263 / 528
九章 クリスタちゃんの婚約と学園入学
23.熟れたトマトとわたくしの顔
しおりを挟む
辺境伯家の昼食はサラダと、魚介とトマトの冷製パスタと、冷製スープだった。
何も遮るものがない外に比べれば辺境伯家は涼しいし、楽な格好に着替えていたのだが、それでも暑くないわけではない。涼しい昼食はわたくしたちの火照った体を冷やしてくれた。
サラダには白身魚のカルパッチョが乗っていて、魚介とトマトの冷製パスタは魚介の旨味が出てとても美味しい。上に乗っている海老がぷりぷりとして冷たくて心地よくてどれだけでも食べられそうな気がする。
お腹がいっぱいになったふーちゃんとまーちゃんは眠くなっていた。
もう五歳と四歳になっているのでお昼寝はしないことが多いのだが、今日は長旅で疲れたようだ。うとうととしているふーちゃんとまーちゃんをヘルマンさんとレギーナが客間に連れて行っていた。
「ハインリヒ殿下とノルベルト殿下とノエル殿下は、明日から来て三日間滞在すると知らせが来ています」
「ハインリヒ殿下とノルベルト殿下とノエル殿下も滞在の許可が下りたのですね」
「エリザベート嬢に憧れたラウラ・ヒューゲル嬢が独立派のリストを教えてくれて、会合の場面を狙って捕らえたおかげで、辺境伯領が落ち着いて、王族の方も招けるようになりました」
「ラウラ嬢は中央のドレスを着て嬉しそうに過ごしているようです」
エクムント様とカサンドラ様から説明を受けて、わたくしは大人のラウラ嬢がわたくしのような子どもに憧れて独立派の父を裏切ったことがまだ信じられないような気分でいた。
中央のコルセットも使わない、スカートも膨らませず丈も床につかないモダンなドレスを着たわたくしが、ラウラ嬢には眩しくて、ラウラ嬢はコルセットを使った、床につくくらいの丈のスカートを膨らませた古風なドレスを着ていた自分を「猿のようだ」と自嘲するくらい眩しく見つめてくださっていた。
中央の学園に通っている婚約者がいるのだから、その婚約者に釣り合うようになりたいと思うのは当然のことだろう。
中央の学園に子息を送り出している婚約者の両親は、オルヒデー帝国との融和派に違いないし、ラウラ嬢が独立派を続けていれば婚約の見直しも有り得たかもしれないのだ。
ラウラ嬢はその婚約者を慕っている様子だったし、婚約の見直しなど絶対に嫌だっただろう。
独立派の一掃は成すべくして成ったのだとわたくしは思っている。
「エリザベートがお役に立てたのならば幸いですわ」
「エリザベートにはどこに出しても恥ずかしくない装いと礼儀作法を身に着けさせているつもりです。それが辺境伯領の貴族の心を動かしたのでしたら、嬉しい限りですね」
謙遜することなくわたくしを褒める両親に、わたくしは恥ずかしくてフルーツティーの紅茶色の水面を見詰めてしまう。
美徳としては謙遜するものなのかもしれないが、わたくしの両親は自分の娘や息子に甘いところがあった。
「エリザベート嬢は美しくなられました。何より、私はエリザベート嬢の強さを評価しているのです」
「エリザベートの強さですか?」
「そうです。八歳で私の婚約者に選ばれたとき、エリザベート嬢は怖じることなく真っすぐに顔を上げて婚約式に臨んでいました。八歳にしてエリザベート嬢は辺境伯の妻となる覚悟を決めてくれているのだと私は思ったのです。あのとき、エリザベート嬢の隣りに立つ私が腑抜けではいけないと、私も辺境伯になる覚悟を決めました」
その話はわたくしも初めて聞くものだった。
八歳の時点でわたくしはカサンドラ様にお願いをされて辺境伯家の婚約者となったわけであるが、婚約式のときのことはあまり覚えてはいない。それくらい緊張していたのだ。
それがエクムント様にはそのように見えていただなんて初耳だ。
「エクムント殿はエリザベートを大事にしてくださると信じています」
「エリザベートも辺境伯の妻に相応しい女性になるために勉強しています」
両親に言われてエクムント様が微笑む。
「最初からエリザベート嬢は辺境伯の妻に相応しい方だったのですがね」
なんということでしょう。
口説くようなことを無意識に口にするなと言われたエクムント様が、またわたくしに甘い言葉を囁いて来ている。
冷静を装ってフルーツティーを飲みながら、わたくしはデザートのチョコレートケーキが胸がいっぱいになって入らなくなってしまった。
「エクムント様、そういうところですよ」
「エクムント、まだ分かっていないようだな?」
「何がですか? 私は正直な思いを述べたまでです」
「それがいけないと言っているのだ」
「嘘を吐けと仰るのですか?」
「そうではないのだが……エリザベート嬢すまない、エクムントが」
カサンドラ様に謝られてしまった。
「とんでもないです。エクムント様のお気持ちを知ることができてとても嬉しく思います」
嬉しいと同時に両親の前でそんなことを言われてしまった恥ずかしいし、動揺するし、わたくしはもう必死だった。
クリスタちゃんは「お姉様、大丈夫ですか?」とわたくしの顔を覗き込んでくるし、両親もわたくしを見ている気がする。
「とても美味しかったですわ。わたくし、食べ過ぎてしまったようです。デザートまで食べきることができませんでしたわ」
「エリザベート嬢のお口に合ったのなら幸いです。本日は私も政務があるのでこれで失礼しますが、また夕食のときにお会いしましょう」
ミントティーを飲み干してエクムント様が立ち上がる。わたくしもクリスタちゃんも両親も立ち上がって客間に戻った。
客間に戻って扇で顔を仰いでいると、母がわたくしに近寄ってくる。
「エリザベート、さっきは行儀作法は完璧でしたが……」
「わ、わたくし、なにかやらかしてしまいましたか!?」
レーニちゃんのお誕生日のような失態は二度と犯すまいと思っていたのに、わたくしは何かしてしまったようだ。内密に母が知らせてくれるのもそのことだろう。
「顔が熟れたトマトのように真っ赤でした」
「きゃー!?」
恥ずかしさにわたくしは扇を取り落とし、両手で頬を押さえる。
平静を装って話をしていたし、やり取りも、食事の所作も何一つ失敗はしなかったのに、顔が赤くなるのだけは止められなかった。
「エクムント様が、あのようなことをお父様とお母様の前で仰るんですもの」
「エリザベートは悪くありません。顔色だけはどれだけ頑張っても変えることができませんからね」
「お母様、ああいうときはどうすればいいのですか?」
「わたくしは扇で顔を隠したり、先に白粉を濃い目に塗っておいて顔色の変化を見えないようにしていましたね」
「お母様も?」
「お父様があの通りの方でしょう?」
謙遜を知らない父は、母に対しても甘い言葉を惜しまないひとだったようだ。母もかつては真っ赤になる顔に困っていたようだ。
「わたくし、白粉を持っていません」
「エリザベートはまだ若いのでお化粧をしっかりする必要はないのですが、このようなことなら、白粉も必要かもしれませんね」
辺境伯領の女性は肌の色が濃いので特別な色の白粉があるのかもしれないが、わたくしの肌は白いのでオルヒデー帝国で使われている一般的な白粉が使えるだろう。
「今年のお誕生日には白粉をプレゼントしましょうね」
「ありがとうございます。わたくし、それより前に顔が真っ赤にならないでしょうか?」
「エクムント殿次第でしょうね。でも、愛されていることは幸せですよ。妹のようにしか思っていないと言いながらも、エクムント殿はしっかりとエリザベートを妻にする将来を見据えています。エリザベート、もっと自信を持っていいのですよ」
自信がないから顔も赤くなるし、動揺もしてしまう。もっと大らかに構えていられたら、エクムント様の甘い言葉に対しても受け流せるのかもしれない。
口説かれるようなことをされてしまうと、どうしても顔が赤くなるのは仕方がないのだが、母に「熟れたトマトのように真っ赤」とまで言われてしまうと、なんとか対策を練らねばいけないような気がする。
「エクムント様がお姉様を大事に思っているのは分かりましたわ。わたくし、エクムント様にならお姉様を譲れそうです」
「譲る? わたくしはクリスタのものではありませんが」
「わたくしの大事な大好きなお姉様です。わたくし以上の愛がない相手には例えエクムント様でも指一本触れさせられません!」
クリスタちゃんまで妙なことを言い出しているが、これは昔からなのであまり深く考えないでいいだろう。
何より、クリスタちゃんもエクムント様を認めているのは間違いないのだ。
「それにしても、自覚はしてほしいですわね」
クリスタちゃんの言葉に、わたくしは深く頷いた。
「それは、切実に!」
何も遮るものがない外に比べれば辺境伯家は涼しいし、楽な格好に着替えていたのだが、それでも暑くないわけではない。涼しい昼食はわたくしたちの火照った体を冷やしてくれた。
サラダには白身魚のカルパッチョが乗っていて、魚介とトマトの冷製パスタは魚介の旨味が出てとても美味しい。上に乗っている海老がぷりぷりとして冷たくて心地よくてどれだけでも食べられそうな気がする。
お腹がいっぱいになったふーちゃんとまーちゃんは眠くなっていた。
もう五歳と四歳になっているのでお昼寝はしないことが多いのだが、今日は長旅で疲れたようだ。うとうととしているふーちゃんとまーちゃんをヘルマンさんとレギーナが客間に連れて行っていた。
「ハインリヒ殿下とノルベルト殿下とノエル殿下は、明日から来て三日間滞在すると知らせが来ています」
「ハインリヒ殿下とノルベルト殿下とノエル殿下も滞在の許可が下りたのですね」
「エリザベート嬢に憧れたラウラ・ヒューゲル嬢が独立派のリストを教えてくれて、会合の場面を狙って捕らえたおかげで、辺境伯領が落ち着いて、王族の方も招けるようになりました」
「ラウラ嬢は中央のドレスを着て嬉しそうに過ごしているようです」
エクムント様とカサンドラ様から説明を受けて、わたくしは大人のラウラ嬢がわたくしのような子どもに憧れて独立派の父を裏切ったことがまだ信じられないような気分でいた。
中央のコルセットも使わない、スカートも膨らませず丈も床につかないモダンなドレスを着たわたくしが、ラウラ嬢には眩しくて、ラウラ嬢はコルセットを使った、床につくくらいの丈のスカートを膨らませた古風なドレスを着ていた自分を「猿のようだ」と自嘲するくらい眩しく見つめてくださっていた。
中央の学園に通っている婚約者がいるのだから、その婚約者に釣り合うようになりたいと思うのは当然のことだろう。
中央の学園に子息を送り出している婚約者の両親は、オルヒデー帝国との融和派に違いないし、ラウラ嬢が独立派を続けていれば婚約の見直しも有り得たかもしれないのだ。
ラウラ嬢はその婚約者を慕っている様子だったし、婚約の見直しなど絶対に嫌だっただろう。
独立派の一掃は成すべくして成ったのだとわたくしは思っている。
「エリザベートがお役に立てたのならば幸いですわ」
「エリザベートにはどこに出しても恥ずかしくない装いと礼儀作法を身に着けさせているつもりです。それが辺境伯領の貴族の心を動かしたのでしたら、嬉しい限りですね」
謙遜することなくわたくしを褒める両親に、わたくしは恥ずかしくてフルーツティーの紅茶色の水面を見詰めてしまう。
美徳としては謙遜するものなのかもしれないが、わたくしの両親は自分の娘や息子に甘いところがあった。
「エリザベート嬢は美しくなられました。何より、私はエリザベート嬢の強さを評価しているのです」
「エリザベートの強さですか?」
「そうです。八歳で私の婚約者に選ばれたとき、エリザベート嬢は怖じることなく真っすぐに顔を上げて婚約式に臨んでいました。八歳にしてエリザベート嬢は辺境伯の妻となる覚悟を決めてくれているのだと私は思ったのです。あのとき、エリザベート嬢の隣りに立つ私が腑抜けではいけないと、私も辺境伯になる覚悟を決めました」
その話はわたくしも初めて聞くものだった。
八歳の時点でわたくしはカサンドラ様にお願いをされて辺境伯家の婚約者となったわけであるが、婚約式のときのことはあまり覚えてはいない。それくらい緊張していたのだ。
それがエクムント様にはそのように見えていただなんて初耳だ。
「エクムント殿はエリザベートを大事にしてくださると信じています」
「エリザベートも辺境伯の妻に相応しい女性になるために勉強しています」
両親に言われてエクムント様が微笑む。
「最初からエリザベート嬢は辺境伯の妻に相応しい方だったのですがね」
なんということでしょう。
口説くようなことを無意識に口にするなと言われたエクムント様が、またわたくしに甘い言葉を囁いて来ている。
冷静を装ってフルーツティーを飲みながら、わたくしはデザートのチョコレートケーキが胸がいっぱいになって入らなくなってしまった。
「エクムント様、そういうところですよ」
「エクムント、まだ分かっていないようだな?」
「何がですか? 私は正直な思いを述べたまでです」
「それがいけないと言っているのだ」
「嘘を吐けと仰るのですか?」
「そうではないのだが……エリザベート嬢すまない、エクムントが」
カサンドラ様に謝られてしまった。
「とんでもないです。エクムント様のお気持ちを知ることができてとても嬉しく思います」
嬉しいと同時に両親の前でそんなことを言われてしまった恥ずかしいし、動揺するし、わたくしはもう必死だった。
クリスタちゃんは「お姉様、大丈夫ですか?」とわたくしの顔を覗き込んでくるし、両親もわたくしを見ている気がする。
「とても美味しかったですわ。わたくし、食べ過ぎてしまったようです。デザートまで食べきることができませんでしたわ」
「エリザベート嬢のお口に合ったのなら幸いです。本日は私も政務があるのでこれで失礼しますが、また夕食のときにお会いしましょう」
ミントティーを飲み干してエクムント様が立ち上がる。わたくしもクリスタちゃんも両親も立ち上がって客間に戻った。
客間に戻って扇で顔を仰いでいると、母がわたくしに近寄ってくる。
「エリザベート、さっきは行儀作法は完璧でしたが……」
「わ、わたくし、なにかやらかしてしまいましたか!?」
レーニちゃんのお誕生日のような失態は二度と犯すまいと思っていたのに、わたくしは何かしてしまったようだ。内密に母が知らせてくれるのもそのことだろう。
「顔が熟れたトマトのように真っ赤でした」
「きゃー!?」
恥ずかしさにわたくしは扇を取り落とし、両手で頬を押さえる。
平静を装って話をしていたし、やり取りも、食事の所作も何一つ失敗はしなかったのに、顔が赤くなるのだけは止められなかった。
「エクムント様が、あのようなことをお父様とお母様の前で仰るんですもの」
「エリザベートは悪くありません。顔色だけはどれだけ頑張っても変えることができませんからね」
「お母様、ああいうときはどうすればいいのですか?」
「わたくしは扇で顔を隠したり、先に白粉を濃い目に塗っておいて顔色の変化を見えないようにしていましたね」
「お母様も?」
「お父様があの通りの方でしょう?」
謙遜を知らない父は、母に対しても甘い言葉を惜しまないひとだったようだ。母もかつては真っ赤になる顔に困っていたようだ。
「わたくし、白粉を持っていません」
「エリザベートはまだ若いのでお化粧をしっかりする必要はないのですが、このようなことなら、白粉も必要かもしれませんね」
辺境伯領の女性は肌の色が濃いので特別な色の白粉があるのかもしれないが、わたくしの肌は白いのでオルヒデー帝国で使われている一般的な白粉が使えるだろう。
「今年のお誕生日には白粉をプレゼントしましょうね」
「ありがとうございます。わたくし、それより前に顔が真っ赤にならないでしょうか?」
「エクムント殿次第でしょうね。でも、愛されていることは幸せですよ。妹のようにしか思っていないと言いながらも、エクムント殿はしっかりとエリザベートを妻にする将来を見据えています。エリザベート、もっと自信を持っていいのですよ」
自信がないから顔も赤くなるし、動揺もしてしまう。もっと大らかに構えていられたら、エクムント様の甘い言葉に対しても受け流せるのかもしれない。
口説かれるようなことをされてしまうと、どうしても顔が赤くなるのは仕方がないのだが、母に「熟れたトマトのように真っ赤」とまで言われてしまうと、なんとか対策を練らねばいけないような気がする。
「エクムント様がお姉様を大事に思っているのは分かりましたわ。わたくし、エクムント様にならお姉様を譲れそうです」
「譲る? わたくしはクリスタのものではありませんが」
「わたくしの大事な大好きなお姉様です。わたくし以上の愛がない相手には例えエクムント様でも指一本触れさせられません!」
クリスタちゃんまで妙なことを言い出しているが、これは昔からなのであまり深く考えないでいいだろう。
何より、クリスタちゃんもエクムント様を認めているのは間違いないのだ。
「それにしても、自覚はしてほしいですわね」
クリスタちゃんの言葉に、わたくしは深く頷いた。
「それは、切実に!」
33
お気に入りに追加
1,684
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる