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十章 ふーちゃんとまーちゃんの婚約
36.まーちゃんの婚約の準備
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ディッペル家のまーちゃんとシュタール家のオリヴァー殿の婚約は国王陛下から許可された。国王陛下に許可されたということは、国王陛下の前で婚約を誓わねばならないということだ。
次に王都に貴族たちが集まる国王陛下の生誕の式典で婚約はお披露目されることになった。
婚約をのためにまーちゃんは仕立て職人にドレスを誂えてもらっている。
白いドレスと短いヴェールは結婚式の衣装を思わせる。
短いヴェールを留めるのは、わたくしが使った白い薔薇の花冠だ。まーちゃん用にサイズを調整してあるが、立派な薔薇の造花が頭を飾ってとても可愛らしい。
「マリア、可愛いですよ」
「マリアは世界一可愛い」
両親は採寸されて仮縫いをするまーちゃんを見ながら目を細めていた。
婚約式には家族全員で出席するので、ふーちゃんもスーツを新調していた。
わたくしとクリスタちゃんは成長期が落ち着いて、そんなに頻繁にドレスを新調しなくてもよくなったのだが、ふーちゃんとまーちゃんはものすごく身長も体重も成長している時期だ。一年前の冬の装いはほぼ着れなくなっている。
それでも、まーちゃんの方はわたくしとクリスタちゃんが着たドレスを好んで着ているので、そんなに頻繁にドレスを誂えなくてもよいのだが、ふーちゃんは我が家でたった一人の男の子なのでそういうわけにはいかない。
他の家がこの時期の男の子の服をどうしているのかは分からないが、ディッペル家は他の家からお譲りをもらうこともなく、ふーちゃんのために毎年服を誂えていた。
他の家ではどうしていたのか、わたくしはエクムント様に会ったら聞いてみようと考えていた。
次にエクムント様に会うのは、ユリアーナ殿下のお誕生日のお茶会である。
ユリアーナ殿下のお誕生日のお茶会にはオリヴァー殿も招かれている。
「お父様、お母様、わたくし、このドレスでユリアーナ殿下のお茶会に出ようと思うのですが、いいですか?」
まーちゃんが持ってきたのは、わたくしが幼い頃に着ていた空色のドレスだった。
「エリザベートの小さい頃を思い出すね」
「とてもよく似合っていますよ」
「マリアとエリザベートは雰囲気が似ているからね」
「エリザベートのドレスでいいのですか?」
「エリザベートお姉様のドレスがいいのです。わたくし、エリザベートお姉様やクリスタお姉様のようになりたいのです」
お譲りを自ら望んで着るまーちゃんは、わたくしやクリスタちゃんに憧れを抱いているようだった。
まーちゃんは今は黒髪だが成長するにつれて色が変わって来るかもしれない。成長に連れて目の色や髪の色が微妙に変わるのはよくあることだとオリヴァー殿も言っていた。
前世でも金髪のひとはそのうちに色が濃くなって、大人になるころには金髪ではなくなっていることがあるのだと聞いたことがある。目の色も同様に幼い頃は薄い色だったが大人になると濃い色になっていたということがあるのだ。
わたくしは生まれたときから紫色の光沢のある黒髪に銀色の光沢のある黒い目で、両親を驚かせたようだが、まーちゃんのように徐々に色が変わってわたくしと同じ色になる体質の子どもが生まれてもおかしくはなかった。
「マリアはわたくしと同じ目の色になりましたね。髪の色も同じになるかもしれませんよ」
「そうなったら嬉しいです。わたくし、エリザベートお姉様が大好きです」
無邪気に答えるまーちゃんに、この色彩はそれだけの意味しかもっていないわけではないのだと、わたくしは教えなければいけなかった。
「この髪の色と目の色は、ディッペル家に王家の血が流れている証なのです。この色彩は初代国王陛下と同じものです。何代か前に王族の方がディッペル家に臣籍降下していらして、その血が受け継がれている証拠なのです」
「わたくしにも王族の血が流れているのですね」
「オリヴァー殿はマリアの目に銀色の光沢があるのを見て確かめていました。マリアはそこにいるだけで王家の血を示せるシュタール家と王家を繋ぐ存在になれるのです」
早すぎる婚約が決して間違いではないとわたくしは思っている。
シュタール家が今後も栄えるためには、ディッペル家との繋がりは不可欠であるし、辺境伯領が栄えるためにも、辺境伯家にはシュタール家の支えが必要だった。
「エリザベートお姉様にそう言われると安心します」
合わせたドレスの裾を翻しながら、まーちゃんは踊るように自分の部屋に戻って行った。
ユリアーナ殿下のお誕生日のお茶会の当日、会場に行くと、ユリアーナ殿下はハインリヒ殿下とノルベルト殿下にそばについてもらってお客様の貴族たちに挨拶をしていたが、わたくしたちを見て駆け寄ってくる。
「ようこそおいでくださいました。ディッペルけのみなさま」
「ユリアーナ殿下、お誕生日おめでとうございます」
「ユリアーナ殿下も今後はお茶会に参加されるとのこと。これからもよろしくお願いします」
両親が代表して挨拶をすると、ユリアーナ殿下は我慢できなかったようでまーちゃんに身を乗り出して話しかけた。
「マリアじょう、こんやくをなさるのですね?」
「はい、わたくし、エリザベートお姉様の嫁ぎ先である辺境伯家を支えるシュタール家に嫁ぐ決意を致しました。辺境伯家にはシュタール家の力が必要なのです」
「そんな、おとなのようなしゃべりかたをして……!? すこしみないあいだに、マリアじょうはおとなになられたようです」
「オリヴァー殿とは年は離れていますが、少しでも子どもに見られないようにしたいのです」
「すばらしいですわ。わたくしからもマリアじょうのこんやくをおいわいさせてください」
「ありがとうございます」
ユリアーナ殿下にまーちゃんが頭を下げていると、オリヴァー殿の到着が告げられる。
「シュタール家のオリヴァー様、おいでになられました」
その声を聞いてユリアーナ殿下がまーちゃんに手を差し伸べた。
「いっしょにごあいさつにまいりましょう」
「ご一緒していいのですか?」
「マリアじょうはわたくしのしんゆう! しょうらいはがくえんでわたくしのがくゆうとなるのです」
ユリアーナ殿下とまーちゃんは、まーちゃんの方が生まれが早いが学年は同じである。将来ユリアーナ殿下の学友に相応しいと言えば、まーちゃんが一番であることは間違いないだろう」
「いきましょう、マリアじょう」
「はい、ユリアーナ殿下」
手を繋いでオリヴァー殿のところに小走りで駆けていくユリアーナ殿下とまーちゃんをわたくしたちは見送った。
「こんにちは、フランツ殿、エリザベート嬢、クリスタ嬢、ディッペル公爵夫妻」
「こんにちは、レーニ嬢。お会いできて嬉しいです」
「お茶会はマリア嬢とオリヴァー殿の婚約の話で持ちきりですね」
「レーニ嬢もマリアがオリヴァー殿に婚約を提案した場にはいらっしゃいましたよね」
「はい。聞いていて驚きました。マリア嬢があんなにはっきりと自分の意見を言えるだなんて」
レーニちゃんもあの場には来ていたはずだ。
ふーちゃんと話しているレーニちゃんの様子を見れば、本当に驚いているのがよく分かる。
わたくしもまーちゃんがあんなに理論立てて言葉を紡げるだなんて思っていなかったのだ。
「喋り方もすっかりと大人のようになってしまわれて。フランツ殿がわたくしと婚約を決めた日を思い出しました」
「私もレーニ嬢に相応しくあろうと必死なのです。レーニ嬢の隣りにいて恥ずかしくないように」
「わたくしは恥ずかしくなどありません。フランツ殿は三歳のときからわたくしをホルツマン家のラルフ殿から守ってくださいました。婚約を早めたのだって、ラルフ殿に付け入る隙を与えないためだったと分かっています。建前だけでも学園は皆平等なので、勘違いしたラルフ殿が身分に関係ない振る舞いをしてきたのですからね」
レーニちゃんに付きまとって婚約を迫り、来ないで欲しいと断られたら手紙を出す図々しさだったのだ。それをホルツマン家の両親は把握していなかった。
「わたくし、フランツ殿と婚約できて、安心しているのです。この気持ちが恋愛感情になるのかは分かりませんが、フランツ殿のことは家族のように思っております」
「レーニ嬢、きっとレーニ嬢の気持ちを私に向けさせてみせます」
気合を入れるふーちゃんをレーニちゃんはにこにこして見守っていた。
次に王都に貴族たちが集まる国王陛下の生誕の式典で婚約はお披露目されることになった。
婚約をのためにまーちゃんは仕立て職人にドレスを誂えてもらっている。
白いドレスと短いヴェールは結婚式の衣装を思わせる。
短いヴェールを留めるのは、わたくしが使った白い薔薇の花冠だ。まーちゃん用にサイズを調整してあるが、立派な薔薇の造花が頭を飾ってとても可愛らしい。
「マリア、可愛いですよ」
「マリアは世界一可愛い」
両親は採寸されて仮縫いをするまーちゃんを見ながら目を細めていた。
婚約式には家族全員で出席するので、ふーちゃんもスーツを新調していた。
わたくしとクリスタちゃんは成長期が落ち着いて、そんなに頻繁にドレスを新調しなくてもよくなったのだが、ふーちゃんとまーちゃんはものすごく身長も体重も成長している時期だ。一年前の冬の装いはほぼ着れなくなっている。
それでも、まーちゃんの方はわたくしとクリスタちゃんが着たドレスを好んで着ているので、そんなに頻繁にドレスを誂えなくてもよいのだが、ふーちゃんは我が家でたった一人の男の子なのでそういうわけにはいかない。
他の家がこの時期の男の子の服をどうしているのかは分からないが、ディッペル家は他の家からお譲りをもらうこともなく、ふーちゃんのために毎年服を誂えていた。
他の家ではどうしていたのか、わたくしはエクムント様に会ったら聞いてみようと考えていた。
次にエクムント様に会うのは、ユリアーナ殿下のお誕生日のお茶会である。
ユリアーナ殿下のお誕生日のお茶会にはオリヴァー殿も招かれている。
「お父様、お母様、わたくし、このドレスでユリアーナ殿下のお茶会に出ようと思うのですが、いいですか?」
まーちゃんが持ってきたのは、わたくしが幼い頃に着ていた空色のドレスだった。
「エリザベートの小さい頃を思い出すね」
「とてもよく似合っていますよ」
「マリアとエリザベートは雰囲気が似ているからね」
「エリザベートのドレスでいいのですか?」
「エリザベートお姉様のドレスがいいのです。わたくし、エリザベートお姉様やクリスタお姉様のようになりたいのです」
お譲りを自ら望んで着るまーちゃんは、わたくしやクリスタちゃんに憧れを抱いているようだった。
まーちゃんは今は黒髪だが成長するにつれて色が変わって来るかもしれない。成長に連れて目の色や髪の色が微妙に変わるのはよくあることだとオリヴァー殿も言っていた。
前世でも金髪のひとはそのうちに色が濃くなって、大人になるころには金髪ではなくなっていることがあるのだと聞いたことがある。目の色も同様に幼い頃は薄い色だったが大人になると濃い色になっていたということがあるのだ。
わたくしは生まれたときから紫色の光沢のある黒髪に銀色の光沢のある黒い目で、両親を驚かせたようだが、まーちゃんのように徐々に色が変わってわたくしと同じ色になる体質の子どもが生まれてもおかしくはなかった。
「マリアはわたくしと同じ目の色になりましたね。髪の色も同じになるかもしれませんよ」
「そうなったら嬉しいです。わたくし、エリザベートお姉様が大好きです」
無邪気に答えるまーちゃんに、この色彩はそれだけの意味しかもっていないわけではないのだと、わたくしは教えなければいけなかった。
「この髪の色と目の色は、ディッペル家に王家の血が流れている証なのです。この色彩は初代国王陛下と同じものです。何代か前に王族の方がディッペル家に臣籍降下していらして、その血が受け継がれている証拠なのです」
「わたくしにも王族の血が流れているのですね」
「オリヴァー殿はマリアの目に銀色の光沢があるのを見て確かめていました。マリアはそこにいるだけで王家の血を示せるシュタール家と王家を繋ぐ存在になれるのです」
早すぎる婚約が決して間違いではないとわたくしは思っている。
シュタール家が今後も栄えるためには、ディッペル家との繋がりは不可欠であるし、辺境伯領が栄えるためにも、辺境伯家にはシュタール家の支えが必要だった。
「エリザベートお姉様にそう言われると安心します」
合わせたドレスの裾を翻しながら、まーちゃんは踊るように自分の部屋に戻って行った。
ユリアーナ殿下のお誕生日のお茶会の当日、会場に行くと、ユリアーナ殿下はハインリヒ殿下とノルベルト殿下にそばについてもらってお客様の貴族たちに挨拶をしていたが、わたくしたちを見て駆け寄ってくる。
「ようこそおいでくださいました。ディッペルけのみなさま」
「ユリアーナ殿下、お誕生日おめでとうございます」
「ユリアーナ殿下も今後はお茶会に参加されるとのこと。これからもよろしくお願いします」
両親が代表して挨拶をすると、ユリアーナ殿下は我慢できなかったようでまーちゃんに身を乗り出して話しかけた。
「マリアじょう、こんやくをなさるのですね?」
「はい、わたくし、エリザベートお姉様の嫁ぎ先である辺境伯家を支えるシュタール家に嫁ぐ決意を致しました。辺境伯家にはシュタール家の力が必要なのです」
「そんな、おとなのようなしゃべりかたをして……!? すこしみないあいだに、マリアじょうはおとなになられたようです」
「オリヴァー殿とは年は離れていますが、少しでも子どもに見られないようにしたいのです」
「すばらしいですわ。わたくしからもマリアじょうのこんやくをおいわいさせてください」
「ありがとうございます」
ユリアーナ殿下にまーちゃんが頭を下げていると、オリヴァー殿の到着が告げられる。
「シュタール家のオリヴァー様、おいでになられました」
その声を聞いてユリアーナ殿下がまーちゃんに手を差し伸べた。
「いっしょにごあいさつにまいりましょう」
「ご一緒していいのですか?」
「マリアじょうはわたくしのしんゆう! しょうらいはがくえんでわたくしのがくゆうとなるのです」
ユリアーナ殿下とまーちゃんは、まーちゃんの方が生まれが早いが学年は同じである。将来ユリアーナ殿下の学友に相応しいと言えば、まーちゃんが一番であることは間違いないだろう」
「いきましょう、マリアじょう」
「はい、ユリアーナ殿下」
手を繋いでオリヴァー殿のところに小走りで駆けていくユリアーナ殿下とまーちゃんをわたくしたちは見送った。
「こんにちは、フランツ殿、エリザベート嬢、クリスタ嬢、ディッペル公爵夫妻」
「こんにちは、レーニ嬢。お会いできて嬉しいです」
「お茶会はマリア嬢とオリヴァー殿の婚約の話で持ちきりですね」
「レーニ嬢もマリアがオリヴァー殿に婚約を提案した場にはいらっしゃいましたよね」
「はい。聞いていて驚きました。マリア嬢があんなにはっきりと自分の意見を言えるだなんて」
レーニちゃんもあの場には来ていたはずだ。
ふーちゃんと話しているレーニちゃんの様子を見れば、本当に驚いているのがよく分かる。
わたくしもまーちゃんがあんなに理論立てて言葉を紡げるだなんて思っていなかったのだ。
「喋り方もすっかりと大人のようになってしまわれて。フランツ殿がわたくしと婚約を決めた日を思い出しました」
「私もレーニ嬢に相応しくあろうと必死なのです。レーニ嬢の隣りにいて恥ずかしくないように」
「わたくしは恥ずかしくなどありません。フランツ殿は三歳のときからわたくしをホルツマン家のラルフ殿から守ってくださいました。婚約を早めたのだって、ラルフ殿に付け入る隙を与えないためだったと分かっています。建前だけでも学園は皆平等なので、勘違いしたラルフ殿が身分に関係ない振る舞いをしてきたのですからね」
レーニちゃんに付きまとって婚約を迫り、来ないで欲しいと断られたら手紙を出す図々しさだったのだ。それをホルツマン家の両親は把握していなかった。
「わたくし、フランツ殿と婚約できて、安心しているのです。この気持ちが恋愛感情になるのかは分かりませんが、フランツ殿のことは家族のように思っております」
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