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四章 婚約式
3.婚約式のために
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結婚式のドレスではないので床を引きずるほどの長さはなかったが、白い刺繍の入ったドレスに花冠、そこから垂れる短めのベールという姿に、クリスタちゃんがうっとりとわたくしを見ている。
「お姉様、絵本の花嫁さんのようですわ」
「まだわたくしは結婚しませんけれどね」
「婚約をなさるのですよね。国王陛下の御前で」
辺境伯領は独立を望んでいない。
それをはっきりと示すために、カサンドラ様は国王陛下の前での婚約式を望んでいた。
わたくしはまだ八歳で、正式に結婚できるのは十年後なのだが、エクムント様と婚約ができるというのは胸が浮き立つ。ずっと大好きだったエクムント様と将来結ばれる約束ができたということになる。
この国で唯一の公爵家の娘と辺境伯の後継の婚約なのだ。どんなことがあっても壊れることはない。国王陛下の御前で王家の血を引くわたくしと、辺境伯の後継者となったエクムント様が正式に婚約を誓うのだ。政略結婚なのだから、破られるはずがない。
「エクムント様は笑われないでしょうか。婚約者がこんなに幼いわたくしで」
心配を口にすれば衣装合わせについていてくれる母がわたくしの肩に手を置く。
「エリザベートはわたくしが愛情を込めて育てた立派なレディです。まだ大人ではないことは確かですが、笑うものは笑わせておきましょう。将来あなたほどのレディを辺境伯が娶ったと有名になったときに、笑ったものは恥をかくだけです」
母は国一番のフェアレディと言われて、シュレーゼマン子爵家からキルヒマン侯爵家に養子に行って、ディッペル公爵家に嫁いだ。子爵家の娘だった母が今や公爵夫人になっているのだから、結婚した当時には苦労もあったことだろう。
今では立派に公爵夫人としての地位を確立している母に言われれば、わたくしも心が落ち着いてくる。
「お母様、わたくし、お姉様をお祝いしたいの。何かできないかしら」
「婚約式でエリザベートが持つ花束をクリスタが渡しますか?」
「そんなことができるの?」
「クリスタも歩き方を練習して、美しく歩けるようになりましょうね」
婚約式のためにわたくしとクリスタちゃんは母の厳しい指導を受けていた。
頭に本を乗せたままで視線を落とさずに床に引かれた白線を両足で挟むようにして歩いていく練習は、わたくしは六歳の頃に足が痛くて泣いて逃げ出してしまったものだった。
問題なく歩けることを示すと母はそれだけでは納得せずに、膝をついてのお辞儀の仕方もしっかりと教えてくれる。
片手でスカートを捌き、もう片方の手を胸に当てて深々とお辞儀をする練習をしていると、エクムント様が部屋にやってきた。
「奥様に呼ばれて参りました。何でしょう?」
「エクムント、エリザベートをエスコートしてあげてください。エリザベートの手を取って」
母が指示するままにエクムント様はわたくしに白い手袋を付けた手を差し伸べる。大きな手の上に手を重ねると、わたくしの手がとても小さく感じられる。
エクムント様に手を引かれてわたくしは歩く。
「エリザベート、心無いことを言われる場面もあるかもしれません。しかし、辺境伯家にディッペル公爵家から嫁いでいくのは、紛れもない誉。この国の平和のためにエリザベートがお役に立つのです。誇りをもって顔を上げて歩きなさい」
「はい、お母様」
「エクムント、エリザベートの手を離さぬよう、しっかりと守ってあげてくださいね」
「心得ました、奥様」
わたくしはディッペル公爵家の娘ではあるが、今後は辺境伯家の後継者の婚約者としても扱われるのだ。態度には気を付けねばならないと強く思っていた。
「エクムント様、お姉様をよろしくお願いします」
「はい、クリスタお嬢様」
「そこは、『クリスタ嬢』なのではないのですか?」
「クリスタお嬢様は主人であるディッペル公爵の御令嬢ですから」
わたくしは「エリザベート嬢」でクリスタちゃんは「クリスタお嬢様」であることにわたくしは若干の優越感を持っていた。エクムント様はわたくしは婚約者として呼んでくれている。
初夏までに準備は整い、わたくしはエクムント様と両親とクリスタちゃんとデボラとマルレーンとふーちゃんとヘルマンさんと王都に向かっていた。
ふーちゃんはまだ小さいのでお留守番かと思っていたが、姉のわたくしの婚約式があるときに、ふーちゃんにディッペル公爵家の後継者も譲るという国王陛下の御お言葉があるので連れて来られたのだ。
人数が多くなっていたから、個室席は二席になっていた。
ひと席が六人座れるので、ひと席にわたくしと両親とクリスタちゃんとふーちゃん、もうひと席にエクムント様とデボラとマルレーンとヘルマンさんが座ることになった。
エクムント様もわたくしたちの個室席に誘ったのだが、あくまでもこの三年間はディッペル公爵家に仕える身として断られてしまったのだ。
以前は椅子に座らずに廊下にずっと立っていたので、それよりはマシだが、エクムント様と離れて座るのはわたくしは少しつまらなかった。
「お母様、お父様、エクムント様の座る個室席に行ってはいけませんか?」
「エクムントはエリザベートの婚約者になるからね」
「それでも、若き乙女が男性と同席したいなどと言うのははしたないのですよ。今は我慢してください」
父は許してくれそうだったが、母からはビシッと言われてしまった。
仕方なく椅子に座っていると、ふーちゃんが目を覚ましてきょろきょろと水色のお目目を動かしている。
「フランツ、お姉様がいますよ」
「フランツは初めての列車でしたね。暑くはありませんか?」
クリスタちゃんが父に抱かれたふーちゃんを覗き込んで言うのに、わたくしも言葉を添えた。
父はふーちゃんをとても可愛がっていて、外出時も抱っこすることを喜んでしていた。抱っこされて首がまだ上手く動かせないのでお目目だけきょろきょろさせているふーちゃんは、明らかにここがいつもの場所ではないと気付いていた。
「フランツは賢いわ。ここが列車だと分かっているのね」
「泣かないでとてもいい子ですね」
ふーちゃんの様子を見ることでわたくしは何とか退屈を紛らわせていた。
王都に着くと王宮に馬車で行って、部屋に案内される。
今回はエクムント様はわたくしたちの護衛としてではなく、辺境伯の後継者として出席するので、廊下に立っているようなことはない。
エクムント様が辺境伯の後継者として扱われるようになれば、わたくしは離れなければいけない時間も多くて少し寂しかった。
エクムント様がディッペル公爵家にいるのも残り三年を切った。その先は婚約者といえどもエクムント様を辺境伯領まで追いかけていくことはできない。
年に一度辺境伯領を訪ねて会うくらいはできそうだが、毎日会っている今と比べれば全く会えないのと同じようなことだ。
エクムント様が遠く離れていく感覚にわたくしは恐怖した。
婚約者として地位は確立できても、エクムント様と会うことが難しくなる。
「お母様、わたくし、婚約してもエクムント様になかなか会えなくなりますわ」
「エクムントがディッペル家から辺境伯領に行くまでに三年もありませんからね。ですが、その間にエリザベートは自分を磨く時間ができます。久しぶりに会ったエクムントに、なんて素晴らしいレディになったのだろうと思わせるのです」
今のままではエクムント様の認識は、わたくしは妹のようなものだけれど、遠く離れて久しぶりに会ったら、素晴らしいレディに成長しているかもしれない。
母の言葉はわたくしに希望を持たせた。
エクムント様の認識が、妹のようなものから素晴らしいレディに変わるようにわたくしは努力していかなければいけない。
「エリザベート、今回は特別に王宮の晩餐会に出席します。そこでエリザベートの公爵家の後継の権利をフランツに渡し、婚約式を開いてエクムントとの婚約を国王陛下に認めてもらいます」
母に言われてわたくしは背筋を伸ばす。
遂にそのときが来た。
「お姉様、絵本の花嫁さんのようですわ」
「まだわたくしは結婚しませんけれどね」
「婚約をなさるのですよね。国王陛下の御前で」
辺境伯領は独立を望んでいない。
それをはっきりと示すために、カサンドラ様は国王陛下の前での婚約式を望んでいた。
わたくしはまだ八歳で、正式に結婚できるのは十年後なのだが、エクムント様と婚約ができるというのは胸が浮き立つ。ずっと大好きだったエクムント様と将来結ばれる約束ができたということになる。
この国で唯一の公爵家の娘と辺境伯の後継の婚約なのだ。どんなことがあっても壊れることはない。国王陛下の御前で王家の血を引くわたくしと、辺境伯の後継者となったエクムント様が正式に婚約を誓うのだ。政略結婚なのだから、破られるはずがない。
「エクムント様は笑われないでしょうか。婚約者がこんなに幼いわたくしで」
心配を口にすれば衣装合わせについていてくれる母がわたくしの肩に手を置く。
「エリザベートはわたくしが愛情を込めて育てた立派なレディです。まだ大人ではないことは確かですが、笑うものは笑わせておきましょう。将来あなたほどのレディを辺境伯が娶ったと有名になったときに、笑ったものは恥をかくだけです」
母は国一番のフェアレディと言われて、シュレーゼマン子爵家からキルヒマン侯爵家に養子に行って、ディッペル公爵家に嫁いだ。子爵家の娘だった母が今や公爵夫人になっているのだから、結婚した当時には苦労もあったことだろう。
今では立派に公爵夫人としての地位を確立している母に言われれば、わたくしも心が落ち着いてくる。
「お母様、わたくし、お姉様をお祝いしたいの。何かできないかしら」
「婚約式でエリザベートが持つ花束をクリスタが渡しますか?」
「そんなことができるの?」
「クリスタも歩き方を練習して、美しく歩けるようになりましょうね」
婚約式のためにわたくしとクリスタちゃんは母の厳しい指導を受けていた。
頭に本を乗せたままで視線を落とさずに床に引かれた白線を両足で挟むようにして歩いていく練習は、わたくしは六歳の頃に足が痛くて泣いて逃げ出してしまったものだった。
問題なく歩けることを示すと母はそれだけでは納得せずに、膝をついてのお辞儀の仕方もしっかりと教えてくれる。
片手でスカートを捌き、もう片方の手を胸に当てて深々とお辞儀をする練習をしていると、エクムント様が部屋にやってきた。
「奥様に呼ばれて参りました。何でしょう?」
「エクムント、エリザベートをエスコートしてあげてください。エリザベートの手を取って」
母が指示するままにエクムント様はわたくしに白い手袋を付けた手を差し伸べる。大きな手の上に手を重ねると、わたくしの手がとても小さく感じられる。
エクムント様に手を引かれてわたくしは歩く。
「エリザベート、心無いことを言われる場面もあるかもしれません。しかし、辺境伯家にディッペル公爵家から嫁いでいくのは、紛れもない誉。この国の平和のためにエリザベートがお役に立つのです。誇りをもって顔を上げて歩きなさい」
「はい、お母様」
「エクムント、エリザベートの手を離さぬよう、しっかりと守ってあげてくださいね」
「心得ました、奥様」
わたくしはディッペル公爵家の娘ではあるが、今後は辺境伯家の後継者の婚約者としても扱われるのだ。態度には気を付けねばならないと強く思っていた。
「エクムント様、お姉様をよろしくお願いします」
「はい、クリスタお嬢様」
「そこは、『クリスタ嬢』なのではないのですか?」
「クリスタお嬢様は主人であるディッペル公爵の御令嬢ですから」
わたくしは「エリザベート嬢」でクリスタちゃんは「クリスタお嬢様」であることにわたくしは若干の優越感を持っていた。エクムント様はわたくしは婚約者として呼んでくれている。
初夏までに準備は整い、わたくしはエクムント様と両親とクリスタちゃんとデボラとマルレーンとふーちゃんとヘルマンさんと王都に向かっていた。
ふーちゃんはまだ小さいのでお留守番かと思っていたが、姉のわたくしの婚約式があるときに、ふーちゃんにディッペル公爵家の後継者も譲るという国王陛下の御お言葉があるので連れて来られたのだ。
人数が多くなっていたから、個室席は二席になっていた。
ひと席が六人座れるので、ひと席にわたくしと両親とクリスタちゃんとふーちゃん、もうひと席にエクムント様とデボラとマルレーンとヘルマンさんが座ることになった。
エクムント様もわたくしたちの個室席に誘ったのだが、あくまでもこの三年間はディッペル公爵家に仕える身として断られてしまったのだ。
以前は椅子に座らずに廊下にずっと立っていたので、それよりはマシだが、エクムント様と離れて座るのはわたくしは少しつまらなかった。
「お母様、お父様、エクムント様の座る個室席に行ってはいけませんか?」
「エクムントはエリザベートの婚約者になるからね」
「それでも、若き乙女が男性と同席したいなどと言うのははしたないのですよ。今は我慢してください」
父は許してくれそうだったが、母からはビシッと言われてしまった。
仕方なく椅子に座っていると、ふーちゃんが目を覚ましてきょろきょろと水色のお目目を動かしている。
「フランツ、お姉様がいますよ」
「フランツは初めての列車でしたね。暑くはありませんか?」
クリスタちゃんが父に抱かれたふーちゃんを覗き込んで言うのに、わたくしも言葉を添えた。
父はふーちゃんをとても可愛がっていて、外出時も抱っこすることを喜んでしていた。抱っこされて首がまだ上手く動かせないのでお目目だけきょろきょろさせているふーちゃんは、明らかにここがいつもの場所ではないと気付いていた。
「フランツは賢いわ。ここが列車だと分かっているのね」
「泣かないでとてもいい子ですね」
ふーちゃんの様子を見ることでわたくしは何とか退屈を紛らわせていた。
王都に着くと王宮に馬車で行って、部屋に案内される。
今回はエクムント様はわたくしたちの護衛としてではなく、辺境伯の後継者として出席するので、廊下に立っているようなことはない。
エクムント様が辺境伯の後継者として扱われるようになれば、わたくしは離れなければいけない時間も多くて少し寂しかった。
エクムント様がディッペル公爵家にいるのも残り三年を切った。その先は婚約者といえどもエクムント様を辺境伯領まで追いかけていくことはできない。
年に一度辺境伯領を訪ねて会うくらいはできそうだが、毎日会っている今と比べれば全く会えないのと同じようなことだ。
エクムント様が遠く離れていく感覚にわたくしは恐怖した。
婚約者として地位は確立できても、エクムント様と会うことが難しくなる。
「お母様、わたくし、婚約してもエクムント様になかなか会えなくなりますわ」
「エクムントがディッペル家から辺境伯領に行くまでに三年もありませんからね。ですが、その間にエリザベートは自分を磨く時間ができます。久しぶりに会ったエクムントに、なんて素晴らしいレディになったのだろうと思わせるのです」
今のままではエクムント様の認識は、わたくしは妹のようなものだけれど、遠く離れて久しぶりに会ったら、素晴らしいレディに成長しているかもしれない。
母の言葉はわたくしに希望を持たせた。
エクムント様の認識が、妹のようなものから素晴らしいレディに変わるようにわたくしは努力していかなければいけない。
「エリザベート、今回は特別に王宮の晩餐会に出席します。そこでエリザベートの公爵家の後継の権利をフランツに渡し、婚約式を開いてエクムントとの婚約を国王陛下に認めてもらいます」
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