119 / 528
四章 婚約式
29.クリスタちゃんは早生まれ?
しおりを挟む
春の風が心地よい。
お屋敷ではもうストーブも暖炉も使わなくなっていた。
暖かくなった春の日にクリスタちゃんのお誕生日は来る。
「春から学園の学年が始まるということは、クリスタは学年で一番お誕生日が早いのですか?」
疑問に思っていたことをわたくしは朝食の席で両親に聞いてみる。
握ったスプーンでテーブルを叩いているふーちゃんをヘルマンさんが優しくたしなめていた。クリスタちゃんは自分の話題になっていることに気付かずに、スープをふうふうと吹いて冷ましている。
欧米では秋に学年が始まるというイメージがあったのだが、『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』の作者は日本人だ。春に学年が始まるように書かれていてもおかしくはない。
「逆ですよ、エリザベート。クリスタは学年の一番最後の生まれなのです」
「次の学年になる直前の生まれだと言えるね」
そう言われてわたくしは気付いた。
クリスタちゃんはわたくしと一年半生まれが離れているのに学年は一年しか離れていない。それはつまりクリスタちゃんが前世で言う早生まれだからではないのだろうか。
気付いてわたくしは愕然とする。
早生まれで学年で遅い方の生まれのクリスタちゃんが学園に入学するときに多少できないことがあってもおかしくはなかった。それを考えると原作のクリスタちゃんの礼儀作法がなっていないことをあげつらうわたくしは、悪役だと言えるだろう。
わたくしの働きと両親の手助けで物語は変わっており、クリスタちゃんは八歳の誕生日を目前としているとは思えないくらいに頭もいいし、刺繍もできて手先も器用なのだが、わたくしはクリスタちゃんをこれまで以上に守りたい気持ちが強くなっていた。
生まれが遅いことで学園で困らないようにクリスタちゃんにしっかりと教育を施したい。それはわたくしの両親も同じ考えだったようだ。
「生まれが遅くてもクリスタはとても賢いですからね」
「生まれの遅さなど十二歳にもなれば差がなくなっているだろう」
わたくしの前世では生後一か月くらいから保育園に行ったり、三歳から幼稚園に行ったり、六歳から小学校に行ったりして、幼いときから一学年で平等に競わされる。
早生まれの子どもたちが苦労していたのをわたくしは見ているので、クリスタちゃんが前世のような競争社会に生まれなくてよかったと心から思っていた。
「わたくし、何かしましたか? お口にスープがついている?」
注目されて視線に気づいたクリスタちゃんがナプキンで口元を拭いて確かめているのを見て、わたくしも両親もそうではないと伝える。
「クリスタが学年で誕生日がとても遅い方だとわたくし、今気付いたのです」
「クリスタには不利にならないようにエリザベートと同じ教育を施しています」
「クリスタは心配しなくていいよ」
わたくしと両親に言われてクリスタちゃんはにこっと微笑む。
「お姉様が学園で待っていてくれるのでしょう? わたくし、一年間は寂しいかもしれないけれど、その次の年にはわたくしもお姉様のいる学園に入学できるから我慢できます」
まだ学園に入学するのは先なのだが、クリスタちゃんはわたくしがいるから大丈夫だと思っているようだった。
「それに、ノエル殿下も学園にはいらっしゃるのでしょう?」
クリスタちゃんの水色のお目目がきらりと光る。
クリスタちゃんとノエル殿下は詩で分かり合えているようだ。わたくしには全然分からないので、ノエル殿下の詩もクリスタちゃんがその詩のどこに感銘を受けたかも理解できていない。
「ノエル殿下とクリスタは仲良くなったようですね」
「クリスタが学園に入学するころには婚約の話も来るだろう。楽しみにしておいで」
ディッペル家の後継者は長子のわたくしだったが、わたくしは国王陛下に許しを得て後継者を弟のふーちゃんに譲った。クリスタちゃんでなかったのは、クリスタちゃんが将来皇太子のハインリヒ殿下と婚約する可能性を考えてのことだったのだ。
この国の唯一の公爵家で、ハインリヒ殿下もクリスタちゃんを気に入っているとなれば、当然そうなるだろうと両親も考えていたのだろう。両親も最初からクリスタちゃんにディッペル家の後継者を譲ることは考えていなかった。
「お姉様みたいに白いドレスを着て、白薔薇の花冠を被って、わたくしも婚約式ができるでしょうか」
「きっとできますよ」
「そのときのクリスタは美しいでしょうね。マリアにも見せてあげたかった」
「彼女の分もクリスタは私たちがしっかりと育てよう」
目頭を押さえる母に、父はその肩を抱いて慰めている。
「わたくし、お腹の子が女の子だったら、マリアと名前を付けたいのです」
「そうだね。いいと思うよ」
「男の子だったらあなたが付けてくださいませ」
「分かった。考えておこう」
母のお腹の赤ちゃんは女の子だったらマリアという名前になるようだった。
朝食を終えると着替えをしてふーちゃんは朝のお散歩に出る。もう乳母車はいらなくて、よちよちと歩いて、時々ヘルマンさんに掴まって、ふーちゃんはしっかりとお庭をお散歩する。
「えー! えー!」
「はい、エクムントですよ。フランツ様」
「うー! うー!」
エクムント様を見付けると歩み寄って抱っこを求めるふーちゃん。脚元に立って必死に両腕を広げて抱っこを求めるふーちゃんに仕事中なのにエクムント様は抱っこしてくださる。
「エリザベート嬢が小さかった頃を思い出します」
「わたくしはこんなに可愛かったですか?」
「エリザベート嬢を始めて見たときに、初代国王陛下と同じ髪色と目の色だと驚きました。今も変わらぬ美しい髪と目の色をなさっている」
誉め言葉に頬が熱くなってくる。美しいのはあくまでも初代国王陛下と同じ髪色と目の色なのだが、それでも大好きな方に「美しい」などと言われると嬉しくて舞い上がってしまう。
「牧場のものがエラの出産が近いと言って来ています。出産に立ち会えるように日程を調整しましょうね」
日程を調整すると言っても、出産はいつ起きるか分からないのだから、数日牧場に泊まり込みになるかもしれないが構わないかと聞かれて、わたくしとクリスタちゃんは顔を見合わせる。
「もちろん、いいですわ!」
「エラの赤ちゃんを見たいです!」
声を揃えて言えばエクムント様は深く頷く。
「それでは旦那様と奥様にもお伝えして、日にちを調整しますね」
クリスタちゃんのお誕生日にかからなければ、エラのお産も見ることができるだろう。
「動物は天敵に襲われないために、本能的に夜に出産を行います。夜に起こして厩舎にお連れするようなことになると思いますがよろしいですか?」
「わたくし、頑張って起きます」
「わたくしも、エラの出産を見るためなら頑張れます」
わたくしとクリスタちゃんで答えるとエクムント様は両親と話し合って牧場に泊まり込みをする日程を決めてくれるようだった。
クリスタちゃんのお誕生日も間近に迫っている。
クリスタちゃんはお誕生日にノエル殿下もお招きしていた。隣国は女王陛下が治めている国なので、ノエル殿下は「お母様にお願いしておきます」と言っていた。
この国は国王陛下が治めているが隣国は女王陛下が治めている。男性と女性で違いがあるのかは分からないが、それもわたくしの興味を引く題材にはなっていた。
隣国は議会制と王制が両立しているという。
その話は一度リップマン先生にしてもらったがもう一度しっかりと勉強し直したい。
ノエル殿下と会うために隣国の言葉を勉強し始めてから、隣国がより身近になったような気がしていた。
クリスタちゃんのお誕生日に、エラの出産、リップマン先生の授業と、これからも忙しくなりそうだった。
初夏には、母の出産もある。
お屋敷ではもうストーブも暖炉も使わなくなっていた。
暖かくなった春の日にクリスタちゃんのお誕生日は来る。
「春から学園の学年が始まるということは、クリスタは学年で一番お誕生日が早いのですか?」
疑問に思っていたことをわたくしは朝食の席で両親に聞いてみる。
握ったスプーンでテーブルを叩いているふーちゃんをヘルマンさんが優しくたしなめていた。クリスタちゃんは自分の話題になっていることに気付かずに、スープをふうふうと吹いて冷ましている。
欧米では秋に学年が始まるというイメージがあったのだが、『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』の作者は日本人だ。春に学年が始まるように書かれていてもおかしくはない。
「逆ですよ、エリザベート。クリスタは学年の一番最後の生まれなのです」
「次の学年になる直前の生まれだと言えるね」
そう言われてわたくしは気付いた。
クリスタちゃんはわたくしと一年半生まれが離れているのに学年は一年しか離れていない。それはつまりクリスタちゃんが前世で言う早生まれだからではないのだろうか。
気付いてわたくしは愕然とする。
早生まれで学年で遅い方の生まれのクリスタちゃんが学園に入学するときに多少できないことがあってもおかしくはなかった。それを考えると原作のクリスタちゃんの礼儀作法がなっていないことをあげつらうわたくしは、悪役だと言えるだろう。
わたくしの働きと両親の手助けで物語は変わっており、クリスタちゃんは八歳の誕生日を目前としているとは思えないくらいに頭もいいし、刺繍もできて手先も器用なのだが、わたくしはクリスタちゃんをこれまで以上に守りたい気持ちが強くなっていた。
生まれが遅いことで学園で困らないようにクリスタちゃんにしっかりと教育を施したい。それはわたくしの両親も同じ考えだったようだ。
「生まれが遅くてもクリスタはとても賢いですからね」
「生まれの遅さなど十二歳にもなれば差がなくなっているだろう」
わたくしの前世では生後一か月くらいから保育園に行ったり、三歳から幼稚園に行ったり、六歳から小学校に行ったりして、幼いときから一学年で平等に競わされる。
早生まれの子どもたちが苦労していたのをわたくしは見ているので、クリスタちゃんが前世のような競争社会に生まれなくてよかったと心から思っていた。
「わたくし、何かしましたか? お口にスープがついている?」
注目されて視線に気づいたクリスタちゃんがナプキンで口元を拭いて確かめているのを見て、わたくしも両親もそうではないと伝える。
「クリスタが学年で誕生日がとても遅い方だとわたくし、今気付いたのです」
「クリスタには不利にならないようにエリザベートと同じ教育を施しています」
「クリスタは心配しなくていいよ」
わたくしと両親に言われてクリスタちゃんはにこっと微笑む。
「お姉様が学園で待っていてくれるのでしょう? わたくし、一年間は寂しいかもしれないけれど、その次の年にはわたくしもお姉様のいる学園に入学できるから我慢できます」
まだ学園に入学するのは先なのだが、クリスタちゃんはわたくしがいるから大丈夫だと思っているようだった。
「それに、ノエル殿下も学園にはいらっしゃるのでしょう?」
クリスタちゃんの水色のお目目がきらりと光る。
クリスタちゃんとノエル殿下は詩で分かり合えているようだ。わたくしには全然分からないので、ノエル殿下の詩もクリスタちゃんがその詩のどこに感銘を受けたかも理解できていない。
「ノエル殿下とクリスタは仲良くなったようですね」
「クリスタが学園に入学するころには婚約の話も来るだろう。楽しみにしておいで」
ディッペル家の後継者は長子のわたくしだったが、わたくしは国王陛下に許しを得て後継者を弟のふーちゃんに譲った。クリスタちゃんでなかったのは、クリスタちゃんが将来皇太子のハインリヒ殿下と婚約する可能性を考えてのことだったのだ。
この国の唯一の公爵家で、ハインリヒ殿下もクリスタちゃんを気に入っているとなれば、当然そうなるだろうと両親も考えていたのだろう。両親も最初からクリスタちゃんにディッペル家の後継者を譲ることは考えていなかった。
「お姉様みたいに白いドレスを着て、白薔薇の花冠を被って、わたくしも婚約式ができるでしょうか」
「きっとできますよ」
「そのときのクリスタは美しいでしょうね。マリアにも見せてあげたかった」
「彼女の分もクリスタは私たちがしっかりと育てよう」
目頭を押さえる母に、父はその肩を抱いて慰めている。
「わたくし、お腹の子が女の子だったら、マリアと名前を付けたいのです」
「そうだね。いいと思うよ」
「男の子だったらあなたが付けてくださいませ」
「分かった。考えておこう」
母のお腹の赤ちゃんは女の子だったらマリアという名前になるようだった。
朝食を終えると着替えをしてふーちゃんは朝のお散歩に出る。もう乳母車はいらなくて、よちよちと歩いて、時々ヘルマンさんに掴まって、ふーちゃんはしっかりとお庭をお散歩する。
「えー! えー!」
「はい、エクムントですよ。フランツ様」
「うー! うー!」
エクムント様を見付けると歩み寄って抱っこを求めるふーちゃん。脚元に立って必死に両腕を広げて抱っこを求めるふーちゃんに仕事中なのにエクムント様は抱っこしてくださる。
「エリザベート嬢が小さかった頃を思い出します」
「わたくしはこんなに可愛かったですか?」
「エリザベート嬢を始めて見たときに、初代国王陛下と同じ髪色と目の色だと驚きました。今も変わらぬ美しい髪と目の色をなさっている」
誉め言葉に頬が熱くなってくる。美しいのはあくまでも初代国王陛下と同じ髪色と目の色なのだが、それでも大好きな方に「美しい」などと言われると嬉しくて舞い上がってしまう。
「牧場のものがエラの出産が近いと言って来ています。出産に立ち会えるように日程を調整しましょうね」
日程を調整すると言っても、出産はいつ起きるか分からないのだから、数日牧場に泊まり込みになるかもしれないが構わないかと聞かれて、わたくしとクリスタちゃんは顔を見合わせる。
「もちろん、いいですわ!」
「エラの赤ちゃんを見たいです!」
声を揃えて言えばエクムント様は深く頷く。
「それでは旦那様と奥様にもお伝えして、日にちを調整しますね」
クリスタちゃんのお誕生日にかからなければ、エラのお産も見ることができるだろう。
「動物は天敵に襲われないために、本能的に夜に出産を行います。夜に起こして厩舎にお連れするようなことになると思いますがよろしいですか?」
「わたくし、頑張って起きます」
「わたくしも、エラの出産を見るためなら頑張れます」
わたくしとクリスタちゃんで答えるとエクムント様は両親と話し合って牧場に泊まり込みをする日程を決めてくれるようだった。
クリスタちゃんのお誕生日も間近に迫っている。
クリスタちゃんはお誕生日にノエル殿下もお招きしていた。隣国は女王陛下が治めている国なので、ノエル殿下は「お母様にお願いしておきます」と言っていた。
この国は国王陛下が治めているが隣国は女王陛下が治めている。男性と女性で違いがあるのかは分からないが、それもわたくしの興味を引く題材にはなっていた。
隣国は議会制と王制が両立しているという。
その話は一度リップマン先生にしてもらったがもう一度しっかりと勉強し直したい。
ノエル殿下と会うために隣国の言葉を勉強し始めてから、隣国がより身近になったような気がしていた。
クリスタちゃんのお誕生日に、エラの出産、リップマン先生の授業と、これからも忙しくなりそうだった。
初夏には、母の出産もある。
36
お気に入りに追加
1,684
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる