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四重奏
四重奏 青 1
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青藍と真朱の両親が事故で亡くなったのは、まだ二人が2歳になったばかりで、その頃のことは全く覚えていない。双子である青藍と真朱の家系、遠野の家は、代々音楽家で、両親は大棹三味線の演奏者だった。才能のあった父と、才能がそこそこだった妹である叔母とは、全く家での扱いが違ったらしい。
祖父母が高齢で二人も子どもを引き取れないから、一人だけと言ったときに、真朱は泣き喚いて青藍から離れず、青藍も真朱から引き離されたくないと抵抗した。その結果として、双子は年上の従兄のいる叔母の家に引き取られた。
毎日のように祖父母の家に行って、二つ年上の従兄と共に三味線を習う。叔母は自分の息子である従兄が、双子よりも優れていることを祖父母に見せたいようだった。聡くそれを悟っていた青藍は真朱に言い聞かせた。
「ほんきでひいたらあかんで」
「なんでぇ? がんばらなあかんのやないん?」
もうすぐ5歳になるというのに、泣き虫でオムツもとれていない真朱は、叔母の自尊心を満足させる情けなさで、青藍ほどあたりはきつくなかった。年の割りに賢い青藍を面白く思っていない叔母は、寒空の下外に出していたり、真夏に直射日光の下で遊ばせたり、ひどくあたった。それに真朱が巻き込まれることもあったが、できるだけ青藍は、自分と違って年相応に幼い真朱を庇った。
けれど、泣き虫でオムツも外れていない真朱には、三味線の才能があった。隠してはいるが、青藍にもそれがあった。中学を出たら二人で家を出て三味線で食べていこう、それまでの我慢だと思っていたのに。
祖父母の前で真朱が披露した曲が、絶賛されてしまった。その日、従兄よりも才能があることが、ばれてしまったのだ。
「うちにはもう子どもがおるから、二人ともを面倒見るのはやっぱり大変やし。双子で、片方はオムツも外れてへんし……」
未熟児で生まれてきた真朱も青藍も、体が小さく、特に真朱は発達が遅い。それでも、青藍は真朱が本当に三味線が大好きで、指の皮が破れて痛くて泣いても、三味線を続けていることを知っている。
「知り合いの知り合いに、子どもさんを欲しがってるひとがおるんよ。男のひと同士のカップルらしいけど、きっとあんさんらも男の子やさかい、たぁっぷり可愛がってもらえると思うわ」
その言葉に嫌な響きを感じ取ったのは、青藍だけではなかった。叔母の言う「可愛がる」が具体的には分からないが恐ろしい意味だと、真朱も感じ取って泣き出しそうになっている。
「まそほのことは、おれがまもる」
「せいちゃん、こあいよぉ」
ふぇぇと泣き出した真朱の手を握れば、三味線の練習で幼児とは思えないほど手の皮が硬くなっている。青藍の手も、きっとこんな感触なのだろう。
保育園で先生が言っていた。
水着で隠れる部分に触ってこようとするひとからは、逃げなさいと。
それに、この世には男女の他にアルファ、オメガ、ベータという性があって、男女問わず子どもを産めるオメガの発情期《ヒート》には、アルファは逆らえないことや、難しいことをいっぱい言っていたがその辺はよく覚えていない。
ただ、アルファがとても能力的に優れているということで、賢い自分はアルファで、年相応の真朱はベータかオメガなのではないかと思っていた。
青藍と真朱を引き取る相手の性別は男性だということは分かっているが、バース性までは分からない。バース性は繊細な問題なので、大抵の人が隠しているからだ。もしかすると、引き取るという男性二人は、青藍と真朱のバース性も利用するかもしれない。
青藍と真朱が行かされる場所はそういう場所なのかもしれない。
自分たちの三味線を背負って、少しだけの荷物を持って向かった先には、対照的な男性二人がいた。
片方は褐色の肌に長めの黒髪にお月様みたいな金色の目、もう片方は金色の短く刈った髪に白い肌に海のように青い目。
「初めまして、敷島響だよ」
褐色の肌の方が笑顔で自己紹介する。
「私は敷島薫ですよ。よろしくね」
金髪に青い目の方がウインクして名乗る。
見上げるほどの長身で逞しい体つき。彼らが青藍と真朱に何かいかがわしいことをしようとしたら、二人では抵抗もできないことは分かりきっていた。そんな悲劇を願って、叔母は青藍と真朱を送り出したのだろう。
「おれは、とおのせいらん、こっちはおとうとのまそほや」
差し出された握手を求める手から、真朱を守るように背中に隠す青藍の後ろで、真朱が「ふぇ」と泣き出しそうになった。目の前に現れた屈強な二人に驚いたのだろう。
「ここが真朱さんと青藍さんのお部屋です。お手洗いに近い場所にしたけれど、足りないものがあったら教えてくださいね」
叔母の家で詰め込まれていた冬は冷蔵庫、夏はサウナの物置のような狭い部屋かと警戒していれば、日当たりのいい広い窓がある裏庭に面した部屋で、清潔なレースのカーテンとドット模様の紫外線避けのカーテンがかけてあった。二段ベッドと、勉強用の机もある。
「おしゃみ、ひいても、おこらへん?」
「まそほ!」
部屋を覗いて涙を拭いた真朱が口にした言葉を、青藍が制した。そもそも、ここに来ることになったのは、真朱が三味線を本気で弾いてしまったせいだ。幼い真朱が褒められたいと思うのは当然だし、その才能に嫉妬した従兄と叔母の方が悪いに決まっているのだが、慎重に振舞わなければ何をされるか分からない状況に青藍は緊張しきっていた。
「三味線が弾けるの? 聞きたいなぁ」
「まー、おしゃみ、じょうずやねんで」
膝を折って目線を合わせて、優しい声で話しかけてくる響に、真朱はすぐに騙されてしまうが、腹の底で二人が何を考えているのか青藍は怖くてならなかった。純真で素直な真朱を守らないといけない。
「お祖父様とお祖母様のお教室に通っていたんですよね。ここからは遠くなってしまうから、新しいお教室を探しましょうか」
優しく言ってくれる薫の言葉も、真朱と青藍に取り入って、何かイケナイことをさせようとするようにしか思えず、青藍は真朱の手を握って、背中に隠し続けた。
「餃子作るけど、スープ餃子と焼き餃子、どっちが好き?」
「うちは皮から作るんですよ。お手伝いしてくれますか?」
「まー、おてつだい、したるで」
単純で騙されやすくて調子に乗りやすい双子の弟を守らなければいけない。餃子の皮を小さな麺棒で手の平の上で広げる響と、それを受け取って餃子の具を包んでしまう薫の連携プレーは見事なものだった。真朱と青藍もお手伝いと称して包ませてもらったが、独創的な形になってしまう。
肉厚の手を薫が添えて包ませてくれるのを、無邪気に真朱は喜んでいたが、青藍は嫌な下心があるのではないかと、割って入る。
「おれもしたいんやけど」
「いいですよ、青藍さんもお手手を出して」
暖かな手は壊れ物のようにそっと青藍の手に触れる。三味線で鍛えた手は、小さいが皮が厚くなっていて、年頃の幼児とは全く違うのに、こんな風に触られたことはない。撥を持つ手に手を添える祖父の手は、もっときつく、厳しかった気がする。
ふわりと薫から漂った甘い香りに、青藍はぞわりと背筋が寒くなった。
このひとたちは、オメガかもしれない。
「やぁや!」
「あ……」
自分でも訳の分からない感情が襲ってきて、薫の手を振り払ってしまった青藍の手から、餃子の皮と具が床に落ちた。叱られると反射的に頭を庇った青藍に、薫は緩やかな動きで膝をついて皮と具を拾い上げた。
「三秒ルールって知ってます?」
「床に落ちても三秒以内に拾い上げたらセーフってやつだね。大丈夫、焼くか、スープで煮ちゃうから、平気だよ」
手の平の上で器用に餃子の皮を伸ばしながら、響が大らかに笑う。
晩ご飯は、真朱がどちらか選べなかったので、焼き餃子とスープ餃子の両方になって、冷たい麦茶と一緒に食卓に並べられた。
「かわがモチモチしとる。おいしいなぁ」
「まそほ、たべすぎたら、おなかくだすで」
「だってぇ、おいしいんやもん」
確かに餃子はとても美味しかった。火傷をするからと暖かいものなど食べさせてもらったことがないし、目の前で作ってもらったこともない。焼き立ての湯気の出る皮がパリッとして噛むともちもちした焼き餃子や、美味しいスープに入った餃子には、青藍の警戒心も勝てなかった。
二人はお腹いっぱいそれを食べてしまった。
祖父母が高齢で二人も子どもを引き取れないから、一人だけと言ったときに、真朱は泣き喚いて青藍から離れず、青藍も真朱から引き離されたくないと抵抗した。その結果として、双子は年上の従兄のいる叔母の家に引き取られた。
毎日のように祖父母の家に行って、二つ年上の従兄と共に三味線を習う。叔母は自分の息子である従兄が、双子よりも優れていることを祖父母に見せたいようだった。聡くそれを悟っていた青藍は真朱に言い聞かせた。
「ほんきでひいたらあかんで」
「なんでぇ? がんばらなあかんのやないん?」
もうすぐ5歳になるというのに、泣き虫でオムツもとれていない真朱は、叔母の自尊心を満足させる情けなさで、青藍ほどあたりはきつくなかった。年の割りに賢い青藍を面白く思っていない叔母は、寒空の下外に出していたり、真夏に直射日光の下で遊ばせたり、ひどくあたった。それに真朱が巻き込まれることもあったが、できるだけ青藍は、自分と違って年相応に幼い真朱を庇った。
けれど、泣き虫でオムツも外れていない真朱には、三味線の才能があった。隠してはいるが、青藍にもそれがあった。中学を出たら二人で家を出て三味線で食べていこう、それまでの我慢だと思っていたのに。
祖父母の前で真朱が披露した曲が、絶賛されてしまった。その日、従兄よりも才能があることが、ばれてしまったのだ。
「うちにはもう子どもがおるから、二人ともを面倒見るのはやっぱり大変やし。双子で、片方はオムツも外れてへんし……」
未熟児で生まれてきた真朱も青藍も、体が小さく、特に真朱は発達が遅い。それでも、青藍は真朱が本当に三味線が大好きで、指の皮が破れて痛くて泣いても、三味線を続けていることを知っている。
「知り合いの知り合いに、子どもさんを欲しがってるひとがおるんよ。男のひと同士のカップルらしいけど、きっとあんさんらも男の子やさかい、たぁっぷり可愛がってもらえると思うわ」
その言葉に嫌な響きを感じ取ったのは、青藍だけではなかった。叔母の言う「可愛がる」が具体的には分からないが恐ろしい意味だと、真朱も感じ取って泣き出しそうになっている。
「まそほのことは、おれがまもる」
「せいちゃん、こあいよぉ」
ふぇぇと泣き出した真朱の手を握れば、三味線の練習で幼児とは思えないほど手の皮が硬くなっている。青藍の手も、きっとこんな感触なのだろう。
保育園で先生が言っていた。
水着で隠れる部分に触ってこようとするひとからは、逃げなさいと。
それに、この世には男女の他にアルファ、オメガ、ベータという性があって、男女問わず子どもを産めるオメガの発情期《ヒート》には、アルファは逆らえないことや、難しいことをいっぱい言っていたがその辺はよく覚えていない。
ただ、アルファがとても能力的に優れているということで、賢い自分はアルファで、年相応の真朱はベータかオメガなのではないかと思っていた。
青藍と真朱を引き取る相手の性別は男性だということは分かっているが、バース性までは分からない。バース性は繊細な問題なので、大抵の人が隠しているからだ。もしかすると、引き取るという男性二人は、青藍と真朱のバース性も利用するかもしれない。
青藍と真朱が行かされる場所はそういう場所なのかもしれない。
自分たちの三味線を背負って、少しだけの荷物を持って向かった先には、対照的な男性二人がいた。
片方は褐色の肌に長めの黒髪にお月様みたいな金色の目、もう片方は金色の短く刈った髪に白い肌に海のように青い目。
「初めまして、敷島響だよ」
褐色の肌の方が笑顔で自己紹介する。
「私は敷島薫ですよ。よろしくね」
金髪に青い目の方がウインクして名乗る。
見上げるほどの長身で逞しい体つき。彼らが青藍と真朱に何かいかがわしいことをしようとしたら、二人では抵抗もできないことは分かりきっていた。そんな悲劇を願って、叔母は青藍と真朱を送り出したのだろう。
「おれは、とおのせいらん、こっちはおとうとのまそほや」
差し出された握手を求める手から、真朱を守るように背中に隠す青藍の後ろで、真朱が「ふぇ」と泣き出しそうになった。目の前に現れた屈強な二人に驚いたのだろう。
「ここが真朱さんと青藍さんのお部屋です。お手洗いに近い場所にしたけれど、足りないものがあったら教えてくださいね」
叔母の家で詰め込まれていた冬は冷蔵庫、夏はサウナの物置のような狭い部屋かと警戒していれば、日当たりのいい広い窓がある裏庭に面した部屋で、清潔なレースのカーテンとドット模様の紫外線避けのカーテンがかけてあった。二段ベッドと、勉強用の机もある。
「おしゃみ、ひいても、おこらへん?」
「まそほ!」
部屋を覗いて涙を拭いた真朱が口にした言葉を、青藍が制した。そもそも、ここに来ることになったのは、真朱が三味線を本気で弾いてしまったせいだ。幼い真朱が褒められたいと思うのは当然だし、その才能に嫉妬した従兄と叔母の方が悪いに決まっているのだが、慎重に振舞わなければ何をされるか分からない状況に青藍は緊張しきっていた。
「三味線が弾けるの? 聞きたいなぁ」
「まー、おしゃみ、じょうずやねんで」
膝を折って目線を合わせて、優しい声で話しかけてくる響に、真朱はすぐに騙されてしまうが、腹の底で二人が何を考えているのか青藍は怖くてならなかった。純真で素直な真朱を守らないといけない。
「お祖父様とお祖母様のお教室に通っていたんですよね。ここからは遠くなってしまうから、新しいお教室を探しましょうか」
優しく言ってくれる薫の言葉も、真朱と青藍に取り入って、何かイケナイことをさせようとするようにしか思えず、青藍は真朱の手を握って、背中に隠し続けた。
「餃子作るけど、スープ餃子と焼き餃子、どっちが好き?」
「うちは皮から作るんですよ。お手伝いしてくれますか?」
「まー、おてつだい、したるで」
単純で騙されやすくて調子に乗りやすい双子の弟を守らなければいけない。餃子の皮を小さな麺棒で手の平の上で広げる響と、それを受け取って餃子の具を包んでしまう薫の連携プレーは見事なものだった。真朱と青藍もお手伝いと称して包ませてもらったが、独創的な形になってしまう。
肉厚の手を薫が添えて包ませてくれるのを、無邪気に真朱は喜んでいたが、青藍は嫌な下心があるのではないかと、割って入る。
「おれもしたいんやけど」
「いいですよ、青藍さんもお手手を出して」
暖かな手は壊れ物のようにそっと青藍の手に触れる。三味線で鍛えた手は、小さいが皮が厚くなっていて、年頃の幼児とは全く違うのに、こんな風に触られたことはない。撥を持つ手に手を添える祖父の手は、もっときつく、厳しかった気がする。
ふわりと薫から漂った甘い香りに、青藍はぞわりと背筋が寒くなった。
このひとたちは、オメガかもしれない。
「やぁや!」
「あ……」
自分でも訳の分からない感情が襲ってきて、薫の手を振り払ってしまった青藍の手から、餃子の皮と具が床に落ちた。叱られると反射的に頭を庇った青藍に、薫は緩やかな動きで膝をついて皮と具を拾い上げた。
「三秒ルールって知ってます?」
「床に落ちても三秒以内に拾い上げたらセーフってやつだね。大丈夫、焼くか、スープで煮ちゃうから、平気だよ」
手の平の上で器用に餃子の皮を伸ばしながら、響が大らかに笑う。
晩ご飯は、真朱がどちらか選べなかったので、焼き餃子とスープ餃子の両方になって、冷たい麦茶と一緒に食卓に並べられた。
「かわがモチモチしとる。おいしいなぁ」
「まそほ、たべすぎたら、おなかくだすで」
「だってぇ、おいしいんやもん」
確かに餃子はとても美味しかった。火傷をするからと暖かいものなど食べさせてもらったことがないし、目の前で作ってもらったこともない。焼き立ての湯気の出る皮がパリッとして噛むともちもちした焼き餃子や、美味しいスープに入った餃子には、青藍の警戒心も勝てなかった。
二人はお腹いっぱいそれを食べてしまった。
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