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三章 バーデン家の企みを暴く
22.帰り道
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辺境伯領への旅も始まって仕舞えばあっという間に過ぎてしまった。
最終日、わたくしは朝食を取りながらカサンドラ様にお礼を言った。
「とても楽しい滞在でした。本当にありがとうございました」
「また辺境伯領に来てくれると嬉しい。辺境伯領とディッペル領が強く繋がりを持つことを私は望んでいる」
「ディッペル領から野菜や乳製品を辺境伯領に送りましょう」
「辺境伯領からは魚介類をディッペル領に送りましょう」
父とカサンドラ様は交易の約束もしていた。
辺境伯領でもっと野菜が食べられるようになったら、慢性的なビタミン不足も補えるのではないだろうか。それにディッペル領が役立てるとなるとわたくしは父を誇らしく感じる。
「パウリーネ先生のこと、ありがとうございます」
「いや、彼女は論文が書ける環境を求めていたのです。ディッペル公爵領は医療に力を入れると聞いています。パウリーネにもいい変化となるでしょう」
パウリーネ先生はわたくしたちと一緒にディッペル公爵領に帰るのだが、パウリーネ先生が母の主治医としていてくれるのならば心強いことには変わりなかった。
その上、婦人科の医者として論文を書いてくれるとなると、知識が国中に広まってオルヒデー帝国全土の利益となる。
「パウリーネ先生は貴族ではないのですか?」
「お気付きでしたか。彼女はペルツ伯爵家の次女です。まだこの辺境伯領では貴族や裕福な者しか医者になれないのが実態でして」
それもディッペル公爵領に倣って変えていきたいとカサンドラ様は言っていた。
朝食を終えると慌ただしく荷造りをして帰る準備をする。
三泊四日の旅行もあっという間だった。
馬車に乗り込むときにわたくしはスカートの裾を踏んでしまってバランスを崩す。素早く駆け寄ったエクムントがわたくしを支えてくれた。
「大丈夫ですか、エリザベートお嬢様」
「はい……ありがとうございます」
エクムントはカサンドラ様の養子になったのだから、ディッペル家で勉強も兼ねて仕えるとしても、身分が変わったのでわたくしを「お嬢様」と呼ぶ必要はない気がする。
そのことをわたくしは両親に尋ねてみた。
「わたくしは、エクムントをこのまま呼び捨てにしていていいのでしょうか? エクムントもわたくしを『お嬢様』と呼ぶ必要はないのではないでしょうか」
「その件に関しては、エクムントとカサンドラ様の要望があって、あくまでも、ディッペル家にいるときには、ディッペル家に仕える騎士として扱って欲しいとのことだった」
「わたくし、エクムント様と呼びたいのですわ」
エクムント様を呼び捨てで呼んでいるといつも胸がちくちく痛むような感覚があった。エクムント様はわたくしにとっては大好きな方だし、小さな頃からお世話になっている方なのだ。
必死になって言うわたくしに、母が悪戯っぽく笑う。
「それならば、クリスタを呼ぶときのように、わたくしたちが見ていないときならば、エリザベートの自由です」
「そこまで私も強制はできないな」
両親は自分たちが見ていないところならばエクムント様を「様付け」してもいいと見逃してくれる。その大きな心に感謝しつつ、わたくしは両親の目がないときにはエクムント様を「様付け」することを決めていた。
エクムント様が辺境伯家の後継となったことは、オルヒデー帝国内に知れ渡っているだろう。カサンドラ様のことだから、当然、国王陛下には許可を取ってからのことだとは分かっている。
エクムント様がキルヒマン侯爵家の三男ではなく、ヒンケル家の長男になったというのはすぐには慣れないことだが、これで無事にわたくしの弟か妹が産まれれば、弟か妹にディッペル公爵家の後継を譲って、辺境伯領に嫁ぐことも夢ではなくなってきた。
列車に乗り換えてトンネルの中で揺られている間も、わたくしはずっとそのことばかりを考えていた。
クリスタちゃんは人形のマリーを抱いてあやしている。
