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五章 妹の誕生と辺境伯領
28.ふーちゃん、二歳
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ふーちゃんが庭で鼻歌を歌いながら土で遊んでいる。
服が泥だらけになって、手も顔も土塗れになってもヘルマンさんはふーちゃんを止めたりしなかった。
朝食前の忙しい時間だが、夏場でもこの時間は涼しいので、お散歩の時間は早朝と決まっていた。
早めに子ども部屋に戻ったふーちゃんは全身を綺麗に洗われて、さっぱりとして着替えて朝食に臨んだ。
春の始め、今日はふーちゃんのお誕生日だ。
ご機嫌で朝食を食べているふーちゃんはスプーンとフォークの使い方も上手になった。ヘルマンさんの手助けがなくてもほとんど自分で食べられるようになっていた。
「あちゅまれ、ちて」
「ここまで上手に食べられましたね。残りはわたくしが集めてスプーンに乗せましょうね」
最後に残って散り散りになった料理を、ヘルマンさんが集めてふーちゃんのスプーンに乗せて上げている。
大きなお口でそれを食べさせてもらって、ふーちゃんはお腹いっぱいになって満足していた。
朝食後には普段ならば、平日はリップマン先生の授業があるのだが、今日はふーちゃんのお誕生日なので特別にお休みにしてある。
ふーちゃんと子ども部屋に行くと、ふーちゃんは列車の木のレールを握り締めてわたくしとクリスタちゃんを見上げていた。
「えーねぇね、くーねぇね、ちゅっぽ、ちて」
「レールを敷いて欲しいのですね」
「いいですよ。全部のレールを敷いて広い線路を作りましょうか」
自分ではまだレールは敷けないふーちゃんは、わたくしとクリスタちゃんと遊ぶのを楽しみにしていたようだ。レールを敷いていくと鼻歌を歌いながらレールの上を列車を持って走らせていく。
「ちゅぎはおうとー! おうとー!」
「ハインリヒ殿下にお茶会に呼ばれていたのだったわ。わたくし、降ります」
「わたくしは、王都から乗って、ディッペル公爵領に帰りますわ」
ふーちゃんのごっこ遊びに付き合ってあげていると、ふーちゃんは鼻の穴を膨らませて誇らしげに列車を走らせていた。
昼食が終わるとふーちゃんはお昼寝をする。
まーちゃんが泣いても起きないふーちゃんは肝が据わっているのかもしれない。
お待ちかねのお茶の時間、まーちゃんも今日は特別に食堂に連れて来られていた。
食堂でレギーナの膝の上に座ってきょろきょろとしているまーちゃんには、ケーキではなく小さく切った苺だけが出される。
ふーちゃんの前には真ん丸の大きなタルトが用意されていた。
「ご家族だけのお茶会なのにお招きいただきありがとうございます」
「エクムント殿はもう家族のようなものです」
「一緒にフランツのお誕生日を祝ってあげてください」
エクムント様もやってきて、食堂の椅子に座る。
エクムント様は手に白い薔薇の花束を持っていた。
「これ、棘は取ってあります。よろしければ子ども部屋に飾ってください」
「フランツ、エクムント様からお誕生日プレゼントですよ」
「おはな! かーいーねー! あいがちょ!」
「どういたしまして、フランツ様」
わたくしがふーちゃんにプレゼントをもらったことを伝えれば、お礼を言うふーちゃんにエクムント様が頭を下げている。
子ども部屋に飾る前に、白い薔薇の花束は食堂のテーブルの上に飾られた。
食堂が一気に華やかになった気がしてわたくしは嬉しくなる。
大きな丸いタルトは八等分に切られた。
父と母とふーちゃんとわたくしとクリスタちゃんとエクムント様で六人。二切れ余るのだが、その二切れをふーちゃんはどうするつもりだろう。
クリスタちゃんの五歳のお誕生日のときは、クリスタちゃんは残ったタルトをデボラとマルレーンとエクムント様にあげていた。
ふーちゃんにそんな判断は難しいかと思っていたが、ふーちゃんは残ったタルトを指差して、何か一生懸命言っている。
「へうまん、へうまんの」
「わたくしのですか?」
指さして言っているふーちゃんにヘルマンさんが驚いている。
「れぎーの! れぎーの!」
「わたくしにもいいのですか!?」
残り二切れをふーちゃんなりに考えてヘルマンさんとレギーナに上げることにしたようだ。
ヘルマンさんは涙ぐんで喜んでいる。
「フランツ様がこんなに成長なさったなんて、わたくしはとても嬉しいです」
「へうまん、あいがちょ」
「お礼を言うのはわたくしの方です。いつもフランツ様のお世話ができてわたくしは幸せです」
二歳なりにふーちゃんもきちんと考えてヘルマンさんに感謝しているのだと分かるとわたくしは感動してしまう。
ふーちゃんの成長を感じたお誕生日だった。
両親からふーちゃんへのお誕生日プレゼントは、わたくしには違いがよく分からないのだが、形の違う列車とレールの買い足しだった。レールも全部使うとふーちゃんの周囲を一周するくらいには組み上げられるのだが、これからふーちゃんが自分で遊べるようになると足りなくなると考えたようだ。
「とくべつちゃ」
「これは特別車なのですか?」
「あい、とくべつちゃ。こえ、とっちゅー!」
「こっちは特急なのですか?」
全部同じ列車に見えるのだが、ふーちゃんの中では違いが分かっているらしい。
列車の他にも列車の絵本や植物図鑑、動物図鑑などもプレゼントされていた。
列車の絵本をふーちゃんがわたくしに差し出して、水色のお目目をきらきらさせている。
「読みましょうか?」
「あい!」
ソファに座るとふーちゃんは両手に列車を持ったままわたくしのお膝の上に座って来た。二歳になったのでかなり重量感があるが、座っているお膝の上に座られるのは何とか耐えられる。
絵本を読んでいると、まーちゃんがはいはいして近付いてくる。
「うぁー! あだ!」
「マリアも一緒に読みたいようですよ。フランツ、膝から降りませんか?」
「やっ! ふー、えーねぇねとえほん!」
膝から降りないと宣言するふーちゃんと、わたくしの足に縋り付いて登って来ようとするまーちゃん。わたくしが動けずにいると、クリスタちゃんが助けに来て、まーちゃんを膝の上に抱っこして隣りのソファで絵本を読み始めた。
まーちゃんも絵本を読んでもらって満足そうにクリスタちゃんのお膝の上に座っている。
「クリスタ、ありがとうございます」
「お姉様、マリアはわたくしの可愛い妹ですわ。絵本を読んであげるくらいいつでもします」
笑顔で答えるクリスタちゃんに、わたくしも自然と笑顔になっていた。
「エリザベートもクリスタもいいお姉さんとしてフランツとマリアを可愛がってくれていますね」
「エリザベートとクリスタにもプレゼントがあるんだよ」
母と父が取り出したのは、刺繍の図案の載った本だった。
花の刺繍ばかりで、花の図鑑のようになっている。
「とても綺麗です。ありがとうございます」
「お姉様、これで新しい刺繍を覚えられますね」
「刺繍の先生に見せて、これがしたいと言うことができますね」
刺繍の本をもらったわたくしとクリスタちゃんにふーちゃんとまーちゃんも興味津々で覗き込んでくる。わたくしとクリスタちゃんはしゃがみ込んでふーちゃんとまーちゃんにも見えるように刺繍の本を広げた。
「薔薇の刺繍だけでもこんなにたくさんあるのですね」
「パンジーの刺繍に菫の刺繍……どれも挑戦してみたいわ」
花の図鑑のように近い種類が同じページに載っているので、薔薇だけでも数ページある。フルカラーで描かれているので、この本がとても貴重だということはわたくしにも分かっていた。
「おはな!」
「ふーちゃんは何のお花が好きですか?」
「ぽぽっ!」
「たんぽぽですか! わたくしと同じだわ」
刺繍の本を覗き込んでお花を見ているふーちゃんにクリスタちゃんが問いかけて、タンポポが好きだという情報を得て自分と同じだと喜んでいる。
わたくしはページを捲って一つの花を探していた。
「ありましたわ。ブルーサルビア」
「エクムント様にお誕生日に差し上げた花ですね」
「わたくし、ブルーサルビアとダリアが大好きなのです」
「えーねぇね、すち?」
「そうですよ、わたくしはこの花が好きです」
ブルーサルビアの刺繍のページを開いて、わたくしはふーちゃんに見せる。ふーちゃんは興味深そうにページを手で撫でていた。
服が泥だらけになって、手も顔も土塗れになってもヘルマンさんはふーちゃんを止めたりしなかった。
朝食前の忙しい時間だが、夏場でもこの時間は涼しいので、お散歩の時間は早朝と決まっていた。
早めに子ども部屋に戻ったふーちゃんは全身を綺麗に洗われて、さっぱりとして着替えて朝食に臨んだ。
春の始め、今日はふーちゃんのお誕生日だ。
ご機嫌で朝食を食べているふーちゃんはスプーンとフォークの使い方も上手になった。ヘルマンさんの手助けがなくてもほとんど自分で食べられるようになっていた。
「あちゅまれ、ちて」
「ここまで上手に食べられましたね。残りはわたくしが集めてスプーンに乗せましょうね」
最後に残って散り散りになった料理を、ヘルマンさんが集めてふーちゃんのスプーンに乗せて上げている。
大きなお口でそれを食べさせてもらって、ふーちゃんはお腹いっぱいになって満足していた。
朝食後には普段ならば、平日はリップマン先生の授業があるのだが、今日はふーちゃんのお誕生日なので特別にお休みにしてある。
ふーちゃんと子ども部屋に行くと、ふーちゃんは列車の木のレールを握り締めてわたくしとクリスタちゃんを見上げていた。
「えーねぇね、くーねぇね、ちゅっぽ、ちて」
「レールを敷いて欲しいのですね」
「いいですよ。全部のレールを敷いて広い線路を作りましょうか」
自分ではまだレールは敷けないふーちゃんは、わたくしとクリスタちゃんと遊ぶのを楽しみにしていたようだ。レールを敷いていくと鼻歌を歌いながらレールの上を列車を持って走らせていく。
「ちゅぎはおうとー! おうとー!」
「ハインリヒ殿下にお茶会に呼ばれていたのだったわ。わたくし、降ります」
「わたくしは、王都から乗って、ディッペル公爵領に帰りますわ」
ふーちゃんのごっこ遊びに付き合ってあげていると、ふーちゃんは鼻の穴を膨らませて誇らしげに列車を走らせていた。
昼食が終わるとふーちゃんはお昼寝をする。
まーちゃんが泣いても起きないふーちゃんは肝が据わっているのかもしれない。
お待ちかねのお茶の時間、まーちゃんも今日は特別に食堂に連れて来られていた。
食堂でレギーナの膝の上に座ってきょろきょろとしているまーちゃんには、ケーキではなく小さく切った苺だけが出される。
ふーちゃんの前には真ん丸の大きなタルトが用意されていた。
「ご家族だけのお茶会なのにお招きいただきありがとうございます」
「エクムント殿はもう家族のようなものです」
「一緒にフランツのお誕生日を祝ってあげてください」
エクムント様もやってきて、食堂の椅子に座る。
エクムント様は手に白い薔薇の花束を持っていた。
「これ、棘は取ってあります。よろしければ子ども部屋に飾ってください」
「フランツ、エクムント様からお誕生日プレゼントですよ」
「おはな! かーいーねー! あいがちょ!」
「どういたしまして、フランツ様」
わたくしがふーちゃんにプレゼントをもらったことを伝えれば、お礼を言うふーちゃんにエクムント様が頭を下げている。
子ども部屋に飾る前に、白い薔薇の花束は食堂のテーブルの上に飾られた。
食堂が一気に華やかになった気がしてわたくしは嬉しくなる。
大きな丸いタルトは八等分に切られた。
父と母とふーちゃんとわたくしとクリスタちゃんとエクムント様で六人。二切れ余るのだが、その二切れをふーちゃんはどうするつもりだろう。
クリスタちゃんの五歳のお誕生日のときは、クリスタちゃんは残ったタルトをデボラとマルレーンとエクムント様にあげていた。
ふーちゃんにそんな判断は難しいかと思っていたが、ふーちゃんは残ったタルトを指差して、何か一生懸命言っている。
「へうまん、へうまんの」
「わたくしのですか?」
指さして言っているふーちゃんにヘルマンさんが驚いている。
「れぎーの! れぎーの!」
「わたくしにもいいのですか!?」
残り二切れをふーちゃんなりに考えてヘルマンさんとレギーナに上げることにしたようだ。
ヘルマンさんは涙ぐんで喜んでいる。
「フランツ様がこんなに成長なさったなんて、わたくしはとても嬉しいです」
「へうまん、あいがちょ」
「お礼を言うのはわたくしの方です。いつもフランツ様のお世話ができてわたくしは幸せです」
二歳なりにふーちゃんもきちんと考えてヘルマンさんに感謝しているのだと分かるとわたくしは感動してしまう。
ふーちゃんの成長を感じたお誕生日だった。
両親からふーちゃんへのお誕生日プレゼントは、わたくしには違いがよく分からないのだが、形の違う列車とレールの買い足しだった。レールも全部使うとふーちゃんの周囲を一周するくらいには組み上げられるのだが、これからふーちゃんが自分で遊べるようになると足りなくなると考えたようだ。
「とくべつちゃ」
「これは特別車なのですか?」
「あい、とくべつちゃ。こえ、とっちゅー!」
「こっちは特急なのですか?」
全部同じ列車に見えるのだが、ふーちゃんの中では違いが分かっているらしい。
列車の他にも列車の絵本や植物図鑑、動物図鑑などもプレゼントされていた。
列車の絵本をふーちゃんがわたくしに差し出して、水色のお目目をきらきらさせている。
「読みましょうか?」
「あい!」
ソファに座るとふーちゃんは両手に列車を持ったままわたくしのお膝の上に座って来た。二歳になったのでかなり重量感があるが、座っているお膝の上に座られるのは何とか耐えられる。
絵本を読んでいると、まーちゃんがはいはいして近付いてくる。
「うぁー! あだ!」
「マリアも一緒に読みたいようですよ。フランツ、膝から降りませんか?」
「やっ! ふー、えーねぇねとえほん!」
膝から降りないと宣言するふーちゃんと、わたくしの足に縋り付いて登って来ようとするまーちゃん。わたくしが動けずにいると、クリスタちゃんが助けに来て、まーちゃんを膝の上に抱っこして隣りのソファで絵本を読み始めた。
まーちゃんも絵本を読んでもらって満足そうにクリスタちゃんのお膝の上に座っている。
「クリスタ、ありがとうございます」
「お姉様、マリアはわたくしの可愛い妹ですわ。絵本を読んであげるくらいいつでもします」
笑顔で答えるクリスタちゃんに、わたくしも自然と笑顔になっていた。
「エリザベートもクリスタもいいお姉さんとしてフランツとマリアを可愛がってくれていますね」
「エリザベートとクリスタにもプレゼントがあるんだよ」
母と父が取り出したのは、刺繍の図案の載った本だった。
花の刺繍ばかりで、花の図鑑のようになっている。
「とても綺麗です。ありがとうございます」
「お姉様、これで新しい刺繍を覚えられますね」
「刺繍の先生に見せて、これがしたいと言うことができますね」
刺繍の本をもらったわたくしとクリスタちゃんにふーちゃんとまーちゃんも興味津々で覗き込んでくる。わたくしとクリスタちゃんはしゃがみ込んでふーちゃんとまーちゃんにも見えるように刺繍の本を広げた。
「薔薇の刺繍だけでもこんなにたくさんあるのですね」
「パンジーの刺繍に菫の刺繍……どれも挑戦してみたいわ」
花の図鑑のように近い種類が同じページに載っているので、薔薇だけでも数ページある。フルカラーで描かれているので、この本がとても貴重だということはわたくしにも分かっていた。
「おはな!」
「ふーちゃんは何のお花が好きですか?」
「ぽぽっ!」
「たんぽぽですか! わたくしと同じだわ」
刺繍の本を覗き込んでお花を見ているふーちゃんにクリスタちゃんが問いかけて、タンポポが好きだという情報を得て自分と同じだと喜んでいる。
わたくしはページを捲って一つの花を探していた。
「ありましたわ。ブルーサルビア」
「エクムント様にお誕生日に差し上げた花ですね」
「わたくし、ブルーサルビアとダリアが大好きなのです」
「えーねぇね、すち?」
「そうですよ、わたくしはこの花が好きです」
ブルーサルビアの刺繍のページを開いて、わたくしはふーちゃんに見せる。ふーちゃんは興味深そうにページを手で撫でていた。
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