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最終章 勇者と妖精種と聖女の結婚
9.可愛いと愛してるの関係
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翌朝には青慈はかなり動けるようになっていたが、朱雀は寝間着から着替えるときも手伝ったし、寝室から出て居間に降りて行く階段ではお姫様抱っこをした。
「もう平気だよ」
「青慈はそう言って無理をする。無理をするとよくならないよ」
「過保護なんだから」
「それは昔から分かっていることだろう?」
青慈に答えると、大人しくなって居間の長椅子に座っていた。畑仕事は杏と緑に手伝ってもらって、その間青慈は濡れ縁に座って白と雪と卯花の小屋の掃除と餌やりだけしていてもらう。白も雪も卯花も、青慈の様子がおかしいのに気付いているのか、小屋を出されて掃除している間も、遠くへ逃げたりせず濡れ縁で大根の葉っぱを食んでいた。
「今日はお散歩は無理かな。ごめんね、白ちゃん、雪ちゃん、卯花ちゃん」
白と雪と卯花に青慈が謝っているのを聞きながら、朱雀は畑の世話を終えた。
「杏さん、緑さん、ありがとう」
「どういたしまして」
「青慈、お大事にね」
手伝ってくれていた杏と緑も青慈のことを心配してくれていた。肩を貸して家の中に戻って、青慈を長椅子に座らせて朱雀は朝ご飯を作る。炊き込みご飯が炊けるいい匂いに、青慈が目を細めているのが分かる。
「今日はおこわかな?」
「豚肉と山菜のおこわだよ」
「お味噌汁の具は?」
「人参と大根。青慈が早くよくなるようにマンドラゴラを使ったよ」
「いい匂いがする。焼き魚?」
「味の味醂干しが美味しそうにできてたから、それを焼いてるよ」
居間に青慈がいるだけで朱雀はこれだけ幸福な気分になれるのかと実感していた。青慈が部屋に閉じこもってしまって、話しかけても返事が戻って来ない日々は寂しくてつらかった。
「青慈、私は……」
「お父さん、朝ご飯が終わったら、銀先生のところに行くけど……あ、何か言いかけた?」
「いや、何も。銀さんのところにはついていくつもりだよ」
朝ご飯の支度をすると、青慈は長椅子の背もたれや椅子の背もたれを掴んで、なんとか歩いてくる。昨日よりもかなり足首の痛みはマシになったようだった。
朝ご飯を食べ終わると、朱雀が食器の片付けをして、青慈は出かける準備をしている。びっしりと脚本と演出の書かれた帳面を確認して何冊も腰の鞄に入れている。
片付けが終わると、朱雀が青慈を支えて、青慈が転移の魔法を使って銀鼠の屋敷に飛んだ。銀鼠の屋敷には玄武も来ていた。
「朱雀、青慈とはうまくいったのか?」
明るく聞いてくる玄武に、朱雀は思わず詰め寄ってしまう。
「青慈に何を教えたんだ?」
「そりゃ、大事なことだよ。男性同士の行為で使う場所は、本来受け入れるところじゃないから、無理やりにしてしまうと、血を見るだろう?」
「なんでそれを、玄武が教えるんだ!」
「朱雀に教えられることじゃないからだよ。こういうのは経験者の方が教えられる」
言っていることはいちいちもっともなのだが、朱雀は苛々として仕方がない。あっけらかんと玄武が閨ごとについて青慈に教えてしまったのが、酷く悔しくて仕方がないのだ。
「私が教えたかった……」
「朱雀、そういう趣味だったのか」
「趣味ってなんだ! 言い方が悪いな!」
「いや、朱雀の独占欲もなかなかだなと思って」
「独占したいに決まってるだろう! 青慈の初めては何でも私のものにしたい!」
大声で言ってしまってから、朱雀は青慈が自分に支えられていて、玄武の後ろには銀鼠が声をかけにくそうに立っているのに気付いた。勢いに任せて朱雀は何ということを言ってしまったのだろう。
「青慈の初めてで最後の男になりたいなんて、青慈はものすごい相手に愛されちゃったなぁ」
「これは、愛なのか?」
「愛以外のなんだっていうんだよ?」
玄武に言われて、朱雀は青慈の顔を見た。青慈は耳まで真っ赤になっている。
「お父さん……いや、朱雀。それは、本当?」
「本当だよ。私は玄武に嫉妬してた」
「俺が玄武さんに男同士でのやり方を聞いたから?」
「そうだよ。私が青慈に何もかも教えたかった。青慈の初めての相手になりたかった」
その答えに青慈は花の咲き零れるような笑顔を見せた。美しい笑顔に朱雀の心臓が跳ねる。朱雀がどぎまぎしていると、青慈が朱雀の肩を抱く。
「嬉しい。朱雀、俺の愛してる」
「私も……多分」
これが愛だというのならば、朱雀も青慈のことを愛していることになるのだろう。玄武と銀鼠の前で大告白をしてしまった朱雀は恥ずかしくて、銀鼠の屋敷の長椅子に座ってお茶を飲んでいた。その間に青慈は銀鼠に帳面を見せてピアノの前に椅子を持って来て座って打ち合わせをしている。
脚本の内容を読みながら、銀鼠は浮かんだ旋律をピアノで弾いていく。それを聞いて青慈がまた意見を言う。
「勇者大根と聖女人参に負けるところから始まるが、四天王との恋物語の始まりでもあるから、ここは甘めに行きたいと思う」
「ちょっと悲壮感を出してもいいんじゃないかな?」
「四天王は負けた魔王を憐れんで、そこから愛情が芽生えるのか」
「うんうん、そんな感じで」
熱心に打ち合わせをしている銀鼠と青慈を見ていると、玄武が朱雀の前の長椅子に座った。
「最初は小さかったけど、立派な大人になったなぁ、青慈も」
「私が大事に育てたからな」
「可愛い息子が、旦那様になった感想はどうなんだ?」
「旦那様って感じはしないな。青慈は可愛いままだ」
打ち合わせの邪魔にならないように声を潜めて話す朱雀と玄武。玄武がふと笑みを漏らす。
「可愛いっていう漢字には、愛するが入ってるんだぞ、知ってたか?」
「そういえばそうだな」
「ずっと朱雀は青慈を愛してたんじゃないか」
可愛いという文字には、愛するという漢字が入っている。それを言われればその通りで、朱雀はずっと青慈を可愛いと言い続けてきたが、同じように愛しているとも言い続けて来たのではないかという気になる。
青慈には通じていなかったし、朱雀自身も気付いていなかったが、ずっと朱雀は青慈を愛してきた。
「私は青慈を愛している……」
「間違いなくな」
「そうだったのか」
すとんと腑に落ちた気がして朱雀が青慈を見ると、視線に気づいた青慈が手を振っている。可愛い笑顔は幼い頃と変わっていないが、青慈が立派な大人の男性になっていることは朱雀もよく知っていた。
「それにしても、私は青慈のオムツを替えたことがあるのに、お手洗いで待っているのを嫌がるし、お風呂も一緒は嫌がるって何なんだろう」
ぽろりと疑問を口にすると、玄武が沈痛な面持ちで額に手をやっている。
「まだそういう関係になってないんだったら、一緒に風呂に入ったら嫌でも意識するし、お手洗いは、あれだろ?」
「あれってなんだ?」
「朱雀、もしかして、お前、一人で処理したこと、ない?」
「何を処理するんだ?」
全然意味の分からない朱雀に、玄武が頭を掻いて深々とため息を吐く。
「これは、青慈が気の毒だったな」
「どういうことなんだ。教えてくれ、玄武」
「まさか、一人でしたことがないなんて……」
「玄武、どういうことだ?」
説明を求める朱雀に、玄武がはっきりと言う。
「これを俺が説明したら、また青慈と拗れるだけだ。朱雀が青慈に初めては全部自分が教えたいように、青慈も朱雀に初めてのことは教えたいだろう」
「一緒に勉強しろってことか?」
「まぁ、そうだな。青慈も苦労するよ」
しみじみと青慈を気の毒に思う玄武に、朱雀は自分が恋愛感情というものをよく分かっていないがために、青慈に何か苦労を掛けたことだけは理解した。今後そういうことがないように話し合いが必要なのかもしれない。
青慈の方を見ると椅子から立ち上がるところだった。よろけそうな青慈の元に駆け寄って、朱雀は抱き留める。
「帰ろう、朱雀」
「そうだな。青慈」
「お世話になりました、銀先生」
「あぁ、また曲ができたら連絡する」
「お疲れ様、銀さん」
挨拶をして青慈を支えると、玄武が声をかけてくる。
「青慈、朱雀は相当鈍いから、苦労すると思うけど、よろしく頼むな」
「はい! 俺、朱雀を大事にするよ!」
元気よく宣言した青慈の表情に、朱雀はほっと息を吐いていた。
「もう平気だよ」
「青慈はそう言って無理をする。無理をするとよくならないよ」
「過保護なんだから」
「それは昔から分かっていることだろう?」
青慈に答えると、大人しくなって居間の長椅子に座っていた。畑仕事は杏と緑に手伝ってもらって、その間青慈は濡れ縁に座って白と雪と卯花の小屋の掃除と餌やりだけしていてもらう。白も雪も卯花も、青慈の様子がおかしいのに気付いているのか、小屋を出されて掃除している間も、遠くへ逃げたりせず濡れ縁で大根の葉っぱを食んでいた。
「今日はお散歩は無理かな。ごめんね、白ちゃん、雪ちゃん、卯花ちゃん」
白と雪と卯花に青慈が謝っているのを聞きながら、朱雀は畑の世話を終えた。
「杏さん、緑さん、ありがとう」
「どういたしまして」
「青慈、お大事にね」
手伝ってくれていた杏と緑も青慈のことを心配してくれていた。肩を貸して家の中に戻って、青慈を長椅子に座らせて朱雀は朝ご飯を作る。炊き込みご飯が炊けるいい匂いに、青慈が目を細めているのが分かる。
「今日はおこわかな?」
「豚肉と山菜のおこわだよ」
「お味噌汁の具は?」
「人参と大根。青慈が早くよくなるようにマンドラゴラを使ったよ」
「いい匂いがする。焼き魚?」
「味の味醂干しが美味しそうにできてたから、それを焼いてるよ」
居間に青慈がいるだけで朱雀はこれだけ幸福な気分になれるのかと実感していた。青慈が部屋に閉じこもってしまって、話しかけても返事が戻って来ない日々は寂しくてつらかった。
「青慈、私は……」
「お父さん、朝ご飯が終わったら、銀先生のところに行くけど……あ、何か言いかけた?」
「いや、何も。銀さんのところにはついていくつもりだよ」
朝ご飯の支度をすると、青慈は長椅子の背もたれや椅子の背もたれを掴んで、なんとか歩いてくる。昨日よりもかなり足首の痛みはマシになったようだった。
朝ご飯を食べ終わると、朱雀が食器の片付けをして、青慈は出かける準備をしている。びっしりと脚本と演出の書かれた帳面を確認して何冊も腰の鞄に入れている。
片付けが終わると、朱雀が青慈を支えて、青慈が転移の魔法を使って銀鼠の屋敷に飛んだ。銀鼠の屋敷には玄武も来ていた。
「朱雀、青慈とはうまくいったのか?」
明るく聞いてくる玄武に、朱雀は思わず詰め寄ってしまう。
「青慈に何を教えたんだ?」
「そりゃ、大事なことだよ。男性同士の行為で使う場所は、本来受け入れるところじゃないから、無理やりにしてしまうと、血を見るだろう?」
「なんでそれを、玄武が教えるんだ!」
「朱雀に教えられることじゃないからだよ。こういうのは経験者の方が教えられる」
言っていることはいちいちもっともなのだが、朱雀は苛々として仕方がない。あっけらかんと玄武が閨ごとについて青慈に教えてしまったのが、酷く悔しくて仕方がないのだ。
「私が教えたかった……」
「朱雀、そういう趣味だったのか」
「趣味ってなんだ! 言い方が悪いな!」
「いや、朱雀の独占欲もなかなかだなと思って」
「独占したいに決まってるだろう! 青慈の初めては何でも私のものにしたい!」
大声で言ってしまってから、朱雀は青慈が自分に支えられていて、玄武の後ろには銀鼠が声をかけにくそうに立っているのに気付いた。勢いに任せて朱雀は何ということを言ってしまったのだろう。
「青慈の初めてで最後の男になりたいなんて、青慈はものすごい相手に愛されちゃったなぁ」
「これは、愛なのか?」
「愛以外のなんだっていうんだよ?」
玄武に言われて、朱雀は青慈の顔を見た。青慈は耳まで真っ赤になっている。
「お父さん……いや、朱雀。それは、本当?」
「本当だよ。私は玄武に嫉妬してた」
「俺が玄武さんに男同士でのやり方を聞いたから?」
「そうだよ。私が青慈に何もかも教えたかった。青慈の初めての相手になりたかった」
その答えに青慈は花の咲き零れるような笑顔を見せた。美しい笑顔に朱雀の心臓が跳ねる。朱雀がどぎまぎしていると、青慈が朱雀の肩を抱く。
「嬉しい。朱雀、俺の愛してる」
「私も……多分」
これが愛だというのならば、朱雀も青慈のことを愛していることになるのだろう。玄武と銀鼠の前で大告白をしてしまった朱雀は恥ずかしくて、銀鼠の屋敷の長椅子に座ってお茶を飲んでいた。その間に青慈は銀鼠に帳面を見せてピアノの前に椅子を持って来て座って打ち合わせをしている。
脚本の内容を読みながら、銀鼠は浮かんだ旋律をピアノで弾いていく。それを聞いて青慈がまた意見を言う。
「勇者大根と聖女人参に負けるところから始まるが、四天王との恋物語の始まりでもあるから、ここは甘めに行きたいと思う」
「ちょっと悲壮感を出してもいいんじゃないかな?」
「四天王は負けた魔王を憐れんで、そこから愛情が芽生えるのか」
「うんうん、そんな感じで」
熱心に打ち合わせをしている銀鼠と青慈を見ていると、玄武が朱雀の前の長椅子に座った。
「最初は小さかったけど、立派な大人になったなぁ、青慈も」
「私が大事に育てたからな」
「可愛い息子が、旦那様になった感想はどうなんだ?」
「旦那様って感じはしないな。青慈は可愛いままだ」
打ち合わせの邪魔にならないように声を潜めて話す朱雀と玄武。玄武がふと笑みを漏らす。
「可愛いっていう漢字には、愛するが入ってるんだぞ、知ってたか?」
「そういえばそうだな」
「ずっと朱雀は青慈を愛してたんじゃないか」
可愛いという文字には、愛するという漢字が入っている。それを言われればその通りで、朱雀はずっと青慈を可愛いと言い続けてきたが、同じように愛しているとも言い続けて来たのではないかという気になる。
青慈には通じていなかったし、朱雀自身も気付いていなかったが、ずっと朱雀は青慈を愛してきた。
「私は青慈を愛している……」
「間違いなくな」
「そうだったのか」
すとんと腑に落ちた気がして朱雀が青慈を見ると、視線に気づいた青慈が手を振っている。可愛い笑顔は幼い頃と変わっていないが、青慈が立派な大人の男性になっていることは朱雀もよく知っていた。
「それにしても、私は青慈のオムツを替えたことがあるのに、お手洗いで待っているのを嫌がるし、お風呂も一緒は嫌がるって何なんだろう」
ぽろりと疑問を口にすると、玄武が沈痛な面持ちで額に手をやっている。
「まだそういう関係になってないんだったら、一緒に風呂に入ったら嫌でも意識するし、お手洗いは、あれだろ?」
「あれってなんだ?」
「朱雀、もしかして、お前、一人で処理したこと、ない?」
「何を処理するんだ?」
全然意味の分からない朱雀に、玄武が頭を掻いて深々とため息を吐く。
「これは、青慈が気の毒だったな」
「どういうことなんだ。教えてくれ、玄武」
「まさか、一人でしたことがないなんて……」
「玄武、どういうことだ?」
説明を求める朱雀に、玄武がはっきりと言う。
「これを俺が説明したら、また青慈と拗れるだけだ。朱雀が青慈に初めては全部自分が教えたいように、青慈も朱雀に初めてのことは教えたいだろう」
「一緒に勉強しろってことか?」
「まぁ、そうだな。青慈も苦労するよ」
しみじみと青慈を気の毒に思う玄武に、朱雀は自分が恋愛感情というものをよく分かっていないがために、青慈に何か苦労を掛けたことだけは理解した。今後そういうことがないように話し合いが必要なのかもしれない。
青慈の方を見ると椅子から立ち上がるところだった。よろけそうな青慈の元に駆け寄って、朱雀は抱き留める。
「帰ろう、朱雀」
「そうだな。青慈」
「お世話になりました、銀先生」
「あぁ、また曲ができたら連絡する」
「お疲れ様、銀さん」
挨拶をして青慈を支えると、玄武が声をかけてくる。
「青慈、朱雀は相当鈍いから、苦労すると思うけど、よろしく頼むな」
「はい! 俺、朱雀を大事にするよ!」
元気よく宣言した青慈の表情に、朱雀はほっと息を吐いていた。
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