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四章 結婚までの道のり
13.紫音と藍の旅立ち
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旅支度を整えた紫音が青慈の脇腹を肘で突いている。
ひそひそと話しているつもりなのだろうが、朱雀には筒抜けである。
「これからお父さんと二人きりなんだから、上手くやりなさいよ」
「紫音ちゃん、そんなに露骨に言わないで」
「青慈は奥手だから心配だわ」
「紫音ちゃんの方が年下なんだけどなぁ」
小さな頃から性格のはっきりした激しい紫音と、性格の優しい大人しい青慈では、青慈の方が泣かされて藍に助けを求めていた。性格はそのままに大きくなった青慈と紫音は、今も紫音の方が妹なのに青慈を呼び捨てにしているし、青慈は兄なのに紫音を「ちゃん付け」しているのが力関係を表している。
腕力に関しては勇者と聖女で同じくらい強いはずなのに、紫音ばかりが目立ってしまうのは性格の問題が大きいと朱雀は思っていた。
「紫音ちゃんは本当に気を付けてね。聖女を狙って来る輩もいるだろうし、女二人の旅だから……銀先生も時々一緒に来てくれるかもしれないけど、それでも、充分に気を付けて、襲われたりしないようにしてね」
「襲ったら、そいつのブツを引っこ抜いてやるわ」
「うん、それが心配なんだよ! 紫音ちゃんはやり過ぎちゃうから、紫音ちゃんがひとを殺したなんて、俺は嫌だからね」
兄として青慈は紫音の道中を心配している。紫音よりもどちらかというと紫音に敵対する相手を心配している気がするのは、紫音の性格上の問題だろう。朱雀も紫音を襲う相手がいたら「なんて命知らずな」と必死になって止めに入っただろう。
これから先は紫音は藍と二人で旅に出る。どのような経路で進んでいくのかは朱雀にも知らされていたし、時々銀鼠が合流して紫音と藍を転移の魔法で朱雀の家に連れ帰ってくれるということだったが、毎日違う街で宿を取って寝起きする旅の生活に、これまで集落で定住して暮らしていた紫音と藍が耐えられるのかは分からない。
「私のことを心配するよりも、青慈は自分のことを考えなきゃ」
「ちゃんと考えてるよ」
「お父さんをどうやって落とすつもりなの?」
筒抜けなのにあけすけなことを言う紫音に朱雀はお茶を吹いてしまいそうになる。長椅子に腰かけている藍にもしっかりと話は聞こえているだろうが、藍は落ち着いている。
「藍さん、紫音は大丈夫なのか?」
「紫音は平気よ。強いから。危ないのは紫音を狙って来る輩よ」
「藍さんは平気なのか?」
「私を狙ったら、それこそ紫音の暴走を止められる相手がいなくて、もっと大変よ」
「あー……確かに」
大好きな藍を狙われたら紫音が暴走するのは朱雀にもよく分かった。紫音を止めるはずの藍が捕らわれてしまったら、もう紫音を止められる相手はいない。
「藍さんは十分気を付けて」
「分かってるわよ」
くすりと笑ってから藍が藍色の目を細める。
「朱雀さんは大丈夫なの?」
「え? 何が?」
「青慈と二人きりなのよ?」
問い返してから、藍の答えに朱雀はかぁっと顔が熱くなるのを感じた。肌の色が濃いので赤面していることは気付かれないだろうが、どうしても狼狽えてしまう。
「せ、青慈は私の嫌がることはしないよ」
「嫌じゃないんじゃない?」
「な、何が?」
「青慈のことが、よ」
青慈は朱雀の天使で可愛い可愛い子どもだ。嫌なところなんて何一つない。育てた朱雀も驚くほどにいい子に育ってくれた。その話をしようとすると藍はそうじゃないと言って来る。
「青慈のことを受け入れられるかって話よ」
「受け入れられるか……へ? せ、青慈を?」
「青慈はもう朱雀さんが欲しいって目をしてるわよ」
気付いていないわけではない。
優しい青慈の目が時折男のそれになることを。一人の男として青慈は朱雀を求めている。その熱量に気付いているのに朱雀は上手くそれを受け止められず、かわすこともできない。
「青慈は好きだけど、まだ、そこまでの覚悟は……」
「青慈も前途多難ね」
「藍さんはどうなんだ?」
「まだ紫音は15歳よ。もう少し大人になったらね」
藍は紫音を受け入れる覚悟はあるようだが、まだ紫音の幼さゆえにもう少し大人になってからと決めているようだ。女性同士の行為も男性同士の行為も朱雀にはよく分からないので想像もできないが、紫音と藍がそういう関係になる日が来て、青慈と自分もそういう関係になる日が来るのかもしれないと考えるだけで、頭が沸騰するような気がする。
