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一章 クリスタ嬢との出会い
17.パーティーの始まり
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宿泊式のパーティーは出席者全員での晩餐会から始まる。晩餐会の時間にはわたくしとクリスタ嬢は寝ていなくてはいけないので、出席することはなかった。
子どもだけで集められて食事をしていると、ハインリヒ殿下がちらちらとクリスタ嬢の方を見ているのが分かる。物語通りにハインリヒ殿下はクリスタ嬢を気にしているのだろう。
「あにうえ、こうしゃくけのパーティーのはじまりですよ。たのしみですね」
「こうしゃくふじんがうたをひろうするときいたよ。あすは、おんがくかいだけど、ハインリヒはねむらずにきけるかな?」
「いねむりしたりしません」
仲のいいハインリヒ殿下とノルベルト殿下の様子を見ていると、この二人が今後仲がこじれていくとは想像もできない。ハインリヒ殿下は「かっこうわるい」とぶつぶつ言いながらも膝の上にナプキンをきちんと敷いていた。
「エリザベートじょうのピアノもひろうされるとききました。あすはピアノをひかれるのですか?」
ノルベルト殿下に問いかけられてわたくしはつるつると滑る豆を一生懸命フォークに乗せようとしているクリスタ嬢を見る。クリスタ嬢は豆に集中していて話を聞いていないようだ。
「わたくしがピアノをひいて、クリスタじょうがうたいます」
「クリスタじょうはうたをうたえるのか!?」
「ハインリヒ、ぼくたちはまねかれているたちばなのだよ。れいぎただしくして」
「えーっと、クリスタじょうはうたがうたえるのですか?」
ノルベルト殿下に注意されてハインリヒ殿下が言い直している。ハインリヒ殿下は六歳の男の子らしいところが存分にあるようだ。
「クリスタじょうとわたくしでれんしゅうをかさねてきました。ハインリヒでんかもノルベルトでんかも、きいてくださるとうれしいですわ。ですわよね、クリスタじょう?」
「え? おねえさま、なぁに?」
「あすのおんがくかいのことです。わたくしがピアノをひいて、クリスタじょうがうたうのですよね」
「はい。わたくし、いっぱいれんしゅうしたの。ハインリヒでんかも、ノルベルトでんかも、きいてください」
なんて上手に言えたのでしょう。
滑舌が危ういところもなく、綺麗な発音と敬語で言えたクリスタ嬢をわたくしは拍手して絶賛したかった。
ハインリヒ殿下とノルベルト殿下の前なので何とかその衝動を抑える。
「あすはたのしみにしていますよ」
「がんばってくださいね」
ハインリヒ殿下もノルベルト殿下もよそ行きの顔でわたくしとクリスタ嬢に声をかけてくれた。
お風呂に入るときにわたくしは特別に母のシャンプーを使わせてもらった。いい香りがバスルーム中に広がる。泡立ちもきめ細かくて、髪の毛がするすると指の間を通るようになる。
「明日は皆様の前でピアノを披露しますから、奥様が特別だと仰っていました」
「とってもいいかおり。クリスタじょうもつかっていたのかしら?」
「クリスタお嬢様にも奥様は貸して差し上げていましたよ」
お風呂から出るとわたくしはバスタオルで念入りに髪を拭いて、クリスタ嬢のところに駆けていく。デボラに髪を乾かしてもらっていたクリスタ嬢は、いい香りを漂わせていた。
「クリスタじょう、とてもいいかおりですね」
「おねえさまもおなじかおり!」
「おかあさまがシャンプーをつかっていいとおっしゃったのです。クリスタじょうもつかわせてもらったようですね」
「かみが、すべすべのつるつるなの」
ほとんど乾いた髪を指で梳くクリスタ嬢。長い金色の髪がきらきらと部屋の灯りに照らされている。
わたくしの髪も紫の光沢がいつもよりはっきりと表れていて、艶々と黒髪が光っていた。
「あしたはがんばりましょうね、クリスタじょう」
「おねえさま、ねむるまえにえほんをひとつよんで?」
「よろしいですよ。どのえほんがいいですか?」
クリスタ嬢におねだりされてわたくしは快く了承する。クリスタ嬢が持ってきたのはお気に入りの王子様と虐待されていた女の子が結婚する絵本だった。
膝の上に乗ってくるクリスタ嬢を抱き締めながら、わたくしは絵本のページを捲る。クリスタ嬢は公爵家に来てから背が伸びて、わたくしの膝の上に座ると頭が顔の前に来て読みにくいのだが、可愛いのでそのままにしておく。
絵本の最後のページに来ると、クリスタ嬢はウエディングドレスを着た女の子の挿絵の頭に飾られている白い薔薇の髪飾りを指でなぞっていた。
「あした、おねえさまとおそろいのバラのかみかざり、つける?」
「マルレーンとデボラにつけてもらいましょう」
「わたくし、みつあみにしてほしいの」
「それもあしたいいましょうね」
絵本一冊では名残惜しそうにしているが、明日のためにも早く眠らなくてはいけない。わたくしはクリスタ嬢の部屋を辞して自分の部屋に戻った。
ベッドに入ると窓越しにクリスタ嬢が話しかけて来る。
「おねえさま、わたくし、しっぱいしないかしら?」
「しっぱいしてもだれもわらいませんよ」
「ほんとう?」
「いっしょうけんめいがんばっているこどもをわらうひとがいたら、おとうさまとおかあさまがゆるしません」
クリスタ嬢の頭の中にはノメンゼン子爵夫人の姿が浮かんでいるのだろう。ノメンゼン子爵夫人はクリスタ嬢の失敗を願っている。それを叶えてやるようなことはわたくしはしたくなかった。
「しっぱいしても、わたくしがフォローします」
「フォロー、なぁに?」
「しっぱいしたときづかれないようにたすけることです」
わたくしが説明するとクリスタ嬢は安心して眠りについたようだった。わたくしも目を閉じて眠りにつく。
「ハインリヒ殿下、この方がわたくしを侮辱したエリザベート・ディッペル様ですわ!」
「我が婚約者、クリスタ嬢を侮辱するなど許せん! 必ず報いは受けさせる!」
夢の中で『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』の台詞が浮かんでくる。
ハインリヒ殿下の婚約者となったクリスタ嬢は、それまで出自の卑しさや礼儀のなってなさをあげつらったわたくし、エリザベート・ディッペルを断罪する。
物語の内容を知っているわたくしは、自分がどうしてそんなことをするのか、少し理由が分かって来ていた。
幼い頃から礼儀作法に厳しく育てられたわたくしは、クリスタ嬢の奔放なところや、マナーのなっていないところが目についたのだ。それで、指導してあげようと思ってクリスタ嬢に声をかける。
わたくしもクリスタ嬢が十二歳のときには十三歳か十四歳。上手な指導の仕方が分からなくて、厳しく当たってしまって、クリスタ嬢はそれを公衆の面前で恥をかかされたと思ってしまうのだ。
物語の内容を知っている今ならばそんなことはしないのだが、物語の中のわたくしはそんな未熟な淑女だった。
もしかすると物語の結末を変えられるのではないだろうか。
今ならばわたくしはクリスタ嬢に恨まれずにハインリヒ殿下との婚約を心から喜べる立場になれるのではないか。
考えているうちに深く眠ってしまって、目が覚めたら朝だった。
お客様たちは朝食はそれぞれの部屋で食べる。
わたくしとクリスタ嬢は身支度を整えて父と母と朝食を食べる。
食事のときにドレスを汚してはいけなかったので、まだドレスには着替えていないし、髪も簡単に括っただけの姿だ。
「おとうさま、おかあさま、おはようございます」
「おじうえ、おばうえ、おはようございます。きょうはがんばります」
「エリザベートもクリスタ嬢も今日も元気のようだね」
「おはようございます、エリザベート、クリスタ嬢。わたくしも、今日は頑張って歌いますわ。エリザベートとクリスタ嬢は、間違えないことよりも、間違えてもいいので自分のよさを最大限に出してくださいね」
両親はわたくしにもクリスタ嬢にも優しい言葉をかけてくれる。わたくしが『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』でクリスタ嬢に公衆の面前で指導をして恥をかかせてしまったのは、両親に溺愛されてわたくしが指導をすることは愛情の一部なのだと考えてしまったからではないだろうか。
少しずつ物語の変更点を考えて行けば、わたくしはクリスタ嬢に辺境へ追放されて、公爵位を奪われる結末にはならないのではないかと考えていた。
朝食を食べるとわたくしとクリスタ嬢は部屋に一度戻って身支度を整えた。
わたくしは空色のドレスを着てハーフアップにした髪に空色の薔薇の造花の髪飾りを着けて、クリスタ嬢はオールドローズのドレスを着て髪にオールドローズ色の造花の髪飾りを着けて準備を万端にした。
はく靴は両親が靴屋を呼んで選ばせてくれたエナメル加工のされた艶々の黒いストラップシューズと、赤いストラップシューズだ。
わたくしが部屋から出ると、ドアの前でクリスタ嬢が待っていてくれた。
「おねえさま、いきましょう」
差し出された手を握ってわたくしとクリスタ嬢は手を繋いで歩き出す。
二人でいれば何も怖いものはない気がしていた。
子どもだけで集められて食事をしていると、ハインリヒ殿下がちらちらとクリスタ嬢の方を見ているのが分かる。物語通りにハインリヒ殿下はクリスタ嬢を気にしているのだろう。
「あにうえ、こうしゃくけのパーティーのはじまりですよ。たのしみですね」
「こうしゃくふじんがうたをひろうするときいたよ。あすは、おんがくかいだけど、ハインリヒはねむらずにきけるかな?」
「いねむりしたりしません」
仲のいいハインリヒ殿下とノルベルト殿下の様子を見ていると、この二人が今後仲がこじれていくとは想像もできない。ハインリヒ殿下は「かっこうわるい」とぶつぶつ言いながらも膝の上にナプキンをきちんと敷いていた。
「エリザベートじょうのピアノもひろうされるとききました。あすはピアノをひかれるのですか?」
ノルベルト殿下に問いかけられてわたくしはつるつると滑る豆を一生懸命フォークに乗せようとしているクリスタ嬢を見る。クリスタ嬢は豆に集中していて話を聞いていないようだ。
「わたくしがピアノをひいて、クリスタじょうがうたいます」
「クリスタじょうはうたをうたえるのか!?」
「ハインリヒ、ぼくたちはまねかれているたちばなのだよ。れいぎただしくして」
「えーっと、クリスタじょうはうたがうたえるのですか?」
ノルベルト殿下に注意されてハインリヒ殿下が言い直している。ハインリヒ殿下は六歳の男の子らしいところが存分にあるようだ。
「クリスタじょうとわたくしでれんしゅうをかさねてきました。ハインリヒでんかもノルベルトでんかも、きいてくださるとうれしいですわ。ですわよね、クリスタじょう?」
「え? おねえさま、なぁに?」
「あすのおんがくかいのことです。わたくしがピアノをひいて、クリスタじょうがうたうのですよね」
「はい。わたくし、いっぱいれんしゅうしたの。ハインリヒでんかも、ノルベルトでんかも、きいてください」
なんて上手に言えたのでしょう。
滑舌が危ういところもなく、綺麗な発音と敬語で言えたクリスタ嬢をわたくしは拍手して絶賛したかった。
ハインリヒ殿下とノルベルト殿下の前なので何とかその衝動を抑える。
「あすはたのしみにしていますよ」
「がんばってくださいね」
ハインリヒ殿下もノルベルト殿下もよそ行きの顔でわたくしとクリスタ嬢に声をかけてくれた。
お風呂に入るときにわたくしは特別に母のシャンプーを使わせてもらった。いい香りがバスルーム中に広がる。泡立ちもきめ細かくて、髪の毛がするすると指の間を通るようになる。
「明日は皆様の前でピアノを披露しますから、奥様が特別だと仰っていました」
「とってもいいかおり。クリスタじょうもつかっていたのかしら?」
「クリスタお嬢様にも奥様は貸して差し上げていましたよ」
お風呂から出るとわたくしはバスタオルで念入りに髪を拭いて、クリスタ嬢のところに駆けていく。デボラに髪を乾かしてもらっていたクリスタ嬢は、いい香りを漂わせていた。
「クリスタじょう、とてもいいかおりですね」
「おねえさまもおなじかおり!」
「おかあさまがシャンプーをつかっていいとおっしゃったのです。クリスタじょうもつかわせてもらったようですね」
「かみが、すべすべのつるつるなの」
ほとんど乾いた髪を指で梳くクリスタ嬢。長い金色の髪がきらきらと部屋の灯りに照らされている。
わたくしの髪も紫の光沢がいつもよりはっきりと表れていて、艶々と黒髪が光っていた。
「あしたはがんばりましょうね、クリスタじょう」
「おねえさま、ねむるまえにえほんをひとつよんで?」
「よろしいですよ。どのえほんがいいですか?」
クリスタ嬢におねだりされてわたくしは快く了承する。クリスタ嬢が持ってきたのはお気に入りの王子様と虐待されていた女の子が結婚する絵本だった。
膝の上に乗ってくるクリスタ嬢を抱き締めながら、わたくしは絵本のページを捲る。クリスタ嬢は公爵家に来てから背が伸びて、わたくしの膝の上に座ると頭が顔の前に来て読みにくいのだが、可愛いのでそのままにしておく。
絵本の最後のページに来ると、クリスタ嬢はウエディングドレスを着た女の子の挿絵の頭に飾られている白い薔薇の髪飾りを指でなぞっていた。
「あした、おねえさまとおそろいのバラのかみかざり、つける?」
「マルレーンとデボラにつけてもらいましょう」
「わたくし、みつあみにしてほしいの」
「それもあしたいいましょうね」
絵本一冊では名残惜しそうにしているが、明日のためにも早く眠らなくてはいけない。わたくしはクリスタ嬢の部屋を辞して自分の部屋に戻った。
ベッドに入ると窓越しにクリスタ嬢が話しかけて来る。
「おねえさま、わたくし、しっぱいしないかしら?」
「しっぱいしてもだれもわらいませんよ」
「ほんとう?」
「いっしょうけんめいがんばっているこどもをわらうひとがいたら、おとうさまとおかあさまがゆるしません」
クリスタ嬢の頭の中にはノメンゼン子爵夫人の姿が浮かんでいるのだろう。ノメンゼン子爵夫人はクリスタ嬢の失敗を願っている。それを叶えてやるようなことはわたくしはしたくなかった。
「しっぱいしても、わたくしがフォローします」
「フォロー、なぁに?」
「しっぱいしたときづかれないようにたすけることです」
わたくしが説明するとクリスタ嬢は安心して眠りについたようだった。わたくしも目を閉じて眠りにつく。
「ハインリヒ殿下、この方がわたくしを侮辱したエリザベート・ディッペル様ですわ!」
「我が婚約者、クリスタ嬢を侮辱するなど許せん! 必ず報いは受けさせる!」
夢の中で『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』の台詞が浮かんでくる。
ハインリヒ殿下の婚約者となったクリスタ嬢は、それまで出自の卑しさや礼儀のなってなさをあげつらったわたくし、エリザベート・ディッペルを断罪する。
物語の内容を知っているわたくしは、自分がどうしてそんなことをするのか、少し理由が分かって来ていた。
幼い頃から礼儀作法に厳しく育てられたわたくしは、クリスタ嬢の奔放なところや、マナーのなっていないところが目についたのだ。それで、指導してあげようと思ってクリスタ嬢に声をかける。
わたくしもクリスタ嬢が十二歳のときには十三歳か十四歳。上手な指導の仕方が分からなくて、厳しく当たってしまって、クリスタ嬢はそれを公衆の面前で恥をかかされたと思ってしまうのだ。
物語の内容を知っている今ならばそんなことはしないのだが、物語の中のわたくしはそんな未熟な淑女だった。
もしかすると物語の結末を変えられるのではないだろうか。
今ならばわたくしはクリスタ嬢に恨まれずにハインリヒ殿下との婚約を心から喜べる立場になれるのではないか。
考えているうちに深く眠ってしまって、目が覚めたら朝だった。
お客様たちは朝食はそれぞれの部屋で食べる。
わたくしとクリスタ嬢は身支度を整えて父と母と朝食を食べる。
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「おとうさま、おかあさま、おはようございます」
「おじうえ、おばうえ、おはようございます。きょうはがんばります」
「エリザベートもクリスタ嬢も今日も元気のようだね」
「おはようございます、エリザベート、クリスタ嬢。わたくしも、今日は頑張って歌いますわ。エリザベートとクリスタ嬢は、間違えないことよりも、間違えてもいいので自分のよさを最大限に出してくださいね」
両親はわたくしにもクリスタ嬢にも優しい言葉をかけてくれる。わたくしが『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』でクリスタ嬢に公衆の面前で指導をして恥をかかせてしまったのは、両親に溺愛されてわたくしが指導をすることは愛情の一部なのだと考えてしまったからではないだろうか。
少しずつ物語の変更点を考えて行けば、わたくしはクリスタ嬢に辺境へ追放されて、公爵位を奪われる結末にはならないのではないかと考えていた。
朝食を食べるとわたくしとクリスタ嬢は部屋に一度戻って身支度を整えた。
わたくしは空色のドレスを着てハーフアップにした髪に空色の薔薇の造花の髪飾りを着けて、クリスタ嬢はオールドローズのドレスを着て髪にオールドローズ色の造花の髪飾りを着けて準備を万端にした。
はく靴は両親が靴屋を呼んで選ばせてくれたエナメル加工のされた艶々の黒いストラップシューズと、赤いストラップシューズだ。
わたくしが部屋から出ると、ドアの前でクリスタ嬢が待っていてくれた。
「おねえさま、いきましょう」
差し出された手を握ってわたくしとクリスタ嬢は手を繋いで歩き出す。
二人でいれば何も怖いものはない気がしていた。
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