスしてほしいのです!」
はしたないと言われるかもしれないが、はっきりと口にしたクリスタちゃんに、それまで静かに聞いていたレーニちゃんが反応した。
「わたくしの婚約者のふーちゃんはまだ七歳です」
「レーニちゃん?」
「七歳ですが、ふーちゃんは自分のできる限りでわたくしに好意を伝えてきてくれます。わたくしはそれが嬉しくて、ふーちゃんのことが大好きで可愛いと思っています」
「レーニちゃんはふーちゃんのことを想っているのですね」
「はい。まだ恋愛感情ではないかもしれないけれど、わたくし、誰も男性を愛せないと思っていたけれど、ふーちゃんのことは特別に思っています。エクムント様はエクムント様なりに、ハインリヒ殿下はハインリヒ殿下なりに、ふーちゃんはふーちゃんなりに愛情を伝えてくる、それを比べるのは一番よくないことではないのでしょうか」
レーニちゃんの言葉にクリスタちゃんは自分が言っていたことに気付いたようだ。ずっとエクムント様とハインリヒ殿下を比べて、羨ましいとばかり言っていたクリスタちゃん。
「レーニちゃんの言う通りですわ。わたくし、間違っていました。ハインリヒ殿下はハインリヒ殿下、エクムント様と比べてはいけませんでした」
「クリスタちゃんが理解してくれてよかったです」
それでその場はおさまって、わたくしはお風呂に入ってパジャマに着替えて寝る準備をした。
婚約者が年上で紳士だということは、クリスタちゃんにも羨ましがられるようなことなのだと思うと、エクムント様がわたくしを抱き締めた腕の逞しさ、胸の厚さ、体温を思い出して体が熱くなる。
両手で頬を押さえて布団に入ると、エクムント様の姿が目の裏に浮かんでいた。
格好良くて、素敵で、大人なエクムント様。
攫ってほしいとあのとき答えたらどうなっていたのだろう。
エクムント様の腕の中にいられるならば、どこに攫われてもわたくしは幸せな予感しかしていなかった。
282
お気に入りに追加
1,689
あなたにおすすめの小説
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームを元にした人気のライトノベルの世界でした。
しかも、定番の悪役令嬢。
いえ、別にざまあされるヒロインにはなりたくないですし、婚約者のいる相手にすり寄るビッチなヒロインにもなりたくないです。
ですから婚約者の王子様。
私はいつでも婚約破棄を受け入れますので、どうぞヒロインのところに行って下さい。
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
【完結】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる