307 / 528
十章 ふーちゃんとまーちゃんの婚約
14.オリヴァー・シュタール侯爵令息
しおりを挟む
学園でわたくしは最大の危機に陥っていた。
先生に指名されたミリヤムちゃんが教科書を開いて指定されたページを読む。
「わたくしの胸の小鳥は、あなたの名前を呼んで鳴くのです。この美しい春の夕べ、あなたはどこで誰のことを考えているのでしょう。わたくしの胸の小鳥があなたの名前を呼ぶたびに、わたくしはあなたに会いたくてたまりません。小鳥のように自由の翼であなたのもとへ飛んでいけたらいいのに」
「ミリヤム・アレンス子爵令嬢、よく読めました。この詩の解説をどなたにしていただきましょうか? 自信のある方は挙手を」
授業なのにわたくしは挙手できずにいる。
学年で首席を取りたい気持ちはあるのだが、詩だけはどうしてもわたくしが理解できるところではなかった。
ハインリヒ殿下を見れば、ハインリヒ殿下も硬直したかのように手を上げずにいる。
一人の男子生徒が手を上げて指名された。
「オリヴァー・シュタール侯爵令息、解説をどうぞ」
「この詩は胸に宿る恋心を小鳥に例えたものと思われます。春の夕べに会えない好きなひとの元へ、小鳥が解き放たれて自由に飛んでいくように、飛んでいけたらという思いを込めた詩です」
「素晴らしい解釈ですね。詩にはそれぞれ自由な解釈があります。詩の内容をよく読んで自分の心に問いかけて、皆さんも解釈してみてください」
次の授業までに次のページの詩を解釈してくるのが宿題となった。
わたくしもハインリヒ殿下もげっそりとしている。
他の授業は問題なくわたくしもハインリヒ殿下も答えられないことがないくらいなのに、詩の授業だけはどうしても苦手だった。
「ミリヤム嬢、詩の授業はどうですか?」
「わたくしには難しいようです。詩の意味をあんな風に読み取ることができません」
「読み取ろうと思えば読み取れるのでしょうが、何か、抵抗感があって……」
わたくしは詩の意味を理解したくない自分に気付いていた。なんでこんなに詩がこの国で流行ってしまったのか全く分からない。
原作の『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』では詩の描写はなかった気がする。
わたくしがクリスタちゃんの運命を変えて、そのせいでノルベルト殿下の運命も変わって、ノエル殿下が隣国からオルヒデー帝国に留学して来られたのがいけなかったのかもしれない。
まさか授業にまでなるとは思わなくて、わたくしは詩の難解さに苦しんでいた。
授業が終わってお茶会が開かれると、ノエル殿下は嬉しそうにわたくしとハインリヒ殿下とミリヤムちゃんに聞いてきた。
「今日は三年生は詩の授業があったのですよね? わたくしの詩を読みましたか? それとも、わたくしが書き留めておいた、クリスタ嬢の詩でしたか? エリザベート嬢のハイクもあるはずですが」
「今日はノエル殿下の詩でした」
「ミリヤム嬢が朗読をして、オリヴァー・シュタール殿が解説をしました」
「素晴らしい詩だとは分かるのですが、わたくしにはまだ解説をするだけの技量がなくて」
わたくしとハインリヒ殿下とミリヤムちゃんの言葉に、ノエル殿下が微笑んで告げる。
「わたくしが解説してしまったら、答えを教えるようなものですからね。クリスタ嬢は詩の才能がありますから、ハインリヒ殿下とエリザベート嬢とミリヤム嬢はクリスタ嬢に聞けばいいのではないですか?」
「そうさせていただきます」
「よろしくお願いします、クリスタ」
「クリスタ様、お願いします」
最終的にはハインリヒ殿下もわたくしもミリヤムちゃんも、クリスタちゃんに聞くしかないようだった。
そういえば今日発表したオリヴァー・シュタール殿についてわたくしは少し気になっていた。
オリヴァー殿はシュタール侯爵家の後継者で、シュタール侯爵家は辺境伯領にあったのではないだろうか。辺境伯領から学園に来ているもの自体が少ないので、褐色の肌に癖のある黒髪のオリヴァー殿はよく目立つ。
辺境伯領の出身の者は肌の色が違うだけでなく、背も高いので特に目を引くのだ。
「オリヴァー殿は詩の意味を理解できていたようでしたね」
「オリヴァー殿は二年生のときも、成績は常に学年の上位五位以内に入っていました」
学園に入学してもノエル殿下が主催するノルベルト殿下とハインリヒ殿下とご一緒するお茶会に参加して、交友関係が広いとはいえないわたくしは、オリヴァー殿のことをほとんど知らなかった。
今日発表したのでオリヴァー殿をやっと認識したようなものだ。
他の授業ではわたくしかハインリヒ殿下が指名されるか当てられるので、オリヴァー殿が前に出て来たのは今回が初めてかもしれなかった。
「オリヴァー殿もペオーニエ寮ですか?」
「いえ、オリヴァー殿はリーリエ寮ですね」
ハインリヒ殿下に確認してみると、オリヴァー殿がリーリエ寮だということが分かる。
男性に声をかけるのは婚約者がいる身として誤解を生みかねないし、遠慮はしたいのだが、詩の授業のことを考えると、わたくしはオリヴァー殿に力を借りたい気持ちが出て来ていた。
「ハインリヒ殿下、ミリヤム嬢、オリヴァー殿は詩を理解していたように思います。クリスタに聞くのは悪くはないのですが、クリスタは学年が違うので授業の進み具合が違うでしょう。オリヴァー殿に声をかけてみるというのはどうですか?」
「エリザベート嬢から声をかけるのはあまりよくないですね。私から声をかけて見ましょう」
「お願いします、ハインリヒ殿下」
詩の宿題を終わらせるためにも、わたくしはオリヴァー殿の力が必要だった。
それと共に、わたくしの頭を過っていたのは中央と辺境伯領の貴族の交流がもっと盛んになることだった。ハインリヒ殿下がシュタール侯爵家のオリヴァー殿と親しくなれれば、オリヴァー殿も中央のお茶会に招かれるようになるのではないだろうか。
ハインリヒ殿下の行動力はすごかった。
翌日の授業が終わってから、オリヴァー殿に声をかけたのだ。
「オリヴァー殿、この後時間がありますか?」
「ハインリヒ殿下のためならば、どれだけでも時間は作ります」
「昨日の詩の授業について、オリヴァー殿が見事な解釈をしていたので、宿題を一緒にしたいと思ってお声掛けしました。実は、私は芸術を解する心がないので、詩の意味がよく分からないのです」
「詩の意味ですか? 書かれている通りだと思いますよ」
「胸の小鳥とか言われても、よく分からなくて」
正直に話すハインリヒ殿下に、オリヴァー殿が教えてくれる。
「胸の小鳥と思うから分からなくなるのです。胸の恋心と置き換えてしまえば、意味は通じませんか?」
「そうなると、最後の小鳥のように自由にというのは?」
「そこには『胸の』が付いていないから、普通の小鳥だと思えばいいのです」
「なるほど! オリヴァー殿はよく理解していらっしゃる」
「ハインリヒ殿下にお褒めに預かり、光栄です」
ハインリヒ殿下とオリヴァー殿で話が進んでいるが、わたくしもミリヤムちゃんもしっかりとその解説方法をノートに書き留めておいた。
「わたくしは辺境伯家のエクムント・ヒンケル様の婚約者、エリザベート・ディッペルです」
「お名前はよく聞いております。辺境伯家のお茶会ではお姿も拝見しておりました」
「これから、詩の授業のたびに、オリヴァー殿とハインリヒ殿下とわたくしとミリヤム嬢で勉強会を致しませんか?」
「ハインリヒ殿下とエリザベート様とミリヤム嬢とご一緒できて嬉しいです」
まずは一緒に勉強をすること。
ここから始めればいいのかもしれない。
オリヴァー殿がハインリヒ殿下の学友と認められれば、交流もしやすくなるはずだ。
結果として、オリヴァー殿をきっかけに辺境伯領の貴族たちが中央の貴族たちと交流が盛んになれば、それ以上のことはない。
わたくしは第一歩としてオリヴァー殿との詩の勉強会を考えていた。
