134 / 528
五章 妹の誕生と辺境伯領
14.ヒューゲル侯爵のお屋敷潜入
しおりを挟む
「ヒューゲル侯爵はこの国に持ち込んではいけない動物を持ち込んでいるという噂なのだ」
晩餐会にはわたくしは参加しなかったが、翌日の朝食のときにカサンドラ様が渋い表情で呟いていた。
この国に持ち込んではいけない動物とはどのようなものなのだろう。貴族が道楽で希少な動物を飼うのは物語でよくある話だが、この国で禁止されているものとなるとカサンドラ様が動く理由になる。
「危険な動物ではないのですか?」
「気性の荒い動物もいると聞いている。できれば元の生息地に戻してやりたいのだが、一度人間の手に飼われてしまうとそれが難しくなるかもしれない」
ヒューゲル侯爵を断罪するだけでなく、ヒューゲル侯爵が法を破って飼っている動物にまで心を砕くのはカサンドラ様らしい考えだ。わたくしは改めてカサンドラ様を尊敬する。
「今日帰る予定だったが、もう少し日程を伸ばしてもらえないでしょうか、ディッペル公爵。ディッペル公爵がヒューゲル侯爵の屋敷を訪ねたいと言えば、ヒューゲル侯爵は断れないはずです」
カサンドラ様では警戒されてしまうので、わたくしたちディッペル家にそれをお願いしようとカサンドラ様は考えているようだ。確かにわたくしやクリスタちゃんでは何が法律で禁じられた動物なのか分からないし、ヒューゲル侯爵はうっかりと見せてしまうかもしれない。
何より、ヒューゲル侯爵が人身売買に手を染めているのならば、屋敷に奴隷として扱われているひとが存在するかもしれないのだ。
「私は市の人身売買の男の取り調べを進めます。ディッペル公爵は、ヒューゲル侯爵の屋敷に行って調べてみてくれませんでしょうか」
「カサンドラ様にそこまで言われたら協力するしかありませんね」
「エクムントを連れて行ってください。エクムントにとってもいい経験になりますし、何かあった場合、エクムントはディッペル公爵の身を守ります」
カサンドラ様と父との間で話が進んでいるのにクリスタちゃんはいそいそと出かける準備を始めていた。
「クリスタ、どうしたんだい?」
「わたくしとお姉様が行かなければいけないでしょう? お母様はマリアのそばにいて上げないといけないから、わたくしとお姉様がお母様の代わりよ」
「いや、クリスタとエリザベートは留守番をして欲しいんだが」
「ディッペル公爵、エリザベート嬢とクリスタ嬢を連れて行ってくださいませんか。子どもになら何も分からないとヒューゲル侯爵は尻尾を出すかもしれません」
「カサンドラ様がそう言われるなら」
こうしてわたくしとクリスタちゃんと父とエクムント様でヒューゲル侯爵のお屋敷に行くことになった。ふーちゃんとまーちゃんと母はお留守番だ。
ヒューゲル侯爵のお屋敷は辺境伯家のお屋敷から馬車で三十分くらいのところにあった。
ヒューゲル侯爵はわたくしたちの来訪を知っていたようで、歓迎してくれる。
「ディッペル公爵とエクムント様がおいでになるとは。ようこそ、我が家へ。お嬢様方もようこそ」
お嬢様方ではなくて、わたくしはエリザベートだし、クリスタちゃんはクリスタだ。子どもを完全に馬鹿にしているヒューゲル侯爵の物言いにカチンときたが、ぐっと我慢する。
「わたくし、市でオウムを買いました。真っ白なオウムでとても美しくて、ヒューゲル侯爵にもお見せしたかったですわ」
「オウムですか。まぁ、よくあるペットですね」
自分の方が珍しいペットを持っていると言わんばかりのヒューゲル侯爵の言葉に、わたくしは考える。どうすればヒューゲル侯爵の隠している法を破って飼っている動物を見せてもらうことができるだろう。
ヒューゲル侯爵もエクムント様がいるのだから、わたくしたちがカサンドラ様の手引きで来ていることは知っているはずだ。どうすれば隙を見せるだろう。
「ヒューゲル侯爵、喉が渇きましたね。お茶をいただけませんか?」
「どうぞ、ディッペル公爵。すぐに用意させます」
「わたくし、クリスタとお庭を見させていただきますわ」
「とても素敵な庭園ですもの。わたくし、お姉様と見て回りたいわ」
手を繋いで仲良く庭に出て行くわたくしとクリスタちゃんの後ろを、エクムント様がついて来てくれている。エクムント様がいてくれれば安心だとわたくしとクリスタちゃんは庭を歩き始めた。
庭には大きな鳥かごのようなサンルームがある。
ガラス張りのサンルームの中を覗けないかとへばりついていると、褐色の肌の痩せた子どもに声をかけられた。
『あなた、言葉が分かりますか?』
隣国の言葉だ。
わたくしは意味が分かったので、クリスタちゃんと一緒にこくこくと頷く。
『旦那様、あの子をずっと閉じ込めて出してあげないのです。あの子を助けてくれませんか?』
『あなたは大丈夫なのですか?』
『私は旦那様にお金で買われたので』
お金で買われた!?
