290 / 528
九章 クリスタちゃんの婚約と学園入学
50.式典後の昼食会
しおりを挟む
国王陛下の生誕の式典が無事に終わると、クリスタちゃんは着替えて両親の部屋に向かった。両親の部屋のソファセットに軽食と紅茶が用意されている。
「ハインリヒ殿下が用意してくれたものだよ」
「昼食会も晩餐会も全く料理に手を付けられなかったでしょう。クリスタ、お疲れ様。お上がりなさい」
両親に促されてクリスタちゃんは上品にフォークを持ってキッシュを食べ、サンドイッチとケーキを食べ、紅茶を飲んでいた。
わたくしは昼食会も晩餐会もなんとか料理を食べることができたが、あの素晴らしい料理をクリスタちゃんが一口も食べられなかったと思うと、わたくしだけ食べてしまって申し訳なくなっていた。
「クリスタ、大変でしたね」
「お腹は空いたけど、歌の披露と詩の披露、どちらもやり遂げられて、王族として認められたようで安心しましたわ」
「クリスタは立派な淑女で、ハインリヒ殿下の婚約者です」
わたくしが言えばクリスタちゃんは無邪気に微笑んでいた。
食事が終わるとクリスタちゃんとわたくしは部屋に戻って順番にお風呂に入って眠る。
目覚めて朝食を食べに両親の部屋に行ったクリスタちゃんとわたくしに、両親が一通の手紙を見せてくれた。
「クリスタとエリザベートは冬休みで学園がお休みだよね」
「ハインリヒ殿下から昼食会のお誘いが来ていますよ」
「お茶会ではなく、昼食会のお誘いですか?」
「ハインリヒ殿下はクリスタだけを招待しているのですか?」
「いいえ、クリスタとエリザベートです。わたくしとお父様はマリアとフランツが待っているので、ディッペル公爵領に帰ります」
「昼食会にはエクムント殿も招待されているようだよ。ハインリヒ殿下とクリスタ、エクムント殿とエリザベートで楽しんでくるといい」
ハインリヒ殿下に誘われた昼食会がどのようなものかわたくしには想像できるような気がしていた。
きっとそれを促したのはエクムント様に違いない。
両親は朝食を食べると馬車と列車を乗り継いでディッペル公爵領に帰ってしまったが、わたくしとクリスタちゃんは残って部屋で過ごしながら昼食会を待っていると、昼食会の前にハインリヒ殿下とエクムント様が迎えに来てくださる。
「クリスタ嬢、一緒に食堂に行きましょう」
「はい、ハインリヒ殿下」
「エリザベート嬢、お迎えに上がりました」
「ありがとうございます、エクムント様」
それぞれに手を引かれて食堂に行くと、そこにはノルベルト殿下とノエル殿下もいた。
食堂で席に着くと、料理が運ばれて来る。
その料理は、国王陛下の生誕の式典で出された昼食会の料理と全く同じだった。
「エクムント殿に相談したのです。毎回クリスタ嬢は王宮の料理を食べられない。それでは王宮の行事が苦痛になるのではないかと」
「私がエリザベート嬢のために、私のお誕生日の料理を昼食会を開いて振舞ったとお話したら、ハインリヒ殿下もそうしたいと仰って」
「エクムント殿からいい話を聞きました。クリスタ嬢、遠慮なく食べてください。私も食べます。ノエル殿下とノルベルト兄上も食べられなかっただろうから招待しました。エクムント殿とエリザベート嬢は同じ料理ですみません」
「わたくしのことは気にしないでください。クリスタ、よかったですね」
「私が言い出したことですから、私のことはお気になさらず」
やはり想像通りだった。
ハインリヒ殿下はクリスタちゃんのために国王陛下の生誕の式典の昼食会を再現してくださったのだ。
その陰にはエクムント様が助言役としていてくださった。想像通りのことだったが、クリスタちゃんは想像していなかったのか、水色の目を輝かせている。
「フォアグラと野菜のテリーヌ、肉団子入りのコンソメスープ、白身魚のムニエル、子羊の香草焼き、デザートの林檎のシュトゥルーデル……全部食べたかったものですわ」
「ゆっくり食べてくださいね」
「はい、味わって食べます。ハインリヒ殿下、ありがとうございます」
目を輝かせて頬を薔薇色に染めているクリスタちゃんは本当に嬉しそうだった。
わたくしも昨日と同じメニューになるが美味しかったのは確かなのでありがたくいただく。
「わたくし、いつも王家が主催の式典では何も食べられないことが多いので、こうして食べられるのは嬉しいですわ」
「僕も早く気付いてノエル殿下に昼食会を開けばよかったですね。エクムント殿は本当にこういうところの気遣いができる」
「エクムント殿が婚約者のエリザベート嬢は幸せですわ」
「その通りだと思います」
ノエル殿下とノルベルト殿下に言われてわたくしは胸がドキドキする。エクムント様の顔を見れば優しく微笑んでいた。
こんなにも気遣いができて優しくて、素晴らしい相手が婚約者でわたくしは誇らしい。
姿勢を正して食事を続けるわたくしをエクムント様もまた食事に集中し始めていた。
エクムント様以外は未成年なので、飲み物は紅茶と葡萄ジュースである。それでもエクムント様が文句を言うようなことはなかった。
クリスタちゃんもノエル殿下も、デザートまで綺麗に食べ終えた。
デザートのシュトゥルーデルとは薄いパイ生地で林檎を巻いた、この国のケーキだ。
パイの食感と煮た林檎の甘酸っぱさがよく合う。
わたくしも全部食べ終えてエクムント様のお皿を見ると、完食されていた。
「とても美味しかったですわ。王宮の調理人はやはり一流ですね」
「クリスタ嬢がそのことを知っていてくれるのは嬉しいです。料理長にもクリスタ嬢が喜んでいたことを伝えましょう」
「食べられないお皿が下げられていくのはとても悲しかったのです。今日はゆっくりと食べられてとても満足でした」
素直に十二歳らしく感想を言うクリスタちゃんにハインリヒ殿下も微笑んでいる。
「この食事会を計画してよかったです。また何かあったときには、晩餐会までは再現できなくても昼食会くらいは再現して、一緒に食事をしましょう」
「はい、ハインリヒ殿下」
「クリスタ嬢が王族になったことで嫌な思いをするようなことは少しでも避けたかったのです」
「お気持ちが嬉しいです」
ハインリヒ殿下もクリスタちゃんが喜んでいることに満足している様子だし、この昼食会は大成功だったのだろう。
昼食会が終わると、わたくしとクリスタちゃんはエクムント様とハインリヒ殿下に部屋まで送ってもらって、部屋で荷物を纏めた。
冬休みなのでディッペル家に帰ることができる。わたくしもクリスタちゃんも学園に入学してからは護衛と一緒に自分たちだけで王都とディッペル家を往復していたので、帰るのに不安はない。
ハインリヒ殿下もエクムント様もわたくしたちの部屋に入ることはなく、迎えに来たときも、送って下さったときも、廊下で挨拶をする。
これが真の紳士なのだとわたくしはエクムント様とハインリヒ殿下の教育の行き届いているところを見た気がした。
ディッペル家に帰るとふーちゃんとまーちゃんが飛びついてきた。
わたくしがふーちゃんを抱き締め、クリスタちゃんがまーちゃんを抱き締める。
「ただいま帰りましたわ、フランツ、マリア」
「会いたかったですわ」
「エリザベートおねえさま、クリスタおねえさま、おかえりなさい」
「わたくしもあいたかったです」
しっかりと抱き締め合ってからわたくしとクリスタちゃんは着替えるために部屋に戻った。部屋で着替えていると、クリスタちゃんの呟きが聞こえる。
「ミリヤムちゃんに会いたいですわ」
「ミリヤムちゃんのことをわたくしも考えていたのです」
ミリヤムちゃんは王家の式典に出られる身分ではないし、そういう年齢でもない。
クリスタちゃんがミリヤムちゃんのことを思い出したのは、ドレスや服を洗濯に出すために荷物から取り出すときに、ミリヤムちゃんが洗濯物の出し方も上級生に教えてもらえなかったというのを聞いたことが頭を過ったからだろう。
ペオーニエ寮ではわたくしは安心してドレスも洗濯に出せているが、ミリヤムちゃんが苛められていた頃にはそんなことはとてもできなかったのではないだろうか。
シャワーを浴びるために持って行った服も濡らされたり、インクで汚されたりしたと聞いていた。
今は苛めはなくなっているだろうが、ミリヤムちゃんはローゼン寮で孤立しているのは確かだ。
できる限りミリヤムちゃんのそばにいて孤独ではないのだと思わせたいと感じていた。
「ハインリヒ殿下が用意してくれたものだよ」
「昼食会も晩餐会も全く料理に手を付けられなかったでしょう。クリスタ、お疲れ様。お上がりなさい」
両親に促されてクリスタちゃんは上品にフォークを持ってキッシュを食べ、サンドイッチとケーキを食べ、紅茶を飲んでいた。
わたくしは昼食会も晩餐会もなんとか料理を食べることができたが、あの素晴らしい料理をクリスタちゃんが一口も食べられなかったと思うと、わたくしだけ食べてしまって申し訳なくなっていた。
「クリスタ、大変でしたね」
「お腹は空いたけど、歌の披露と詩の披露、どちらもやり遂げられて、王族として認められたようで安心しましたわ」
「クリスタは立派な淑女で、ハインリヒ殿下の婚約者です」
わたくしが言えばクリスタちゃんは無邪気に微笑んでいた。
食事が終わるとクリスタちゃんとわたくしは部屋に戻って順番にお風呂に入って眠る。
目覚めて朝食を食べに両親の部屋に行ったクリスタちゃんとわたくしに、両親が一通の手紙を見せてくれた。
「クリスタとエリザベートは冬休みで学園がお休みだよね」
「ハインリヒ殿下から昼食会のお誘いが来ていますよ」
「お茶会ではなく、昼食会のお誘いですか?」
「ハインリヒ殿下はクリスタだけを招待しているのですか?」
「いいえ、クリスタとエリザベートです。わたくしとお父様はマリアとフランツが待っているので、ディッペル公爵領に帰ります」
「昼食会にはエクムント殿も招待されているようだよ。ハインリヒ殿下とクリスタ、エクムント殿とエリザベートで楽しんでくるといい」
ハインリヒ殿下に誘われた昼食会がどのようなものかわたくしには想像できるような気がしていた。
きっとそれを促したのはエクムント様に違いない。
両親は朝食を食べると馬車と列車を乗り継いでディッペル公爵領に帰ってしまったが、わたくしとクリスタちゃんは残って部屋で過ごしながら昼食会を待っていると、昼食会の前にハインリヒ殿下とエクムント様が迎えに来てくださる。
「クリスタ嬢、一緒に食堂に行きましょう」
「はい、ハインリヒ殿下」
「エリザベート嬢、お迎えに上がりました」
「ありがとうございます、エクムント様」
それぞれに手を引かれて食堂に行くと、そこにはノルベルト殿下とノエル殿下もいた。
食堂で席に着くと、料理が運ばれて来る。
その料理は、国王陛下の生誕の式典で出された昼食会の料理と全く同じだった。
「エクムント殿に相談したのです。毎回クリスタ嬢は王宮の料理を食べられない。それでは王宮の行事が苦痛になるのではないかと」
「私がエリザベート嬢のために、私のお誕生日の料理を昼食会を開いて振舞ったとお話したら、ハインリヒ殿下もそうしたいと仰って」
「エクムント殿からいい話を聞きました。クリスタ嬢、遠慮なく食べてください。私も食べます。ノエル殿下とノルベルト兄上も食べられなかっただろうから招待しました。エクムント殿とエリザベート嬢は同じ料理ですみません」
「わたくしのことは気にしないでください。クリスタ、よかったですね」
「私が言い出したことですから、私のことはお気になさらず」
やはり想像通りだった。
ハインリヒ殿下はクリスタちゃんのために国王陛下の生誕の式典の昼食会を再現してくださったのだ。
その陰にはエクムント様が助言役としていてくださった。想像通りのことだったが、クリスタちゃんは想像していなかったのか、水色の目を輝かせている。
「フォアグラと野菜のテリーヌ、肉団子入りのコンソメスープ、白身魚のムニエル、子羊の香草焼き、デザートの林檎のシュトゥルーデル……全部食べたかったものですわ」
「ゆっくり食べてくださいね」
「はい、味わって食べます。ハインリヒ殿下、ありがとうございます」
目を輝かせて頬を薔薇色に染めているクリスタちゃんは本当に嬉しそうだった。
わたくしも昨日と同じメニューになるが美味しかったのは確かなのでありがたくいただく。
「わたくし、いつも王家が主催の式典では何も食べられないことが多いので、こうして食べられるのは嬉しいですわ」
「僕も早く気付いてノエル殿下に昼食会を開けばよかったですね。エクムント殿は本当にこういうところの気遣いができる」
「エクムント殿が婚約者のエリザベート嬢は幸せですわ」
「その通りだと思います」
ノエル殿下とノルベルト殿下に言われてわたくしは胸がドキドキする。エクムント様の顔を見れば優しく微笑んでいた。
こんなにも気遣いができて優しくて、素晴らしい相手が婚約者でわたくしは誇らしい。
姿勢を正して食事を続けるわたくしをエクムント様もまた食事に集中し始めていた。
エクムント様以外は未成年なので、飲み物は紅茶と葡萄ジュースである。それでもエクムント様が文句を言うようなことはなかった。
クリスタちゃんもノエル殿下も、デザートまで綺麗に食べ終えた。
デザートのシュトゥルーデルとは薄いパイ生地で林檎を巻いた、この国のケーキだ。
パイの食感と煮た林檎の甘酸っぱさがよく合う。
わたくしも全部食べ終えてエクムント様のお皿を見ると、完食されていた。
「とても美味しかったですわ。王宮の調理人はやはり一流ですね」
「クリスタ嬢がそのことを知っていてくれるのは嬉しいです。料理長にもクリスタ嬢が喜んでいたことを伝えましょう」
「食べられないお皿が下げられていくのはとても悲しかったのです。今日はゆっくりと食べられてとても満足でした」
素直に十二歳らしく感想を言うクリスタちゃんにハインリヒ殿下も微笑んでいる。
「この食事会を計画してよかったです。また何かあったときには、晩餐会までは再現できなくても昼食会くらいは再現して、一緒に食事をしましょう」
「はい、ハインリヒ殿下」
「クリスタ嬢が王族になったことで嫌な思いをするようなことは少しでも避けたかったのです」
「お気持ちが嬉しいです」
ハインリヒ殿下もクリスタちゃんが喜んでいることに満足している様子だし、この昼食会は大成功だったのだろう。
昼食会が終わると、わたくしとクリスタちゃんはエクムント様とハインリヒ殿下に部屋まで送ってもらって、部屋で荷物を纏めた。
冬休みなのでディッペル家に帰ることができる。わたくしもクリスタちゃんも学園に入学してからは護衛と一緒に自分たちだけで王都とディッペル家を往復していたので、帰るのに不安はない。
ハインリヒ殿下もエクムント様もわたくしたちの部屋に入ることはなく、迎えに来たときも、送って下さったときも、廊下で挨拶をする。
これが真の紳士なのだとわたくしはエクムント様とハインリヒ殿下の教育の行き届いているところを見た気がした。
ディッペル家に帰るとふーちゃんとまーちゃんが飛びついてきた。
わたくしがふーちゃんを抱き締め、クリスタちゃんがまーちゃんを抱き締める。
「ただいま帰りましたわ、フランツ、マリア」
「会いたかったですわ」
「エリザベートおねえさま、クリスタおねえさま、おかえりなさい」
「わたくしもあいたかったです」
しっかりと抱き締め合ってからわたくしとクリスタちゃんは着替えるために部屋に戻った。部屋で着替えていると、クリスタちゃんの呟きが聞こえる。
「ミリヤムちゃんに会いたいですわ」
「ミリヤムちゃんのことをわたくしも考えていたのです」
ミリヤムちゃんは王家の式典に出られる身分ではないし、そういう年齢でもない。
クリスタちゃんがミリヤムちゃんのことを思い出したのは、ドレスや服を洗濯に出すために荷物から取り出すときに、ミリヤムちゃんが洗濯物の出し方も上級生に教えてもらえなかったというのを聞いたことが頭を過ったからだろう。
ペオーニエ寮ではわたくしは安心してドレスも洗濯に出せているが、ミリヤムちゃんが苛められていた頃にはそんなことはとてもできなかったのではないだろうか。
シャワーを浴びるために持って行った服も濡らされたり、インクで汚されたりしたと聞いていた。
今は苛めはなくなっているだろうが、ミリヤムちゃんはローゼン寮で孤立しているのは確かだ。
できる限りミリヤムちゃんのそばにいて孤独ではないのだと思わせたいと感じていた。
31
お気に入りに追加
1,691
あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる