1 / 528
一章 クリスタ嬢との出会い
1.エリザベート、前世を思い出す
しおりを挟む
幼い頃から母は厳しかった。
六歳の子どもに社交界での礼儀作法を教え込み、経営学や政治学まで教え込もうとしていた。
歩き方も、頭に乗せた本が落ちないように姿勢を正しく整えながら、床に引いてある線を挟み込むようにして歩く。
硬い靴は六歳の子どもには痛くて、スカートの裾を自然に摘まむことができなくて、私は無様に床の上に転んでしまった。
母は静かに私の手を取って立ち上がらせて言った。
「エリザベート、もう一度」
「もうできない……あしがいたいの」
「もう一度だけやってみなさい。もう少しで美しく歩けそうでしたよ」
転んだときに脱げた靴を母が拾って履かせようとしてくれるのに、私は泣きながら庭へ逃げ出した。
外は雨が降っていて、私は濡れながら近くの茂みに隠れた。
遠くでメイドが私を探している声がする。
「エリザベートお嬢様ー! お戻りくださいー!」
「どこに行かれたのですか? エリザベートお嬢様ー!」
寒くて、裸足の足が痛くて涙がぽろぽろと止まらない。
泣いたまま戻っても母にもう一度歩かされるだけだと分かっていたから、私は茂みから出なかった。体の震えが止まらなくなって、茂みの中で土の上に身を横たえると、着ていたドレスが泥でべったりと汚れているのが分かる。
母は私を叱るだろうか。
もうそんなことはどうでもいい。
私は母の望むレディにはなれないのだ。
悲しみと寒さで流れる涙を拭いもせずにいると、茂みの外から声がした。
「こんなところにおられては風邪をひきますよ」
見上げると、茂みの中を背の高い青年が覗き込んでいる。褐色の肌に黒髪に金色の目のその人物は、我が家に雇われている護衛の騎士だと私にはすぐに分かった。
「エクムントさま、わたしのことはみつからなかったことにしてください」
涙を拭くと手が汚れていたのか泥がべったりと顔についてしまう。袖で泥を拭きとろうとしても、袖も泥で汚れている。
エクムント様は長い手を伸ばして私の脇の下に入れて抱き上げた。
「失礼いたします。エリザベートお嬢様、こんなに濡れて」
泥で服が汚れるのも気にせずに抱き上げてくれて、もう足が痛くて歩けない私を連れ戻してくれるエクムント様。その格好よさに胸がときめく。
お屋敷に戻ると母は私を叱らなかった。
「寒かったでしょう。すぐに湯の支度をさせます。しっかりと温まっていらっしゃい」
「おかあさま、おこっていないの?」
「わたくしがやりすぎました。エリザベートには素晴らしい女公爵となって欲しいから、つい期待をし過ぎてしまいます。今日はゆっくり休んでください」
「おかあさま……」
子爵家に生まれたが、その素晴らしい才覚を買われて、母は侯爵家に養子に入って、公爵家の跡継ぎの父と結婚した。礼儀作法だけでなく勉学も非常に秀でていたという母にとって、私を立派な公爵令嬢にして、いずれは女公爵として立派に育て上げるのが理想なのだろう。
母の期待は幼い私には重荷ではあったけれど、母に愛情がないわけではなかった。母が私のためにしてくれているのだという思いはあった。
「ちゃんとできなくてごめんなさい」
謝る私の濡れた髪を母が撫でる。
「風邪をひきますよ。お風呂に入っていらっしゃい」
促されて私は温かなお風呂に入って、着替えて、夕食を食べてぐっすり眠った。
夢の中で私は事務職をしているもうすぐ三十になる女性だった。
私には大好きな愛読書があった。
『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』
その本の中で主人公のクリスタは悪役のエリザベートに苛められながらも、皇太子、ハインリヒ・レデラーと結ばれるのだ。
ハインリヒには妾腹の兄がいて、兄を慕う彼は兄が皇太子として国を継げるように自分はわざと素行を悪くして廃嫡にしてもらおうとする。しかし、妾腹の兄がハインリヒに国王となることを望んでいて、ハインリヒの即位後は右腕としてハインリヒを支えるつもりでいることを、クリスタの手助けを得て知り、クリスタを婚約者として立派な皇太子になる決意をするのだ。
王家の兄弟を仲直りさせるクリスタの物語が私は大好きだった。
目が覚めて、私は鏡を見て息を飲んだ。
エリザベート・ディッペル。
この国の初代国王と同じ紫の光沢のある黒髪に銀色の光沢のある黒い目のきつい顔立ちの美女。
まだ私は六歳なので、完全に挿絵の顔と同じではないが、限りなく似ていて、面影がある。
どうやら私は『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』の世界に生まれ変わってしまったようなのだ。
しかも、私の立ち位置は主人公のクリスタを苛める悪役である。
「どうしましょう……」
「エリザベートお嬢様、いかがなさいましたか? 今日の髪型はお気に召しませんでしたか?」
私付きのメイドのマルレーンが私の髪をハーフアップにしてくれながら、ブラシを持ち上げる。ハーフアップにしてくれるのは嬉しいし、髪型も可愛くてつけてくれたリボンも気に入っているのだが、そんなことよりも私は思い出した前世に困惑していた。
「わたしがクリスタをいじめるの? うそでしょう……?」
クリスタは素直だが奔放なところがあって、そこが厳格に育てられたエリザベート、つまり私と合わないのだ。貴族の子女が通う、サロン的な学園で私、エリザベートはクリスタと出会って、その行儀作法のなってなさを馬鹿にして、一つ一つあげつらうように注意していって恥をかかせるのだ。
物語のラストでは、皇太子妃となったクリスタがエリザベートを辺境に追放するエピソードもあった気がする。
これはまずいのではないだろうか。
このままでは、私はクリスタに辺境に追放されてしまう。
できる限りクリスタに関わらないように過ごしていれば、物語の筋を変えられるかもしれない。
私はクリスタに関わらない人生を送ることを固く誓っていた。
『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』ではクリスタが学園に通う十二歳からの物語が描かれていた。私はクリスタよりも一歳半年上のはずだから、クリスタはまだ四歳のはずだ。
ノメイゼン家は子爵家で、クリスタの母親と私の母は姉妹同士に当たる。
私の母は完璧な礼儀作法と知性を身に着けて、子爵家にはもったいないと言われて侯爵家に養子に行って、私の父であるディッペル公爵の跡継ぎと結婚した。
私の父も母の美しさと知性にすっかりと惚れ込んで、結婚してから私が生まれた。私が生まれた後に、父は公爵位を譲られて、母は公爵夫人として立派に地位を確立している。
クリスタが子爵家からどうやって皇太子のハインリヒ殿下の婚約者になるかは、よく覚えていないのだが、追放された私の代わりに公爵になっていた気がする。
クリスタに出会ってはいけない。
関わってはいけない。
クリスタに関われば私は自分の地位を奪われて辺境に追放されてしまう。
それは絶対に避けたかった。
政略結婚だったが両親はそれなりに仲がよく、父も母も私のことを大事にしてくれている。それが公爵家の跡継ぎであるからという理由であっても、私は両親のことを尊敬していたし、慕っていた。
着替えて朝ご飯を食べに食堂へ行くと、父も母も食卓に着いている。
給仕してもらいながら私は朝食を食べる。
「エリザベート、パンは一口大にちぎって食べるのですよ」
「はい、おかあさま」
「口に物を入れたまま喋ってはいけませんよ」
「は……はい!」
急いで飲み込んで返事をすると、父が食事をしながら私に微笑みかけてくれる。
「明後日、我が家でお茶会を開くことになった。ハインリヒ殿下もノルベルト殿下もおいでになる」
「りょうでんかが、おいでになるのですか!?」
なんということでしょう。
避けようと思っていたもう片方の相手、皇太子のハインリヒ殿下と妾腹の兄君のノルベルト殿下も来るとなると私が出席しないわけにはいかない。
「子どもだけでお茶会をするから、無礼講で気負わなくていいからね」
「あなた、エリザベートは立派なレディです。ちゃんとできますわ」
「エリザベートはまだ六歳ではないか。ハインリヒ殿下も同じ六歳、ノルベルト殿下は七歳だ。まだ格式ばらなくていいだろう」
大らかに笑っている父だが、私は貴族社会の仕組みを叩き込まれていた。
格上の貴族、王族に逆らったものがどのように言われるのか。
「お茶会には他の子どもたちも来ます。手本となれるように、エリザベート」
「はい、おかあさま」
この国一のフェアレディと言われた母の名に恥じないようにふるまわなければいけない。
私にとってお茶会は戦場のようなものだった。
六歳の子どもに社交界での礼儀作法を教え込み、経営学や政治学まで教え込もうとしていた。
歩き方も、頭に乗せた本が落ちないように姿勢を正しく整えながら、床に引いてある線を挟み込むようにして歩く。
硬い靴は六歳の子どもには痛くて、スカートの裾を自然に摘まむことができなくて、私は無様に床の上に転んでしまった。
母は静かに私の手を取って立ち上がらせて言った。
「エリザベート、もう一度」
「もうできない……あしがいたいの」
「もう一度だけやってみなさい。もう少しで美しく歩けそうでしたよ」
転んだときに脱げた靴を母が拾って履かせようとしてくれるのに、私は泣きながら庭へ逃げ出した。
外は雨が降っていて、私は濡れながら近くの茂みに隠れた。
遠くでメイドが私を探している声がする。
「エリザベートお嬢様ー! お戻りくださいー!」
「どこに行かれたのですか? エリザベートお嬢様ー!」
寒くて、裸足の足が痛くて涙がぽろぽろと止まらない。
泣いたまま戻っても母にもう一度歩かされるだけだと分かっていたから、私は茂みから出なかった。体の震えが止まらなくなって、茂みの中で土の上に身を横たえると、着ていたドレスが泥でべったりと汚れているのが分かる。
母は私を叱るだろうか。
もうそんなことはどうでもいい。
私は母の望むレディにはなれないのだ。
悲しみと寒さで流れる涙を拭いもせずにいると、茂みの外から声がした。
「こんなところにおられては風邪をひきますよ」
見上げると、茂みの中を背の高い青年が覗き込んでいる。褐色の肌に黒髪に金色の目のその人物は、我が家に雇われている護衛の騎士だと私にはすぐに分かった。
「エクムントさま、わたしのことはみつからなかったことにしてください」
涙を拭くと手が汚れていたのか泥がべったりと顔についてしまう。袖で泥を拭きとろうとしても、袖も泥で汚れている。
エクムント様は長い手を伸ばして私の脇の下に入れて抱き上げた。
「失礼いたします。エリザベートお嬢様、こんなに濡れて」
泥で服が汚れるのも気にせずに抱き上げてくれて、もう足が痛くて歩けない私を連れ戻してくれるエクムント様。その格好よさに胸がときめく。
お屋敷に戻ると母は私を叱らなかった。
「寒かったでしょう。すぐに湯の支度をさせます。しっかりと温まっていらっしゃい」
「おかあさま、おこっていないの?」
「わたくしがやりすぎました。エリザベートには素晴らしい女公爵となって欲しいから、つい期待をし過ぎてしまいます。今日はゆっくり休んでください」
「おかあさま……」
子爵家に生まれたが、その素晴らしい才覚を買われて、母は侯爵家に養子に入って、公爵家の跡継ぎの父と結婚した。礼儀作法だけでなく勉学も非常に秀でていたという母にとって、私を立派な公爵令嬢にして、いずれは女公爵として立派に育て上げるのが理想なのだろう。
母の期待は幼い私には重荷ではあったけれど、母に愛情がないわけではなかった。母が私のためにしてくれているのだという思いはあった。
「ちゃんとできなくてごめんなさい」
謝る私の濡れた髪を母が撫でる。
「風邪をひきますよ。お風呂に入っていらっしゃい」
促されて私は温かなお風呂に入って、着替えて、夕食を食べてぐっすり眠った。
夢の中で私は事務職をしているもうすぐ三十になる女性だった。
私には大好きな愛読書があった。
『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』
その本の中で主人公のクリスタは悪役のエリザベートに苛められながらも、皇太子、ハインリヒ・レデラーと結ばれるのだ。
ハインリヒには妾腹の兄がいて、兄を慕う彼は兄が皇太子として国を継げるように自分はわざと素行を悪くして廃嫡にしてもらおうとする。しかし、妾腹の兄がハインリヒに国王となることを望んでいて、ハインリヒの即位後は右腕としてハインリヒを支えるつもりでいることを、クリスタの手助けを得て知り、クリスタを婚約者として立派な皇太子になる決意をするのだ。
王家の兄弟を仲直りさせるクリスタの物語が私は大好きだった。
目が覚めて、私は鏡を見て息を飲んだ。
エリザベート・ディッペル。
この国の初代国王と同じ紫の光沢のある黒髪に銀色の光沢のある黒い目のきつい顔立ちの美女。
まだ私は六歳なので、完全に挿絵の顔と同じではないが、限りなく似ていて、面影がある。
どうやら私は『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』の世界に生まれ変わってしまったようなのだ。
しかも、私の立ち位置は主人公のクリスタを苛める悪役である。
「どうしましょう……」
「エリザベートお嬢様、いかがなさいましたか? 今日の髪型はお気に召しませんでしたか?」
私付きのメイドのマルレーンが私の髪をハーフアップにしてくれながら、ブラシを持ち上げる。ハーフアップにしてくれるのは嬉しいし、髪型も可愛くてつけてくれたリボンも気に入っているのだが、そんなことよりも私は思い出した前世に困惑していた。
「わたしがクリスタをいじめるの? うそでしょう……?」
クリスタは素直だが奔放なところがあって、そこが厳格に育てられたエリザベート、つまり私と合わないのだ。貴族の子女が通う、サロン的な学園で私、エリザベートはクリスタと出会って、その行儀作法のなってなさを馬鹿にして、一つ一つあげつらうように注意していって恥をかかせるのだ。
物語のラストでは、皇太子妃となったクリスタがエリザベートを辺境に追放するエピソードもあった気がする。
これはまずいのではないだろうか。
このままでは、私はクリスタに辺境に追放されてしまう。
できる限りクリスタに関わらないように過ごしていれば、物語の筋を変えられるかもしれない。
私はクリスタに関わらない人生を送ることを固く誓っていた。
『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』ではクリスタが学園に通う十二歳からの物語が描かれていた。私はクリスタよりも一歳半年上のはずだから、クリスタはまだ四歳のはずだ。
ノメイゼン家は子爵家で、クリスタの母親と私の母は姉妹同士に当たる。
私の母は完璧な礼儀作法と知性を身に着けて、子爵家にはもったいないと言われて侯爵家に養子に行って、私の父であるディッペル公爵の跡継ぎと結婚した。
私の父も母の美しさと知性にすっかりと惚れ込んで、結婚してから私が生まれた。私が生まれた後に、父は公爵位を譲られて、母は公爵夫人として立派に地位を確立している。
クリスタが子爵家からどうやって皇太子のハインリヒ殿下の婚約者になるかは、よく覚えていないのだが、追放された私の代わりに公爵になっていた気がする。
クリスタに出会ってはいけない。
関わってはいけない。
クリスタに関われば私は自分の地位を奪われて辺境に追放されてしまう。
それは絶対に避けたかった。
政略結婚だったが両親はそれなりに仲がよく、父も母も私のことを大事にしてくれている。それが公爵家の跡継ぎであるからという理由であっても、私は両親のことを尊敬していたし、慕っていた。
着替えて朝ご飯を食べに食堂へ行くと、父も母も食卓に着いている。
給仕してもらいながら私は朝食を食べる。
「エリザベート、パンは一口大にちぎって食べるのですよ」
「はい、おかあさま」
「口に物を入れたまま喋ってはいけませんよ」
「は……はい!」
急いで飲み込んで返事をすると、父が食事をしながら私に微笑みかけてくれる。
「明後日、我が家でお茶会を開くことになった。ハインリヒ殿下もノルベルト殿下もおいでになる」
「りょうでんかが、おいでになるのですか!?」
なんということでしょう。
避けようと思っていたもう片方の相手、皇太子のハインリヒ殿下と妾腹の兄君のノルベルト殿下も来るとなると私が出席しないわけにはいかない。
「子どもだけでお茶会をするから、無礼講で気負わなくていいからね」
「あなた、エリザベートは立派なレディです。ちゃんとできますわ」
「エリザベートはまだ六歳ではないか。ハインリヒ殿下も同じ六歳、ノルベルト殿下は七歳だ。まだ格式ばらなくていいだろう」
大らかに笑っている父だが、私は貴族社会の仕組みを叩き込まれていた。
格上の貴族、王族に逆らったものがどのように言われるのか。
「お茶会には他の子どもたちも来ます。手本となれるように、エリザベート」
「はい、おかあさま」
この国一のフェアレディと言われた母の名に恥じないようにふるまわなければいけない。
私にとってお茶会は戦場のようなものだった。
154
お気に入りに追加
1,691
あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる