90 / 528
三章 バーデン家の企みを暴く
30.弟の誕生
しおりを挟む
季節が変わって春。
庭の雪も解け、草花が目を覚ます頃に、母が産気づいた。
お産というのは夜に行われるのが普通だそうだ。
本能的に夜の方が子どもを産んでも天敵に狙われにくいと遺伝子に書き込まれているのだろう。
パウリーネ先生が母に付きっきりになっている間、わたくしとクリスタちゃんは眠ることができずに部屋で夜を過ごしていた。
わたくしの部屋に来たクリスタちゃんが両手を組んでずっと祈っている。
「お母様も赤ちゃんも無事でありますように」
「どうか、無事に産まれてきますように」
わたくしも一緒になって祈る。
祈るくらいしかできないのがもどかしかった。
夜明け頃にはわたくしもクリスタちゃんも限界が来て、二人でベッドに倒れて眠ってしまっていた。
赤ちゃんの泣き声がした気がして目を覚ますと、もう朝だった。
わたくしはクリスタちゃんの肩を揺すって起こす。
眠い目を擦ってクリスタちゃんが起き上がる。
「お母様は? 赤ちゃんは?」
「分かりません。パウリーネ先生に聞いてみましょう」
着替えて髪も整えて朝食の席に行くと、母はいなかった。父が嬉しそうな顔でわたくしとクリスタちゃんに伝えてくれる。
「元気な男の子だよ。テレーゼも疲れてはいるが、無事だ」
「男の子! 弟なのですね!」
「お母様も無事! よかったわ」
わたくしとクリスタちゃんは抱き合って喜んでいた。
クリスタちゃんのお誕生日の直前だったが、それよりも赤ちゃんが生まれたことがおめでたい。クリスタちゃんのお誕生日のお茶会は今年は少しずらして行うことにされた。
次の日には母にも赤ちゃんにも会うことができた。
両親の寝室に行くと、母が赤ちゃんを抱っこしてベッドで座っていた。
「お母様、お体は平気ですか?」
「エリザベート、クリスタ、心配をかけたようですね。体は平気ですよ。パウリーネ先生に言われたように、バランスのいい食事をとって、運動もするように心がけていたら、お産もそれほど重くなかったようです」
「お産を終えた体はものすごい負担がかかっています。奥様はよく休まれてくださいね」
「はい、パウリーネ先生」
パウリーネ先生のおかげで母のお産は重くなかったようだ。
わたくしを産んだときには母はお産が重くて死にかけたということだったから、弟が無事に産まれて、母も無事だったことがわたくしは本当に嬉しかった。
「お名前は決まったのですか?」
クリスタちゃんの問いかけに母が赤ちゃんのふわふわの髪を撫でる。赤ちゃんは金色の髪で水色のお目目のようだった。
「フランツです。男の子が生まれたらこの名前にしたかったとお父様に言ったら、賛成してくれました」
「フランツ! 素敵なお名前」
「名前に理由があるのですか?」
わたくしが問いかけると母は目を細める。
「わたくしの父の名前です。幼い頃に亡くなってしまったのですが、父のことは忘れたくなくて」
弟は祖父から名前をもらったのだった。
フランツと口の中で唱えているわたくしに、クリスタちゃんが赤ちゃんを覗き込んで話しかける。
「ふーちゃん、お姉様ですよ」
「クリスタ、ふーちゃんと呼ぶのですか?」
「あ、いけない。お母様の前ではフランツって呼ばなくちゃ」
口を押えて慌てているクリスタちゃんに、わたくしもフランツをふーちゃんと呼びたくなっていた。
可愛い弟がふーちゃんだなんて、ものすごく愛らしいではないか。
「お姉様とふーちゃんと三人だけのときの秘密の呼び方にしましょう」
「クリスタ、口に出てますよ」
「きゃっ! ごめんなさい!」
どうしてもクリスタちゃんは秘密が守れないようだ。
「淑女は口が固いものなのですよ。クリスタは気を付けなければいけませんね」
「はい、お姉様。気を付けます」
口を押えたまま、クリスタちゃんは一生懸命ふーちゃんと呼ぶのを我慢していた。
クリスタちゃんのお誕生日は一か月遅れで祝われた。
クリスタちゃんのお誕生日のお茶会にはレーニ嬢も招かれていた。
「リリエンタール侯爵家の御一行、いらっしゃいました」
馬車が門の前に停まると、大きな声で呼ばれる。
わたくしとクリスタちゃんは挨拶に行った。
「レーニ嬢、わたくしのお誕生日に来て下さってありがとうございます」
「お招きいただきありがとうございます」
「お手紙もいっぱい、とても嬉しかったです」
レーニ嬢はクリスタちゃんと同じ年だと聞いているので、わたくしは同じ年の二人が仲良くしているのを見ているのは胸が暖かくなる思いだった。
クリスタちゃんのお誕生日のお茶会にはハインリヒ殿下とノルベルト殿下も参加された。
ハインリヒ殿下はクリスタちゃんに小さなリボンのかかった箱を渡していた。
「冬の間に辺境伯領に行ってきました。ガラス工房でブローチを作ったので受け取ってください」
「ありがとうございます。大事にします」
小さな箱を胸に抱いてうっとりとしているクリスタちゃんに、そっとわたくしは耳打ちする。
「箱を開けるのは後にさせてもらって、一度デボラに預けてお部屋に持って行ってもらいましょうね」
「はい、お姉様。デボラ、これは大事なものだから、大切に保管しておいてくださいね」
「心得ました、クリスタお嬢様」
クリスタちゃんに命じられてデボラは小さな箱をクリスタちゃんの部屋に持って行っていた。
出産後ずっと休んでいた母もかなり回復していて、ベビードレスを着せたふーちゃんを乳母に抱っこさせてお茶会に参加していた。まだ体型が戻っていないので、ふんわりとしたドレスを着ている。
「息子のフランツです。ひと月前に生まれました」
「わたくしはエリザベートを産んで、もう子どもは望めないかと思っておりましたが、無事にフランツを産むことができてとても幸せです。どうか皆様、フランツもこれからよろしくお願いします」
クリスタちゃんのお誕生日はふーちゃんのお披露目にもなっていた。
小さなふーちゃんを見にキルヒマン侯爵夫妻も来ている。
「とても可愛いですね」
「エリザベート様は初代国王陛下の色彩をお持ちですが、フランツ様は公爵夫人にそっくりで」
「顔立ちがどちらに似て来るか楽しみですね」
ふーちゃんの成長も楽しみにしてくれるキルヒマン侯爵夫妻に、わたくしは感謝していた。
『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』では出てこなかったわたくし、エリザベート・ディッペルの弟、フランツ。
本来ならばフランツも生まれなかったのではないだろうか。
確かに未来は変わっている。
それを実感させる出来事だった。
お茶会ではハインリヒ殿下とノルベルト殿下だけでなく、レーニ嬢ともお茶をした。
取り皿にケーキや軽食を取り分けて、ミルクティーを頼んで端のテーブルに行くと、レーニ嬢が驚いている。
「座って食べていいのですか?」
「立って食べられない方のためにテーブルが用意されているのですよ」
「わたくし、立って食べるのができなくて、出席するお茶会ではいつも飲み物しか飲めなくて憂鬱でしたの」
レーニ嬢は立食式のお茶会では立って食事をするように教育されているようだった。
「できないのならば無理をすることはないと思うのです。レーニ嬢はクリスタと同じ年でしょう?」
お誕生日でクリスタちゃんも七歳になったが、まだまだ幼いと言われる年齢だ。
やっと幼児を脱却した程度で、前世の感覚で言えば小学校一年生か二年生なのである。
まだまだできないことがあってもおかしくはなかった。
むしろ、クリスタちゃんはできることが多い方だと思う。
「エリザベート様はお優しいのですね」
レーニ嬢に言われてわたくしが微笑むと、クリスタちゃんが眉間に皺を寄せていた。
「お姉様は、わたくしのお姉様なのです! レーニ嬢でもそれは譲れません!」
「わ、分かっていますよ」
「それならいいのです」
ふんっと鼻で息をするクリスタちゃんにわたくしは苦笑してしまう。
クリスタちゃんはわたくしの妹に違いなくて、わたくしがクリスタちゃんが可愛いことに間違いはないのに。
お茶会が終わった後に確認した、クリスタちゃんがもらった小さな箱には、花のような模様の入ったガラスのブローチが入っていた。
庭の雪も解け、草花が目を覚ます頃に、母が産気づいた。
お産というのは夜に行われるのが普通だそうだ。
本能的に夜の方が子どもを産んでも天敵に狙われにくいと遺伝子に書き込まれているのだろう。
パウリーネ先生が母に付きっきりになっている間、わたくしとクリスタちゃんは眠ることができずに部屋で夜を過ごしていた。
わたくしの部屋に来たクリスタちゃんが両手を組んでずっと祈っている。
「お母様も赤ちゃんも無事でありますように」
「どうか、無事に産まれてきますように」
わたくしも一緒になって祈る。
祈るくらいしかできないのがもどかしかった。
夜明け頃にはわたくしもクリスタちゃんも限界が来て、二人でベッドに倒れて眠ってしまっていた。
赤ちゃんの泣き声がした気がして目を覚ますと、もう朝だった。
わたくしはクリスタちゃんの肩を揺すって起こす。
眠い目を擦ってクリスタちゃんが起き上がる。
「お母様は? 赤ちゃんは?」
「分かりません。パウリーネ先生に聞いてみましょう」
着替えて髪も整えて朝食の席に行くと、母はいなかった。父が嬉しそうな顔でわたくしとクリスタちゃんに伝えてくれる。
「元気な男の子だよ。テレーゼも疲れてはいるが、無事だ」
「男の子! 弟なのですね!」
「お母様も無事! よかったわ」
わたくしとクリスタちゃんは抱き合って喜んでいた。
クリスタちゃんのお誕生日の直前だったが、それよりも赤ちゃんが生まれたことがおめでたい。クリスタちゃんのお誕生日のお茶会は今年は少しずらして行うことにされた。
次の日には母にも赤ちゃんにも会うことができた。
両親の寝室に行くと、母が赤ちゃんを抱っこしてベッドで座っていた。
「お母様、お体は平気ですか?」
「エリザベート、クリスタ、心配をかけたようですね。体は平気ですよ。パウリーネ先生に言われたように、バランスのいい食事をとって、運動もするように心がけていたら、お産もそれほど重くなかったようです」
「お産を終えた体はものすごい負担がかかっています。奥様はよく休まれてくださいね」
「はい、パウリーネ先生」
パウリーネ先生のおかげで母のお産は重くなかったようだ。
わたくしを産んだときには母はお産が重くて死にかけたということだったから、弟が無事に産まれて、母も無事だったことがわたくしは本当に嬉しかった。
「お名前は決まったのですか?」
クリスタちゃんの問いかけに母が赤ちゃんのふわふわの髪を撫でる。赤ちゃんは金色の髪で水色のお目目のようだった。
「フランツです。男の子が生まれたらこの名前にしたかったとお父様に言ったら、賛成してくれました」
「フランツ! 素敵なお名前」
「名前に理由があるのですか?」
わたくしが問いかけると母は目を細める。
「わたくしの父の名前です。幼い頃に亡くなってしまったのですが、父のことは忘れたくなくて」
弟は祖父から名前をもらったのだった。
フランツと口の中で唱えているわたくしに、クリスタちゃんが赤ちゃんを覗き込んで話しかける。
「ふーちゃん、お姉様ですよ」
「クリスタ、ふーちゃんと呼ぶのですか?」
「あ、いけない。お母様の前ではフランツって呼ばなくちゃ」
口を押えて慌てているクリスタちゃんに、わたくしもフランツをふーちゃんと呼びたくなっていた。
可愛い弟がふーちゃんだなんて、ものすごく愛らしいではないか。
「お姉様とふーちゃんと三人だけのときの秘密の呼び方にしましょう」
「クリスタ、口に出てますよ」
「きゃっ! ごめんなさい!」
どうしてもクリスタちゃんは秘密が守れないようだ。
「淑女は口が固いものなのですよ。クリスタは気を付けなければいけませんね」
「はい、お姉様。気を付けます」
口を押えたまま、クリスタちゃんは一生懸命ふーちゃんと呼ぶのを我慢していた。
クリスタちゃんのお誕生日は一か月遅れで祝われた。
クリスタちゃんのお誕生日のお茶会にはレーニ嬢も招かれていた。
「リリエンタール侯爵家の御一行、いらっしゃいました」
馬車が門の前に停まると、大きな声で呼ばれる。
わたくしとクリスタちゃんは挨拶に行った。
「レーニ嬢、わたくしのお誕生日に来て下さってありがとうございます」
「お招きいただきありがとうございます」
「お手紙もいっぱい、とても嬉しかったです」
レーニ嬢はクリスタちゃんと同じ年だと聞いているので、わたくしは同じ年の二人が仲良くしているのを見ているのは胸が暖かくなる思いだった。
クリスタちゃんのお誕生日のお茶会にはハインリヒ殿下とノルベルト殿下も参加された。
ハインリヒ殿下はクリスタちゃんに小さなリボンのかかった箱を渡していた。
「冬の間に辺境伯領に行ってきました。ガラス工房でブローチを作ったので受け取ってください」
「ありがとうございます。大事にします」
小さな箱を胸に抱いてうっとりとしているクリスタちゃんに、そっとわたくしは耳打ちする。
「箱を開けるのは後にさせてもらって、一度デボラに預けてお部屋に持って行ってもらいましょうね」
「はい、お姉様。デボラ、これは大事なものだから、大切に保管しておいてくださいね」
「心得ました、クリスタお嬢様」
クリスタちゃんに命じられてデボラは小さな箱をクリスタちゃんの部屋に持って行っていた。
出産後ずっと休んでいた母もかなり回復していて、ベビードレスを着せたふーちゃんを乳母に抱っこさせてお茶会に参加していた。まだ体型が戻っていないので、ふんわりとしたドレスを着ている。
「息子のフランツです。ひと月前に生まれました」
「わたくしはエリザベートを産んで、もう子どもは望めないかと思っておりましたが、無事にフランツを産むことができてとても幸せです。どうか皆様、フランツもこれからよろしくお願いします」
クリスタちゃんのお誕生日はふーちゃんのお披露目にもなっていた。
小さなふーちゃんを見にキルヒマン侯爵夫妻も来ている。
「とても可愛いですね」
「エリザベート様は初代国王陛下の色彩をお持ちですが、フランツ様は公爵夫人にそっくりで」
「顔立ちがどちらに似て来るか楽しみですね」
ふーちゃんの成長も楽しみにしてくれるキルヒマン侯爵夫妻に、わたくしは感謝していた。
『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』では出てこなかったわたくし、エリザベート・ディッペルの弟、フランツ。
本来ならばフランツも生まれなかったのではないだろうか。
確かに未来は変わっている。
それを実感させる出来事だった。
お茶会ではハインリヒ殿下とノルベルト殿下だけでなく、レーニ嬢ともお茶をした。
取り皿にケーキや軽食を取り分けて、ミルクティーを頼んで端のテーブルに行くと、レーニ嬢が驚いている。
「座って食べていいのですか?」
「立って食べられない方のためにテーブルが用意されているのですよ」
「わたくし、立って食べるのができなくて、出席するお茶会ではいつも飲み物しか飲めなくて憂鬱でしたの」
レーニ嬢は立食式のお茶会では立って食事をするように教育されているようだった。
「できないのならば無理をすることはないと思うのです。レーニ嬢はクリスタと同じ年でしょう?」
お誕生日でクリスタちゃんも七歳になったが、まだまだ幼いと言われる年齢だ。
やっと幼児を脱却した程度で、前世の感覚で言えば小学校一年生か二年生なのである。
まだまだできないことがあってもおかしくはなかった。
むしろ、クリスタちゃんはできることが多い方だと思う。
「エリザベート様はお優しいのですね」
レーニ嬢に言われてわたくしが微笑むと、クリスタちゃんが眉間に皺を寄せていた。
「お姉様は、わたくしのお姉様なのです! レーニ嬢でもそれは譲れません!」
「わ、分かっていますよ」
「それならいいのです」
ふんっと鼻で息をするクリスタちゃんにわたくしは苦笑してしまう。
クリスタちゃんはわたくしの妹に違いなくて、わたくしがクリスタちゃんが可愛いことに間違いはないのに。
お茶会が終わった後に確認した、クリスタちゃんがもらった小さな箱には、花のような模様の入ったガラスのブローチが入っていた。
54
お気に入りに追加
1,684
あなたにおすすめの小説


働かなくていいなんて最高!貴族夫人の自由気ままな生活
ゆる
恋愛
前世では、仕事に追われる日々を送り、恋愛とは無縁のまま亡くなった私。
「今度こそ、のんびり優雅に暮らしたい!」
そう願って転生した先は、なんと貴族令嬢!
そして迎えた結婚式――そこで前世の記憶が蘇る。
「ちょっと待って、前世で恋人もできなかった私が結婚!?!??」
しかも相手は名門貴族の旦那様。
「君は何もしなくていい。すべて自由に過ごせばいい」と言われ、夢の“働かなくていい貴族夫人ライフ”を満喫するつもりだったのに――。
◆メイドの待遇改善を提案したら、旦那様が即採用!
◆夫の仕事を手伝ったら、持ち前の簿記と珠算スキルで屋敷の経理が超効率化!
◆商人たちに簿記を教えていたら、商業界で話題になりギルドの顧問に!?
「あれ? なんで私、働いてるの!?!??」
そんな中、旦那様から突然の告白――
「実は、君を妻にしたのは政略結婚のためではない。ずっと、君を想い続けていた」
えっ、旦那様、まさかの溺愛系でした!?
「自由を与えることでそばにいてもらう」つもりだった旦那様と、
「働かない貴族夫人」になりたかったはずの私。
お互いの本当の気持ちに気づいたとき、
気づけば 最強夫婦 になっていました――!
のんびり暮らすつもりが、商業界のキーパーソンになってしまった貴族夫人の、成長と溺愛の物語!
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
その転生幼女、取り扱い注意〜稀代の魔術師は魔王の娘になりました〜
みおな
ファンタジー
かつて、稀代の魔術師と呼ばれた魔女がいた。
魔王をも単独で滅ぼせるほどの力を持った彼女は、周囲に畏怖され、罠にかけて殺されてしまう。
目覚めたら、三歳の幼子に生まれ変わっていた?
国のため、民のために魔法を使っていた彼女は、今度の生は自分のために生きることを決意する。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる