87 / 528
三章 バーデン家の企みを暴く
27.王妃殿下の来訪
しおりを挟む
両親のお誕生日のお茶会が開かれる当日、わたくしとクリスタちゃんは朝食の席で綺麗に畳んだハンカチを色紙で包んだものを両親に渡していた。
色紙を広げて中身を見て、両親が驚いている。
「これはエリザベートとクリスタが刺繍したのかな?」
「なんて可愛らしい刺繍なのでしょう。わたくしとあなたの分、一枚ずつありますわ」
「もうこんなに上手に刺繍できるようになっているだなんて驚いたな」
「わたくしたちのために頑張ってくれたのですね。とても嬉しいです」
プレゼントを喜んでもらえてわたくしはとても嬉しかった。
クリスタちゃんは両手を握り締めて喜んでいる。
「お姉様、頑張ってよかった!」
「クリスタはよく頑張りましたね」
お互いに言っていると、母がクリスタちゃんの小さな手を取る。クリスタちゃんの小さな手は刺繍針の刺し痕だらけだった。わたくしの手も刺し痕が幾つか残っている。
クリスタちゃんの小さな手を優しく撫でてから、わたくしの手を取って母が優しく撫でる。その水色の目には涙が浮かんでいる気がする。
「こんなに小さな手でわたくしたちのために……。エリザベートとクリスタも成長したものです」
「ありがとう、二人とも。大事に使うよ」
両親はハンカチを大切そうにもう一度色紙に包んでいた。
両親のお誕生日のお茶会には国王陛下も出席なさる。
父は国王陛下の学生時代の学友であるし、同じ年でとても仲がいいし、何より父はこの国で唯一の公爵家の当主だった。
バーデン家が伯爵家に降格したので、この国の公爵家は一つしかなくなってしまったのだ。
「ディッペル公爵、公爵夫人、お誕生日おめでとう」
「ありがとうございます、国王陛下」
「国王陛下に祝っていただけるなんて光栄です」
その日、国王陛下は一人ではなかった。
ハインリヒ殿下とノルベルト殿下も来ているのだが、それだけではなく、王妃殿下が一緒に来ていたのだ。
「ディッペル家は公爵家として国のためによく働いてくれていると聞きます。いつもよく国を支えてくれていますね」
「王妃殿下、お褒めの言葉ありがとうございます」
「国王陛下ともディッペル公爵は仲がよいとのこと。わたくしも仲間に入れてくださいませ」
王妃殿下が国王陛下に歩み寄りを見せている。
これは大きな出来事だった。
「王妃殿下も共にお茶を致しましょう」
「ディッペル公爵夫人は今、身籠っていらっしゃるとのことですが、体調はよいのですか?」
「悪阻も治まって来ました。カサンドラ様からよいお医者様を紹介していただいてもいます。無事にお腹の子どもを産むために、わたくしはお医者様の言う通りにしています。命を懸けるなどとは言えません。わたくしも子どもも無事でないと意味がないと思っております」
立派な母の考えにわたくしは感動してしまう。
命を懸けて産むと言うのは立派だが、産んだ後でわたくしもクリスタちゃんも赤ちゃんも母親を失ってしまうのだ。それを考えると、どんなことをしても生きて無事に赤ちゃんを産もうという母の言葉は心強かった。
「ハインリヒも八歳、わたくしももう一人子どもが欲しいと思い始めているのです」
「王妃殿下、それは本当ですか!?」
「国王陛下とは様々なことがありましたが、それも過去のことと思い、この国の未来のために手を取り合うときが来たのではないかと思っています」
王妃殿下も二人目のお子様を考えていた。
それで国王陛下と共に公の場に出て来て、国王陛下との仲を修復しようとしているのだろう。
恐らくは国王陛下はノルベルト殿下の乳母として、かつて愛した恋人が雇われていることを知っている。知っていながら、二度と会わぬことを互いに誓い、ノルベルト殿下の健やかな成長のみを願っている。
過去の恋人を忘れることはできないかもしれないが、政略結婚の相手として、共に諸外国と戦うパートナーとして王妃殿下と国王陛下は手を取り合えるのではないだろうか。
そうなると、王妃殿下は隣国から嫁いできているので、隣国との関係もよくなり、諸外国のこの国への対応も変わってくる。
もしかすると、その一歩が海賊のことだったのかもしれない。
王妃殿下が国王陛下に歩み寄る決意をされたことにより、隣国との繋がりが深くなり、海賊を裏で操っていた国への圧力も強くなった。そう考えるのが一番納得できる気がする。
王族や貴族の社会では結婚も政略の一つなのだと強く思わされる出来事だった。
国王陛下が王妃殿下のために軽食を取り分けて、ミルクティーを差し出す。王妃殿下はそれを目礼して受け取る。
二人の仲が修復されているのを見せられているようで、わたくしはこの国の未来は明るいのではないかと思っていた。
クリスタちゃんは今回もハインリヒ殿下をお茶に誘っていたが、別の女の子がハインリヒ殿下に声をかけていた。
「ハインリヒ殿下、わたくしとお茶を致しませんか? いつも同じ方とばかりお茶をなさっているのでは飽きるでしょう?」
公爵家の養子であるクリスタちゃんを差し置いてハインリヒ殿下に声をかけるだなんて失礼極まりない。先に声をかけられてしまって戸惑っているクリスタちゃんの横から、わたくしがその女の子に向き直る。
「わたくしの妹、クリスタに何か文句があるのですか? まさか、ディッペル家のクリスタを『飽きる』などと言ったわけではないですわよね?」
ディッペル家を強調して言えば、その女の子は怯えたような顔でハインリヒ殿下の後ろに隠れる。
「恐ろしいですわ。鬼のような形相で」
「エリザベート嬢は鬼のようではありません。私はクリスタ嬢とお茶をするので、あなたとはお茶はできません」
「そんな……元子爵家の養子なのに」
「あなたが子どもだからといって、その物言いは許されませんよ。クリスタ嬢が元子爵家であっても、今は公爵家の御令嬢。あなたこそ、分を弁えなさい」
ノルベルト殿下がビシッとその女の子に言ってくれる。女の子は半泣きになりながらその場を立ち去った。
ハインリヒ殿下にこれ以上女の戦いを見せずに済んで、わたくしはノルベルト殿下に感謝していた。ノルベルト殿下はやはり王妃殿下の教育が行き届いていて、クリスタちゃんのこともしっかりと庇ってくれた。
「クリスタ嬢、失礼しました。私に声をかけてくださろうとしていたのでしょう?」
「わたくしで構いませんか? いつもお誘いしていますが、飽きたりしませんか?」
「飽きるわけがないです。クリスタ嬢はいつも可愛くて、お喋りも面白くて、楽しい時間ですよ」
気後れしているクリスタちゃんにハインリヒ殿下がクリスタちゃんの心を盛り上げるようなことを言ってくれる。クリスタちゃんは頬を染めて喜んでいた。
「ハインリヒ殿下、わたくし、刺繍を始めましたの。両親にはタンポポの刺繍の入ったハンカチをプレゼントしました」
「その年で刺繍を始められたのですか?」
「指を刺してしまうことが多くて、ハンカチに血がついてしまうこともあったのですが、刺繍の先生が綺麗に洗ってアイロンをかけてくれました」
「クリスタ嬢は本当に才能豊かなのですね」
褒められてクリスタちゃんは笑顔になっている。
「クリスタ嬢はブローチをお持ちですか?」
「ブローチ? わたくし、持っていません」
「胸に飾ってもいいし、ショールやストールを留めるときに使ってもいいのですよ」
ブローチの説明をされてもクリスタちゃんはピンと来ていない様子だった。
「父上と母上に、冬場ならば辺境伯領に行ってもいいと言われました。辺境伯領ではガラス細工も盛んで、ガラスのブローチを作って来ようかと思っています」
「ガラスのブローチ……」
「拙いものになるかもしれませんが、クリスタ嬢のお誕生日にそれを贈れたらと思っています」
ハインリヒ殿下は辺境伯領でブローチを手作り体験してくるようだ。それをクリスタちゃんにプレゼントすると約束しているのに、クリスタちゃんは水色のお目目を輝かせて喜んでいる。
「ハインリヒ殿下の手作りのプレゼント。わたくし、楽しみにしています」
喜んでいるクリスタちゃんの姿を見ながら、わたくしは先ほどの女の子について考えていた。
あれは侯爵家の令嬢ではなかっただろうか。
クリスタちゃんを貶めるようなことを口にしたのは許せない。
今後も絡んでくるようなことがあれば、容赦はしないとわたくしは決めていた。
色紙を広げて中身を見て、両親が驚いている。
「これはエリザベートとクリスタが刺繍したのかな?」
「なんて可愛らしい刺繍なのでしょう。わたくしとあなたの分、一枚ずつありますわ」
「もうこんなに上手に刺繍できるようになっているだなんて驚いたな」
「わたくしたちのために頑張ってくれたのですね。とても嬉しいです」
プレゼントを喜んでもらえてわたくしはとても嬉しかった。
クリスタちゃんは両手を握り締めて喜んでいる。
「お姉様、頑張ってよかった!」
「クリスタはよく頑張りましたね」
お互いに言っていると、母がクリスタちゃんの小さな手を取る。クリスタちゃんの小さな手は刺繍針の刺し痕だらけだった。わたくしの手も刺し痕が幾つか残っている。
クリスタちゃんの小さな手を優しく撫でてから、わたくしの手を取って母が優しく撫でる。その水色の目には涙が浮かんでいる気がする。
「こんなに小さな手でわたくしたちのために……。エリザベートとクリスタも成長したものです」
「ありがとう、二人とも。大事に使うよ」
両親はハンカチを大切そうにもう一度色紙に包んでいた。
両親のお誕生日のお茶会には国王陛下も出席なさる。
父は国王陛下の学生時代の学友であるし、同じ年でとても仲がいいし、何より父はこの国で唯一の公爵家の当主だった。
バーデン家が伯爵家に降格したので、この国の公爵家は一つしかなくなってしまったのだ。
「ディッペル公爵、公爵夫人、お誕生日おめでとう」
「ありがとうございます、国王陛下」
「国王陛下に祝っていただけるなんて光栄です」
その日、国王陛下は一人ではなかった。
ハインリヒ殿下とノルベルト殿下も来ているのだが、それだけではなく、王妃殿下が一緒に来ていたのだ。
「ディッペル家は公爵家として国のためによく働いてくれていると聞きます。いつもよく国を支えてくれていますね」
「王妃殿下、お褒めの言葉ありがとうございます」
「国王陛下ともディッペル公爵は仲がよいとのこと。わたくしも仲間に入れてくださいませ」
王妃殿下が国王陛下に歩み寄りを見せている。
これは大きな出来事だった。
「王妃殿下も共にお茶を致しましょう」
「ディッペル公爵夫人は今、身籠っていらっしゃるとのことですが、体調はよいのですか?」
「悪阻も治まって来ました。カサンドラ様からよいお医者様を紹介していただいてもいます。無事にお腹の子どもを産むために、わたくしはお医者様の言う通りにしています。命を懸けるなどとは言えません。わたくしも子どもも無事でないと意味がないと思っております」
立派な母の考えにわたくしは感動してしまう。
命を懸けて産むと言うのは立派だが、産んだ後でわたくしもクリスタちゃんも赤ちゃんも母親を失ってしまうのだ。それを考えると、どんなことをしても生きて無事に赤ちゃんを産もうという母の言葉は心強かった。
「ハインリヒも八歳、わたくしももう一人子どもが欲しいと思い始めているのです」
「王妃殿下、それは本当ですか!?」
「国王陛下とは様々なことがありましたが、それも過去のことと思い、この国の未来のために手を取り合うときが来たのではないかと思っています」
王妃殿下も二人目のお子様を考えていた。
それで国王陛下と共に公の場に出て来て、国王陛下との仲を修復しようとしているのだろう。
恐らくは国王陛下はノルベルト殿下の乳母として、かつて愛した恋人が雇われていることを知っている。知っていながら、二度と会わぬことを互いに誓い、ノルベルト殿下の健やかな成長のみを願っている。
過去の恋人を忘れることはできないかもしれないが、政略結婚の相手として、共に諸外国と戦うパートナーとして王妃殿下と国王陛下は手を取り合えるのではないだろうか。
そうなると、王妃殿下は隣国から嫁いできているので、隣国との関係もよくなり、諸外国のこの国への対応も変わってくる。
もしかすると、その一歩が海賊のことだったのかもしれない。
王妃殿下が国王陛下に歩み寄る決意をされたことにより、隣国との繋がりが深くなり、海賊を裏で操っていた国への圧力も強くなった。そう考えるのが一番納得できる気がする。
王族や貴族の社会では結婚も政略の一つなのだと強く思わされる出来事だった。
国王陛下が王妃殿下のために軽食を取り分けて、ミルクティーを差し出す。王妃殿下はそれを目礼して受け取る。
二人の仲が修復されているのを見せられているようで、わたくしはこの国の未来は明るいのではないかと思っていた。
クリスタちゃんは今回もハインリヒ殿下をお茶に誘っていたが、別の女の子がハインリヒ殿下に声をかけていた。
「ハインリヒ殿下、わたくしとお茶を致しませんか? いつも同じ方とばかりお茶をなさっているのでは飽きるでしょう?」
公爵家の養子であるクリスタちゃんを差し置いてハインリヒ殿下に声をかけるだなんて失礼極まりない。先に声をかけられてしまって戸惑っているクリスタちゃんの横から、わたくしがその女の子に向き直る。
「わたくしの妹、クリスタに何か文句があるのですか? まさか、ディッペル家のクリスタを『飽きる』などと言ったわけではないですわよね?」
ディッペル家を強調して言えば、その女の子は怯えたような顔でハインリヒ殿下の後ろに隠れる。
「恐ろしいですわ。鬼のような形相で」
「エリザベート嬢は鬼のようではありません。私はクリスタ嬢とお茶をするので、あなたとはお茶はできません」
「そんな……元子爵家の養子なのに」
「あなたが子どもだからといって、その物言いは許されませんよ。クリスタ嬢が元子爵家であっても、今は公爵家の御令嬢。あなたこそ、分を弁えなさい」
ノルベルト殿下がビシッとその女の子に言ってくれる。女の子は半泣きになりながらその場を立ち去った。
ハインリヒ殿下にこれ以上女の戦いを見せずに済んで、わたくしはノルベルト殿下に感謝していた。ノルベルト殿下はやはり王妃殿下の教育が行き届いていて、クリスタちゃんのこともしっかりと庇ってくれた。
「クリスタ嬢、失礼しました。私に声をかけてくださろうとしていたのでしょう?」
「わたくしで構いませんか? いつもお誘いしていますが、飽きたりしませんか?」
「飽きるわけがないです。クリスタ嬢はいつも可愛くて、お喋りも面白くて、楽しい時間ですよ」
気後れしているクリスタちゃんにハインリヒ殿下がクリスタちゃんの心を盛り上げるようなことを言ってくれる。クリスタちゃんは頬を染めて喜んでいた。
「ハインリヒ殿下、わたくし、刺繍を始めましたの。両親にはタンポポの刺繍の入ったハンカチをプレゼントしました」
「その年で刺繍を始められたのですか?」
「指を刺してしまうことが多くて、ハンカチに血がついてしまうこともあったのですが、刺繍の先生が綺麗に洗ってアイロンをかけてくれました」
「クリスタ嬢は本当に才能豊かなのですね」
褒められてクリスタちゃんは笑顔になっている。
「クリスタ嬢はブローチをお持ちですか?」
「ブローチ? わたくし、持っていません」
「胸に飾ってもいいし、ショールやストールを留めるときに使ってもいいのですよ」
ブローチの説明をされてもクリスタちゃんはピンと来ていない様子だった。
「父上と母上に、冬場ならば辺境伯領に行ってもいいと言われました。辺境伯領ではガラス細工も盛んで、ガラスのブローチを作って来ようかと思っています」
「ガラスのブローチ……」
「拙いものになるかもしれませんが、クリスタ嬢のお誕生日にそれを贈れたらと思っています」
ハインリヒ殿下は辺境伯領でブローチを手作り体験してくるようだ。それをクリスタちゃんにプレゼントすると約束しているのに、クリスタちゃんは水色のお目目を輝かせて喜んでいる。
「ハインリヒ殿下の手作りのプレゼント。わたくし、楽しみにしています」
喜んでいるクリスタちゃんの姿を見ながら、わたくしは先ほどの女の子について考えていた。
あれは侯爵家の令嬢ではなかっただろうか。
クリスタちゃんを貶めるようなことを口にしたのは許せない。
今後も絡んでくるようなことがあれば、容赦はしないとわたくしは決めていた。
46
お気に入りに追加
1,684
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
飯屋の娘は魔法を使いたくない?
秋野 木星
ファンタジー
3歳の時に川で溺れた時に前世の記憶人格がよみがえったセリカ。
魔法が使えることをひた隠しにしてきたが、ある日馬車に轢かれそうになった男の子を助けるために思わず魔法を使ってしまう。
それを見ていた貴族の青年が…。
異世界転生の話です。
のんびりとしたセリカの日常を追っていきます。
※ 表紙は星影さんの作品です。
※ 「小説家になろう」から改稿転記しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる