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二章 ノメンゼン子爵の断罪
30.授業の補佐はエクムント様
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元ノメンゼン子爵は死刑は免れた。
だが一生牢獄で過ごす終身刑に科せられたと聞いた。
妾とローザ嬢は市井に放り出されていたが、逞しくまたわたくしたちの前に出て来るかもしれない。そのときには、また対決することになるが、クリスタ嬢も公爵家の娘になっているので、それほどの脅威は感じなかった。
クリスタ嬢のお誕生日のお茶会が終わると、わたくしとクリスタ嬢はしばらくゆっくりと過ごすことに決めていた。
異国の言葉の勉強に、ダンスの練習に、連弾と合唱のレッスンと、やることがあまりにも多すぎたのだ。
お茶会が終わって部屋に帰ったクリスタ嬢はわたくしのところに小さな白い箱を持って見せに来ていた。
「お姉様、見て、とてもきれいなの!」
箱の中にはリボンで作られた花が入っていた。リボンの造花の髪飾りだ。
「リボンをこんな風に巻いてお花にできるのですね」
「お姉様も初めて見ましたか? わたくし、こんなにきれいでかわいいもの、初めて見ました」
ハインリヒ殿下のお誕生日プレゼントはクリスタ嬢の心を掴んだようだった。
大事に箱を抱いて何度も箱の中身を眺めている。
両親からのお誕生日プレゼントの折り紙の本も部屋に届いていた。クリスタ嬢が包み紙を開けると、三冊も本が入っている。
「えーっと、これはなんて読むのかしら?」
「初級、中級、上級、ですね」
「簡単なのと、ちょっと難しいのと、とても難しいのがあるのね?」
「そのようですよ」
異国の言葉で書かれているのでクリスタ嬢は表紙に書かれた文字を読めなかったが、わたくしはなんとか読むことができた。
初級と中級と上級の折り紙の本がプレゼントされたようだ。
ページを捲ると知っている挿絵があった。
「このバラの花、エクムント様に教えてもらったものだわ」
「エクムントが教えてくれた薔薇の花は、初級だったようですね」
「わたくし、最後のところが上手くできなかったのよね。六歳になったから、できるようになったかしら?」
早速色紙を正方形に切って折っていくクリスタ嬢をわたくしは折り方の本を見ながら応援する。
クリスタ嬢はちょっと形は崩れているが、薔薇の花を一人で折ることができた。
「これが初級……簡単なのね。中級や上級はまだまだ作れなさそう」
「練習していけば作ることができますよ」
「お姉様、毎日一つずつ練習していきましょうね」
クリスタ嬢に言われてわたくしは折り紙の本をじっくりと見る。折り紙の本は全部異国の言葉で書かれていた。
「リップマン先生にもお手伝いしてもらいましょう」
「そうね。わたくし、言葉がよく分からないところがあるわ」
「この本が異国語の教材になりますね」
この本を持ってリップマン先生のところに行って、毎日折り紙をしながら勉強をするのも悪くないとわたくしは思っていた。
それにしてもエクムント様はこの折り紙の本が読めるのだろうか。
異国語に関しては、この国では貴族は必ず習うので読めるのだろうが、折り紙を全部折れるかどうかは分からない。
「この本、エクムントに見せてみませんか?」
「そうだわ、お姉様! エクムント様なら、折り方を知っているかもしれません」
異国語はリップマン先生に、折り方の難しいところはエクムント様に聞けばいい。
次の日からわたくしとクリスタ嬢は折り紙の初級の本を持って勉強室に行った。
リップマン先生に本を渡すと、全体に目を通す。
「これは、普通の本を訳すよりも難しいかもしれません」
「そうなのですか?」
「どこが難しいのですか?」
わたくしとクリスタ嬢で聞くと、リップマン先生は説明してくれた。
「折り紙の折り方なので、専門的な用語が出てきます。折り紙以外に使わない単語もありますね」
「折り紙の専門的な用語ってどんなものですか?」
「例えば、端をきっちり合わせることを、異国語では特別な単語を使って表現します。折り紙の基本的な折り方についても名前がついています」
「それでは、折り紙の本では異国語は身につかないということですか?」
わたくしとクリスタ嬢に質問攻めにされてリップマン先生は少し考えて答えをくれた。
「わたくしは、勉強に置いて無駄なものはないと思っています。例え折り紙にしか使わない単語を覚えたとしても、それが何かの役に立つときは来るでしょう。何よりも、今エリザベート様とクリスタ様は折り紙に興味を持っています。興味を持ったときにその勉強をするのが一番身に着くのです」
リップマン先生にお墨付きをいただいて、わたくしとクリスタ嬢は折り紙の本で異国語を勉強することにした。
「折り紙は、難しくて折れないところもあります。リップマン先生、手助けをしてくれるひとを呼んでもいいですか?」
「そんなひとがいるのですか?」
「エクムント様です!」
わたくしの思っていることをクリスタ嬢が口にしてくれる。
「わたくし、伯父上と伯母上、じゃない、もうお父様とお母様よね? お父様とお母様のお誕生日のときにプレゼントするお花の折り方をエクムント様に習ったんです」
「エクムントは乳母に習ったと言っていましたが、他の折り紙の折り方も知っているかもしれません」
クリスタ嬢とわたくしの言葉にリップマン先生はまた少し考えているようだった。
「エクムント様は、このお屋敷の警護の騎士ですよね。勉強に協力していただくには、旦那様と奥様の許可がなければいけません」
「わたくし、お父様とお母様にお願いしてみます」
「わたくしも、お姉様と一緒にお願いしてみます」
「いいえ、わたくしの方から旦那様と奥様にお話ししてみましょう。今回の勉強にエクムント様のお力が必要だと」
わたくしとクリスタ嬢で両親に話をしてみようと思っていたが、リップマン先生が話を通してくれるようだ。
それならば安心してわたくしも授業が受けられる。
リップマン先生が両親に話してくれたようで、翌日の授業からエクムント様が同席するようになった。
わたくしとクリスタ嬢で折り紙の本を訳して、エクムント様に折り方を習う。
折り方を文字で説明してあって、それが読めたとしても、実際に折るのは難しいので、どうしてもエクムント様の協力が必要だった。
正方形に切った色紙を用意して、エクムント様が手本で折ってくれる。
基本の折り方を覚えるために、わたくしとクリスタ嬢は一生懸命真似をする。
「上手に重ならないの」
「角を合わせるのが綺麗に折るコツなのですよ」
「難しいです……もう一度やるので待ってくださいね」
クリスタ嬢は三角に折った紙の端が全く合っていないし、わたくしも七歳の手ではなかなか上手くいかない。
何度もやり直して、やっと上手くいく頃には授業は終わりの時間を迎えていた。
「お部屋でも練習するといいですよ」
「ありがとうございました、リップマン先生、エクムント」
「お部屋でも練習します。ありがとうございました」
リップマン先生とエクムント様に頭を下げてわたくしとクリスタ嬢は昼食の席に着いた。
「バーデン家の取り調べはまだ続いているようだ」
「なかなか尻尾を出さないようですね。辛抱強く、こちらも待ちましょう」
国王陛下から報告を聞いている両親から言われてわたくしもクリスタ嬢も頷く。
「ブリギッテ嬢ももうクリスタに手出しはできません」
「クリスタは我が家の大事な娘だからね」
「クリスタも、ブリギッテ嬢に気圧されることはないのですよ。もう身分は同じなのですから。もし何かされそうになったら、受けて立つくらいの気迫でいいと思います」
母から言われてクリスタ嬢が目を潤ませて頷いている。
「ありがとうございます、お父様、お母様……わたくし、ずっとお二人をお父様、お母様って呼びたかったの」
「読んでくれて嬉しいです、クリスタ」
「これからも存分に甘えていいからね」
受け止めてくれる両親にクリスタ嬢は目を潤ませて幸せそうにしていた。悲しい涙ではなく嬉しい涙ならば歓迎だ。
わたくしはクリスタ嬢にハンカチを渡す。
クリスタ嬢と姉妹になったわたくしの物語がこれから始まる。
だが一生牢獄で過ごす終身刑に科せられたと聞いた。
妾とローザ嬢は市井に放り出されていたが、逞しくまたわたくしたちの前に出て来るかもしれない。そのときには、また対決することになるが、クリスタ嬢も公爵家の娘になっているので、それほどの脅威は感じなかった。
クリスタ嬢のお誕生日のお茶会が終わると、わたくしとクリスタ嬢はしばらくゆっくりと過ごすことに決めていた。
異国の言葉の勉強に、ダンスの練習に、連弾と合唱のレッスンと、やることがあまりにも多すぎたのだ。
お茶会が終わって部屋に帰ったクリスタ嬢はわたくしのところに小さな白い箱を持って見せに来ていた。
「お姉様、見て、とてもきれいなの!」
箱の中にはリボンで作られた花が入っていた。リボンの造花の髪飾りだ。
「リボンをこんな風に巻いてお花にできるのですね」
「お姉様も初めて見ましたか? わたくし、こんなにきれいでかわいいもの、初めて見ました」
ハインリヒ殿下のお誕生日プレゼントはクリスタ嬢の心を掴んだようだった。
大事に箱を抱いて何度も箱の中身を眺めている。
両親からのお誕生日プレゼントの折り紙の本も部屋に届いていた。クリスタ嬢が包み紙を開けると、三冊も本が入っている。
「えーっと、これはなんて読むのかしら?」
「初級、中級、上級、ですね」
「簡単なのと、ちょっと難しいのと、とても難しいのがあるのね?」
「そのようですよ」
異国の言葉で書かれているのでクリスタ嬢は表紙に書かれた文字を読めなかったが、わたくしはなんとか読むことができた。
初級と中級と上級の折り紙の本がプレゼントされたようだ。
ページを捲ると知っている挿絵があった。
「このバラの花、エクムント様に教えてもらったものだわ」
「エクムントが教えてくれた薔薇の花は、初級だったようですね」
「わたくし、最後のところが上手くできなかったのよね。六歳になったから、できるようになったかしら?」
早速色紙を正方形に切って折っていくクリスタ嬢をわたくしは折り方の本を見ながら応援する。
クリスタ嬢はちょっと形は崩れているが、薔薇の花を一人で折ることができた。
「これが初級……簡単なのね。中級や上級はまだまだ作れなさそう」
「練習していけば作ることができますよ」
「お姉様、毎日一つずつ練習していきましょうね」
クリスタ嬢に言われてわたくしは折り紙の本をじっくりと見る。折り紙の本は全部異国の言葉で書かれていた。
「リップマン先生にもお手伝いしてもらいましょう」
「そうね。わたくし、言葉がよく分からないところがあるわ」
「この本が異国語の教材になりますね」
この本を持ってリップマン先生のところに行って、毎日折り紙をしながら勉強をするのも悪くないとわたくしは思っていた。
それにしてもエクムント様はこの折り紙の本が読めるのだろうか。
異国語に関しては、この国では貴族は必ず習うので読めるのだろうが、折り紙を全部折れるかどうかは分からない。
「この本、エクムントに見せてみませんか?」
「そうだわ、お姉様! エクムント様なら、折り方を知っているかもしれません」
異国語はリップマン先生に、折り方の難しいところはエクムント様に聞けばいい。
次の日からわたくしとクリスタ嬢は折り紙の初級の本を持って勉強室に行った。
リップマン先生に本を渡すと、全体に目を通す。
「これは、普通の本を訳すよりも難しいかもしれません」
「そうなのですか?」
「どこが難しいのですか?」
わたくしとクリスタ嬢で聞くと、リップマン先生は説明してくれた。
「折り紙の折り方なので、専門的な用語が出てきます。折り紙以外に使わない単語もありますね」
「折り紙の専門的な用語ってどんなものですか?」
「例えば、端をきっちり合わせることを、異国語では特別な単語を使って表現します。折り紙の基本的な折り方についても名前がついています」
「それでは、折り紙の本では異国語は身につかないということですか?」
わたくしとクリスタ嬢に質問攻めにされてリップマン先生は少し考えて答えをくれた。
「わたくしは、勉強に置いて無駄なものはないと思っています。例え折り紙にしか使わない単語を覚えたとしても、それが何かの役に立つときは来るでしょう。何よりも、今エリザベート様とクリスタ様は折り紙に興味を持っています。興味を持ったときにその勉強をするのが一番身に着くのです」
リップマン先生にお墨付きをいただいて、わたくしとクリスタ嬢は折り紙の本で異国語を勉強することにした。
「折り紙は、難しくて折れないところもあります。リップマン先生、手助けをしてくれるひとを呼んでもいいですか?」
「そんなひとがいるのですか?」
「エクムント様です!」
わたくしの思っていることをクリスタ嬢が口にしてくれる。
「わたくし、伯父上と伯母上、じゃない、もうお父様とお母様よね? お父様とお母様のお誕生日のときにプレゼントするお花の折り方をエクムント様に習ったんです」
「エクムントは乳母に習ったと言っていましたが、他の折り紙の折り方も知っているかもしれません」
クリスタ嬢とわたくしの言葉にリップマン先生はまた少し考えているようだった。
「エクムント様は、このお屋敷の警護の騎士ですよね。勉強に協力していただくには、旦那様と奥様の許可がなければいけません」
「わたくし、お父様とお母様にお願いしてみます」
「わたくしも、お姉様と一緒にお願いしてみます」
「いいえ、わたくしの方から旦那様と奥様にお話ししてみましょう。今回の勉強にエクムント様のお力が必要だと」
わたくしとクリスタ嬢で両親に話をしてみようと思っていたが、リップマン先生が話を通してくれるようだ。
それならば安心してわたくしも授業が受けられる。
リップマン先生が両親に話してくれたようで、翌日の授業からエクムント様が同席するようになった。
わたくしとクリスタ嬢で折り紙の本を訳して、エクムント様に折り方を習う。
折り方を文字で説明してあって、それが読めたとしても、実際に折るのは難しいので、どうしてもエクムント様の協力が必要だった。
正方形に切った色紙を用意して、エクムント様が手本で折ってくれる。
基本の折り方を覚えるために、わたくしとクリスタ嬢は一生懸命真似をする。
「上手に重ならないの」
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「難しいです……もう一度やるので待ってくださいね」
クリスタ嬢は三角に折った紙の端が全く合っていないし、わたくしも七歳の手ではなかなか上手くいかない。
何度もやり直して、やっと上手くいく頃には授業は終わりの時間を迎えていた。
「お部屋でも練習するといいですよ」
「ありがとうございました、リップマン先生、エクムント」
「お部屋でも練習します。ありがとうございました」
リップマン先生とエクムント様に頭を下げてわたくしとクリスタ嬢は昼食の席に着いた。
「バーデン家の取り調べはまだ続いているようだ」
「なかなか尻尾を出さないようですね。辛抱強く、こちらも待ちましょう」
国王陛下から報告を聞いている両親から言われてわたくしもクリスタ嬢も頷く。
「ブリギッテ嬢ももうクリスタに手出しはできません」
「クリスタは我が家の大事な娘だからね」
「クリスタも、ブリギッテ嬢に気圧されることはないのですよ。もう身分は同じなのですから。もし何かされそうになったら、受けて立つくらいの気迫でいいと思います」
母から言われてクリスタ嬢が目を潤ませて頷いている。
「ありがとうございます、お父様、お母様……わたくし、ずっとお二人をお父様、お母様って呼びたかったの」
「読んでくれて嬉しいです、クリスタ」
「これからも存分に甘えていいからね」
受け止めてくれる両親にクリスタ嬢は目を潤ませて幸せそうにしていた。悲しい涙ではなく嬉しい涙ならば歓迎だ。
わたくしはクリスタ嬢にハンカチを渡す。
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