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後編 (受け視点)
4.運命を受け入れない英雄
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秋の入学式を前にしてミヒャエルはアルトゥロに伝えておかなければいけないことがあった。今までの英雄譚の物語通りに全てが進んでいるのだ。アルトゥロもそろそろ運命というものを信じ始めるころだろう。
幼い頃はミヒャエルも自分が19歳で死んでしまうなんていうことは信じたくない事実で、耳を塞いでしまいたかったが、それ以外に救われる道がないのだと理解すれば受け入れることができた。死は決して苦しくつらいだけのものではなく、救いなのだとルイーゼは言っていた。
「隣国の大魔法使いの依り代となるために、あなたには目印が付けられています。それは、あなたの色違いの目です」
「これは母上と同じものでは?」
「わたくしと同じ色ですが、あなたの目には依り代となる定めが宿っているのです」
左が金で右が水色の目はルイーゼと同じ色合いだったが、とても珍しいもののようだ。それが隣国の大魔法使いの依り代となって、魔王になるための目印として定められた証だと知ってから、ミヒャエルは前髪を長く伸ばしてその目が他のひとから見えないように隠して来た。長い金色の前髪に隠れた金と水色の目を、ルイーゼや親しいひとたち以外は知らないはずだ。
そもそも、ミヒャエルにはルイーゼ以外にはフリーダとアルトゥロという家族しかいない。それ以外でミヒャエルに近付く人物はいなかったし、学校でもずっと一人を貫き続けていた。
休みがちなミヒャエルに関して、教師たちも生徒も、存在しないかのように扱ってくれた。ミヒャエルの方も19歳で死ぬことが決まっているのに友人を作るような愚かな真似はしなかった。
「アルトゥロはあなたを救ってくれるのです。魔王として肉体だけ生かされるよりも、魂が消滅した後で肉体を殺してもらった方が、あなたも安心でしょう」
「魔王になってこの国に害をなしたいとは思いません」
「大丈夫です。アルトゥロが全て解決してくれます」
ミヒャエルにとってはアルトゥロは自分を魔王の呪縛から解き放ってくれる英雄だった。幼い頃から聞かされた英雄譚で憧れていたのに、実際に話してみると英雄譚を信じずにミヒャエルと殺さないと言い続ける駄々っ子のようで呆れてしまう。
それでもミヒャエルがアルトゥロに会いに行ったのは、大事な話があったからだった。
「兄上、来てくださったんですか?」
母屋の応接間に通されたミヒャエルが、アルトゥロを待っている間にお茶を飲んでいると、大きな図体をしておきながら子犬のように無邪気にアルトゥロが入ってくる。飛び付かれそうになって、ミヒャエルは紅茶のカップを持っていたので、片手でアルトゥロを制した。
こんなに親しくなるつもりはなかったのに、アルトゥロはなぜかミヒャエルに懐いているようだ。
「今年、君は僕と同じ高校に入学する。そこで夏に助けた王太子殿下と同じクラスになって学友になるだろう。ただ、気を付けた方がいい。その二か月後には、王太子殿下のクラスに不審者が忍び込んで王太子殿下を狙う。王太子殿下を助けようとする君は怪我を負ってしまうかもしれない」
王太子殿下のディーデリヒと同じクラスになることは名誉なことだし、ディーデリヒを助けるアルトゥロはきっと格好良くてディーデリヒはアルトゥロへの恋心を募らせることだろう。
同じクラスになるように手を回すくらいなのだから、ディーデリヒのアルトゥロへの関心の強さは並々ならぬものだった。英雄譚の話をすると、笑顔で無邪気に飛びついてこようとしたアルトゥロの機嫌が急に悪くなる。眉間に皺を寄せているのも、感情がこんなに分かりやすくて将来は国王の配偶者となるのにやって行けるのかミヒャエルは兄として心配でならない。
「それを俺に教えてどうしたいんだよ?」
「君が僕を殺すってことを信じないから、本当だと証明したいだけだ」
それだけではなかったので、ミヒャエルは一応「それに」と続けておく。
「先に言っておけば、君は怪我をしないで済むかもしれない」
不審者はグループで襲撃してきて、その一人が厳しい警備をかいくぐってディーデリヒとアルトゥロのクラスまで到達してしまう。その不審者が機関銃を持っていることも英雄譚には書かれていたので、ミヒャエルはディーデリヒを庇って怪我を負うアルトゥロが心配だったのだ。アルトゥロの怪我は酷いものではないが、体に傷が残ってしまう。銃弾の傷は長く痛むというし、できることならば怪我をしない未来をアルトゥロには選んで欲しかった。
話し終えて紅茶のカップを置いて立ち上がろうとすると、アルトゥロが身を乗り出してミヒャエルの手首を掴んで来た。大きな厚い手に、ミヒャエルはアルトゥロが青年になったのだと実感する。
「ちゃんと食べているのか?」
「……」
「食べていないのか?」
問いかけには上手く答えられなかった。食事をするのが苦手なことをアルトゥロに言ったところで理解されないだろう。ミヒャエルやルイーゼのような毒物に弱い体質のものの方が稀で、ほとんどの貴族は食事に混ぜられた微量の毒物など何の問題もなく慣れてしまう。体が弱いということは、貴族社会においては不利だと見せつけられている気分だった。
「安心して。君に殺される日まで、僕は死なないよ」
「そういうことじゃない。ちゃんと食べていないのか?」
「君は、幸せだね」
アルトゥロはきっとミヒャエルの苦労を理解する日は来ない。そうであっても、ミヒャエルにとってアルトゥロは英雄なので、それだけで何もかもが許される。
アルトゥロの大きな手が前髪を掻き上げて、色違いの目を見詰めてくる。金色の目と水色の目を人目に晒すのは不本意だったが、家族なのでアルトゥロは既にミヒャエルの目の色を知っているので構わないだろう。
じっとしていると、アルトゥロもじっとミヒャエルを見詰めている。
「僕の顔を覚えても、居なくなる人間だよ」
顔を見ていても面白くないだろうと息を吐くと、アルトゥロは厳しい表情になった。
「教えろ、俺はいつあなたを殺すんだ?」
遂にアルトゥロがミヒャエルを殺すことに興味を持った。ミヒャエルはようやくアルトゥロが英雄譚に書かれている運命を受け入れる気になったのかと、少しだけ安心する。
「僕が高校を卒業して一年経った頃……君が19歳になる前だよ」
「どうやってあなたを殺す?」
「興味を持ってきたの? 大丈夫だよ、そのときになれば、自然と分かるから」
「教えろ」
詰め寄られて、いつまでも目を晒しておくのは落ち着かないので、ミヒャエルはアルトゥロの手を払った。前髪がいつものように降りてきて目を隠すと、ほっと息をつく。掴まれていた手首も振り払ってミヒャエルは応接間を出ようとした。
「他国がこの国を狙って、憑依魔法を完成させつつある。僕はその憑依魔法の依り代に選ばれる。憑依された僕はもう僕ではない、この国を破滅させる魔王だから、君は心置きなく僕を殺せばいい」
去り際に告げたミヒャエルの死ぬ日のこと。ミヒャエルにとっては毒を食むような生活からも、隣国の大魔法使いが魔王となるための依り代となる恐怖からも、全て解放されて救われる日に違いなかった。
「そんなの、納得できるか!」
「もう決まったことなんだ。運命を受け入れるしかない」
どうしてアルトゥロは頑なに運命を受け入れないのかミヒャエルには分からない。ミヒャエルにとっては、生きていることはさほど意味のあることではない。本来ならば依り代となることが決まっているのならば、先に自分で命を断っておくべきなのかもしれないが、ミヒャエルが死んでしまえば隣国の大魔法使いは新しい依り代を探すだろう。その依り代となる人物がアルトゥロに殺されるかどうかは分からない。
国を救うためにも、アルトゥロの英雄譚を美しく大団円で終わらせるためにも、ミヒャエルの死は必要不可欠だった。
「母上も言っていた。英雄アルトゥロは僕を救ってくれるんだって」
死は恐怖と苦しみではない。救いなのだというルイーゼの言葉がミヒャエルの中で強く光り輝いていた。
幼い頃はミヒャエルも自分が19歳で死んでしまうなんていうことは信じたくない事実で、耳を塞いでしまいたかったが、それ以外に救われる道がないのだと理解すれば受け入れることができた。死は決して苦しくつらいだけのものではなく、救いなのだとルイーゼは言っていた。
「隣国の大魔法使いの依り代となるために、あなたには目印が付けられています。それは、あなたの色違いの目です」
「これは母上と同じものでは?」
「わたくしと同じ色ですが、あなたの目には依り代となる定めが宿っているのです」
左が金で右が水色の目はルイーゼと同じ色合いだったが、とても珍しいもののようだ。それが隣国の大魔法使いの依り代となって、魔王になるための目印として定められた証だと知ってから、ミヒャエルは前髪を長く伸ばしてその目が他のひとから見えないように隠して来た。長い金色の前髪に隠れた金と水色の目を、ルイーゼや親しいひとたち以外は知らないはずだ。
そもそも、ミヒャエルにはルイーゼ以外にはフリーダとアルトゥロという家族しかいない。それ以外でミヒャエルに近付く人物はいなかったし、学校でもずっと一人を貫き続けていた。
休みがちなミヒャエルに関して、教師たちも生徒も、存在しないかのように扱ってくれた。ミヒャエルの方も19歳で死ぬことが決まっているのに友人を作るような愚かな真似はしなかった。
「アルトゥロはあなたを救ってくれるのです。魔王として肉体だけ生かされるよりも、魂が消滅した後で肉体を殺してもらった方が、あなたも安心でしょう」
「魔王になってこの国に害をなしたいとは思いません」
「大丈夫です。アルトゥロが全て解決してくれます」
ミヒャエルにとってはアルトゥロは自分を魔王の呪縛から解き放ってくれる英雄だった。幼い頃から聞かされた英雄譚で憧れていたのに、実際に話してみると英雄譚を信じずにミヒャエルと殺さないと言い続ける駄々っ子のようで呆れてしまう。
それでもミヒャエルがアルトゥロに会いに行ったのは、大事な話があったからだった。
「兄上、来てくださったんですか?」
母屋の応接間に通されたミヒャエルが、アルトゥロを待っている間にお茶を飲んでいると、大きな図体をしておきながら子犬のように無邪気にアルトゥロが入ってくる。飛び付かれそうになって、ミヒャエルは紅茶のカップを持っていたので、片手でアルトゥロを制した。
こんなに親しくなるつもりはなかったのに、アルトゥロはなぜかミヒャエルに懐いているようだ。
「今年、君は僕と同じ高校に入学する。そこで夏に助けた王太子殿下と同じクラスになって学友になるだろう。ただ、気を付けた方がいい。その二か月後には、王太子殿下のクラスに不審者が忍び込んで王太子殿下を狙う。王太子殿下を助けようとする君は怪我を負ってしまうかもしれない」
王太子殿下のディーデリヒと同じクラスになることは名誉なことだし、ディーデリヒを助けるアルトゥロはきっと格好良くてディーデリヒはアルトゥロへの恋心を募らせることだろう。
同じクラスになるように手を回すくらいなのだから、ディーデリヒのアルトゥロへの関心の強さは並々ならぬものだった。英雄譚の話をすると、笑顔で無邪気に飛びついてこようとしたアルトゥロの機嫌が急に悪くなる。眉間に皺を寄せているのも、感情がこんなに分かりやすくて将来は国王の配偶者となるのにやって行けるのかミヒャエルは兄として心配でならない。
「それを俺に教えてどうしたいんだよ?」
「君が僕を殺すってことを信じないから、本当だと証明したいだけだ」
それだけではなかったので、ミヒャエルは一応「それに」と続けておく。
「先に言っておけば、君は怪我をしないで済むかもしれない」
不審者はグループで襲撃してきて、その一人が厳しい警備をかいくぐってディーデリヒとアルトゥロのクラスまで到達してしまう。その不審者が機関銃を持っていることも英雄譚には書かれていたので、ミヒャエルはディーデリヒを庇って怪我を負うアルトゥロが心配だったのだ。アルトゥロの怪我は酷いものではないが、体に傷が残ってしまう。銃弾の傷は長く痛むというし、できることならば怪我をしない未来をアルトゥロには選んで欲しかった。
話し終えて紅茶のカップを置いて立ち上がろうとすると、アルトゥロが身を乗り出してミヒャエルの手首を掴んで来た。大きな厚い手に、ミヒャエルはアルトゥロが青年になったのだと実感する。
「ちゃんと食べているのか?」
「……」
「食べていないのか?」
問いかけには上手く答えられなかった。食事をするのが苦手なことをアルトゥロに言ったところで理解されないだろう。ミヒャエルやルイーゼのような毒物に弱い体質のものの方が稀で、ほとんどの貴族は食事に混ぜられた微量の毒物など何の問題もなく慣れてしまう。体が弱いということは、貴族社会においては不利だと見せつけられている気分だった。
「安心して。君に殺される日まで、僕は死なないよ」
「そういうことじゃない。ちゃんと食べていないのか?」
「君は、幸せだね」
アルトゥロはきっとミヒャエルの苦労を理解する日は来ない。そうであっても、ミヒャエルにとってアルトゥロは英雄なので、それだけで何もかもが許される。
アルトゥロの大きな手が前髪を掻き上げて、色違いの目を見詰めてくる。金色の目と水色の目を人目に晒すのは不本意だったが、家族なのでアルトゥロは既にミヒャエルの目の色を知っているので構わないだろう。
じっとしていると、アルトゥロもじっとミヒャエルを見詰めている。
「僕の顔を覚えても、居なくなる人間だよ」
顔を見ていても面白くないだろうと息を吐くと、アルトゥロは厳しい表情になった。
「教えろ、俺はいつあなたを殺すんだ?」
遂にアルトゥロがミヒャエルを殺すことに興味を持った。ミヒャエルはようやくアルトゥロが英雄譚に書かれている運命を受け入れる気になったのかと、少しだけ安心する。
「僕が高校を卒業して一年経った頃……君が19歳になる前だよ」
「どうやってあなたを殺す?」
「興味を持ってきたの? 大丈夫だよ、そのときになれば、自然と分かるから」
「教えろ」
詰め寄られて、いつまでも目を晒しておくのは落ち着かないので、ミヒャエルはアルトゥロの手を払った。前髪がいつものように降りてきて目を隠すと、ほっと息をつく。掴まれていた手首も振り払ってミヒャエルは応接間を出ようとした。
「他国がこの国を狙って、憑依魔法を完成させつつある。僕はその憑依魔法の依り代に選ばれる。憑依された僕はもう僕ではない、この国を破滅させる魔王だから、君は心置きなく僕を殺せばいい」
去り際に告げたミヒャエルの死ぬ日のこと。ミヒャエルにとっては毒を食むような生活からも、隣国の大魔法使いが魔王となるための依り代となる恐怖からも、全て解放されて救われる日に違いなかった。
「そんなの、納得できるか!」
「もう決まったことなんだ。運命を受け入れるしかない」
どうしてアルトゥロは頑なに運命を受け入れないのかミヒャエルには分からない。ミヒャエルにとっては、生きていることはさほど意味のあることではない。本来ならば依り代となることが決まっているのならば、先に自分で命を断っておくべきなのかもしれないが、ミヒャエルが死んでしまえば隣国の大魔法使いは新しい依り代を探すだろう。その依り代となる人物がアルトゥロに殺されるかどうかは分からない。
国を救うためにも、アルトゥロの英雄譚を美しく大団円で終わらせるためにも、ミヒャエルの死は必要不可欠だった。
「母上も言っていた。英雄アルトゥロは僕を救ってくれるんだって」
死は恐怖と苦しみではない。救いなのだというルイーゼの言葉がミヒャエルの中で強く光り輝いていた。
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