「ミルクを飲んでもマリーが泣き止まないのよ。どうしてかしら?」
「ゲップが出ていないんじゃないですか?」
「ゲップが出ていないといけないの?」
「赤ちゃんの胃は真っ直ぐで、空気を抜かないと吐きやすいし、気持ち悪いのですよ」
個室席に座っているパウリーネ先生がクリスタちゃんに教えている。
パウリーネ先生に習って、クリスタちゃんが人形のマリーを縦抱きにして、顎を肩に乗せて、背中をとんとんと叩いている。
「これでゲップが出ますよ」
「本当の赤ちゃんにもできるかしら?」
「大人の手を借りればできますよ」
パウリーネ先生が赤ちゃんのことを教えてくれるのでクリスタちゃんはすっかりパウリーネ先生が好きになったようだった。
パウリーネ先生は年齢はカサンドラ様より少し上くらいで、皺の刻まれた顔で優しく微笑んでいる。優しげなパウリーネ先生には、これから赤ちゃんのことをたくさん教えて欲しかった。
「赤ちゃんはミルク以外は何を食べるのですか?」
「月齢によりますね。最初はミルクだけで、五ヶ月くらいからドロドロの粥やスープの上澄みを食べます。それから少しずつ硬くして行って、大人と同じものを食べられるようになるのは一歳くらいですね」
「一歳になったらわたくしと同じものが食べられるのですか?」
「まだ奥歯が生えていませんので、固いものは難しいですが、ほとんどのものは食べられるようになります」
わたくしは六歳まで一人っ子で、クリスタちゃんが来てからも赤ちゃんとは触れ合ったことがなかったのでパウリーネ先生の言葉は非常に勉強になった。
「お母様、お父様、これからパウリーネ先生にも赤ちゃんのことを習ってもいいですか?」
「八歳になったら刺繍も始めるのでしょう。忙しくなりますよ、エリザベート」
「忙しくても、わたくし、勉強したいのです」
「わたくしも!」
「それならば、パウリーネ先生にお願いしようかな」
パウリーネ先生に赤ちゃんのことを習うのを両親は承諾してくれた。
もうすぐわたくしのお誕生日が来る。
お誕生日が来て八歳になったら、わたくしは刺繍を始める。
「お姉様が刺繍を始めるのなら、わたくしもしたいです」
クリスタちゃんならそう言いそうだと思っていたので、その言葉にわたくしは驚きもしなかった。
「クリスタも少し早いですが刺繍を始めましょうか」
「興味を持ったときが一番の勉強の捗るときだからね」
クリスタちゃんも一緒に刺繍を始めることになりそうだ。
妹というのは姉を真似したい生き物なのかもしれない。
「クリスタ、一緒に頑張りましょうね」
「はい、お姉様」
人形のマリーを膝の上に乗せて、クリスタちゃんはわたくしの手を握った。
ディッペル公爵領に着いたのは、お茶の時間に近かった。
昼食を食べていないので、わたくしもクリスタちゃんもお腹がぺこぺこだった。
用意された昼食を何も言わずにクリスタちゃんがもりもりと食べている。わたくしも食べたかったが、両親が促してくれるのを待っていた。
「エリザベート、お上がり」
「いただきます」
ようやく食べ始めると夢中で食べてしまう。
たった三日離れていただけで、ミルクティーがこんなにも美味しく感じられるとは思わなかった。
冷たいミルクティーを飲みながら、野菜たっぷりの食事を食べていると、母も今日は食が進んでいるようで安心した。
食べ終わると、旅の疲れもあってか、眠くなってくる。
クリスタちゃんは頭がぐらぐらしていた。
部屋に戻って着替えをしてベッドに横になるとわたくしはすぐに眠ってしまう。
秋に入っているディッペル公爵領は窓から吹き込む風も涼しくて、汗もかかずに気持ちよく眠れた。
起き出すとお茶の時間を過ぎていたが、その日は昼食が遅かったのでお茶はしなかった。
「エクムント様が辺境伯になられる……」
三年後のことを考えると、エクムント様の婚約者が誰になるのか不安もあったが、エクムント様とわたくしがつり合う家柄になったことが嬉しくて胸がドキドキしてくる。
エクムント様と結婚できるとすれば、学園を卒業して成人した十八歳で、これから十年はあるのだが、そんな長い時間をカサンドラ様はエクムント様を独身でいさせるだろうか。
不安と期待が交互に胸に浮かんできて、わたくしは落ち着かない気分だった。
最終日、わたくしは朝食を取りながらカサンドラ様にお礼を言った。
「とても楽しい滞在でした。本当にありがとうございました」
「また辺境伯領に来てくれると嬉しい。辺境伯領とディッペル領が強く繋がりを持つことを私は望んでいる」
「ディッペル領から野菜や乳製品を辺境伯領に送りましょう」
「辺境伯領からは魚介類をディッペル領に送りましょう」
父とカサンドラ様は交易の約束もしていた。
辺境伯領でもっと野菜が食べられるようになったら、慢性的なビタミン不足も補えるのではないだろうか。それにディッペル領が役立てるとなるとわたくしは父を誇らしく感じる。
「パウリーネ先生のこと、ありがとうございます」
「いや、彼女は論文が書ける環境を求めていたのです。ディッペル公爵領は医療に力を入れると聞いています。パウリーネにもいい変化となるでしょう」
パウリーネ先生はわたくしたちと一緒にディッペル公爵領に帰るのだが、パウリーネ先生が母の主治医としていてくれるのならば心強いことには変わりなかった。
その上、婦人科の医者として論文を書いてくれるとなると、知識が国中に広まってオルヒデー帝国全土の利益となる。
「パウリーネ先生は貴族ではないのですか?」
「お気付きでしたか。彼女はペルツ伯爵家の次女です。まだこの辺境伯領では貴族や裕福な者しか医者になれないのが実態でして」
それもディッペル公爵領に倣って変えていきたいとカサンドラ様は言っていた。
朝食を終えると慌ただしく荷造りをして帰る準備をする。
三泊四日の旅行もあっという間だった。
馬車に乗り込むときにわたくしはスカートの裾を踏んでしまってバランスを崩す。素早く駆け寄ったエクムントがわたくしを支えてくれた。
「大丈夫ですか、エリザベートお嬢様」
「はい……ありがとうございます」
エクムントはカサンドラ様の養子になったのだから、ディッペル家で勉強も兼ねて仕えるとしても、身分が変わったのでわたくしを「お嬢様」と呼ぶ必要はない気がする。
そのことをわたくしは両親に尋ねてみた。
「わたくしは、エクムントをこのまま呼び捨てにしていていいのでしょうか? エクムントもわたくしを『お嬢様』と呼ぶ必要はないのではないでしょうか」
「その件に関しては、エクムントとカサンドラ様の要望があって、あくまでも、ディッペル家にいるときには、ディッペル家に仕える騎士として扱って欲しいとのことだった」
「わたくし、エクムント様と呼びたいのですわ」
エクムント様を呼び捨てで呼んでいるといつも胸がちくちく痛むような感覚があった。エクムント様はわたくしにとっては大好きな方だし、小さな頃からお世話になっている方なのだ。
必死になって言うわたくしに、母が悪戯っぽく笑う。
「それならば、クリスタを呼ぶときのように、わたくしたちが見ていないときならば、エリザベートの自由です」
「そこまで私も強制はできないな」
両親は自分たちが見ていないところならばエクムント様を「様付け」してもいいと見逃してくれる。その大きな心に感謝しつつ、わたくしは両親の目がないときにはエクムント様を「様付け」することを決めていた。
エクムント様が辺境伯家の後継となったことは、オルヒデー帝国内に知れ渡っているだろう。カサンドラ様のことだから、当然、国王陛下には許可を取ってからのことだとは分かっている。
エクムント様がキルヒマン侯爵家の三男ではなく、ヒンケル家の長男になったというのはすぐには慣れないことだが、これで無事にわたくしの弟か妹が産まれれば、弟か妹にディッペル公爵家の後継を譲って、辺境伯領に嫁ぐことも夢ではなくなってきた。
列車に乗り換えてトンネルの中で揺られている間も、わたくしはずっとそのことばかりを考えていた。
クリスタちゃんは人形のマリーを抱いてあやしている。
「ミルクを飲んでもマリーが泣き止まないのよ。どうしてかしら?」
「ゲップが出ていないんじゃないですか?」
「ゲップが出ていないといけないの?」
「赤ちゃんの胃は真っ直ぐで、空気を抜かないと吐きやすいし、気持ち悪いのですよ」
個室席に座っているパウリーネ先生がクリスタちゃんに教えている。
パウリーネ先生に習って、クリスタちゃんが人形のマリーを縦抱きにして、顎を肩に乗せて、背中をとんとんと叩いている。
「これでゲップが出ますよ」
「本当の赤ちゃんにもできるかしら?」
「大人の手を借りればできますよ」
パウリーネ先生が赤ちゃんのことを教えてくれるのでクリスタちゃんはすっかりパウリーネ先生が好きになったようだった。
パウリーネ先生は年齢はカサンドラ様より少し上くらいで、皺の刻まれた顔で優しく微笑んでいる。優しげなパウリーネ先生には、これから赤ちゃんのことをたくさん教えて欲しかった。
「赤ちゃんはミルク以外は何を食べるのですか?」
「月齢によりますね。最初はミルクだけで、五ヶ月くらいからドロドロの粥やスープの上澄みを食べます。それから少しずつ硬くして行って、大人と同じものを食べられるようになるのは一歳くらいですね」
「一歳になったらわたくしと同じものが食べられるのですか?」
「まだ奥歯が生えていませんので、固いものは難しいですが、ほとんどのものは食べられるようになります」
わたくしは六歳まで一人っ子で、クリスタちゃんが来てからも赤ちゃんとは触れ合ったことがなかったのでパウリーネ先生の言葉は非常に勉強になった。
「お母様、お父様、これからパウリーネ先生にも赤ちゃんのことを習ってもいいですか?」
「八歳になったら刺繍も始めるのでしょう。忙しくなりますよ、エリザベート」
「忙しくても、わたくし、勉強したいのです」
「わたくしも!」
「それならば、パウリーネ先生にお願いしようかな」
パウリーネ先生に赤ちゃんのことを習うのを両親は承諾してくれた。
もうすぐわたくしのお誕生日が来る。
お誕生日が来て八歳になったら、わたくしは刺繍を始める。
「お姉様が刺繍を始めるのなら、わたくしもしたいです」
クリスタちゃんならそう言いそうだと思っていたので、その言葉にわたくしは驚きもしなかった。
「クリスタも少し早いですが刺繍を始めましょうか」
「興味を持ったときが一番の勉強の捗るときだからね」
クリスタちゃんも一緒に刺繍を始めることになりそうだ。
妹というのは姉を真似したい生き物なのかもしれない。
「クリスタ、一緒に頑張りましょうね」
「はい、お姉様」
人形のマリーを膝の上に乗せて、クリスタちゃんはわたくしの手を握った。
ディッペル公爵領に着いたのは、お茶の時間に近かった。
昼食を食べていないので、わたくしもクリスタちゃんもお腹がぺこぺこだった。
用意された昼食を何も言わずにクリスタちゃんがもりもりと食べている。わたくしも食べたかったが、両親が促してくれるのを待っていた。
「エリザベート、お上がり」
「いただきます」
ようやく食べ始めると夢中で食べてしまう。
たった三日離れていただけで、ミルクティーがこんなにも美味しく感じられるとは思わなかった。
冷たいミルクティーを飲みながら、野菜たっぷりの食事を食べていると、母も今日は食が進んでいるようで安心した。
食べ終わると、旅の疲れもあってか、眠くなってくる。
クリスタちゃんは頭がぐらぐらしていた。
部屋に戻って着替えをしてベッドに横になるとわたくしはすぐに眠ってしまう。
秋に入っているディッペル公爵領は窓から吹き込む風も涼しくて、汗もかかずに気持ちよく眠れた。
起き出すとお茶の時間を過ぎていたが、その日は昼食が遅かったのでお茶はしなかった。
「エクムント様が辺境伯になられる……」
三年後のことを考えると、エクムント様の婚約者が誰になるのか不安もあったが、エクムント様とわたくしがつり合う家柄になったことが嬉しくて胸がドキドキしてくる。
エクムント様と結婚できるとすれば、学園を卒業して成人した十八歳で、これから十年はあるのだが、そんな長い時間をカサンドラ様はエクムント様を独身でいさせるだろうか。
不安と期待が交互に胸に浮かんできて、わたくしは落ち着かない気分だった。
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