考えている間に青慈と話していた紫音が近付いて来ていた。藍の手を取って藍を立たせる。
「行きましょう、藍さん」
「そうね。そろそろ麓の街に馬車が来る頃だわ」
「行ってきます、お父さん、青慈」
「次に帰るのは一週間後よ。そのときには美味しいご飯をよろしくね」
これから紫音と藍は麓の街から一番近い大きな街に出かけていく。初めての遠征は紫音が小さな頃から何度も通った大きな街とその周辺の街からだった。街の権力者には話を通してあって、広場には簡易な舞台を設置していいと言われている。
権力者への手紙は朱雀が今回は書いたのだが、そのうちに紫音も書けるようになってくるだろう。次に繋げるために、今回手紙を書く間、紫音はずっと朱雀のそばで見ていた。
爽やかに出かけて行った紫音と藍を集落の出入り口の門まで送って、家に戻ってくると青慈が真剣な顔をしていた。精悍な横顔に胸が高鳴る。落ち着かない気持ちで長椅子に座ってお茶の続きを飲み始めた朱雀に、青慈が切り出した。
「父さん、大事な話があるんだ」
「ふぁ、ふぁい!?」
落ち着いて返事をするつもりが朱雀は真剣な眼差しに長椅子から飛び上がってしまった。妙な声が出たことを青慈は気付いていないようで、話を続ける。
「白ちゃんと雪ちゃんの赤ちゃんなんだけど、性別が分からないんだ」
兎というものは小さな頃には性別が分かりづらい。成熟してこないと雄はその証がはっきりと分からないのだ。
「三匹いて、そろそろ乳離れの時期なんだけど、杏さんと緑さんのうちにあげる子と、うちで残す子を決めないといけないと思うんだ」
生まれたときから大人の兎くらいの大きさのある白と雪の赤ん坊は乳離れも早かった。もう与える野菜くずやマンドラゴラの葉っぱを齧って食べるようになっている。紫音がいれば紫音の飼っている兎の子どもたちなのであげる子どもと残す子どもを決めたのだろうが、紫音は旅に出ているので青慈と朱雀が決めなければいけなかった。
「兎の小屋に行ってみるか」
「うん、そうしよう」
朱雀と青慈は濡れ縁に出て兎の小屋を覗いた。子兎たちは白と雪に守られて檻の中で伸び伸びと遊んでいる。もう走れるようになっているようで、檻が狭く感じられる。
「白ちゃん、雪ちゃん、赤ちゃんを見せてね」
青慈が檻を開けて手を突っ込んでも、白も雪も嫌がる素振りは見せなかった。妊娠と出産も安定していたし、白は産んでからも赤ん坊を紫音や青慈が確認しに来ても嫌がったり怒ったりすることはなかった。
夏毛なので薄っすらと茶色い二匹と、真っ白な一匹がいることに朱雀と青慈は気付く。真っ白な一匹は目が雪と同じで赤かった。
「この子、先天性色素欠乏症じゃない?」
「多分そうだろうな」
「それなら、育ちにくいかもしれないから、この子を残した方がいい気がする。紫音ちゃんもそう言うんじゃないかな」
先天性色素欠乏症で雪は栄養を取ることができず、成長していない小さな姿で朱雀の家に引き取られてきた。朱雀の家でたっぷりと餌をもらって大きくなって、普通の兎よりもずっと長い年月を生きているが、自然の中で生きていれば、冬を越せずに死んでいただろう。
そのことを覚えているのだろう、青慈は先天性色素欠乏症の白い兎を家で育てたいようだった。朱雀はそれに反対するつもりはない。
「残りの二匹は、杏さんと緑さんに決めてもらおう。白ちゃん、雪ちゃん、この子たちは、杏さんと緑さんの家に行くからね。もう会えないわけじゃないよ」
「時々会わせてもらうように頼むよ」
薄茶色の子兎二匹を連れていく前に、青慈は白と雪に別れを告げさせていた。言葉が分かっているのか、いないのか、白と雪は神妙な顔で連れ出される二匹の子兎を見ている。特に暴れたりしていないので、嫌というわけではないのだろうが、じっと見ているので寂しい気持ちはあるのかもしれない。
「それじゃ、行って来るね、白ちゃん、雪ちゃん。残った子のお名前は、次に紫音ちゃんが帰って来たときに考えようね」
連れ出した二匹の子兎を、青慈は杏と緑のいる薬屋に連れて行った。大人の兎くらいの大きさのある子兎を見て杏も緑も驚いていた。
「結構大きいのね」
「赤ちゃんだから、来たときの雪くらいかと思っていたわ」
「どっちをもらう?」
「性別は分からないのよね」
「どっちでもいいかなぁ。杏さんの家と私の家は繋がってるから、その中間の濡れ縁で飼いましょうか」
「いいわね。二匹一緒なら寂しくないわ」
子兎の兄弟は引き離されることなく二匹一緒に飼われることに決まったようだった。
杏のお腹も緑のお腹も目だって大きくなっている。
産み月は近いのかもしれない。
ひそひそと話しているつもりなのだろうが、朱雀には筒抜けである。
「これからお父さんと二人きりなんだから、上手くやりなさいよ」
「紫音ちゃん、そんなに露骨に言わないで」
「青慈は奥手だから心配だわ」
「紫音ちゃんの方が年下なんだけどなぁ」
小さな頃から性格のはっきりした激しい紫音と、性格の優しい大人しい青慈では、青慈の方が泣かされて藍に助けを求めていた。性格はそのままに大きくなった青慈と紫音は、今も紫音の方が妹なのに青慈を呼び捨てにしているし、青慈は兄なのに紫音を「ちゃん付け」しているのが力関係を表している。
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兄として青慈は紫音の道中を心配している。紫音よりもどちらかというと紫音に敵対する相手を心配している気がするのは、紫音の性格上の問題だろう。朱雀も紫音を襲う相手がいたら「なんて命知らずな」と必死になって止めに入っただろう。
これから先は紫音は藍と二人で旅に出る。どのような経路で進んでいくのかは朱雀にも知らされていたし、時々銀鼠が合流して紫音と藍を転移の魔法で朱雀の家に連れ帰ってくれるということだったが、毎日違う街で宿を取って寝起きする旅の生活に、これまで集落で定住して暮らしていた紫音と藍が耐えられるのかは分からない。
「私のことを心配するよりも、青慈は自分のことを考えなきゃ」
「ちゃんと考えてるよ」
「お父さんをどうやって落とすつもりなの?」
筒抜けなのにあけすけなことを言う紫音に朱雀はお茶を吹いてしまいそうになる。長椅子に腰かけている藍にもしっかりと話は聞こえているだろうが、藍は落ち着いている。
「藍さん、紫音は大丈夫なのか?」
「紫音は平気よ。強いから。危ないのは紫音を狙って来る輩よ」
「藍さんは平気なのか?」
「私を狙ったら、それこそ紫音の暴走を止められる相手がいなくて、もっと大変よ」
「あー……確かに」
大好きな藍を狙われたら紫音が暴走するのは朱雀にもよく分かった。紫音を止めるはずの藍が捕らわれてしまったら、もう紫音を止められる相手はいない。
「藍さんは十分気を付けて」
「分かってるわよ」
くすりと笑ってから藍が藍色の目を細める。
「朱雀さんは大丈夫なの?」
「え? 何が?」
「青慈と二人きりなのよ?」
問い返してから、藍の答えに朱雀はかぁっと顔が熱くなるのを感じた。肌の色が濃いので赤面していることは気付かれないだろうが、どうしても狼狽えてしまう。
「せ、青慈は私の嫌がることはしないよ」
「嫌じゃないんじゃない?」
「な、何が?」
「青慈のことが、よ」
青慈は朱雀の天使で可愛い可愛い子どもだ。嫌なところなんて何一つない。育てた朱雀も驚くほどにいい子に育ってくれた。その話をしようとすると藍はそうじゃないと言って来る。
「青慈のことを受け入れられるかって話よ」
「受け入れられるか……へ? せ、青慈を?」
「青慈はもう朱雀さんが欲しいって目をしてるわよ」
気付いていないわけではない。
優しい青慈の目が時折男のそれになることを。一人の男として青慈は朱雀を求めている。その熱量に気付いているのに朱雀は上手くそれを受け止められず、かわすこともできない。
「青慈は好きだけど、まだ、そこまでの覚悟は……」
「青慈も前途多難ね」
「藍さんはどうなんだ?」
「まだ紫音は15歳よ。もう少し大人になったらね」
藍は紫音を受け入れる覚悟はあるようだが、まだ紫音の幼さゆえにもう少し大人になってからと決めているようだ。女性同士の行為も男性同士の行為も朱雀にはよく分からないので想像もできないが、紫音と藍がそういう関係になる日が来て、青慈と自分もそういう関係になる日が来るのかもしれないと考えるだけで、頭が沸騰するような気がする。
考えている間に青慈と話していた紫音が近付いて来ていた。藍の手を取って藍を立たせる。
「行きましょう、藍さん」
「そうね。そろそろ麓の街に馬車が来る頃だわ」
「行ってきます、お父さん、青慈」
「次に帰るのは一週間後よ。そのときには美味しいご飯をよろしくね」
これから紫音と藍は麓の街から一番近い大きな街に出かけていく。初めての遠征は紫音が小さな頃から何度も通った大きな街とその周辺の街からだった。街の権力者には話を通してあって、広場には簡易な舞台を設置していいと言われている。
権力者への手紙は朱雀が今回は書いたのだが、そのうちに紫音も書けるようになってくるだろう。次に繋げるために、今回手紙を書く間、紫音はずっと朱雀のそばで見ていた。
爽やかに出かけて行った紫音と藍を集落の出入り口の門まで送って、家に戻ってくると青慈が真剣な顔をしていた。精悍な横顔に胸が高鳴る。落ち着かない気持ちで長椅子に座ってお茶の続きを飲み始めた朱雀に、青慈が切り出した。
「父さん、大事な話があるんだ」
「ふぁ、ふぁい!?」
落ち着いて返事をするつもりが朱雀は真剣な眼差しに長椅子から飛び上がってしまった。妙な声が出たことを青慈は気付いていないようで、話を続ける。
「白ちゃんと雪ちゃんの赤ちゃんなんだけど、性別が分からないんだ」
兎というものは小さな頃には性別が分かりづらい。成熟してこないと雄はその証がはっきりと分からないのだ。
「三匹いて、そろそろ乳離れの時期なんだけど、杏さんと緑さんのうちにあげる子と、うちで残す子を決めないといけないと思うんだ」
生まれたときから大人の兎くらいの大きさのある白と雪の赤ん坊は乳離れも早かった。もう与える野菜くずやマンドラゴラの葉っぱを齧って食べるようになっている。紫音がいれば紫音の飼っている兎の子どもたちなのであげる子どもと残す子どもを決めたのだろうが、紫音は旅に出ているので青慈と朱雀が決めなければいけなかった。
「兎の小屋に行ってみるか」
「うん、そうしよう」
朱雀と青慈は濡れ縁に出て兎の小屋を覗いた。子兎たちは白と雪に守られて檻の中で伸び伸びと遊んでいる。もう走れるようになっているようで、檻が狭く感じられる。
「白ちゃん、雪ちゃん、赤ちゃんを見せてね」
青慈が檻を開けて手を突っ込んでも、白も雪も嫌がる素振りは見せなかった。妊娠と出産も安定していたし、白は産んでからも赤ん坊を紫音や青慈が確認しに来ても嫌がったり怒ったりすることはなかった。
夏毛なので薄っすらと茶色い二匹と、真っ白な一匹がいることに朱雀と青慈は気付く。真っ白な一匹は目が雪と同じで赤かった。
「この子、先天性色素欠乏症じゃない?」
「多分そうだろうな」
「それなら、育ちにくいかもしれないから、この子を残した方がいい気がする。紫音ちゃんもそう言うんじゃないかな」
先天性色素欠乏症で雪は栄養を取ることができず、成長していない小さな姿で朱雀の家に引き取られてきた。朱雀の家でたっぷりと餌をもらって大きくなって、普通の兎よりもずっと長い年月を生きているが、自然の中で生きていれば、冬を越せずに死んでいただろう。
そのことを覚えているのだろう、青慈は先天性色素欠乏症の白い兎を家で育てたいようだった。朱雀はそれに反対するつもりはない。
「残りの二匹は、杏さんと緑さんに決めてもらおう。白ちゃん、雪ちゃん、この子たちは、杏さんと緑さんの家に行くからね。もう会えないわけじゃないよ」
「時々会わせてもらうように頼むよ」
薄茶色の子兎二匹を連れていく前に、青慈は白と雪に別れを告げさせていた。言葉が分かっているのか、いないのか、白と雪は神妙な顔で連れ出される二匹の子兎を見ている。特に暴れたりしていないので、嫌というわけではないのだろうが、じっと見ているので寂しい気持ちはあるのかもしれない。
「それじゃ、行って来るね、白ちゃん、雪ちゃん。残った子のお名前は、次に紫音ちゃんが帰って来たときに考えようね」
連れ出した二匹の子兎を、青慈は杏と緑のいる薬屋に連れて行った。大人の兎くらいの大きさのある子兎を見て杏も緑も驚いていた。
「結構大きいのね」
「赤ちゃんだから、来たときの雪くらいかと思っていたわ」
「どっちをもらう?」
「性別は分からないのよね」
「どっちでもいいかなぁ。杏さんの家と私の家は繋がってるから、その中間の濡れ縁で飼いましょうか」
「いいわね。二匹一緒なら寂しくないわ」
子兎の兄弟は引き離されることなく二匹一緒に飼われることに決まったようだった。
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産み月は近いのかもしれない。
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