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四章 結婚までの道のり
17.曖昧な結婚の返事
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何日も同じ街で公演を続ける場合にはその街で宿を取るが、街まで行くときや帰ってくるときには紫音は転移の魔法を使うようになっていた。どうしても宿の食事が美味しくなくて我慢できないときにも転移の魔法を使って帰ってくるので、朱雀は急いで料理の品数を増やして対応しなければいけなかった。
「連絡なしに帰ってくるのは控えてよね、紫音ちゃん」
「ごめんごめん。宿のご飯があまりにも美味しくなかったんだもん」
「せめて晩ご飯を作る前に連絡して」
「公演中だったのよ、ごめんね、青慈」
全く悪いと思っていない口調で謝って、紫音は空になったお茶碗を差し出す。
「お父さん、お代わり!」
「よかった、前に炊いたご飯が残ってて」
「お父さんのご飯は最高に美味しいわ。この回鍋肉、いくらでも食べられちゃう」
「俺の分も残しておいてよね!」
口うるさく青慈が言うのは、紫音が急に帰って来て「お腹が空いたー! お父さんー!」と言うと朱雀が慌てるのを知っているからだ。青慈の優しさなのだと朱雀には分かっているので嬉しさしかない。
「朱雀さん、そろそろ畑の収穫の時期じゃない?」
「そうだね。明日か明後日に収穫をしようと思っているけれど」
「明日は帰ってくるから、明後日の朝にみんなでしましょう」
藍に提案されて朱雀は驚いてしまった。
「藍さん、いいのか?」
「いいのかも、何も、今まで通りじゃない。畑の収穫が大変なのは分かってるわよ。今年は杏さんと緑さんの畑の収穫も手伝わなきゃいけないから、公演は秋の間はしばらくお休みね」
「私もそれを言おうと思って帰って来たの!」
「紫音ちゃん、ご飯三杯食べた後だと、説得力がないよ」
「だって美味しいんだもん!」
全く悪びれることのない紫音は最後のひと口を飲み込んで元気に笑っていた。
その晩、杏に男の子の赤ん坊が生まれて、次の朝に緑に女の子の赤ん坊が生まれた。麓の街に念のため泊まり込んでいた杏と緑の一家は、無事に出産を終えて、三日後に山の集落に戻ってくるという話が朱雀と青慈の元にも届いていた。
「杏さんも緑さんも安産だった。よかったね」
「男の子と女の子か。同じ日に生まれるなんて運命的だな」
杏と緑の子どもは上の子も女の子と男の子で性別が違って、同じ学年で生まれている。下の子は同じ日に生まれて、性別が違って、同じ学年だなんて、杏と緑の仲のよさを表したかのようだった。
その日の夜に戻って来た紫音と藍も、杏と緑のところに赤ん坊が生まれた知らせを聞いて喜んでいた。
「杏さんのところが男の子ってことは、上の子が女の子だから、男女そろったのね。緑さんのところは女の子で、上の子が男の子だから男女そろって、二組とも同じ学年なんて、杏さんと緑さんはすごいわ」
「杏さんと緑さんが決めたことじゃないんでしょうけど、偶然にしてもすごいわね」
紫音も藍もにこにことして語っている。今日は帰ってくることが分かっていたので食事も紫音と藍の分をきっちりと作っていた。晩ご飯はキノコの炊き込みご飯と、秋刀魚の塩焼きと、豚汁だった。
「秋刀魚だ! もう秋になったのね」
「今年の秋刀魚は脂がのってるかしら?」
目を輝かせる紫音も藍も秋刀魚が大好物だ。元々魚好きの青慈も青い目をきらきらさせて箸で解して食べている。
「今年は鮎を食べなかったわ」
「来年は食べられるかな」
「紫音ちゃんと藍さんは食べ物のことばっかりだね」
笑われてしまって紫音と藍は顔を見合わせる。笑っている青慈に紫音と藍が意地悪な顔になっていた。
「青慈は何をして過ごしていたの?」
「脚本の手直しや銀先生との打ち合わせ、それに舞台の立ち位置の絵を描いて、山の見回りをして、畑仕事をして……」
「それだけ?」
「それだけって、なに?」
不審そうな顔になった青慈に、紫音がちらちらと朱雀の方を見てくる。
「お父さんとはどうなのよ?」
「普通だよ」
「普通ってどんな感じ?」
「紫音ちゃんと藍さんのいたときと変わらないってこと」
正直に答える青慈に、紫音が大袈裟にため息を吐く。
「やっぱり、青慈はお子様ね」
「どういう意味?」
「二人きりになったら、もっと、こう、あるでしょう?」
「なにが?」
「それを言わせちゃうのが、もう、お子様なのよ」
揶揄っている口調の紫音に、青慈が食べ終わってお皿を台所の流しに持って行った。戻って来た青慈は紫音の座っている場所のすぐそばに手を突く。
「俺はお父さんに無理強いしたいなんて思わないんだ。お父さんの方がちゃんと俺を受け入れられるようになるまで待つつもりだよ」
「それって、何百年もかかるかもしれないわよ? お父さん、鈍いから」
「何百年でも待つよ」
はっきりと答えた青慈に、少し遅れて食べていた朱雀は耳まで熱くなってくる。目の前で青慈と紫音に自分と青慈の話をされているし、その上で青慈は何百年かかっても朱雀が青慈を受け入れられるようになるまで待つと言っている。
「紫音ちゃんこそ、どうなの?」
「う……」
「藍さんといい感じになれたの?」
「青慈ぃー! 藍さん、私がもうちょっと大人になるまでダメだって口付けもさせてくれないのよぉー!」
自信満々に青慈を揶揄っていたはずの紫音の方が青慈に問われて泣き声になっている。やはり落ち着きのある青慈の方が、猪突猛進の紫音よりも強かったようだ。紫音にどれだけ泣かされても、絶対に紫音に手を上げないし、紫音のことを尊重し続けた青慈は、優しく頼れる兄のままだった。
泣き付かれて青慈が苦笑している。
「紫音ちゃんはまだ15歳だもの。早いって藍さんも思ったんだよ」
「何歳になればいいのかな?」
「それは藍さんとお話ししないと」
「藍さんは16歳で結婚したって言ってたわ。私も16歳で結婚してもいいと思うの」
紫音の宣言に、青慈が微笑む。
「紫音ちゃんが16歳で結婚できるんだったら、俺は18歳になったらお父さんと結婚するつもりだから、一緒に結婚式ができるね」
「え!? 青慈と紫音が一緒に結婚式を!?」
「お父さんと俺、藍さんと紫音ちゃんで結婚するんだよ?」
「それは分かってるけど、青慈の花婿姿と、紫音の花嫁姿を一度に見られるなんて、私は幸せで泣いてしまいそうだ」
「分かるわ、朱雀さん! 私もきっと泣く!」
自分たちの結婚式なのに青慈と紫音の晴れ姿を見られるとなると泣く予感しかしないのは朱雀だけではなくて、藍も同じようだった。大事に育てて来た青慈と紫音が綺麗な衣装で結婚式を挙げるとなるだけで、朱雀も藍も感慨深さで胸がいっぱいになってしまう。
「結婚式の衣装を仕立て職人さんに頼まないと!」
「麓の街の仕立て職人じゃダメよ。王都の仕立て職人に頼みましょう」
「そうだな、王都に銀さんに……」
「朱雀さん、紫音と青慈も転移の魔法が使えるのよ」
衣装について盛り上がる朱雀と藍に、青慈と紫音が真面目な顔になっている。
「お父さん、俺と結婚してくれるの?」
「藍さん、私と結婚していいの?」
そこでようやく、朱雀と藍は自分たちが青慈と紫音の相手だということに思い至った。顔を見合わせてお互いを見てから、どちらが先に返事をするか譲り合う。
「こういうのは女性優先で」
「朱雀さん、男なんだからビシッと決めなさいよ」
「紫音が待ってるよ」
「青慈だって待ってるわよ」
譲り合って返事をしない朱雀と藍に、青慈と紫音がため息を吐いていた。
「結婚の衣装、お父さんの分も作ってもらうんだからね?」
「藍さんの衣装、絶対素敵だと思うわ! 作ってもらいましょうね」
詰め寄られて朱雀と藍は曖昧に微笑む。すっきりと「はい」と返事ができないのは、年の差や諸々気になることがあるからだった。
その日はそれぞれの部屋で休んで、翌朝は収穫のために早起きをした。太陽が昇り切る前に畑に出て、青慈と紫音が鎧を着た大根とドレスを着た人参を連れてマンドラゴラの植えてある畝の前に立つ。
「大根さん、お願い」
「人参さん、やっちゃって!」
「びゃい!」
「びょえびょわ!」
鎧を着た大根とドレスを着た人参に声をかけられて夏に収穫を終えた大根と人参と蕪以外のマンドラゴラがぞろぞろと出て来る。出て来たマンドラゴラは藍が一匹一匹綺麗に洗って、濡れ縁に並んで座らせて乾かしていた。
薬草も種を残す株以外は全部収穫してしまう。
収穫が終わると、朱雀は青慈と紫音と藍と一緒に杏の家の畑に行った。赤ん坊が生まれるので病院に通えるように麓の村に行っているときから、赤ん坊が生まれた後の今も、杏と緑の畑は朱雀たちにお願いされていた。
草むしりをして、畑に水を上げて、緑の家の畑も同じく世話をして戻る。
秋が深まって、山の木々も紅葉を迎えていた。
「連絡なしに帰ってくるのは控えてよね、紫音ちゃん」
「ごめんごめん。宿のご飯があまりにも美味しくなかったんだもん」
「せめて晩ご飯を作る前に連絡して」
「公演中だったのよ、ごめんね、青慈」
全く悪いと思っていない口調で謝って、紫音は空になったお茶碗を差し出す。
「お父さん、お代わり!」
「よかった、前に炊いたご飯が残ってて」
「お父さんのご飯は最高に美味しいわ。この回鍋肉、いくらでも食べられちゃう」
「俺の分も残しておいてよね!」
口うるさく青慈が言うのは、紫音が急に帰って来て「お腹が空いたー! お父さんー!」と言うと朱雀が慌てるのを知っているからだ。青慈の優しさなのだと朱雀には分かっているので嬉しさしかない。
「朱雀さん、そろそろ畑の収穫の時期じゃない?」
「そうだね。明日か明後日に収穫をしようと思っているけれど」
「明日は帰ってくるから、明後日の朝にみんなでしましょう」
藍に提案されて朱雀は驚いてしまった。
「藍さん、いいのか?」
「いいのかも、何も、今まで通りじゃない。畑の収穫が大変なのは分かってるわよ。今年は杏さんと緑さんの畑の収穫も手伝わなきゃいけないから、公演は秋の間はしばらくお休みね」
「私もそれを言おうと思って帰って来たの!」
「紫音ちゃん、ご飯三杯食べた後だと、説得力がないよ」
「だって美味しいんだもん!」
全く悪びれることのない紫音は最後のひと口を飲み込んで元気に笑っていた。
その晩、杏に男の子の赤ん坊が生まれて、次の朝に緑に女の子の赤ん坊が生まれた。麓の街に念のため泊まり込んでいた杏と緑の一家は、無事に出産を終えて、三日後に山の集落に戻ってくるという話が朱雀と青慈の元にも届いていた。
「杏さんも緑さんも安産だった。よかったね」
「男の子と女の子か。同じ日に生まれるなんて運命的だな」
杏と緑の子どもは上の子も女の子と男の子で性別が違って、同じ学年で生まれている。下の子は同じ日に生まれて、性別が違って、同じ学年だなんて、杏と緑の仲のよさを表したかのようだった。
その日の夜に戻って来た紫音と藍も、杏と緑のところに赤ん坊が生まれた知らせを聞いて喜んでいた。
「杏さんのところが男の子ってことは、上の子が女の子だから、男女そろったのね。緑さんのところは女の子で、上の子が男の子だから男女そろって、二組とも同じ学年なんて、杏さんと緑さんはすごいわ」
「杏さんと緑さんが決めたことじゃないんでしょうけど、偶然にしてもすごいわね」
紫音も藍もにこにことして語っている。今日は帰ってくることが分かっていたので食事も紫音と藍の分をきっちりと作っていた。晩ご飯はキノコの炊き込みご飯と、秋刀魚の塩焼きと、豚汁だった。
「秋刀魚だ! もう秋になったのね」
「今年の秋刀魚は脂がのってるかしら?」
目を輝かせる紫音も藍も秋刀魚が大好物だ。元々魚好きの青慈も青い目をきらきらさせて箸で解して食べている。
「今年は鮎を食べなかったわ」
「来年は食べられるかな」
「紫音ちゃんと藍さんは食べ物のことばっかりだね」
笑われてしまって紫音と藍は顔を見合わせる。笑っている青慈に紫音と藍が意地悪な顔になっていた。
「青慈は何をして過ごしていたの?」
「脚本の手直しや銀先生との打ち合わせ、それに舞台の立ち位置の絵を描いて、山の見回りをして、畑仕事をして……」
「それだけ?」
「それだけって、なに?」
不審そうな顔になった青慈に、紫音がちらちらと朱雀の方を見てくる。
「お父さんとはどうなのよ?」
「普通だよ」
「普通ってどんな感じ?」
「紫音ちゃんと藍さんのいたときと変わらないってこと」
正直に答える青慈に、紫音が大袈裟にため息を吐く。
「やっぱり、青慈はお子様ね」
「どういう意味?」
「二人きりになったら、もっと、こう、あるでしょう?」
「なにが?」
「それを言わせちゃうのが、もう、お子様なのよ」
揶揄っている口調の紫音に、青慈が食べ終わってお皿を台所の流しに持って行った。戻って来た青慈は紫音の座っている場所のすぐそばに手を突く。
「俺はお父さんに無理強いしたいなんて思わないんだ。お父さんの方がちゃんと俺を受け入れられるようになるまで待つつもりだよ」
「それって、何百年もかかるかもしれないわよ? お父さん、鈍いから」
「何百年でも待つよ」
はっきりと答えた青慈に、少し遅れて食べていた朱雀は耳まで熱くなってくる。目の前で青慈と紫音に自分と青慈の話をされているし、その上で青慈は何百年かかっても朱雀が青慈を受け入れられるようになるまで待つと言っている。
「紫音ちゃんこそ、どうなの?」
「う……」
「藍さんといい感じになれたの?」
「青慈ぃー! 藍さん、私がもうちょっと大人になるまでダメだって口付けもさせてくれないのよぉー!」
自信満々に青慈を揶揄っていたはずの紫音の方が青慈に問われて泣き声になっている。やはり落ち着きのある青慈の方が、猪突猛進の紫音よりも強かったようだ。紫音にどれだけ泣かされても、絶対に紫音に手を上げないし、紫音のことを尊重し続けた青慈は、優しく頼れる兄のままだった。
泣き付かれて青慈が苦笑している。
「紫音ちゃんはまだ15歳だもの。早いって藍さんも思ったんだよ」
「何歳になればいいのかな?」
「それは藍さんとお話ししないと」
「藍さんは16歳で結婚したって言ってたわ。私も16歳で結婚してもいいと思うの」
紫音の宣言に、青慈が微笑む。
「紫音ちゃんが16歳で結婚できるんだったら、俺は18歳になったらお父さんと結婚するつもりだから、一緒に結婚式ができるね」
「え!? 青慈と紫音が一緒に結婚式を!?」
「お父さんと俺、藍さんと紫音ちゃんで結婚するんだよ?」
「それは分かってるけど、青慈の花婿姿と、紫音の花嫁姿を一度に見られるなんて、私は幸せで泣いてしまいそうだ」
「分かるわ、朱雀さん! 私もきっと泣く!」
自分たちの結婚式なのに青慈と紫音の晴れ姿を見られるとなると泣く予感しかしないのは朱雀だけではなくて、藍も同じようだった。大事に育てて来た青慈と紫音が綺麗な衣装で結婚式を挙げるとなるだけで、朱雀も藍も感慨深さで胸がいっぱいになってしまう。
「結婚式の衣装を仕立て職人さんに頼まないと!」
「麓の街の仕立て職人じゃダメよ。王都の仕立て職人に頼みましょう」
「そうだな、王都に銀さんに……」
「朱雀さん、紫音と青慈も転移の魔法が使えるのよ」
衣装について盛り上がる朱雀と藍に、青慈と紫音が真面目な顔になっている。
「お父さん、俺と結婚してくれるの?」
「藍さん、私と結婚していいの?」
そこでようやく、朱雀と藍は自分たちが青慈と紫音の相手だということに思い至った。顔を見合わせてお互いを見てから、どちらが先に返事をするか譲り合う。
「こういうのは女性優先で」
「朱雀さん、男なんだからビシッと決めなさいよ」
「紫音が待ってるよ」
「青慈だって待ってるわよ」
譲り合って返事をしない朱雀と藍に、青慈と紫音がため息を吐いていた。
「結婚の衣装、お父さんの分も作ってもらうんだからね?」
「藍さんの衣装、絶対素敵だと思うわ! 作ってもらいましょうね」
詰め寄られて朱雀と藍は曖昧に微笑む。すっきりと「はい」と返事ができないのは、年の差や諸々気になることがあるからだった。
その日はそれぞれの部屋で休んで、翌朝は収穫のために早起きをした。太陽が昇り切る前に畑に出て、青慈と紫音が鎧を着た大根とドレスを着た人参を連れてマンドラゴラの植えてある畝の前に立つ。
「大根さん、お願い」
「人参さん、やっちゃって!」
「びゃい!」
「びょえびょわ!」
鎧を着た大根とドレスを着た人参に声をかけられて夏に収穫を終えた大根と人参と蕪以外のマンドラゴラがぞろぞろと出て来る。出て来たマンドラゴラは藍が一匹一匹綺麗に洗って、濡れ縁に並んで座らせて乾かしていた。
薬草も種を残す株以外は全部収穫してしまう。
収穫が終わると、朱雀は青慈と紫音と藍と一緒に杏の家の畑に行った。赤ん坊が生まれるので病院に通えるように麓の村に行っているときから、赤ん坊が生まれた後の今も、杏と緑の畑は朱雀たちにお願いされていた。
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