これは由々しき問題だ。
お金で買われたということは人身売買ではないか。
「エクムント様、今の言葉を聞きましたか?」
「聞きました」
「お姉様、もう少し詳しく聞いてみましょう」
クリスタちゃんに言われてわたくしはその子どもに聞いてみる。
『どういう状況だったのですか?』
『私、貧しい家に生まれました。国境付近に住んでいたのですが、両親はこの国の貴族に仕えるのだと言って私を売りました』
『あなたはヒューゲル侯爵に仕えているのですか?』
『あの子の世話や庭の雑用をさせられています』
ここから先が大事なことだった。
『あなたはお給料をもらっていますか?』
『いえ、お金はもう両親に払ったと言われています』
『食事は十分に与えられていますか?』
『一日二回、パンとスープをもらっています』
お金を払って雇っているのならば、奴隷ではなく雇用関係だが、給料を払っていないとなると奴隷として扱っているとしか考えられない。
わたくしがその子どもと話していると、庭師が声をかけて来る。
「その子どもと話ができるんですか? その子どもは訳の分からない言葉を喋るだけで、全然話ができないのですよ」
そうか、隣国の言葉をわたくしやクリスタちゃんが習得していないと思ってヒューゲル侯爵は油断したのか。
わたくしもクリスタちゃんも隣国の言葉が通常の会話ができるくらいまでは習得できていた。
この国に接する異国は隣国の言葉を使っているので、そこから連れて来られた子どもとわたくしはコミュニケーションが可能だったのだ。
『あの子というのを見せてください』
『このサンルームの中にいます。餌をきちんともらっていないのでとても荒れていますが、本来はいい子なんです』
その子どもに連れられてわたくしとクリスタちゃんとエクムント様はサンルームの中に入って行った。
サンルームの中は池が作られていて、その周囲に植物が植えられている。
どんな動物かいるのか分からないので警戒しているわたくしとクリスタちゃん。エクムント様は腰のサーベルに手を当てている。
草を掻き分けてみると、いた。
大きな嘴と顔に、足を折り曲げて蹲っているので分からないが、かなり背の高い鳥。
「ハシビロコウ!?」
「え!? お姉様、この鳥が分かるの!?」
「この鳥はハシビロコウというのですか?」
クリスタちゃんのみならず、エクムント様まで分からなかったその鳥の名前はハシビロコウだった。前世で動物園で人気だったので知っているが、わたくしも実物を近距離で見るのは初めてである。
『餌をもらえてなくて弱っているのです』
『餌は何ですか?』
『ハイギョやティラピア、ナマズ、ワニの子どもなどです』
完全に肉食である。
そんなものはわたくしもクリスタちゃんも持っているはずがない。
エクムント様が軍服の内ポケットを探って干し肉を取り出した。干し肉を嘴の前に出すと、じっと見つめて嘴で挟んで飲み込んだ。
「こんな鳥は見たことがありませんね。これが恐らく、法律を破って飼っている鳥なのでしょう」
「この子も法律を破っていると思うわ。お給料が支払われていないなんて、奴隷じゃない」
わたくしとクリスタちゃんとエクムント様は二つも証拠をヒューゲル侯爵のお屋敷で見つけてしまった。
後はどうにかしてカサンドラ様に伝えなければいけない。
「護衛の一人を辺境伯家に行かせています。カサンドラ様の到着まで時間を稼ぎましょう」
逃げられないように、誤魔化されないように、掴んだ証拠はしっかりとカサンドラ様に受け渡す。
『しばらく待っていてください。この子とあなたを自由にしてあげます』
子どもに話しかけて、エクムント様の言葉に頷いてヒューゲル侯爵のお屋敷に戻った。
晩餐会にはわたくしは参加しなかったが、翌日の朝食のときにカサンドラ様が渋い表情で呟いていた。
この国に持ち込んではいけない動物とはどのようなものなのだろう。貴族が道楽で希少な動物を飼うのは物語でよくある話だが、この国で禁止されているものとなるとカサンドラ様が動く理由になる。
「危険な動物ではないのですか?」
「気性の荒い動物もいると聞いている。できれば元の生息地に戻してやりたいのだが、一度人間の手に飼われてしまうとそれが難しくなるかもしれない」
ヒューゲル侯爵を断罪するだけでなく、ヒューゲル侯爵が法を破って飼っている動物にまで心を砕くのはカサンドラ様らしい考えだ。わたくしは改めてカサンドラ様を尊敬する。
「今日帰る予定だったが、もう少し日程を伸ばしてもらえないでしょうか、ディッペル公爵。ディッペル公爵がヒューゲル侯爵の屋敷を訪ねたいと言えば、ヒューゲル侯爵は断れないはずです」
カサンドラ様では警戒されてしまうので、わたくしたちディッペル家にそれをお願いしようとカサンドラ様は考えているようだ。確かにわたくしやクリスタちゃんでは何が法律で禁じられた動物なのか分からないし、ヒューゲル侯爵はうっかりと見せてしまうかもしれない。
何より、ヒューゲル侯爵が人身売買に手を染めているのならば、屋敷に奴隷として扱われているひとが存在するかもしれないのだ。
「私は市の人身売買の男の取り調べを進めます。ディッペル公爵は、ヒューゲル侯爵の屋敷に行って調べてみてくれませんでしょうか」
「カサンドラ様にそこまで言われたら協力するしかありませんね」
「エクムントを連れて行ってください。エクムントにとってもいい経験になりますし、何かあった場合、エクムントはディッペル公爵の身を守ります」
カサンドラ様と父との間で話が進んでいるのにクリスタちゃんはいそいそと出かける準備を始めていた。
「クリスタ、どうしたんだい?」
「わたくしとお姉様が行かなければいけないでしょう? お母様はマリアのそばにいて上げないといけないから、わたくしとお姉様がお母様の代わりよ」
「いや、クリスタとエリザベートは留守番をして欲しいんだが」
「ディッペル公爵、エリザベート嬢とクリスタ嬢を連れて行ってくださいませんか。子どもになら何も分からないとヒューゲル侯爵は尻尾を出すかもしれません」
「カサンドラ様がそう言われるなら」
こうしてわたくしとクリスタちゃんと父とエクムント様でヒューゲル侯爵のお屋敷に行くことになった。ふーちゃんとまーちゃんと母はお留守番だ。
ヒューゲル侯爵のお屋敷は辺境伯家のお屋敷から馬車で三十分くらいのところにあった。
ヒューゲル侯爵はわたくしたちの来訪を知っていたようで、歓迎してくれる。
「ディッペル公爵とエクムント様がおいでになるとは。ようこそ、我が家へ。お嬢様方もようこそ」
お嬢様方ではなくて、わたくしはエリザベートだし、クリスタちゃんはクリスタだ。子どもを完全に馬鹿にしているヒューゲル侯爵の物言いにカチンときたが、ぐっと我慢する。
「わたくし、市でオウムを買いました。真っ白なオウムでとても美しくて、ヒューゲル侯爵にもお見せしたかったですわ」
「オウムですか。まぁ、よくあるペットですね」
自分の方が珍しいペットを持っていると言わんばかりのヒューゲル侯爵の言葉に、わたくしは考える。どうすればヒューゲル侯爵の隠している法を破って飼っている動物を見せてもらうことができるだろう。
ヒューゲル侯爵もエクムント様がいるのだから、わたくしたちがカサンドラ様の手引きで来ていることは知っているはずだ。どうすれば隙を見せるだろう。
「ヒューゲル侯爵、喉が渇きましたね。お茶をいただけませんか?」
「どうぞ、ディッペル公爵。すぐに用意させます」
「わたくし、クリスタとお庭を見させていただきますわ」
「とても素敵な庭園ですもの。わたくし、お姉様と見て回りたいわ」
手を繋いで仲良く庭に出て行くわたくしとクリスタちゃんの後ろを、エクムント様がついて来てくれている。エクムント様がいてくれれば安心だとわたくしとクリスタちゃんは庭を歩き始めた。
庭には大きな鳥かごのようなサンルームがある。
ガラス張りのサンルームの中を覗けないかとへばりついていると、褐色の肌の痩せた子どもに声をかけられた。
『あなた、言葉が分かりますか?』
隣国の言葉だ。
わたくしは意味が分かったので、クリスタちゃんと一緒にこくこくと頷く。
『旦那様、あの子をずっと閉じ込めて出してあげないのです。あの子を助けてくれませんか?』
『あなたは大丈夫なのですか?』
『私は旦那様にお金で買われたので』
お金で買われた!?
これは由々しき問題だ。
お金で買われたということは人身売買ではないか。
「エクムント様、今の言葉を聞きましたか?」
「聞きました」
「お姉様、もう少し詳しく聞いてみましょう」
クリスタちゃんに言われてわたくしはその子どもに聞いてみる。
『どういう状況だったのですか?』
『私、貧しい家に生まれました。国境付近に住んでいたのですが、両親はこの国の貴族に仕えるのだと言って私を売りました』
『あなたはヒューゲル侯爵に仕えているのですか?』
『あの子の世話や庭の雑用をさせられています』
ここから先が大事なことだった。
『あなたはお給料をもらっていますか?』
『いえ、お金はもう両親に払ったと言われています』
『食事は十分に与えられていますか?』
『一日二回、パンとスープをもらっています』
お金を払って雇っているのならば、奴隷ではなく雇用関係だが、給料を払っていないとなると奴隷として扱っているとしか考えられない。
わたくしがその子どもと話していると、庭師が声をかけて来る。
「その子どもと話ができるんですか? その子どもは訳の分からない言葉を喋るだけで、全然話ができないのですよ」
そうか、隣国の言葉をわたくしやクリスタちゃんが習得していないと思ってヒューゲル侯爵は油断したのか。
わたくしもクリスタちゃんも隣国の言葉が通常の会話ができるくらいまでは習得できていた。
この国に接する異国は隣国の言葉を使っているので、そこから連れて来られた子どもとわたくしはコミュニケーションが可能だったのだ。
『あの子というのを見せてください』
『このサンルームの中にいます。餌をきちんともらっていないのでとても荒れていますが、本来はいい子なんです』
その子どもに連れられてわたくしとクリスタちゃんとエクムント様はサンルームの中に入って行った。
サンルームの中は池が作られていて、その周囲に植物が植えられている。
どんな動物かいるのか分からないので警戒しているわたくしとクリスタちゃん。エクムント様は腰のサーベルに手を当てている。
草を掻き分けてみると、いた。
大きな嘴と顔に、足を折り曲げて蹲っているので分からないが、かなり背の高い鳥。
「ハシビロコウ!?」
「え!? お姉様、この鳥が分かるの!?」
「この鳥はハシビロコウというのですか?」
クリスタちゃんのみならず、エクムント様まで分からなかったその鳥の名前はハシビロコウだった。前世で動物園で人気だったので知っているが、わたくしも実物を近距離で見るのは初めてである。
『餌をもらえてなくて弱っているのです』
『餌は何ですか?』
『ハイギョやティラピア、ナマズ、ワニの子どもなどです』
完全に肉食である。
そんなものはわたくしもクリスタちゃんも持っているはずがない。
エクムント様が軍服の内ポケットを探って干し肉を取り出した。干し肉を嘴の前に出すと、じっと見つめて嘴で挟んで飲み込んだ。
「こんな鳥は見たことがありませんね。これが恐らく、法律を破って飼っている鳥なのでしょう」
「この子も法律を破っていると思うわ。お給料が支払われていないなんて、奴隷じゃない」
わたくしとクリスタちゃんとエクムント様は二つも証拠をヒューゲル侯爵のお屋敷で見つけてしまった。
後はどうにかしてカサンドラ様に伝えなければいけない。
「護衛の一人を辺境伯家に行かせています。カサンドラ様の到着まで時間を稼ぎましょう」
逃げられないように、誤魔化されないように、掴んだ証拠はしっかりとカサンドラ様に受け渡す。
『しばらく待っていてください。この子とあなたを自由にしてあげます』
子どもに話しかけて、エクムント様の言葉に頷いてヒューゲル侯爵のお屋敷に戻った。
48
お気に入りに追加
1,691
あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる