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四章 婚約式
24.死とは何か
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両親についてのことはしばらくわたくしの頭から離れなかった。
先のことだと考えていても、その時点になってから手を打っては遅いかもしれない。可能性の段階で芽を摘んでおかねばならない。
悩んでいるわたくしを見かねたのか、クリスタちゃんが庭にお散歩に誘ってくれた。
クリスタちゃんに誘われてコートを着てマフラーを巻いて庭に出たけれど、寒いし、庭は雪に埋もれているし、わたくしは上の空だった。
「お姉様こっちよ」
クリスタちゃんに手を引かれて連れていかれた先は門で警護をしているエクムント様のところだった。
わたくしが戸惑っているとエクムント様がもう一人の警護に声をかけてわたくしのところに歩み寄って来てくれる。エクムント様も普段の軍服の上にコートを着てマフラーを巻いて帽子を被っていた。
「どうされましたか、エリザベート嬢」
「何でもありません」
答えたわたくしだが、エクムント様を見ていると全部白状してしまいたくなる。
この世界がわたくしが前世で読んでいた物語の世界で、そこで描写されていないが、どこかで両親が亡くなってしまって、わたくしが公爵になっていたなんて、どう言えばいいのだろう。
考えているとクリスタちゃんがエクムント様に言ってくれる。
「お姉様はお母様が心配なのです。お母様はお姉様を産んだときに死にかけたと聞いています。お姉様のお話を聞いてくださいませんか?」
それだけ言って自分は少し離れたところに行ってくれたクリスタちゃんに感謝して、わたくしはエクムント様に話をしてみることにした。
「夢を見るのです。わたくしが学園に通っている夢で、その夢の中で、わたくしは父と母を失っているかもしれない……その夢が本当になってしまったらと怖いのです」
夢ということにしたが、それもあながち間違いではない。わたくしが前世を思い出したのは夢の中での出来事だった。
「お気持ちは分かります」
エクムント様はわたくしの突拍子のない話に関しても、馬鹿にせずに真剣に聞いてくれていた。
「私もエリザベート嬢くらいの頃に考えたことがあります。死とはなんだろうと。考え始めると、死というものが恐ろしくなって、それが誰にでも平等に訪れるのだと思うと怖くて怖くてたまりませんでした」
「エクムント様もご両親が亡くなることを考えたことがありますか?」
「あります。両親も、兄たちも、みんな死んでしまう。いつかはみんな死んでしまうのですが、それがいつでもおかしくはないこと、今起きてしまいそうな気がして恐ろしかったことを覚えています」
両親が死んでしまうかもしれないと考えてしまうのはわたくしだけではなかった。それだけで少し安心してくる。
「エリザベート嬢は辺境伯領の現状を見ていますよね。辺境伯領は今、一枚岩とは到底言えません。辺境伯領の貴族や有力者の中には、独立派も隠れています。そういう方々に私と家同士で約束をしたディッペル家が狙われてもおかしくはない状況です。それをエリザベート嬢の夢は表しているのかもしれません」
実際に口に出されるとそうなのかもしれないと思えてくる。辺境伯領の独立派がいつ反乱を起こしてもおかしくはない状況であるのは確かだし、その者たちにとって邪魔なのはディッペル家のわたくしと両親に違いなかった。
「エクムント様、わたくし、父と母を愛しています。大事な方たちだと思っています。二人が亡くなってしまったらどうすればいいのか……」
「そんなことはさせません」
「エクムント様……」
「私が護衛についている間はおそばでこの家をお守りします。辺境伯領に行った後は、辺境伯領で反乱が起きないように、起きそうになったときには一番にディッペル家にお伝えしてお守りします」
エクムント様の力強い声にわたくしは涙が出て来てしまった。泣いているわたくしにハンカチを渡して、エクムント様は肩に手を置いて慰めてくださる。
「泣かないでください、エリザベート嬢。エリザベート嬢と奥様と旦那様は必ずお守りします」
「エクムント様……これは、安心して出てしまった涙なのです」
「それならばよかったです。私ができることは全てします。それが辺境伯領とディッペル家の繁栄のためになるのです」
しっかりとした考えをお持ちのエクムント様にわたくしはやっと心から安心していた。
「相談してみてよかったです。夢の話とエクムント様は馬鹿にされたりしなかった」
「なんでも話してください。どんな些細なことでも構いません。年は離れていますし、結婚するのはずっと先ですが、一応、私はエリザベート嬢の婚約者ですからね」
穏やかに微笑むエクムント様にわたくしは「はい」と言って頷いた。
「またお話を聞いてください」
「はい、いつでも」
エクムント様に話をするとわたくしの胸は軽くなって、クリスタちゃんの元に笑顔で戻れる。
「ハンカチは洗ってお返しします」
「お気遣いなく」
「いいえ、洗ってお返しします」
涙を拭いてくれたハンカチを握りしめてクリスタちゃんのところに行くと、クリスタちゃんはにっこりと微笑んでいた。
「お姉様、元気になったようでよかったです。エクムント様はお姉様の元気の源ですね」
原作の『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』ではわたくしはクリスタちゃんを苛めて、恥をかかせて、皇太子妃になったクリスタちゃんに復讐されて辺境に追放されて公爵位も奪われるという筋書きだった。
今のクリスタちゃんは公爵家の養子になっているし、何よりもクリスタちゃんがわたくしを心配して心のもやもやまで晴らす手伝いをしてくれている。
物語は最初の時点でクリスタちゃんが学園に入学するところからだったが、もう前提が変わってきている。クリスタちゃんの家名はノメンゼンではなくなっているし、物語の中核となるハインリヒ殿下とノルベルト殿下の諍いも起きてはいない。
ハインリヒ殿下は皇太子であることを受け入れて、ノルベルト殿下は将来大公になることを決めて隣国の王女殿下と婚約をして仲睦まじく手紙のやり取りをしている。隣国の王女殿下が書いたよく意味の分からない詩を書き写して持ち歩くくらいノルベルト殿下は隣国の王女殿下に夢中なのだ。
「エリザベート、クリスタ、ここにいたのですね」
「お母様、寒いのに外に出て平気なのですか?」
「お腹の赤ちゃんは寒くないですか?」
「パウリーネ先生は動いた方がいいと言われています。それよりエリザベートとクリスタに伝えなければいけないことがあるのですよ」
コートを着て庭に出て来た母に連れられてわたくしとクリスタちゃんはお屋敷の中に戻る。
お屋敷の勉強室ではリップマン先生が待っていた。
「隣国の王女殿下がこの国の学園に留学して来ることになりました。エリザベートもクリスタも学園に入学するのはもう少し先ですが、入学したときには隣国の言葉で王女殿下と滑らかに会話ができなければいけません」
「今日から勉強は隣国の会話と文法にされるように奥様からお話がありました」
リップマン先生の授業が今日から隣国の会話や文法に変わるということを聞かされて、わたくしとクリスタちゃんは母を見る。
「お母様は隣国の言葉を話せるのですか?」
「日常会話程度ならば話せます。わたくしがリップマン先生の授業に同席して、二人同時に会話ができるように指導します」
「お母様とお勉強できるのね! 嬉しいわ」
母の厳しさを知っているが、クリスタちゃんはそれでも母と勉強できることを嬉しいと思っているようだ。
これから忙しくなりそうである。
「今年の国王陛下のお誕生日にはエリザベートとクリスタも連れて行きますからね。隣国の王女殿下が参加されるのです。ご挨拶を致しましょう」
今年は両親が不在の中、お屋敷で待っているようなこともないようだ。
「それまでに隣国の言葉で会話ができるように頑張ります」
「わたくしも!」
わたくしとクリスタちゃんは王女殿下へのご挨拶を楽しみにしていた。
先のことだと考えていても、その時点になってから手を打っては遅いかもしれない。可能性の段階で芽を摘んでおかねばならない。
悩んでいるわたくしを見かねたのか、クリスタちゃんが庭にお散歩に誘ってくれた。
クリスタちゃんに誘われてコートを着てマフラーを巻いて庭に出たけれど、寒いし、庭は雪に埋もれているし、わたくしは上の空だった。
「お姉様こっちよ」
クリスタちゃんに手を引かれて連れていかれた先は門で警護をしているエクムント様のところだった。
わたくしが戸惑っているとエクムント様がもう一人の警護に声をかけてわたくしのところに歩み寄って来てくれる。エクムント様も普段の軍服の上にコートを着てマフラーを巻いて帽子を被っていた。
「どうされましたか、エリザベート嬢」
「何でもありません」
答えたわたくしだが、エクムント様を見ていると全部白状してしまいたくなる。
この世界がわたくしが前世で読んでいた物語の世界で、そこで描写されていないが、どこかで両親が亡くなってしまって、わたくしが公爵になっていたなんて、どう言えばいいのだろう。
考えているとクリスタちゃんがエクムント様に言ってくれる。
「お姉様はお母様が心配なのです。お母様はお姉様を産んだときに死にかけたと聞いています。お姉様のお話を聞いてくださいませんか?」
それだけ言って自分は少し離れたところに行ってくれたクリスタちゃんに感謝して、わたくしはエクムント様に話をしてみることにした。
「夢を見るのです。わたくしが学園に通っている夢で、その夢の中で、わたくしは父と母を失っているかもしれない……その夢が本当になってしまったらと怖いのです」
夢ということにしたが、それもあながち間違いではない。わたくしが前世を思い出したのは夢の中での出来事だった。
「お気持ちは分かります」
エクムント様はわたくしの突拍子のない話に関しても、馬鹿にせずに真剣に聞いてくれていた。
「私もエリザベート嬢くらいの頃に考えたことがあります。死とはなんだろうと。考え始めると、死というものが恐ろしくなって、それが誰にでも平等に訪れるのだと思うと怖くて怖くてたまりませんでした」
「エクムント様もご両親が亡くなることを考えたことがありますか?」
「あります。両親も、兄たちも、みんな死んでしまう。いつかはみんな死んでしまうのですが、それがいつでもおかしくはないこと、今起きてしまいそうな気がして恐ろしかったことを覚えています」
両親が死んでしまうかもしれないと考えてしまうのはわたくしだけではなかった。それだけで少し安心してくる。
「エリザベート嬢は辺境伯領の現状を見ていますよね。辺境伯領は今、一枚岩とは到底言えません。辺境伯領の貴族や有力者の中には、独立派も隠れています。そういう方々に私と家同士で約束をしたディッペル家が狙われてもおかしくはない状況です。それをエリザベート嬢の夢は表しているのかもしれません」
実際に口に出されるとそうなのかもしれないと思えてくる。辺境伯領の独立派がいつ反乱を起こしてもおかしくはない状況であるのは確かだし、その者たちにとって邪魔なのはディッペル家のわたくしと両親に違いなかった。
「エクムント様、わたくし、父と母を愛しています。大事な方たちだと思っています。二人が亡くなってしまったらどうすればいいのか……」
「そんなことはさせません」
「エクムント様……」
「私が護衛についている間はおそばでこの家をお守りします。辺境伯領に行った後は、辺境伯領で反乱が起きないように、起きそうになったときには一番にディッペル家にお伝えしてお守りします」
エクムント様の力強い声にわたくしは涙が出て来てしまった。泣いているわたくしにハンカチを渡して、エクムント様は肩に手を置いて慰めてくださる。
「泣かないでください、エリザベート嬢。エリザベート嬢と奥様と旦那様は必ずお守りします」
「エクムント様……これは、安心して出てしまった涙なのです」
「それならばよかったです。私ができることは全てします。それが辺境伯領とディッペル家の繁栄のためになるのです」
しっかりとした考えをお持ちのエクムント様にわたくしはやっと心から安心していた。
「相談してみてよかったです。夢の話とエクムント様は馬鹿にされたりしなかった」
「なんでも話してください。どんな些細なことでも構いません。年は離れていますし、結婚するのはずっと先ですが、一応、私はエリザベート嬢の婚約者ですからね」
穏やかに微笑むエクムント様にわたくしは「はい」と言って頷いた。
「またお話を聞いてください」
「はい、いつでも」
エクムント様に話をするとわたくしの胸は軽くなって、クリスタちゃんの元に笑顔で戻れる。
「ハンカチは洗ってお返しします」
「お気遣いなく」
「いいえ、洗ってお返しします」
涙を拭いてくれたハンカチを握りしめてクリスタちゃんのところに行くと、クリスタちゃんはにっこりと微笑んでいた。
「お姉様、元気になったようでよかったです。エクムント様はお姉様の元気の源ですね」
原作の『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』ではわたくしはクリスタちゃんを苛めて、恥をかかせて、皇太子妃になったクリスタちゃんに復讐されて辺境に追放されて公爵位も奪われるという筋書きだった。
今のクリスタちゃんは公爵家の養子になっているし、何よりもクリスタちゃんがわたくしを心配して心のもやもやまで晴らす手伝いをしてくれている。
物語は最初の時点でクリスタちゃんが学園に入学するところからだったが、もう前提が変わってきている。クリスタちゃんの家名はノメンゼンではなくなっているし、物語の中核となるハインリヒ殿下とノルベルト殿下の諍いも起きてはいない。
ハインリヒ殿下は皇太子であることを受け入れて、ノルベルト殿下は将来大公になることを決めて隣国の王女殿下と婚約をして仲睦まじく手紙のやり取りをしている。隣国の王女殿下が書いたよく意味の分からない詩を書き写して持ち歩くくらいノルベルト殿下は隣国の王女殿下に夢中なのだ。
「エリザベート、クリスタ、ここにいたのですね」
「お母様、寒いのに外に出て平気なのですか?」
「お腹の赤ちゃんは寒くないですか?」
「パウリーネ先生は動いた方がいいと言われています。それよりエリザベートとクリスタに伝えなければいけないことがあるのですよ」
コートを着て庭に出て来た母に連れられてわたくしとクリスタちゃんはお屋敷の中に戻る。
お屋敷の勉強室ではリップマン先生が待っていた。
「隣国の王女殿下がこの国の学園に留学して来ることになりました。エリザベートもクリスタも学園に入学するのはもう少し先ですが、入学したときには隣国の言葉で王女殿下と滑らかに会話ができなければいけません」
「今日から勉強は隣国の会話と文法にされるように奥様からお話がありました」
リップマン先生の授業が今日から隣国の会話や文法に変わるということを聞かされて、わたくしとクリスタちゃんは母を見る。
「お母様は隣国の言葉を話せるのですか?」
「日常会話程度ならば話せます。わたくしがリップマン先生の授業に同席して、二人同時に会話ができるように指導します」
「お母様とお勉強できるのね! 嬉しいわ」
母の厳しさを知っているが、クリスタちゃんはそれでも母と勉強できることを嬉しいと思っているようだ。
これから忙しくなりそうである。
「今年の国王陛下のお誕生日にはエリザベートとクリスタも連れて行きますからね。隣国の王女殿下が参加されるのです。ご挨拶を致しましょう」
今年は両親が不在の中、お屋敷で待っているようなこともないようだ。
「それまでに隣国の言葉で会話ができるように頑張ります」
「わたくしも!」
わたくしとクリスタちゃんは王女殿下へのご挨拶を楽しみにしていた。
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