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十章 ふーちゃんとまーちゃんの婚約
16.ユリアーナ殿下の改心
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本当に心から反省したようで、ユリアーナ殿下はその後でまーちゃんの隣りに座ってまーちゃんにも謝っていた。
「わたくし、ほんとうはたってしょくじができなかったのです。おちゃかいにでていいといわれたので、かっこうつけて、できるきになっていたのです。マリアじょうにしつれいなことをいいました。ごめんなさい」
「きにしないでください。こんどこそ、おちゃをごいっしょしましょう」
「マリアじょう……ありがとうございます」
まーちゃんと仲良くお茶を飲んで軽食を食べているユリアーナ殿下を見てわたくしは微笑みながら同じテーブルに着いた。わたくしもユリアーナ殿下からお茶に誘われていたのを忘れたわけではない。エクムント様もわたくしの隣りに座って、ハインリヒ殿下とノルベルト殿下はユリアーナ殿下のそばに座っていた。
「エリザベートじょう、エクムントどの、おにいさまたち、わたくしといっしょにすわっておちゃをしてくださるのですか?」
「ユリアーナが立ってお茶ができないのだったら、私たちも座ります」
「ユリアーナと一緒ならば、座りもしますよ」
「フランツ殿とマリア嬢とお茶をするときにはいつも座っています。ユリアーナ殿下とお茶をするときに座らないことがありましょうか」
「ユリアーナ殿下は座ってゆっくりお茶をされてください」
ハインリヒ殿下もノルベルト殿下もエクムント様もわたくしも、ユリアーナ殿下とお茶をするときに座るのは全く構わないということで見解が一致していた。
挨拶を終えたレーニちゃんとふーちゃんも合流する。
「ユリアーナ殿下、ハインリヒ殿下、ノルベルト殿下、エリザベート嬢、エクムント様、お茶をご一緒してもよろしいですか?」
「エリザベートお姉様、何か騒ぎになっていたけれど、大丈夫でしたか?」
「わたくしとおちゃをしてくださるのですね。うれしいです。エリザベートじょうは……」
「わたくしは大丈夫です。フランツ、ありがとう」
申し訳なさそうにユリアーナ殿下が説明しようとするのをわたくしは遮った。ユリアーナ殿下がしでかしてしまったことは、お茶会の主催のレーニちゃんの耳には必ず入るだろうし、ふーちゃんにもわたくしが後で伝えればいいだけのことだ。ユリアーナ殿下から報告をさせて恥をかかせるようなことはしなくていい。
わたくしが遮ったのでユリアーナ殿下も説明をしなくて済んでホッとしたようだった。
「お姉様、ハインリヒ殿下、ここでお茶をしていたのですね」
「クリスタ嬢、私の隣りに来てください」
「はい、ハインリヒ殿下」
クリスタちゃんも来て、テーブルは埋まってしまった。
取り分けて来たサンドイッチとキッシュとケーキを食べながら、紅茶を飲む。紅茶にはミルクポッドから牛乳を入れてミルクティーにしていた。
「エリザベートじょうにはかんしゃしています。わたくし、あのままではおちゃかいをほんとうにたのしむことができなかった。わたくしのはじめてのおちゃかいで、エリザベートじょうにたすけてもらえてほんとうにありがたいとおもっています」
「ユリアーナ殿下はまだ四歳ですから、失敗することもあります。それで学んで行けばいいのです」
「ありがとうございます、エリザベートじょう」
わたくしはこの件ですっかりとユリアーナ殿下の信頼を得てしまったようだ。王家のユリアーナ殿下と親しくさせていただくのは光栄なので、喜んでおくことにする。
「ユリアーナでんか、こうちゃがあつすぎるときには、ミルクをいれるといいですよ」
「わたくし、ミルクをいれたかったのですが、ミルクポッドにてがとどかなかったのです……」
「そういうときは、私に取ってと言えばいいんだよ、ユリアーナ」
「ハインリヒおにいさま、ありがとうございます」
紅茶に牛乳を入れたかったけれど、ミルクポッドに手が届かないというのも口に出しにくい状況だったとは、ユリアーナ殿下は相当淑女としてのプライドが高そうである。それも今回の件を経験して、落ち着いてくるだろうとわたくしは思っていた。
ハインリヒ殿下にミルクポッドを取ってもらったユリアーナ殿下は、たっぷりと紅茶に牛乳を入れる。
「じつは、そのままのこうちゃは、にがくてのめなかったのです」
「そうなのですか? ハインリヒ殿下も幼い頃に、紅茶の苦みが苦手でした。ユリアーナ殿下はハインリヒ殿下に似たのですね」
「ハインリヒおにいさまもそうだったのですね。わたくし、こどもっぽくてはずかしいとおもっていましたが、あんしんしました」
クリスタちゃんがハインリヒ殿下の小さい頃の話をすれば、ユリアーナ殿下の表情も明るくなっていた。
お茶会は和やかに終わり、わたくしはクリスタちゃんとふーちゃんとまーちゃんと両親と一緒にディッペル領に一度帰ることになった。
馬車のお見送りも、ふーちゃんはレーニちゃんと一緒に行うつもりだった。
「ハインリヒ殿下、ノルベルト殿下、ユリアーナ殿下、本日はお越しくださってありがとうございました」
「楽しい時間をご一緒できて嬉しかったです」
「ユリアーナがご迷惑をおかけしました」
「結果としてユリアーナにとって大事な学びの場となりましたし、楽しくお茶ができたのでよかったです」
「ほんじつはほんとうにありがとうございました」
ハインリヒ殿下とノルベルト殿下がユリアーナ殿下の手を引いて馬車に乗る。ユリアーナ殿下は馬車の中から一生懸命手を振っていた。
続いては公爵家であるディッペル家の番なのだが、ふーちゃんがレーニちゃんとお見送りをするために、順番を飛ばしてもらう。
そうなると次は辺境伯家のエクムント様の番になった。
「エクムント様、今日は本当に助かりました。ありがとうございました」
「急いでいたとはいえ、エリザベート嬢を抱き上げるようなことをして、失礼を致しました」
「そういえば、わたくし、縦抱きにされていたような……」
「本当に失礼しました」
女性ならばお姫様抱っこに憧れるのかもしれないが、わたくしはエクムント様に縦抱きにされていた覚えしかない。エクムント様も咄嗟のことで意識していなかったのだろうが、わたくしが小さい頃に抱っこされていたような格好になってしまっていた。
今更ながらに気付いてしまって、わたくしは恥ずかしいような、嬉しいような、複雑な気持ちになる。
「軍隊では仲間が負傷した場合には肩に担ぎ上げるのですが、さすがにそれはまずいと本能的に思ったのでしょう。無意識に縦抱きにしてしまったようです」
「い、いいのです。エクムント様がそれだけわたくしを心配して、急いで処置をできるようにしてくださった結果だと思っています」
エクムント様の謝罪に、気にしないで欲しいと伝えたところで、レーニちゃんとふーちゃんがエクムント様に声をかける。
「エクムント様のおかげで騒ぎが大きくならずに済みました」
「今日は本当にありがとうございました」
「私は大事な婚約者を守っただけのこと。当然のことをしたまでです」
言い切るエクムント様が格好よくて胸の高鳴りが抑えきれない。
次々と続く馬車の一つ一つに声をかけて、レーニちゃんとふーちゃんは馬車を送り出していた。
「本日はお招きいただきありがとうございました」
「あまりお話ができなくて申し訳ありませんでしたわ、ミリヤム嬢」
「お気になさらないでください。わたくしがこんな場に招いていただけるだけでもありがたいことです」
ミリヤムちゃんも来ていたようだが、わたくしはユリアーナ殿下に気を取られ過ぎていて、ミリヤムちゃんとの時間を持てなかった。
レーニちゃんもそのことをミリヤムちゃんに謝っている。
「素晴らしいお茶会でした。さすがは公爵家のお茶会と思って、楽しませていただきました」
それでもミリヤムちゃんは気にしていない様子で馬車に乗って帰って行った。
身分の順に馬車が用意されるので、ミリヤムちゃんが一番最後で、全員を見送ってからわたくしとクリスタちゃんとふーちゃんとまーちゃんと両親は馬車に乗る。
「今日はフランツ殿にエスコートしていただいて嬉しかったです」
「またお茶会ではレーニ嬢をエスコートします」
「素敵なお誕生日になりました。エリザベート嬢も、ユリアーナ殿下のこと、お守りくださってありがとうございます」
リリエンタール家のお茶会で、ユリアーナ殿下が火傷をしたとなれば、ユリアーナ殿下自身の責任ではあるが、まだ四歳なので、目が行き届かなかったということでリリエンタール家も責任を追及されかねなかった。
それに、小さなユリアーナ殿下の皮膚は柔らかく、表面積も少ないので、紅茶をもろに被っていたら、広範囲に火傷をしていたかもしれなかった。
それを考えると、わたくしがユリアーナ殿下を守れたことは本当によかったといえる。
「年上のものとして当然のことをしたまでです」
「エリザベート嬢は本当に頼りになります。わたくしのお姉様だったらよかったのに」
「レーニ嬢がフランツと結婚すれば、義姉になります」
「そうでした」
レーニちゃんと話してわたくしは馬車に乗り込んだ。
馬車と列車を乗り継いで、わたくしとクリスタちゃんとふーちゃんとまーちゃんと両親がディッペル公爵領に帰ったのは、夜になってからだった。
「わたくし、ほんとうはたってしょくじができなかったのです。おちゃかいにでていいといわれたので、かっこうつけて、できるきになっていたのです。マリアじょうにしつれいなことをいいました。ごめんなさい」
「きにしないでください。こんどこそ、おちゃをごいっしょしましょう」
「マリアじょう……ありがとうございます」
まーちゃんと仲良くお茶を飲んで軽食を食べているユリアーナ殿下を見てわたくしは微笑みながら同じテーブルに着いた。わたくしもユリアーナ殿下からお茶に誘われていたのを忘れたわけではない。エクムント様もわたくしの隣りに座って、ハインリヒ殿下とノルベルト殿下はユリアーナ殿下のそばに座っていた。
「エリザベートじょう、エクムントどの、おにいさまたち、わたくしといっしょにすわっておちゃをしてくださるのですか?」
「ユリアーナが立ってお茶ができないのだったら、私たちも座ります」
「ユリアーナと一緒ならば、座りもしますよ」
「フランツ殿とマリア嬢とお茶をするときにはいつも座っています。ユリアーナ殿下とお茶をするときに座らないことがありましょうか」
「ユリアーナ殿下は座ってゆっくりお茶をされてください」
ハインリヒ殿下もノルベルト殿下もエクムント様もわたくしも、ユリアーナ殿下とお茶をするときに座るのは全く構わないということで見解が一致していた。
挨拶を終えたレーニちゃんとふーちゃんも合流する。
「ユリアーナ殿下、ハインリヒ殿下、ノルベルト殿下、エリザベート嬢、エクムント様、お茶をご一緒してもよろしいですか?」
「エリザベートお姉様、何か騒ぎになっていたけれど、大丈夫でしたか?」
「わたくしとおちゃをしてくださるのですね。うれしいです。エリザベートじょうは……」
「わたくしは大丈夫です。フランツ、ありがとう」
申し訳なさそうにユリアーナ殿下が説明しようとするのをわたくしは遮った。ユリアーナ殿下がしでかしてしまったことは、お茶会の主催のレーニちゃんの耳には必ず入るだろうし、ふーちゃんにもわたくしが後で伝えればいいだけのことだ。ユリアーナ殿下から報告をさせて恥をかかせるようなことはしなくていい。
わたくしが遮ったのでユリアーナ殿下も説明をしなくて済んでホッとしたようだった。
「お姉様、ハインリヒ殿下、ここでお茶をしていたのですね」
「クリスタ嬢、私の隣りに来てください」
「はい、ハインリヒ殿下」
クリスタちゃんも来て、テーブルは埋まってしまった。
取り分けて来たサンドイッチとキッシュとケーキを食べながら、紅茶を飲む。紅茶にはミルクポッドから牛乳を入れてミルクティーにしていた。
「エリザベートじょうにはかんしゃしています。わたくし、あのままではおちゃかいをほんとうにたのしむことができなかった。わたくしのはじめてのおちゃかいで、エリザベートじょうにたすけてもらえてほんとうにありがたいとおもっています」
「ユリアーナ殿下はまだ四歳ですから、失敗することもあります。それで学んで行けばいいのです」
「ありがとうございます、エリザベートじょう」
わたくしはこの件ですっかりとユリアーナ殿下の信頼を得てしまったようだ。王家のユリアーナ殿下と親しくさせていただくのは光栄なので、喜んでおくことにする。
「ユリアーナでんか、こうちゃがあつすぎるときには、ミルクをいれるといいですよ」
「わたくし、ミルクをいれたかったのですが、ミルクポッドにてがとどかなかったのです……」
「そういうときは、私に取ってと言えばいいんだよ、ユリアーナ」
「ハインリヒおにいさま、ありがとうございます」
紅茶に牛乳を入れたかったけれど、ミルクポッドに手が届かないというのも口に出しにくい状況だったとは、ユリアーナ殿下は相当淑女としてのプライドが高そうである。それも今回の件を経験して、落ち着いてくるだろうとわたくしは思っていた。
ハインリヒ殿下にミルクポッドを取ってもらったユリアーナ殿下は、たっぷりと紅茶に牛乳を入れる。
「じつは、そのままのこうちゃは、にがくてのめなかったのです」
「そうなのですか? ハインリヒ殿下も幼い頃に、紅茶の苦みが苦手でした。ユリアーナ殿下はハインリヒ殿下に似たのですね」
「ハインリヒおにいさまもそうだったのですね。わたくし、こどもっぽくてはずかしいとおもっていましたが、あんしんしました」
クリスタちゃんがハインリヒ殿下の小さい頃の話をすれば、ユリアーナ殿下の表情も明るくなっていた。
お茶会は和やかに終わり、わたくしはクリスタちゃんとふーちゃんとまーちゃんと両親と一緒にディッペル領に一度帰ることになった。
馬車のお見送りも、ふーちゃんはレーニちゃんと一緒に行うつもりだった。
「ハインリヒ殿下、ノルベルト殿下、ユリアーナ殿下、本日はお越しくださってありがとうございました」
「楽しい時間をご一緒できて嬉しかったです」
「ユリアーナがご迷惑をおかけしました」
「結果としてユリアーナにとって大事な学びの場となりましたし、楽しくお茶ができたのでよかったです」
「ほんじつはほんとうにありがとうございました」
ハインリヒ殿下とノルベルト殿下がユリアーナ殿下の手を引いて馬車に乗る。ユリアーナ殿下は馬車の中から一生懸命手を振っていた。
続いては公爵家であるディッペル家の番なのだが、ふーちゃんがレーニちゃんとお見送りをするために、順番を飛ばしてもらう。
そうなると次は辺境伯家のエクムント様の番になった。
「エクムント様、今日は本当に助かりました。ありがとうございました」
「急いでいたとはいえ、エリザベート嬢を抱き上げるようなことをして、失礼を致しました」
「そういえば、わたくし、縦抱きにされていたような……」
「本当に失礼しました」
女性ならばお姫様抱っこに憧れるのかもしれないが、わたくしはエクムント様に縦抱きにされていた覚えしかない。エクムント様も咄嗟のことで意識していなかったのだろうが、わたくしが小さい頃に抱っこされていたような格好になってしまっていた。
今更ながらに気付いてしまって、わたくしは恥ずかしいような、嬉しいような、複雑な気持ちになる。
「軍隊では仲間が負傷した場合には肩に担ぎ上げるのですが、さすがにそれはまずいと本能的に思ったのでしょう。無意識に縦抱きにしてしまったようです」
「い、いいのです。エクムント様がそれだけわたくしを心配して、急いで処置をできるようにしてくださった結果だと思っています」
エクムント様の謝罪に、気にしないで欲しいと伝えたところで、レーニちゃんとふーちゃんがエクムント様に声をかける。
「エクムント様のおかげで騒ぎが大きくならずに済みました」
「今日は本当にありがとうございました」
「私は大事な婚約者を守っただけのこと。当然のことをしたまでです」
言い切るエクムント様が格好よくて胸の高鳴りが抑えきれない。
次々と続く馬車の一つ一つに声をかけて、レーニちゃんとふーちゃんは馬車を送り出していた。
「本日はお招きいただきありがとうございました」
「あまりお話ができなくて申し訳ありませんでしたわ、ミリヤム嬢」
「お気になさらないでください。わたくしがこんな場に招いていただけるだけでもありがたいことです」
ミリヤムちゃんも来ていたようだが、わたくしはユリアーナ殿下に気を取られ過ぎていて、ミリヤムちゃんとの時間を持てなかった。
レーニちゃんもそのことをミリヤムちゃんに謝っている。
「素晴らしいお茶会でした。さすがは公爵家のお茶会と思って、楽しませていただきました」
それでもミリヤムちゃんは気にしていない様子で馬車に乗って帰って行った。
身分の順に馬車が用意されるので、ミリヤムちゃんが一番最後で、全員を見送ってからわたくしとクリスタちゃんとふーちゃんとまーちゃんと両親は馬車に乗る。
「今日はフランツ殿にエスコートしていただいて嬉しかったです」
「またお茶会ではレーニ嬢をエスコートします」
「素敵なお誕生日になりました。エリザベート嬢も、ユリアーナ殿下のこと、お守りくださってありがとうございます」
リリエンタール家のお茶会で、ユリアーナ殿下が火傷をしたとなれば、ユリアーナ殿下自身の責任ではあるが、まだ四歳なので、目が行き届かなかったということでリリエンタール家も責任を追及されかねなかった。
それに、小さなユリアーナ殿下の皮膚は柔らかく、表面積も少ないので、紅茶をもろに被っていたら、広範囲に火傷をしていたかもしれなかった。
それを考えると、わたくしがユリアーナ殿下を守れたことは本当によかったといえる。
「年上のものとして当然のことをしたまでです」
「エリザベート嬢は本当に頼りになります。わたくしのお姉様だったらよかったのに」
「レーニ嬢がフランツと結婚すれば、義姉になります」
「そうでした」
レーニちゃんと話してわたくしは馬車に乗り込んだ。
馬車と列車を乗り継いで、わたくしとクリスタちゃんとふーちゃんとまーちゃんと両親がディッペル公爵領に帰ったのは、夜になってからだった。
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