先生に指名されたミリヤムちゃんが教科書を開いて指定されたページを読む。
「わたくしの胸の小鳥は、あなたの名前を呼んで鳴くのです。この美しい春の夕べ、あなたはどこで誰のことを考えているのでしょう。わたくしの胸の小鳥があなたの名前を呼ぶたびに、わたくしはあなたに会いたくてたまりません。小鳥のように自由の翼であなたのもとへ飛んでいけたらいいのに」
「ミリヤム・アレンス子爵令嬢、よく読めました。この詩の解説をどなたにしていただきましょうか? 自信のある方は挙手を」
授業なのにわたくしは挙手できずにいる。
学年で首席を取りたい気持ちはあるのだが、詩だけはどうしてもわたくしが理解できるところではなかった。
ハインリヒ殿下を見れば、ハインリヒ殿下も硬直したかのように手を上げずにいる。
一人の男子生徒が手を上げて指名された。
「オリヴァー・シュタール侯爵令息、解説をどうぞ」
「この詩は胸に宿る恋心を小鳥に例えたものと思われます。春の夕べに会えない好きなひとの元へ、小鳥が解き放たれて自由に飛んでいくように、飛んでいけたらという思いを込めた詩です」
「素晴らしい解釈ですね。詩にはそれぞれ自由な解釈があります。詩の内容をよく読んで自分の心に問いかけて、皆さんも解釈してみてください」
次の授業までに次のページの詩を解釈してくるのが宿題となった。
わたくしもハインリヒ殿下もげっそりとしている。
他の授業は問題なくわたくしもハインリヒ殿下も答えられないことがないくらいなのに、詩の授業だけはどうしても苦手だった。
「ミリヤム嬢、詩の授業はどうですか?」
「わたくしには難しいようです。詩の意味をあんな風に読み取ることができません」
「読み取ろうと思えば読み取れるのでしょうが、何か、抵抗感があって……」
わたくしは詩の意味を理解したくない自分に気付いていた。なんでこんなに詩がこの国で流行ってしまったのか全く分からない。
原作の『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』では詩の描写はなかった気がする。
わたくしがクリスタちゃんの運命を変えて、そのせいでノルベルト殿下の運命も変わって、ノエル殿下が隣国からオルヒデー帝国に留学して来られたのがいけなかったのかもしれない。
まさか授業にまでなるとは思わなくて、わたくしは詩の難解さに苦しんでいた。
授業が終わってお茶会が開かれると、ノエル殿下は嬉しそうにわたくしとハインリヒ殿下とミリヤムちゃんに聞いてきた。
「今日は三年生は詩の授業があったのですよね? わたくしの詩を読みましたか? それとも、わたくしが書き留めておいた、クリスタ嬢の詩でしたか? エリザベート嬢のハイクもあるはずですが」
「今日はノエル殿下の詩でした」
「ミリヤム嬢が朗読をして、オリヴァー・シュタール殿が解説をしました」
「素晴らしい詩だとは分かるのですが、わたくしにはまだ解説をするだけの技量がなくて」
わたくしとハインリヒ殿下とミリヤムちゃんの言葉に、ノエル殿下が微笑んで告げる。
「わたくしが解説してしまったら、答えを教えるようなものですからね。クリスタ嬢は詩の才能がありますから、ハインリヒ殿下とエリザベート嬢とミリヤム嬢はクリスタ嬢に聞けばいいのではないですか?」
「そうさせていただきます」
「よろしくお願いします、クリスタ」
「クリスタ様、お願いします」
最終的にはハインリヒ殿下もわたくしもミリヤムちゃんも、クリスタちゃんに聞くしかないようだった。
そういえば今日発表したオリヴァー・シュタール殿についてわたくしは少し気になっていた。
オリヴァー殿はシュタール侯爵家の後継者で、シュタール侯爵家は辺境伯領にあったのではないだろうか。辺境伯領から学園に来ているもの自体が少ないので、褐色の肌に癖のある黒髪のオリヴァー殿はよく目立つ。
辺境伯領の出身の者は肌の色が違うだけでなく、背も高いので特に目を引くのだ。
「オリヴァー殿は詩の意味を理解できていたようでしたね」
「オリヴァー殿は二年生のときも、成績は常に学年の上位五位以内に入っていました」
学園に入学してもノエル殿下が主催するノルベルト殿下とハインリヒ殿下とご一緒するお茶会に参加して、交友関係が広いとはいえないわたくしは、オリヴァー殿のことをほとんど知らなかった。
今日発表したのでオリヴァー殿をやっと認識したようなものだ。
他の授業ではわたくしかハインリヒ殿下が指名されるか当てられるので、オリヴァー殿が前に出て来たのは今回が初めてかもしれなかった。
「オリヴァー殿もペオーニエ寮ですか?」
「いえ、オリヴァー殿はリーリエ寮ですね」
ハインリヒ殿下に確認してみると、オリヴァー殿がリーリエ寮だということが分かる。
男性に声をかけるのは婚約者がいる身として誤解を生みかねないし、遠慮はしたいのだが、詩の授業のことを考えると、わたくしはオリヴァー殿に力を借りたい気持ちが出て来ていた。
「ハインリヒ殿下、ミリヤム嬢、オリヴァー殿は詩を理解していたように思います。クリスタに聞くのは悪くはないのですが、クリスタは学年が違うので授業の進み具合が違うでしょう。オリヴァー殿に声をかけてみるというのはどうですか?」
「エリザベート嬢から声をかけるのはあまりよくないですね。私から声をかけて見ましょう」
「お願いします、ハインリヒ殿下」
詩の宿題を終わらせるためにも、わたくしはオリヴァー殿の力が必要だった。
それと共に、わたくしの頭を過っていたのは中央と辺境伯領の貴族の交流がもっと盛んになることだった。ハインリヒ殿下がシュタール侯爵家のオリヴァー殿と親しくなれれば、オリヴァー殿も中央のお茶会に招かれるようになるのではないだろうか。
ハインリヒ殿下の行動力はすごかった。
翌日の授業が終わってから、オリヴァー殿に声をかけたのだ。
「オリヴァー殿、この後時間がありますか?」
「ハインリヒ殿下のためならば、どれだけでも時間は作ります」
「昨日の詩の授業について、オリヴァー殿が見事な解釈をしていたので、宿題を一緒にしたいと思ってお声掛けしました。実は、私は芸術を解する心がないので、詩の意味がよく分からないのです」
「詩の意味ですか? 書かれている通りだと思いますよ」
「胸の小鳥とか言われても、よく分からなくて」
正直に話すハインリヒ殿下に、オリヴァー殿が教えてくれる。
「胸の小鳥と思うから分からなくなるのです。胸の恋心と置き換えてしまえば、意味は通じませんか?」
「そうなると、最後の小鳥のように自由にというのは?」
「そこには『胸の』が付いていないから、普通の小鳥だと思えばいいのです」
「なるほど! オリヴァー殿はよく理解していらっしゃる」
「ハインリヒ殿下にお褒めに預かり、光栄です」
ハインリヒ殿下とオリヴァー殿で話が進んでいるが、わたくしもミリヤムちゃんもしっかりとその解説方法をノートに書き留めておいた。
「わたくしは辺境伯家のエクムント・ヒンケル様の婚約者、エリザベート・ディッペルです」
「お名前はよく聞いております。辺境伯家のお茶会ではお姿も拝見しておりました」
「これから、詩の授業のたびに、オリヴァー殿とハインリヒ殿下とわたくしとミリヤム嬢で勉強会を致しませんか?」
「ハインリヒ殿下とエリザベート様とミリヤム嬢とご一緒できて嬉しいです」
まずは一緒に勉強をすること。
ここから始めればいいのかもしれない。
オリヴァー殿がハインリヒ殿下の学友と認められれば、交流もしやすくなるはずだ。
結果として、オリヴァー殿をきっかけに辺境伯領の貴族たちが中央の貴族たちと交流が盛んになれば、それ以上のことはない。
わたくしは第一歩としてオリヴァー殿との詩の勉強会を考えていた。
35
お気に入りに追加
1,691
あなたにおすすめの小説
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる