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五章 妹の誕生と辺境伯領
4.クリスタちゃんの詩、大暴走
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両親との話が終わった後で部屋に戻ったクリスタちゃんがとんでもないことを言い出した。
「わたくし、ノエル殿下にお手紙を書きたいの」
「お父様に渡してくださるようにお願いすればいいのではないですか?」
「わたくし、ノエル殿下のように素敵な詩が書いてみたいの!」
「え!?」
わたくしは思わず固まってしまった。
ノエル殿下は素晴らしい人格で優しい方でノルベルト殿下ともお似合いだと思っているのだが、ノエル殿下の書く詩だけはわたくしには理解できなかった。
クリスタちゃんはノエル殿下の詩をとても高く評価しているようだが、わたくしにはよく意味が分からないのだ。芸術は難解なもので、凡人には分からないのかもしれないが、ノエル殿下の詩が素晴らしいかと言われると、失礼だが疑問を持ってしまう。
「お姉様、わたくしと一緒に詩を考えてくださらない?」
「わたくしが!?」
それなのにクリスタちゃんからこんな依頼をされてしまうとわたくしは本当に困ってしまう。
ノエル殿下のセンスがわたくしには備わっていないのだ。
「お願い、お姉様」
「クリスタちゃん、ごめんなさい。わたくしには詩は早すぎるかもしれません」
「え!? お姉様にも早すぎるの!? それなら、わたくしは!?」
「クリスタちゃんにも詩は早すぎるかもしれません。詩作をするのはもう少し大きくなってからの方がいいかもしれませんよ」
遠回しに、今回はやめておけとクリスタちゃんに伝えてみるのだが、クリスタちゃんはそれでますますやる気になってしまったようだった。
「わたくし、できることをやってみます。ノエル殿下はわたくしの詩が拙くても笑ったりなさらないと思います」
どうしてもやりたいようだ。
こうなってしまうとわたくしの言葉など届かなくなる。
わたくしの部屋の椅子に座ったクリスタちゃんにわたくしができるのは、可愛い花柄の便箋と封筒を出すことくらいだった。
「尊敬するノエル殿下へ。わたくしは今、自分の未熟さにもがき苦しんでいます。わたくしにはノエル殿下のような素晴らしい詩が書けないのです。蕾がいつか花開くように、わたくしもノエル殿下のような素晴らしい詩を書ける淑女になれるでしょうか……うーん、お姉様、詩にならないわ。普通のお手紙になってしまう」
「これ、普通のお手紙なのですね……」
蕾がいつか花開くようになどという単語を普通に使うものなのか。
わたくしは真顔になってしまう。
「わたくしに、詩は早すぎるのかしら。でも、どうしても書きたいのです、この溢れんばかりの情熱を」
「は、はぁ……」
クリスタちゃんの思いにわたくしは息を吐くことしかできない。
クリスタちゃんはペンを握り直して新しい便箋に文字を書き始めた。
「わたくしは未熟な薔薇。薔薇の蕾。ノエル殿下のようにいつか花開くことを夢見ながら、蕾の中で目覚める日を待っているのです。眠るわたくしに妖精さんが語り掛けます。春はすぐそこに来ているのだと。わたくしはその声を頼りに、ペンを取り、ノエル殿下にこの詩を書いております。ノエル殿下、わたくしの尊敬する大輪の薔薇の花。その朝露に濡れた花びらの一枚でも、わたくしがあやかれるように、どうか、輝けるわたくしの星でいてくださいませ」
書き終えてから、クリスタちゃんは難しい顔をしている。
「ここで薔薇の花に例えたのに、最後は星になってしまったわ。上手くいかないものね」
「クリスタちゃん、こんなにたくさんの文字を集中して書けたのはすごいですよ」
「そうですか、お姉様?」
「この詩はノエル殿下には……」
「お父様にノエル殿下に持って行ってもらいましょう! わたくし、お姉様に褒められて自信がつきました」
そんなつもりじゃなかったのに。
文字が書けたことを褒めて、それで納得してもらって、この詩は送らずに済むようにしようと思っていたわたくしの思惑が外れてしまう。
クリスタちゃんは便箋を封筒に入れて父のところに小走りで駆けて行った。
「妖精さんって何なのでしょう……蕾の中で目覚める日を待っている、それで春がもうそこまで来ている……よく分かりません」
ノエル殿下ならばクリスタちゃんの作った詩の意味が分かるのだろうか。
眉間に皺を寄せて考えていたら、部屋のドアが勢いよく開けられた。
「ねぇねー!」
「ふーちゃん、お昼寝から起きたのですか?」
「申し訳ありません、エリザベートお嬢様。フランツ様がどうしてもエリザベートお嬢様とクリスタお嬢様と遊びたがっていて、ずっと『ねぇね』と泣いていたのです」
「大丈夫ですよ、ヘルマンさん。わたくしもふーちゃんが起きたら子ども部屋に遊びに行こうと思っていました。クリスタちゃんも同じだと思います」
今はクリスタちゃんは父のところに行っているが、帰って来てわたくしが部屋にいないと気付けばふーちゃんの子ども部屋に行くだろう。
子ども部屋にはもうすぐ増える弟か妹のために、新しいベビーベッドが入れられている。乳母も今探しているところだ。
「ふーちゃん、何をして遊びますか?」
「ちゅっぽ!」
「列車で遊びますか」
ふーちゃんの子ども部屋に行って、ルームシューズに履き替えたわたくしは、ふーちゃんの周りに木でできたレールを敷いて列車を走らせてあげる。ふーちゃんも高い山のようになった場所から列車を突いて落とすことができるようになっていた。
「ちゅっぽ! ちゅっぽ! ねぇね、ちゅっぽ!」
「列車が走っていますね」
「ふー、ちゅっぽ」
「ふーちゃんの列車ですね」
遊んでいるとクリスタちゃんが戻って来た。クリスタちゃんもルームシューズに履き替えて子ども部屋に入って来る。
「お父様は引き受けてくださいましたわ。わたくしの未熟な詩ですが、ノエル殿下はお返事をくださるかしら」
「お返事を下さったらいいですね」
そう言いつつも、わたくしはノエル殿下とクリスタちゃんとの間で難解な詩のやり取りがなされたらどうしようかと真剣に悩んでいた。あの詩はわたくしにはよく意味が分からない。
「『あぁ、ノルベルト殿下。わたくしは恋の妖精さんに翻弄されています。次いつあなたに会えるのか。花びらを千切る占いをしても、答えてはくれません。わたくしの胸に咲いた一輪の恋の薔薇。それを手折るのを許されているのはあなただけなのです』……なんて素敵な詩なの。ふーちゃんもそう思わない?」
「あい」
「え!? クリスタちゃん、あなた、ノルベルト殿下にノエル殿下が書いた詩を暗唱できるのですか!?」
「素敵過ぎて覚えてしまったのです」
あまりのことにわたくしは仰天してしまった。
すらすらとクリスタちゃんの口から出て来た詩はノエル殿下がノルベルト殿下に捧げたものである。かなり長いのにそれを全部暗唱できるほどクリスタちゃんが詩に傾倒していたとは知らなかった。
「こっちも素敵なのよ、ふーちゃん。『親愛なるクリスタ嬢へ。恋を叶える天使がいるのだとすれば、友情を育む天使がいてもおかしくはないでしょう。その天使の矢がわたくしとクリスタ嬢を結んでくれたような気分です。わたくしはクリスタ嬢をかたわらに咲く花のように可愛らしく思っております。わたくしの気持ちをどうか届けてください、春風さん』ほら」
なんと、クリスタちゃんはノエル殿下からお誕生日にもらった詩も暗唱できるようになっていた。
あまりのことに絶句してしまったわたくしだが、ふーちゃんは真剣に聞いて聞き終わると小さなお手手をぱちぱちと打ち合わせて拍手をしている。
「ふーちゃん、意味が分かるのですか……」
「ねぇね、ねぇね!」
「ふーちゃんにもこの詩の素晴らしさが分かるのね。さすがわたくしの弟です」
どうしましょう。
ふーちゃんまでこの詩で教育されてしまう。
愕然としているわたくしに気付いた様子はなく、クリスタちゃんは何度も詩を口ずさんでいた。そのたびにふーちゃんは真剣な眼差しで聞いて、詩が終わると手を叩いていた。
ふーちゃんまでノエル殿下の詩に傾倒している。
わたくしはどうすればいいのか分からない。
クリスタちゃんに何か言わなければいけないのだが、どうすればクリスタちゃんの暴走を止められるのかさっぱり分からない。
「クリスタちゃん、ノルベルト殿下に捧げた詩は、私的なものだから、あまり口にしない方がいいと思いますよ」
「あ、そうですわね。これは恋文ですものね。お姉様、教えてくださってありがとうございます。わたくしの胸の中だけで繰り返し唱えておきますわ」
ノエル殿下がノルベルト殿下に捧げた詩に関しては何とかクリスタちゃんが口にしないでいいようになったのだが、もう一つの詩をどうすればクリスタちゃんがふーちゃんに吹き込むのをやめさせることができるのか。
わたくしは真剣に悩んでいた。
「わたくし、ノエル殿下にお手紙を書きたいの」
「お父様に渡してくださるようにお願いすればいいのではないですか?」
「わたくし、ノエル殿下のように素敵な詩が書いてみたいの!」
「え!?」
わたくしは思わず固まってしまった。
ノエル殿下は素晴らしい人格で優しい方でノルベルト殿下ともお似合いだと思っているのだが、ノエル殿下の書く詩だけはわたくしには理解できなかった。
クリスタちゃんはノエル殿下の詩をとても高く評価しているようだが、わたくしにはよく意味が分からないのだ。芸術は難解なもので、凡人には分からないのかもしれないが、ノエル殿下の詩が素晴らしいかと言われると、失礼だが疑問を持ってしまう。
「お姉様、わたくしと一緒に詩を考えてくださらない?」
「わたくしが!?」
それなのにクリスタちゃんからこんな依頼をされてしまうとわたくしは本当に困ってしまう。
ノエル殿下のセンスがわたくしには備わっていないのだ。
「お願い、お姉様」
「クリスタちゃん、ごめんなさい。わたくしには詩は早すぎるかもしれません」
「え!? お姉様にも早すぎるの!? それなら、わたくしは!?」
「クリスタちゃんにも詩は早すぎるかもしれません。詩作をするのはもう少し大きくなってからの方がいいかもしれませんよ」
遠回しに、今回はやめておけとクリスタちゃんに伝えてみるのだが、クリスタちゃんはそれでますますやる気になってしまったようだった。
「わたくし、できることをやってみます。ノエル殿下はわたくしの詩が拙くても笑ったりなさらないと思います」
どうしてもやりたいようだ。
こうなってしまうとわたくしの言葉など届かなくなる。
わたくしの部屋の椅子に座ったクリスタちゃんにわたくしができるのは、可愛い花柄の便箋と封筒を出すことくらいだった。
「尊敬するノエル殿下へ。わたくしは今、自分の未熟さにもがき苦しんでいます。わたくしにはノエル殿下のような素晴らしい詩が書けないのです。蕾がいつか花開くように、わたくしもノエル殿下のような素晴らしい詩を書ける淑女になれるでしょうか……うーん、お姉様、詩にならないわ。普通のお手紙になってしまう」
「これ、普通のお手紙なのですね……」
蕾がいつか花開くようになどという単語を普通に使うものなのか。
わたくしは真顔になってしまう。
「わたくしに、詩は早すぎるのかしら。でも、どうしても書きたいのです、この溢れんばかりの情熱を」
「は、はぁ……」
クリスタちゃんの思いにわたくしは息を吐くことしかできない。
クリスタちゃんはペンを握り直して新しい便箋に文字を書き始めた。
「わたくしは未熟な薔薇。薔薇の蕾。ノエル殿下のようにいつか花開くことを夢見ながら、蕾の中で目覚める日を待っているのです。眠るわたくしに妖精さんが語り掛けます。春はすぐそこに来ているのだと。わたくしはその声を頼りに、ペンを取り、ノエル殿下にこの詩を書いております。ノエル殿下、わたくしの尊敬する大輪の薔薇の花。その朝露に濡れた花びらの一枚でも、わたくしがあやかれるように、どうか、輝けるわたくしの星でいてくださいませ」
書き終えてから、クリスタちゃんは難しい顔をしている。
「ここで薔薇の花に例えたのに、最後は星になってしまったわ。上手くいかないものね」
「クリスタちゃん、こんなにたくさんの文字を集中して書けたのはすごいですよ」
「そうですか、お姉様?」
「この詩はノエル殿下には……」
「お父様にノエル殿下に持って行ってもらいましょう! わたくし、お姉様に褒められて自信がつきました」
そんなつもりじゃなかったのに。
文字が書けたことを褒めて、それで納得してもらって、この詩は送らずに済むようにしようと思っていたわたくしの思惑が外れてしまう。
クリスタちゃんは便箋を封筒に入れて父のところに小走りで駆けて行った。
「妖精さんって何なのでしょう……蕾の中で目覚める日を待っている、それで春がもうそこまで来ている……よく分かりません」
ノエル殿下ならばクリスタちゃんの作った詩の意味が分かるのだろうか。
眉間に皺を寄せて考えていたら、部屋のドアが勢いよく開けられた。
「ねぇねー!」
「ふーちゃん、お昼寝から起きたのですか?」
「申し訳ありません、エリザベートお嬢様。フランツ様がどうしてもエリザベートお嬢様とクリスタお嬢様と遊びたがっていて、ずっと『ねぇね』と泣いていたのです」
「大丈夫ですよ、ヘルマンさん。わたくしもふーちゃんが起きたら子ども部屋に遊びに行こうと思っていました。クリスタちゃんも同じだと思います」
今はクリスタちゃんは父のところに行っているが、帰って来てわたくしが部屋にいないと気付けばふーちゃんの子ども部屋に行くだろう。
子ども部屋にはもうすぐ増える弟か妹のために、新しいベビーベッドが入れられている。乳母も今探しているところだ。
「ふーちゃん、何をして遊びますか?」
「ちゅっぽ!」
「列車で遊びますか」
ふーちゃんの子ども部屋に行って、ルームシューズに履き替えたわたくしは、ふーちゃんの周りに木でできたレールを敷いて列車を走らせてあげる。ふーちゃんも高い山のようになった場所から列車を突いて落とすことができるようになっていた。
「ちゅっぽ! ちゅっぽ! ねぇね、ちゅっぽ!」
「列車が走っていますね」
「ふー、ちゅっぽ」
「ふーちゃんの列車ですね」
遊んでいるとクリスタちゃんが戻って来た。クリスタちゃんもルームシューズに履き替えて子ども部屋に入って来る。
「お父様は引き受けてくださいましたわ。わたくしの未熟な詩ですが、ノエル殿下はお返事をくださるかしら」
「お返事を下さったらいいですね」
そう言いつつも、わたくしはノエル殿下とクリスタちゃんとの間で難解な詩のやり取りがなされたらどうしようかと真剣に悩んでいた。あの詩はわたくしにはよく意味が分からない。
「『あぁ、ノルベルト殿下。わたくしは恋の妖精さんに翻弄されています。次いつあなたに会えるのか。花びらを千切る占いをしても、答えてはくれません。わたくしの胸に咲いた一輪の恋の薔薇。それを手折るのを許されているのはあなただけなのです』……なんて素敵な詩なの。ふーちゃんもそう思わない?」
「あい」
「え!? クリスタちゃん、あなた、ノルベルト殿下にノエル殿下が書いた詩を暗唱できるのですか!?」
「素敵過ぎて覚えてしまったのです」
あまりのことにわたくしは仰天してしまった。
すらすらとクリスタちゃんの口から出て来た詩はノエル殿下がノルベルト殿下に捧げたものである。かなり長いのにそれを全部暗唱できるほどクリスタちゃんが詩に傾倒していたとは知らなかった。
「こっちも素敵なのよ、ふーちゃん。『親愛なるクリスタ嬢へ。恋を叶える天使がいるのだとすれば、友情を育む天使がいてもおかしくはないでしょう。その天使の矢がわたくしとクリスタ嬢を結んでくれたような気分です。わたくしはクリスタ嬢をかたわらに咲く花のように可愛らしく思っております。わたくしの気持ちをどうか届けてください、春風さん』ほら」
なんと、クリスタちゃんはノエル殿下からお誕生日にもらった詩も暗唱できるようになっていた。
あまりのことに絶句してしまったわたくしだが、ふーちゃんは真剣に聞いて聞き終わると小さなお手手をぱちぱちと打ち合わせて拍手をしている。
「ふーちゃん、意味が分かるのですか……」
「ねぇね、ねぇね!」
「ふーちゃんにもこの詩の素晴らしさが分かるのね。さすがわたくしの弟です」
どうしましょう。
ふーちゃんまでこの詩で教育されてしまう。
愕然としているわたくしに気付いた様子はなく、クリスタちゃんは何度も詩を口ずさんでいた。そのたびにふーちゃんは真剣な眼差しで聞いて、詩が終わると手を叩いていた。
ふーちゃんまでノエル殿下の詩に傾倒している。
わたくしはどうすればいいのか分からない。
クリスタちゃんに何か言わなければいけないのだが、どうすればクリスタちゃんの暴走を止められるのかさっぱり分からない。
「クリスタちゃん、ノルベルト殿下に捧げた詩は、私的なものだから、あまり口にしない方がいいと思いますよ」
「あ、そうですわね。これは恋文ですものね。お姉様、教えてくださってありがとうございます。わたくしの胸の中だけで繰り返し唱えておきますわ」
ノエル殿下がノルベルト殿下に捧げた詩に関しては何とかクリスタちゃんが口にしないでいいようになったのだが、もう一つの詩をどうすればクリスタちゃんがふーちゃんに吹き込むのをやめさせることができるのか。
わたくしは真剣に悩んでいた。
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