347 / 528
十一章 ネイルアートとフィンガーブレスレット
1.クリスタちゃんの誕生日とネイルアート
しおりを挟む
クリスタちゃんとふーちゃんは合同でお誕生日のお茶会を開いていた。
その日はふーちゃんのお誕生日で、クリスタちゃんのお誕生日は少し先だった。
お誕生日のお茶会から帰る前にハインリヒ殿下がクリスタちゃんの手を取って告げる。
「クリスタ嬢のお誕生日にもディッペル家を訪ねさせてください」
「嬉しいです。ありがとうございます」
「お誕生日お祝いは何がいいですか?」
「ハインリヒ殿下が下さるものなら何でもいいですわ」
決して物を強請ったりしないのも淑女としての嗜みである。クリスタちゃんはしっかりとそれを守っていた。
「私もクリスタ嬢のお誕生日を祝いに来てもよろしいでしょうか?」
「エクムント様、賑やかになりそうで嬉しいですわ」
「ハインリヒ殿下、少しよろしいですか?」
「はい、なんでしょう?」
クリスタちゃんのお誕生日にディッペル家を訪ねて来る宣言をしたエクムント様がハインリヒ殿下を呼んで何か囁いている。耳を澄ましていると、クリスタちゃんのプレゼントのことのようだ。
「マリア嬢がマニキュアに興味を持って、クリスタ嬢やエリザベート嬢はマニキュアを塗ってあげているようなのです。新しい色のマニキュアがあったら喜ばれるのではないでしょうか」
「さすがエクムント殿。頼りになります。ですが、今持っている色が分かりません」
「クリスタ嬢が今塗っているマニキュアが今持っている色です」
「そうですね! そうでした!」
「エリザベート嬢の塗っているマニキュアとも同じにならないように気を付けてください」
「分かりました」
エクムント様の助言を得てハインリヒ殿下はクリスタちゃんのお誕生日のプレゼントを決めたようだった。
クリスタちゃんはレーニちゃんに声をかけられて、ハインリヒ殿下とエクムント様の会話に気付いていない。
「クリスタ嬢、わたくしもクリスタ嬢のお誕生日にはお祝いに来てもよろしいでしょうか?」
「レーニ嬢はフランツの婚約者で家族のような存在です。来てくださるととても嬉しいです」
「それでは、わたくし両親にお願いして訪ねさせていただきますわ」
クリスタちゃんとレーニちゃんが話していると、ユリアーナ殿下がもじもじとしているのが分かる。ユリアーナ殿下はまーちゃんに話しかけたいようなのだ。
「マリアじょうのつめ、とてもかわいいです」
「ありがとうございます、ユリアーナ殿下」
「わたくしも、つめがぬりたいのですが、どうすればいいのでしょう?」
「わたくしはエリザベートお姉様とクリスタお姉様に塗ってもらっています。ユリアーナ殿下にはお兄様しかおられませんよね」
ユリアーナ殿下に悩みを告げられて困ってしまっているまーちゃんに、ノエル殿下が声をかける。
「ユリアーナ殿下、わたくしはユリアーナ殿下の義理の姉になるのです。よろしければ、わたくしのマニキュアを塗って差し上げましょうか?」
「いいのですか、ノエルでんか?」
「もちろんです。ユリアーナ殿下は弟妹のいないわたくしの可愛い妹のような存在です」
「ありがとうございます、ノエルでんか」
ユリアーナ殿下はノエル殿下にマニキュアを塗ってもらうということで話がまとまった。
それにしても、マニキュアがこんなに流行るのならば、もっとマニキュアで違うことができないかとわたくしは考えてしまう。
前世のようにラインストーンを散りばめたり、精密な絵を描いたりすることは難しいかもしれないが、簡単なものならばわたくしでもできるのではないだろうか。
クリスタちゃんのお誕生日の前にわたくしとクリスタちゃんにプレゼントが送ってきた。クリスタちゃんにはハインリヒ殿下から、わたくしにはエクムント様からだった。
クリスタちゃんは少し濃い目のピンクのマニキュア、わたくしはシェルピンクの不透明のマニキュアだった。
お誕生日に向けてマニキュアを塗ろうとするクリスタちゃんに、わたくしはマニキュアを手に取って申し出てみる。
「わたくしが塗ってみていいですか?」
「お姉様が塗って下さるのですか? 何だかくすぐったいですね」
くすくすと笑いながらクリスタちゃんは白い手をわたくしに預ける。わたくしは濃淡の違うマニキュアを使って、少しずつ指先に向かって濃くなるようにグラデーションを作っていった。
出来上がった爪を見てクリスタちゃんが目を丸くしている。
「これはお姉様が考えたのですか?」
「せっかく違う濃さのピンクがあるのでやってみたかったのです」
「とても可愛いです!」
感動しているクリスタちゃんの前でわたくしは自分の持っている透明のピンクのマニキュアを全体に塗って、乾いてから、爪の先にだけシェルピンクのマニキュアを塗り重ねて、フレンチに塗り分ける。
クリスタちゃんの爪とわたくしの爪を見ていたまーちゃんがお目目を輝かせている。
「お姉様たちの爪、素敵! とても綺麗!」
「まーちゃんはどちらがいいですか?」
「わたくしにもしてくださるのですか? わたくし、エリザベートお姉様と同じのがいいです!」
小さな可愛い手を差し出してくるまーちゃんに、わたくしは小さな爪をフレンチに塗り分けた。
グラデーションとフレンチに塗り分けるくらいならばわたくしの技術でもできる。それが分かってわたくしは満足していた。
クリスタちゃんのお誕生日にやってきたレーニちゃんはわたくしとクリスタちゃんとまーちゃんの爪を見て夢中になっていた。
「とても可愛いですね。こんな風に塗ることができるのですね」
「クリスタちゃんの爪は二種類のマニキュアでグラデーションにしました。わたくしとマリアの爪は二種類のマニキュアでフレンチに塗り分けました。どちらも難しくはないのですよ」
「グラデーションとフレンチ! エリザベート嬢がまた新しい単語を作ったのですね」
「え?」
そうだった。
この国、この時代にはまだネイルアートもなかったのだ。グラデーションとフレンチに塗り分けるという言葉すらこの世界にはなかった。
グラデーションという言葉はあったのだが、爪に対して使うことはなかったのだ。
「ハインリヒ殿下、見てくださいませ。お姉様がハインリヒ殿下のくださったマニキュアとわたくしが持っていたマニキュアでグラデーションにしてくださったのです」
「とても美しいです」
グラデーションという言葉を覚えてクリスタちゃんが早速使っている。
「エクムント様、わたくしがシェルピンクのマニキュアが欲しいと言っていたので、エリザベートお姉様にシェルピンクのマニキュアをくださったのですね」
「それはどうでしょうか」
「エリザベートお姉様がもらえば、わたくしが使えると思ったのでしょう。とても嬉しいです」
「変わった塗り方をしていますね。とても綺麗ですが」
「これは、エリザベートお姉様がフレンチと言っていました」
「フレンチ、聞かない言葉ですね」
「エリザベートお姉様は新しい塗り方の名称を考えてしまったのです」
まずい、わたくしがフレンチに塗り分けるやり方の第一人者のようになってしまった。
うっかりと口を滑らせたのがいけなかったのだが、この世界にグラデーションに爪を塗り分けることも、フレンチに塗り分けることも誰もしたことがないなんて思わなかったのだ。
「もっとマニキュアの色があると様々なことができそうですね」
「エクムント様、わたくしは今持っているもので十分ですからね。ありがたく使わせてもらっています」
「そうですか。エリザベート嬢の発想をもっと知りたかったのですが、残念です」
もっと色々なマニキュアがあったら、色んなネイルアートに挑戦できるかもしれないが、今はわたくしは自分の持っているマニキュアだけで十分だった。
マニキュアもお茶会のときには使うのだが、学園では使うことを許されていないし、普段はつけないのでそんなに減ることもない。
「皆様、ようこそいらっしゃいました。クリスタのためにありがとうございます」
「家族だけで祝うつもりでしたがお客様がたくさんでクリスタも喜んでいます」
両親が挨拶をして、全員で食堂に向かう。
椅子に座ってミルクティーを飲んで、ケーキとサンドイッチとキッシュとスコーンを食べて、わたくしたちはお茶を堪能した。
その日はふーちゃんのお誕生日で、クリスタちゃんのお誕生日は少し先だった。
お誕生日のお茶会から帰る前にハインリヒ殿下がクリスタちゃんの手を取って告げる。
「クリスタ嬢のお誕生日にもディッペル家を訪ねさせてください」
「嬉しいです。ありがとうございます」
「お誕生日お祝いは何がいいですか?」
「ハインリヒ殿下が下さるものなら何でもいいですわ」
決して物を強請ったりしないのも淑女としての嗜みである。クリスタちゃんはしっかりとそれを守っていた。
「私もクリスタ嬢のお誕生日を祝いに来てもよろしいでしょうか?」
「エクムント様、賑やかになりそうで嬉しいですわ」
「ハインリヒ殿下、少しよろしいですか?」
「はい、なんでしょう?」
クリスタちゃんのお誕生日にディッペル家を訪ねて来る宣言をしたエクムント様がハインリヒ殿下を呼んで何か囁いている。耳を澄ましていると、クリスタちゃんのプレゼントのことのようだ。
「マリア嬢がマニキュアに興味を持って、クリスタ嬢やエリザベート嬢はマニキュアを塗ってあげているようなのです。新しい色のマニキュアがあったら喜ばれるのではないでしょうか」
「さすがエクムント殿。頼りになります。ですが、今持っている色が分かりません」
「クリスタ嬢が今塗っているマニキュアが今持っている色です」
「そうですね! そうでした!」
「エリザベート嬢の塗っているマニキュアとも同じにならないように気を付けてください」
「分かりました」
エクムント様の助言を得てハインリヒ殿下はクリスタちゃんのお誕生日のプレゼントを決めたようだった。
クリスタちゃんはレーニちゃんに声をかけられて、ハインリヒ殿下とエクムント様の会話に気付いていない。
「クリスタ嬢、わたくしもクリスタ嬢のお誕生日にはお祝いに来てもよろしいでしょうか?」
「レーニ嬢はフランツの婚約者で家族のような存在です。来てくださるととても嬉しいです」
「それでは、わたくし両親にお願いして訪ねさせていただきますわ」
クリスタちゃんとレーニちゃんが話していると、ユリアーナ殿下がもじもじとしているのが分かる。ユリアーナ殿下はまーちゃんに話しかけたいようなのだ。
「マリアじょうのつめ、とてもかわいいです」
「ありがとうございます、ユリアーナ殿下」
「わたくしも、つめがぬりたいのですが、どうすればいいのでしょう?」
「わたくしはエリザベートお姉様とクリスタお姉様に塗ってもらっています。ユリアーナ殿下にはお兄様しかおられませんよね」
ユリアーナ殿下に悩みを告げられて困ってしまっているまーちゃんに、ノエル殿下が声をかける。
「ユリアーナ殿下、わたくしはユリアーナ殿下の義理の姉になるのです。よろしければ、わたくしのマニキュアを塗って差し上げましょうか?」
「いいのですか、ノエルでんか?」
「もちろんです。ユリアーナ殿下は弟妹のいないわたくしの可愛い妹のような存在です」
「ありがとうございます、ノエルでんか」
ユリアーナ殿下はノエル殿下にマニキュアを塗ってもらうということで話がまとまった。
それにしても、マニキュアがこんなに流行るのならば、もっとマニキュアで違うことができないかとわたくしは考えてしまう。
前世のようにラインストーンを散りばめたり、精密な絵を描いたりすることは難しいかもしれないが、簡単なものならばわたくしでもできるのではないだろうか。
クリスタちゃんのお誕生日の前にわたくしとクリスタちゃんにプレゼントが送ってきた。クリスタちゃんにはハインリヒ殿下から、わたくしにはエクムント様からだった。
クリスタちゃんは少し濃い目のピンクのマニキュア、わたくしはシェルピンクの不透明のマニキュアだった。
お誕生日に向けてマニキュアを塗ろうとするクリスタちゃんに、わたくしはマニキュアを手に取って申し出てみる。
「わたくしが塗ってみていいですか?」
「お姉様が塗って下さるのですか? 何だかくすぐったいですね」
くすくすと笑いながらクリスタちゃんは白い手をわたくしに預ける。わたくしは濃淡の違うマニキュアを使って、少しずつ指先に向かって濃くなるようにグラデーションを作っていった。
出来上がった爪を見てクリスタちゃんが目を丸くしている。
「これはお姉様が考えたのですか?」
「せっかく違う濃さのピンクがあるのでやってみたかったのです」
「とても可愛いです!」
感動しているクリスタちゃんの前でわたくしは自分の持っている透明のピンクのマニキュアを全体に塗って、乾いてから、爪の先にだけシェルピンクのマニキュアを塗り重ねて、フレンチに塗り分ける。
クリスタちゃんの爪とわたくしの爪を見ていたまーちゃんがお目目を輝かせている。
「お姉様たちの爪、素敵! とても綺麗!」
「まーちゃんはどちらがいいですか?」
「わたくしにもしてくださるのですか? わたくし、エリザベートお姉様と同じのがいいです!」
小さな可愛い手を差し出してくるまーちゃんに、わたくしは小さな爪をフレンチに塗り分けた。
グラデーションとフレンチに塗り分けるくらいならばわたくしの技術でもできる。それが分かってわたくしは満足していた。
クリスタちゃんのお誕生日にやってきたレーニちゃんはわたくしとクリスタちゃんとまーちゃんの爪を見て夢中になっていた。
「とても可愛いですね。こんな風に塗ることができるのですね」
「クリスタちゃんの爪は二種類のマニキュアでグラデーションにしました。わたくしとマリアの爪は二種類のマニキュアでフレンチに塗り分けました。どちらも難しくはないのですよ」
「グラデーションとフレンチ! エリザベート嬢がまた新しい単語を作ったのですね」
「え?」
そうだった。
この国、この時代にはまだネイルアートもなかったのだ。グラデーションとフレンチに塗り分けるという言葉すらこの世界にはなかった。
グラデーションという言葉はあったのだが、爪に対して使うことはなかったのだ。
「ハインリヒ殿下、見てくださいませ。お姉様がハインリヒ殿下のくださったマニキュアとわたくしが持っていたマニキュアでグラデーションにしてくださったのです」
「とても美しいです」
グラデーションという言葉を覚えてクリスタちゃんが早速使っている。
「エクムント様、わたくしがシェルピンクのマニキュアが欲しいと言っていたので、エリザベートお姉様にシェルピンクのマニキュアをくださったのですね」
「それはどうでしょうか」
「エリザベートお姉様がもらえば、わたくしが使えると思ったのでしょう。とても嬉しいです」
「変わった塗り方をしていますね。とても綺麗ですが」
「これは、エリザベートお姉様がフレンチと言っていました」
「フレンチ、聞かない言葉ですね」
「エリザベートお姉様は新しい塗り方の名称を考えてしまったのです」
まずい、わたくしがフレンチに塗り分けるやり方の第一人者のようになってしまった。
うっかりと口を滑らせたのがいけなかったのだが、この世界にグラデーションに爪を塗り分けることも、フレンチに塗り分けることも誰もしたことがないなんて思わなかったのだ。
「もっとマニキュアの色があると様々なことができそうですね」
「エクムント様、わたくしは今持っているもので十分ですからね。ありがたく使わせてもらっています」
「そうですか。エリザベート嬢の発想をもっと知りたかったのですが、残念です」
もっと色々なマニキュアがあったら、色んなネイルアートに挑戦できるかもしれないが、今はわたくしは自分の持っているマニキュアだけで十分だった。
マニキュアもお茶会のときには使うのだが、学園では使うことを許されていないし、普段はつけないのでそんなに減ることもない。
「皆様、ようこそいらっしゃいました。クリスタのためにありがとうございます」
「家族だけで祝うつもりでしたがお客様がたくさんでクリスタも喜んでいます」
両親が挨拶をして、全員で食堂に向かう。
椅子に座ってミルクティーを飲んで、ケーキとサンドイッチとキッシュとスコーンを食べて、わたくしたちはお茶を堪能した。
226
お気に入りに追加
1,684
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる