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六章 ハインリヒ殿下たちとの交流
5.絡んできた女性は
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わたくしとクリスタちゃんで話していると、挨拶を終えたハインリヒ殿下とノルベルト殿下、それにノエル殿下がわたくしとクリスタちゃんの元にやって来た。
「お茶をご一緒致しませんか?」
「喜んで」
ノエル殿下に誘われて、わたくしとクリスタちゃんとハインリヒ殿下とノルベルト殿下はケーキや軽食を取って来て、ミルクティーを給仕に頼むと、空いているテーブルに集まった。
テーブルにお皿を置きながらでないと、わたくしたちは上手に立ってお茶ができない。
「エリザベート嬢もクリスタ嬢も可愛いネックレスを付けていらっしゃいますね」
「これはエクムント様がお誕生日にくださったのです」
「わたくしには、ハインリヒ殿下がお誕生日にくださいました」
薄紫のダリアのネックレスを付けているわたくしと、ピンク色の薔薇のネックレスを付けているクリスタちゃん。ネックレスをいただいたときには余りにも嬉しくてしばらくそれを見詰めていたものだ。
「エクムント様は辺境伯家の専属の職人に作らせたと聞いています。とても美しくて、わたくしは気に入っているのです」
「お姉様がネックレスをいただいた日から、わたくし、本当は羨ましいと思っていたのです。でも、わたくしがネックレスを渡したいと思うようなレディになれればハインリヒ殿下はネックレスを贈って下さると思っていたのです」
幸せたっぷりにわたくしとクリスタちゃんがネックレスを指先で触れながら言えば、ノエル殿下はちらりとノルベルト殿下を見る。
ノルベルト殿下が慌ててノエル殿下に弁明している。
「僕が鈍いからいけないのです。ノエル殿下にネックレスが必要ではないなんてことはありません。ノエル殿下にネックレスはお似合いで、差し上げるべきだと思います。申し訳ありません、気付かなくて」
「そんなに謝らないでください。わたくしが責めてしまったようですわ」
ノエル殿下はころころと鈴の音のように笑って、ノルベルト殿下を許していた。ノエル殿下も本気でノルベルト殿下を責めるようなつもりはなかったのだろう。ただ、ノルベルト殿下の反応が見たかっただけに違いない。
「リリエンタール侯爵にお子が生まれたそうですよ。男の子だと聞いています」
「レーニ嬢はお姉様になれたのですね」
「母子共に無事なのですか?」
「母子共に元気だと聞いています」
ハインリヒ殿下からレーニちゃんのお母様の情報を聞いて、わたくしは胸を撫で下ろす。
レーニちゃんのお母様のお産も無事に済んだようだ。これもリリエンタール侯爵家に行っているパウリーネ先生のおかげに違いない。
「リリエンタール侯爵が公の場に出られるまで数か月はかかるので、しばらくはレーニ嬢とは会えないでしょうが、公の場に戻って来たときにはお祝いをしないといけませんね」
「レーニ嬢はお姉様になったのですからね」
「リリエンタール侯爵家にお祝いを贈るのもいいかもしれません」
「お手紙も喜ばれるかもしれませんね」
わたくしが提案すると、クリスタちゃん、ハインリヒ殿下、ノエル殿下も賛成してくださっている。
「レーニ嬢のためにわたくしは詩集を贈りましょうか。詩は心を豊かにします。レーニ嬢の勉強にもなるでしょう」
「わたくし、お手紙を書きます。お姉様、一緒に書きましょう」
「ノエル殿下のくださった詩集、少しずつ読ませていただいています。とても美しい恋の詩が多くてロマンチックです。クリスタ、一緒に書きましょうね」
ノエル殿下にお礼を述べつつも、クリスタちゃんに返事をしていると、褐色の肌の女性がわたくしに声をかけて来た。
「あなたがディッペル家のエリザベート様ですか? 確かに初代国王陛下と同じ色彩を持っていますが……」
じろじろとわたくしを頭のてっぺんからつま先まで値踏みするように見る女性に、わたくしは嫌な気分になってしまう。顔を顰めていると女性はにやにやと笑っている。
「エリザベート様のような可愛らしい方が婚約者で、エクムント様もお幸せなことでしょう」
これはさすがにわたくしでも分かる。
貴族的な嫌味だ。
わたくしが幼いのでエクムント様が可哀そうだと言っているのだ。
これには受けて立たねばならない。
「どこの家の方か知りませんが、素晴らしい教育を受けて来たようですね。隣国の王女殿下と我が国の皇子殿下二人をお茶をしているときに声をかけてくださるなんて」
これももちろん皮肉に決まっている。
どんな身分なのか知らないが、隣国の王族と我が国の王族と我が国で唯一の公爵家の娘二人がお茶をしているときに押しかけて来るなんて非常識だと知らしめてやっているのだ。
「お褒めに預かり光栄ですわ。エクムント様とはわたくしは深い仲なので、何か分からないことがあればいつでも聞いてくださいね」
「残念ながら、エクムント様はわたくしが赤ん坊のときから一緒に過ごしております。お優しい提案ですが、遠慮いたしますわ」
深い仲などと妙なことを言っているが、わたくしは完全に無視することにする。エクムント様がこんな女性と関係があったなんて考えたくもなかった。
わたくしと女性が火花を散らしていると、カサンドラ様とエクムント様が近付いてくる。
エクムント様に女性は擦り寄るように肩に手を置いた。
「やめていただけますか? 女性に手荒な真似はしたくないのです」
「わたくしとあなたの仲ではないですか」
擦り寄る女性を振り払うと、エクムント様が女性とわたくしの間に入った。
「あなたはただのまた従妹です。それ以上でもそれ以下でもない」
はっきりと宣言されて女性は悔しそうに立ち去って行った。
「彼女は私の従弟の娘で、自分がエクムントの婚約者に選ばれて辺境伯領を治めると思い込んでいたんだ」
「私も母に連れられて幼少期に辺境伯領に行ったときに会っていますが、カサンドラ様が後継者に選ばなかったということで、お察しいただけると思います」
「学園での成績も悪かったし、従弟の家は侯爵家として独立しているので、彼女は長子なので家を継がなければいけない。そんなことを疎かにして辺境伯家に嫁ごうなんて冗談じゃないと追い払っていたのだが、エリザベート嬢に嫌味を言いに来たのか」
カサンドラ様とエクムント様に聞けば聞くほど、エクムント様に相応しくない人物に思えてくる。年齢はわたくしより上だったが、成人しているようなのに結婚していないのは余程本人に問題があるか、エクムント様に未練があるかだろう。
「気にしていませんわ」
あんな小物などわたくしは気にすることもない。
わたくしは国王陛下の前でエクムント様と婚約を誓った正式な婚約者なのだし、エクムント様も婚約者としてわたくしを大事にしてくださっている。
「カサンドラ・ヒンケル様、今までほとんどお話したことはありませんでしたわね」
「王女殿下、失礼を致しておりました。私は華やかな場があまり得意ではなくて」
「エリザベート嬢とお話ししているお姿、格好よかったですわ。わたくしのことはノエルとお呼びください」
「ありがとうございます。私のことはカサンドラと呼んでください」
ノエル殿下は軍服を着ているカサンドラ様に興味津々のご様子だ。エクムント様も一緒にカサンドラ様ともお茶をすることになった。
「カサンドラ様は軍服を着ておいでなのですね。ドレスは着られないのですか?」
「ドレスなど何年着ていないでしょう。辺境伯領では軍人として武功を立てないと、認められないのですよ」
「ドレスもお似合いになると思いますのに」
「今更ドレスを着るのも気恥ずかしいですね」
ノエル殿下とカサンドラ様の会話を聞きながら軽食とケーキとミルクティーをいただいていると、エクムント様がわたくしの顔を見下ろす。エクムント様はとても背が高いので、わたくしが大人になっても見下ろされる予感しかしない。
「ネックレスを付けていてくださるんですね。とてもよくお似合いです」
「ありがとうございます。大事なネックレスです」
「今年はネックレスに合わせてイヤリングを作らせましょうか?」
「イヤリングまで!?」
今年のお誕生日では十一歳になるのだが、イヤリングを付けるには少し早いのではないかと思っていたからエクムント様の申し出はとても嬉しかった。
ネックレスとイヤリング。
お揃いでつければきっと華やかに見えるだろう。
今年のお誕生日が今から楽しみでならなかった。
「お茶をご一緒致しませんか?」
「喜んで」
ノエル殿下に誘われて、わたくしとクリスタちゃんとハインリヒ殿下とノルベルト殿下はケーキや軽食を取って来て、ミルクティーを給仕に頼むと、空いているテーブルに集まった。
テーブルにお皿を置きながらでないと、わたくしたちは上手に立ってお茶ができない。
「エリザベート嬢もクリスタ嬢も可愛いネックレスを付けていらっしゃいますね」
「これはエクムント様がお誕生日にくださったのです」
「わたくしには、ハインリヒ殿下がお誕生日にくださいました」
薄紫のダリアのネックレスを付けているわたくしと、ピンク色の薔薇のネックレスを付けているクリスタちゃん。ネックレスをいただいたときには余りにも嬉しくてしばらくそれを見詰めていたものだ。
「エクムント様は辺境伯家の専属の職人に作らせたと聞いています。とても美しくて、わたくしは気に入っているのです」
「お姉様がネックレスをいただいた日から、わたくし、本当は羨ましいと思っていたのです。でも、わたくしがネックレスを渡したいと思うようなレディになれればハインリヒ殿下はネックレスを贈って下さると思っていたのです」
幸せたっぷりにわたくしとクリスタちゃんがネックレスを指先で触れながら言えば、ノエル殿下はちらりとノルベルト殿下を見る。
ノルベルト殿下が慌ててノエル殿下に弁明している。
「僕が鈍いからいけないのです。ノエル殿下にネックレスが必要ではないなんてことはありません。ノエル殿下にネックレスはお似合いで、差し上げるべきだと思います。申し訳ありません、気付かなくて」
「そんなに謝らないでください。わたくしが責めてしまったようですわ」
ノエル殿下はころころと鈴の音のように笑って、ノルベルト殿下を許していた。ノエル殿下も本気でノルベルト殿下を責めるようなつもりはなかったのだろう。ただ、ノルベルト殿下の反応が見たかっただけに違いない。
「リリエンタール侯爵にお子が生まれたそうですよ。男の子だと聞いています」
「レーニ嬢はお姉様になれたのですね」
「母子共に無事なのですか?」
「母子共に元気だと聞いています」
ハインリヒ殿下からレーニちゃんのお母様の情報を聞いて、わたくしは胸を撫で下ろす。
レーニちゃんのお母様のお産も無事に済んだようだ。これもリリエンタール侯爵家に行っているパウリーネ先生のおかげに違いない。
「リリエンタール侯爵が公の場に出られるまで数か月はかかるので、しばらくはレーニ嬢とは会えないでしょうが、公の場に戻って来たときにはお祝いをしないといけませんね」
「レーニ嬢はお姉様になったのですからね」
「リリエンタール侯爵家にお祝いを贈るのもいいかもしれません」
「お手紙も喜ばれるかもしれませんね」
わたくしが提案すると、クリスタちゃん、ハインリヒ殿下、ノエル殿下も賛成してくださっている。
「レーニ嬢のためにわたくしは詩集を贈りましょうか。詩は心を豊かにします。レーニ嬢の勉強にもなるでしょう」
「わたくし、お手紙を書きます。お姉様、一緒に書きましょう」
「ノエル殿下のくださった詩集、少しずつ読ませていただいています。とても美しい恋の詩が多くてロマンチックです。クリスタ、一緒に書きましょうね」
ノエル殿下にお礼を述べつつも、クリスタちゃんに返事をしていると、褐色の肌の女性がわたくしに声をかけて来た。
「あなたがディッペル家のエリザベート様ですか? 確かに初代国王陛下と同じ色彩を持っていますが……」
じろじろとわたくしを頭のてっぺんからつま先まで値踏みするように見る女性に、わたくしは嫌な気分になってしまう。顔を顰めていると女性はにやにやと笑っている。
「エリザベート様のような可愛らしい方が婚約者で、エクムント様もお幸せなことでしょう」
これはさすがにわたくしでも分かる。
貴族的な嫌味だ。
わたくしが幼いのでエクムント様が可哀そうだと言っているのだ。
これには受けて立たねばならない。
「どこの家の方か知りませんが、素晴らしい教育を受けて来たようですね。隣国の王女殿下と我が国の皇子殿下二人をお茶をしているときに声をかけてくださるなんて」
これももちろん皮肉に決まっている。
どんな身分なのか知らないが、隣国の王族と我が国の王族と我が国で唯一の公爵家の娘二人がお茶をしているときに押しかけて来るなんて非常識だと知らしめてやっているのだ。
「お褒めに預かり光栄ですわ。エクムント様とはわたくしは深い仲なので、何か分からないことがあればいつでも聞いてくださいね」
「残念ながら、エクムント様はわたくしが赤ん坊のときから一緒に過ごしております。お優しい提案ですが、遠慮いたしますわ」
深い仲などと妙なことを言っているが、わたくしは完全に無視することにする。エクムント様がこんな女性と関係があったなんて考えたくもなかった。
わたくしと女性が火花を散らしていると、カサンドラ様とエクムント様が近付いてくる。
エクムント様に女性は擦り寄るように肩に手を置いた。
「やめていただけますか? 女性に手荒な真似はしたくないのです」
「わたくしとあなたの仲ではないですか」
擦り寄る女性を振り払うと、エクムント様が女性とわたくしの間に入った。
「あなたはただのまた従妹です。それ以上でもそれ以下でもない」
はっきりと宣言されて女性は悔しそうに立ち去って行った。
「彼女は私の従弟の娘で、自分がエクムントの婚約者に選ばれて辺境伯領を治めると思い込んでいたんだ」
「私も母に連れられて幼少期に辺境伯領に行ったときに会っていますが、カサンドラ様が後継者に選ばなかったということで、お察しいただけると思います」
「学園での成績も悪かったし、従弟の家は侯爵家として独立しているので、彼女は長子なので家を継がなければいけない。そんなことを疎かにして辺境伯家に嫁ごうなんて冗談じゃないと追い払っていたのだが、エリザベート嬢に嫌味を言いに来たのか」
カサンドラ様とエクムント様に聞けば聞くほど、エクムント様に相応しくない人物に思えてくる。年齢はわたくしより上だったが、成人しているようなのに結婚していないのは余程本人に問題があるか、エクムント様に未練があるかだろう。
「気にしていませんわ」
あんな小物などわたくしは気にすることもない。
わたくしは国王陛下の前でエクムント様と婚約を誓った正式な婚約者なのだし、エクムント様も婚約者としてわたくしを大事にしてくださっている。
「カサンドラ・ヒンケル様、今までほとんどお話したことはありませんでしたわね」
「王女殿下、失礼を致しておりました。私は華やかな場があまり得意ではなくて」
「エリザベート嬢とお話ししているお姿、格好よかったですわ。わたくしのことはノエルとお呼びください」
「ありがとうございます。私のことはカサンドラと呼んでください」
ノエル殿下は軍服を着ているカサンドラ様に興味津々のご様子だ。エクムント様も一緒にカサンドラ様ともお茶をすることになった。
「カサンドラ様は軍服を着ておいでなのですね。ドレスは着られないのですか?」
「ドレスなど何年着ていないでしょう。辺境伯領では軍人として武功を立てないと、認められないのですよ」
「ドレスもお似合いになると思いますのに」
「今更ドレスを着るのも気恥ずかしいですね」
ノエル殿下とカサンドラ様の会話を聞きながら軽食とケーキとミルクティーをいただいていると、エクムント様がわたくしの顔を見下ろす。エクムント様はとても背が高いので、わたくしが大人になっても見下ろされる予感しかしない。
「ネックレスを付けていてくださるんですね。とてもよくお似合いです」
「ありがとうございます。大事なネックレスです」
「今年はネックレスに合わせてイヤリングを作らせましょうか?」
「イヤリングまで!?」
今年のお誕生日では十一歳になるのだが、イヤリングを付けるには少し早いのではないかと思っていたからエクムント様の申し出はとても嬉しかった。
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