234 / 528
八章 エリザベートの学園入学
24.ラウラ嬢とマニキュアの話
しおりを挟む
ヒューゲル伯爵も交えてのお茶会はとても楽しかった。初めは話を聞く役に徹していたヒューゲル伯爵だったが、わたくしとハインリヒ殿下とノルベルト殿下が学園の話を始めると身を乗り出している。
「ハインリヒ殿下があんなに脚が速かったなんて知りませんでした」
「私はノルベルト兄上と小さい頃によく駆けっこをしたのです。大きくなってからも朝は庭を走るのが日課でした」
「僕たちの家庭教師は勉強だけでなく運動もできなければいけないと教えていて、父上の別荘の庭を毎日走っていましたよ」
「それで運動会でもリレーを選択されたのですね」
「学園の運動会は活躍したかったですからね」
ハインリヒ殿下とノルベルト殿下は王妃殿下が王宮におらず、国王陛下の別荘に別居していた時期に一緒に国王陛下の別荘に住んでいた。王妃殿下はハインリヒ殿下だけでなく、ノルベルト殿下の教育も請け負って、しっかりとした家庭教師を付けていたようだ。
そのおかげでハインリヒ殿下もノルベルト殿下も成績がよくて、運動もよくできると評判だった。
「ハインリヒ殿下もノルベルト殿下もエリザベート様もペオーニエ寮に所属されているのですよね?」
ヒューゲル伯爵の問いかけにわたくしもハインリヒ殿下もノルベルト殿下も「はい」と答える。
「ペオーニエ寮にわたくしの婚約者がおります。ローラント・アイヒマンというのですが……」
「アイヒマン侯爵家の次男殿ですね。知っています。ノエル殿下と同じ学年だったと思います」
ノルベルト殿下が反応したのに、わたくしもアイヒマン侯爵家について思い出してみる。
アイヒマン侯爵家は辺境伯領の侯爵家の中で珍しく王都の学園に子どもを通わせている貴族だ。辺境伯領の貴族はほとんどが王都の学園には子どもを通わせていなかった。
「わたくしが中央に憧れるのも、婚約者のローラント様が王都の学園に通っているからなのです。両親が決めた婚約でしたが、わたくしは小さい頃にお会いしたローラント様の愛らしさに一目で心奪われて、アイヒマン家が独立派からオルヒデー帝国との融和派になってからも、両親にどうにか婚約を破棄されないように手を回して、わたくしがヒューゲル伯爵に選ばれた後もローラント様との関係を続けておりました」
アイヒマン家は元々独立派だったようだが、カサンドラ様の説得によりオルヒデー帝国と融和派に変わったようだ。そのときに王都の学園に子どもたちを通わせると決めたのだろう。
ローラント殿は四年生で、十六歳のはずだ。
「ヒューゲル伯爵はお名前はなんと仰るのですか?」
「わたくしは、ラウラ・ヒューゲルと申します」
「ラウラ嬢とお呼びしていいですか?」
「嬢と呼ばれるような年でもないのですが」
「失礼ですが年齢を聞いてもよろしいですか?」
「わたくしは二十一歳です」
大人びていたのでエクムント様と同じ年くらいと思っていたが、ラウラ嬢はまだ二十一歳だった。二十一歳と十六歳の婚約ならばあり得ない話ではない。
「婚約者は五歳年下なのですね」
「初めて会ったときは、わたくしが十二歳、ローラント様が七歳でした。黒い巻き毛でとても可愛らしくて天使のような方だと思いました」
ローラント殿の外見までは知らないが、ラウラ嬢がこれだけ言うのだから可愛いタイプの男性なのだろう。
「ローラント様が十歳のときに婚約をして、その後すぐにアイヒマン家は独立派から離れてしまったのですが、わたくしは婚約を維持するべくアイヒマン家との関係強化に乗り出しました」
そのうちに遠縁のヒューゲル侯爵がハシビロコウの密輸の件で捕らえられて、ラウラ嬢がヒューゲル伯爵として選ばれたのだ。その後もラウラ嬢の父親は独立運動を続けていたが、ラウラ嬢が今回きっぱりとそれを打ち切った。
「ローラント様のためにも早く独立派を辞めたかったのです。わたくしがヒューゲル伯爵になれたことは、いい機会でした」
ラウラ嬢の話を聞いているとわたくしはラウラ嬢の行動力に感心してしまう。
そういえば、わたくしはラウラ嬢に聞きたいことがあった。
「ラウラ嬢、マニキュアはどこのものを使っていますか?」
「王都から取り寄せています」
「そのマニキュア、とても素敵です」
「エリザベート様に褒められるなんて! わたくし嬉しいです!」
少女のように声を上げて喜んでいるラウラ嬢にお店を教えてもらって、わたくしはそれを書き記してパーティーバッグに入れておいた。
「ラウラ嬢の爪がとても綺麗で、わたくしもそんなマニキュアがしたいと思っていたのです。お誕生日が終わればすぐに学園に戻らなければいけないので、今はできませんが……」
「落としやすいものを買った方がいいかもしれませんね。もしくは、色が目立たないけれど、艶々のきらきらになるものを」
「色が目立たなくても塗っていると艶々のきらきらになりますか?」
「なるものもありますよ」
マニキュアのことを教えてもらえてわたくしは大満足だった。
「わたくしにもマニキュアのことを教えてもらえませんか?」
「わたくしも知りたいです」
クリスタちゃんもレーニちゃんも興味津々である。
「僕もお聞きしていいですか? ノエル殿下との会話が弾むかもしれません」
ノルベルト殿下もマニキュアの話を聞きたがっていた。
「わたくしは肌の色が濃いので似合う色が限られてきますが、肌の白い方だと、薄ピンクや桜色、桃色やベージュなどで、薄く色を付けて、艶を楽しむのもありだと思いますよ」
「わたくし、ピンク色は大好きですわ」
「塗った後を舐めても体調を崩したりしませんか?」
「乾くまでは舐めない方がいいですが、乾いた後は平気だと思います」
家に小さな赤ちゃんのいるレーニちゃんは舐められるかもしれないということを考えているようだ。それに対してもラウラ嬢は丁寧に返事をしていた。
マニキュアの話で盛り上がってから、お茶会がお開きの時間になるまでわたくしたちは軽食とケーキとミルクティーを楽しんだ。
お茶会がお開きになると、わたくしはお見送りに出ないといけない。
最初に馬車が来るのは王家のハインリヒ殿下とノルベルト殿下だ。
わたくしの隣りに立っているクリスタちゃんがハインリヒ殿下と手を握り合っている。
「ハインリヒ殿下、次はお父様とお母様のお誕生日にお会い致しましょう」
「クリスタ嬢も学園に入学すれば毎日のように会えるようになるのに」
「その日が楽しみです」
別れを惜しむ二人はとても仲睦まじい。来年の春には婚約が決まっているので当然と言えば当然だった。
続いて辺境伯のエクムント様の馬車が来る。
エクムント様はわたくしの手を取って、そっと手の甲にキスをした。
「今日は素晴らしい装いを見せてくださってありがとうございました。エリザベート嬢はますます美しくなられていましたね」
「ありがとうございます。わたくし、辺境伯領の布を宣伝したかったのです」
「会場の全員がエリザベート嬢に釘付けでしたよ」
キスをされた手の甲を抱き締めるようにしてわたくしはエクムント様を見送った。
婚約者ならばこんなこともしてもらえるのだと幸せな気分でいっぱいだった。
「ガブリエラとお茶をしてくださってありがとうございました」
「ガブリエラはエリザベート様が大好きなようです」
「お祖父様、お祖母様ったら! エリザベート様、今日はありがとうございました!」
キルヒマン侯爵夫妻とガブリエラちゃんも馬車に乗って帰って行く。嬉しそうに目を輝かせているガブリエラちゃんに、わたくしは馬車が見えなくなるまで手を振った。
「お泊りができてとても楽しかったです。フランツ様とマリア様にもよろしくお伝えくださいね」
「レーニ嬢、わたくしもとても楽しかったです。ありがとうございました」
「レーニ嬢、また来てくださいね」
レーニちゃんにはわたくしとクリスタちゃんが揃って挨拶をした。
「中央のパーティーの華やかだったこと。わたくしも参加できてとても幸せでした。ありがとうございました」
「ラウラ嬢、またいらしてください。ラウラ嬢は辺境伯領を変える英雄になられるかもしれません」
「大袈裟ですわ。わたくしは父親の開いた集会の後始末をしただけです」
「それが辺境伯領のためになったのです」
ヒューゲル伯爵のラウラ嬢もお見送りする。ラウラ嬢は初めての中央のパーティーに浮かれているようだった。
初めて会ったときには古めかしい重苦しいドレスを着ていて、化粧も濃かったようなので年齢を勘違いしていたが、明るく軽いモダンスタイルのドレスを着て、化粧も薄くなっているとラウラ嬢は年相応に見える。
婚約者のローラント殿との仲が睦まじいままであってほしいと願っていた。
「ハインリヒ殿下があんなに脚が速かったなんて知りませんでした」
「私はノルベルト兄上と小さい頃によく駆けっこをしたのです。大きくなってからも朝は庭を走るのが日課でした」
「僕たちの家庭教師は勉強だけでなく運動もできなければいけないと教えていて、父上の別荘の庭を毎日走っていましたよ」
「それで運動会でもリレーを選択されたのですね」
「学園の運動会は活躍したかったですからね」
ハインリヒ殿下とノルベルト殿下は王妃殿下が王宮におらず、国王陛下の別荘に別居していた時期に一緒に国王陛下の別荘に住んでいた。王妃殿下はハインリヒ殿下だけでなく、ノルベルト殿下の教育も請け負って、しっかりとした家庭教師を付けていたようだ。
そのおかげでハインリヒ殿下もノルベルト殿下も成績がよくて、運動もよくできると評判だった。
「ハインリヒ殿下もノルベルト殿下もエリザベート様もペオーニエ寮に所属されているのですよね?」
ヒューゲル伯爵の問いかけにわたくしもハインリヒ殿下もノルベルト殿下も「はい」と答える。
「ペオーニエ寮にわたくしの婚約者がおります。ローラント・アイヒマンというのですが……」
「アイヒマン侯爵家の次男殿ですね。知っています。ノエル殿下と同じ学年だったと思います」
ノルベルト殿下が反応したのに、わたくしもアイヒマン侯爵家について思い出してみる。
アイヒマン侯爵家は辺境伯領の侯爵家の中で珍しく王都の学園に子どもを通わせている貴族だ。辺境伯領の貴族はほとんどが王都の学園には子どもを通わせていなかった。
「わたくしが中央に憧れるのも、婚約者のローラント様が王都の学園に通っているからなのです。両親が決めた婚約でしたが、わたくしは小さい頃にお会いしたローラント様の愛らしさに一目で心奪われて、アイヒマン家が独立派からオルヒデー帝国との融和派になってからも、両親にどうにか婚約を破棄されないように手を回して、わたくしがヒューゲル伯爵に選ばれた後もローラント様との関係を続けておりました」
アイヒマン家は元々独立派だったようだが、カサンドラ様の説得によりオルヒデー帝国と融和派に変わったようだ。そのときに王都の学園に子どもたちを通わせると決めたのだろう。
ローラント殿は四年生で、十六歳のはずだ。
「ヒューゲル伯爵はお名前はなんと仰るのですか?」
「わたくしは、ラウラ・ヒューゲルと申します」
「ラウラ嬢とお呼びしていいですか?」
「嬢と呼ばれるような年でもないのですが」
「失礼ですが年齢を聞いてもよろしいですか?」
「わたくしは二十一歳です」
大人びていたのでエクムント様と同じ年くらいと思っていたが、ラウラ嬢はまだ二十一歳だった。二十一歳と十六歳の婚約ならばあり得ない話ではない。
「婚約者は五歳年下なのですね」
「初めて会ったときは、わたくしが十二歳、ローラント様が七歳でした。黒い巻き毛でとても可愛らしくて天使のような方だと思いました」
ローラント殿の外見までは知らないが、ラウラ嬢がこれだけ言うのだから可愛いタイプの男性なのだろう。
「ローラント様が十歳のときに婚約をして、その後すぐにアイヒマン家は独立派から離れてしまったのですが、わたくしは婚約を維持するべくアイヒマン家との関係強化に乗り出しました」
そのうちに遠縁のヒューゲル侯爵がハシビロコウの密輸の件で捕らえられて、ラウラ嬢がヒューゲル伯爵として選ばれたのだ。その後もラウラ嬢の父親は独立運動を続けていたが、ラウラ嬢が今回きっぱりとそれを打ち切った。
「ローラント様のためにも早く独立派を辞めたかったのです。わたくしがヒューゲル伯爵になれたことは、いい機会でした」
ラウラ嬢の話を聞いているとわたくしはラウラ嬢の行動力に感心してしまう。
そういえば、わたくしはラウラ嬢に聞きたいことがあった。
「ラウラ嬢、マニキュアはどこのものを使っていますか?」
「王都から取り寄せています」
「そのマニキュア、とても素敵です」
「エリザベート様に褒められるなんて! わたくし嬉しいです!」
少女のように声を上げて喜んでいるラウラ嬢にお店を教えてもらって、わたくしはそれを書き記してパーティーバッグに入れておいた。
「ラウラ嬢の爪がとても綺麗で、わたくしもそんなマニキュアがしたいと思っていたのです。お誕生日が終わればすぐに学園に戻らなければいけないので、今はできませんが……」
「落としやすいものを買った方がいいかもしれませんね。もしくは、色が目立たないけれど、艶々のきらきらになるものを」
「色が目立たなくても塗っていると艶々のきらきらになりますか?」
「なるものもありますよ」
マニキュアのことを教えてもらえてわたくしは大満足だった。
「わたくしにもマニキュアのことを教えてもらえませんか?」
「わたくしも知りたいです」
クリスタちゃんもレーニちゃんも興味津々である。
「僕もお聞きしていいですか? ノエル殿下との会話が弾むかもしれません」
ノルベルト殿下もマニキュアの話を聞きたがっていた。
「わたくしは肌の色が濃いので似合う色が限られてきますが、肌の白い方だと、薄ピンクや桜色、桃色やベージュなどで、薄く色を付けて、艶を楽しむのもありだと思いますよ」
「わたくし、ピンク色は大好きですわ」
「塗った後を舐めても体調を崩したりしませんか?」
「乾くまでは舐めない方がいいですが、乾いた後は平気だと思います」
家に小さな赤ちゃんのいるレーニちゃんは舐められるかもしれないということを考えているようだ。それに対してもラウラ嬢は丁寧に返事をしていた。
マニキュアの話で盛り上がってから、お茶会がお開きの時間になるまでわたくしたちは軽食とケーキとミルクティーを楽しんだ。
お茶会がお開きになると、わたくしはお見送りに出ないといけない。
最初に馬車が来るのは王家のハインリヒ殿下とノルベルト殿下だ。
わたくしの隣りに立っているクリスタちゃんがハインリヒ殿下と手を握り合っている。
「ハインリヒ殿下、次はお父様とお母様のお誕生日にお会い致しましょう」
「クリスタ嬢も学園に入学すれば毎日のように会えるようになるのに」
「その日が楽しみです」
別れを惜しむ二人はとても仲睦まじい。来年の春には婚約が決まっているので当然と言えば当然だった。
続いて辺境伯のエクムント様の馬車が来る。
エクムント様はわたくしの手を取って、そっと手の甲にキスをした。
「今日は素晴らしい装いを見せてくださってありがとうございました。エリザベート嬢はますます美しくなられていましたね」
「ありがとうございます。わたくし、辺境伯領の布を宣伝したかったのです」
「会場の全員がエリザベート嬢に釘付けでしたよ」
キスをされた手の甲を抱き締めるようにしてわたくしはエクムント様を見送った。
婚約者ならばこんなこともしてもらえるのだと幸せな気分でいっぱいだった。
「ガブリエラとお茶をしてくださってありがとうございました」
「ガブリエラはエリザベート様が大好きなようです」
「お祖父様、お祖母様ったら! エリザベート様、今日はありがとうございました!」
キルヒマン侯爵夫妻とガブリエラちゃんも馬車に乗って帰って行く。嬉しそうに目を輝かせているガブリエラちゃんに、わたくしは馬車が見えなくなるまで手を振った。
「お泊りができてとても楽しかったです。フランツ様とマリア様にもよろしくお伝えくださいね」
「レーニ嬢、わたくしもとても楽しかったです。ありがとうございました」
「レーニ嬢、また来てくださいね」
レーニちゃんにはわたくしとクリスタちゃんが揃って挨拶をした。
「中央のパーティーの華やかだったこと。わたくしも参加できてとても幸せでした。ありがとうございました」
「ラウラ嬢、またいらしてください。ラウラ嬢は辺境伯領を変える英雄になられるかもしれません」
「大袈裟ですわ。わたくしは父親の開いた集会の後始末をしただけです」
「それが辺境伯領のためになったのです」
ヒューゲル伯爵のラウラ嬢もお見送りする。ラウラ嬢は初めての中央のパーティーに浮かれているようだった。
初めて会ったときには古めかしい重苦しいドレスを着ていて、化粧も濃かったようなので年齢を勘違いしていたが、明るく軽いモダンスタイルのドレスを着て、化粧も薄くなっているとラウラ嬢は年相応に見える。
婚約者のローラント殿との仲が睦まじいままであってほしいと願っていた。
24
お気に入りに追加
1,691
あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる