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三章 十年後の勇者と聖女
15.紫音の父親の末路
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今年の朱雀の誕生日は夏の始めに行われた。そのときに紫音の母親がやって来て、紫音が生まれたときのことを話していった。その頃から紫音と藍が妙な動きをしているとは気付いていたのだ。
「やっぱり、絶対に許せないわ」
「紫音のお母さんは王都で奉公をしていたって聞くし……」
「今は別の街に住んでるけど、奉公をしていた時期は王都にいたのよね」
ひそひそと紫音と藍が話しているのが漏れ聞こえてくる。嫌な予感はしていた。
難しい表情で台所に立っていた朱雀に、青慈が心配そうに声をかける。
「お父さん、朝ご飯の味付け失敗した?」
「え?」
「気にしなくていいよ。お父さんのご飯はいつも美味しいからね」
穏やかで心優しい青慈に和むのだが、気性の激しい紫音の動きはどうしても気になる。銀鼠が迎えに来たときに、朱雀も理由をつけて王都に連れて行ってもらうことにした。
「王都の魔法植物の品評会についてもっと詳しく知りたいんだ。調べたいから連れて行ってもらえるか?」
「お父さん、王都に行くの? 俺も行く」
「構わない。連れて行こう」
銀鼠にお願いして紫音の歌の練習の日に王都まで連れて行ってもらう。
「お父さんも来るのね。今、銀先生にマンドラゴラたちの楽曲を作ってもらっているのよ」
「マンドラゴラたちが紫音の歌で踊るのか。それは集落の子どもたちも喜びそうだな」
「脚本は青慈の書いた物語を使わせてもらっているの」
「俺の脚本が紫音ちゃんの歌でマンドラゴラたちに演じられるなんて嬉しいよ」
話しながら銀鼠の屋敷に行って、紫音が歌の練習をして、藍が街に買い物に出ている間に、朱雀と青慈は国立図書館に行った。銀鼠の名前で作ってもらった閲覧証を出してお目当ての本棚に向かう。
魔法植物の品評会の歴史と記録のある棚で、朱雀は調べ始めた。
「あの独特な掛け声は誉め言葉だったのか……」
「そうみたいだね」
「貴族が愛玩するためにできるだけ個性的な魔法植物が好まれるようになったって書いてあるな」
「お父さんの大根と人参と蕪、すごく可愛かったからね。高値で売れるのも分かるよ」
「可愛い……? 可愛いとは?」
筋肉質な大根と人参と蕪を青慈は無邪気に可愛いと言っている。その言葉に偽りがないのは分かっていても朱雀は真顔にならざるを得なかった。青慈にとっては可愛かったかもしれないが、朱雀にとっては奇妙にしか思えなかったのだ。
話しながら他の文献も閲覧していると、周囲から視線が集まっているのに気付く。身なりはそこそこにいいものを着せているが、青慈は目立つのだろうかとじっと見つめてしまう。
長身になってすっきりとした顔立ちで、さらさらの真っすぐな黒い髪を横で結んだ青慈。小さな頃から天使と見紛うばかりに可愛かったが、大きくなってからもますます可愛くなった気がしてならない。
「あのひと、妖精種じゃない?」
「隣りの青年もかっこいい」
「二人ともすごく素敵よね」
視線を向けられているのが青慈だけではなく、しかも二人とも格好いいと言われていることに朱雀は妙な不快感を抱いてしまった。青慈は自分の可愛い息子なのに、他の相手にそういう対象に見られるのが嫌でたまらない。
「出よう、青慈」
「うん。楽しかったね、お父さん」
一緒に文献を見られて楽しかったと無邪気に言う青慈は可愛い。青慈の可愛さを隠してしまいたいような独占欲が自分にあったことに、朱雀は多少の驚きを感じていた。
「藍さんはどこに行くって言ってたかな」
「どこだったっけ? 銀さんのお屋敷で一度合流する?」
お昼ご飯を目安に戻るつもりだったが、図書館での閲覧を切り上げたので早めになってしまった朱雀の目に、藍の姿が映ったような気がした。どこかの大きなお屋敷の入口に藍が立っている。
銀鼠のお屋敷も大きくて広いので、間違えたのかと近寄って声をかけようとしたら、藍の方が朱雀と青慈に気付いた。
「朱雀さん!? 青慈!? えーっと、これは、その……」
「お屋敷を間違えたのか?」
「藍さん迷子になっちゃったの?」
「え? そ、そうかな。間違えちゃったかも」
歯切れの悪い藍の返事に朱雀は嫌な予感を覚えていた。屋敷に走り込むと、悲鳴が聞こえる。
「旦那様、見知らぬ少女が……」
「聖女と名乗っております」
「なんだと!?」
聖女と名乗っているということは、紫音に違いない。駆け付けた朱雀は紫音を止めようと必死に手を伸ばした。紫音の目の前には中背で太った男性が立っている。
「聖女様が何の用かな? 国王陛下にお渡しすればお喜びになることだろう」
「あなたがお母さんに手を出したのね!」
学校を卒業して働き出した紫音の母親は、手籠めにされて紫音を産んだ時点でまだ十代の半ばだったはずである。今の紫音や青慈と変わらない年齢だ。年端も行かぬ少女を手籠めにするような奉公先の主人を紫音は許すはずがなかった。
「紫音、やめてー!」
「許さないんだから!」
朱雀が止めたときには既に遅かった。
奉公先の主人は股間を真っ赤に染めて床の上に蹲っていた。
「連れて行くわ」
「し、紫音、どこに?」
「こんなやつ、寺の下男になってこき使われるといいのよ!」
股間を真っ赤に染めた紫音の母親の元奉公先の主人を、紫音は担いで出て行った。それを朱雀は見送ることしかできなかった。
凄惨な場面を見てしまった朱雀が呆然と立ち尽くしていると、青慈が優しく肩を抱いてくれる。
「お父さん、銀さんのお屋敷に戻ろう」
「紫音が……」
「お父さんは優しいから衝撃的だったよね。銀さんの屋敷で休もう」
何度も歌の練習で王都に来ている紫音は、買い物に行きたいという名目でついていった藍に頼んで、母親の元奉公先を探してもらっていたのだろう。男性にとって一番大事な場所をもぎ取られた紫音の母親の元奉公先の主人は、男性としてはもう使い物にならないだろう。
年端も行かない少女を手籠めにするような奴のそんな場所はもぎ取ってしまって構わないと朱雀も思うのだが、紫音にとってはあの男は最悪の相手でも父親に違いなかった。紫音の手を汚させてしまったことだけを朱雀は後悔していた。
「ただいまー! 銀先生、お腹空いちゃった」
「お帰り。昼ご飯はできている」
先に銀鼠の屋敷の長椅子で寛いでいた朱雀と青慈と藍の元に、元気よく紫音が帰ってくる。お昼ご飯に用意されていた水餃子とスープと青椒肉絲をもりもりと食べる紫音は、自分のしたことを全く気にしていないようだった。
「紫音、もうあんなことはしないで欲しい」
「あの男だからやったのよ。もうしないわ。あんな男が今後、出てこない限りは」
「それは、同じようなことをする男がいれば、またするってことだよね?」
「藍さんも、杏さんも、緑さんも、していいって言ったのよ!」
藍も杏も緑も満場一致で紫音の味方だった。どっと疲れを覚えた朱雀に紫音はにこにこと明るく笑顔で食後のお茶まで飲んでいた。
ピアノのそばに立って紫音が歌い出すと、青慈の鞄から飛び出した鎧を着た大根が西瓜猫に跨って勇ましく刀を抜き、ドレスを着た人参が踊り出す。
「俺の脚本の通りだ」
青慈の脚本で、国王の音楽隊の曲を作ったり、歌劇団の曲も作ったりする銀鼠が、わざわざ紫音のために作曲してくれた曲。伸びやかな紫音の歌声が銀鼠の屋敷の居間に響く。
大根勇者が人参聖女と出会い、冒険していく物語は、青慈が一生懸命考えて、集落の子どもたちのために絵本としてまとめたものだった。王都で買って来た絵具と紙を使って、紙芝居形式に青慈は作り上げていた。
それが、青慈の大根と紫音の人参と西瓜猫によって演じられる。
「お父さん、実は役者が足りないんだ」
「何が必要なんだ?」
「蕪が欲しいかな」
おねだりする青慈には弱い朱雀は帰ったら蕪が育っているか確認して、使えそうなものがあったら青慈のために収穫しようと考えていた。
「やっぱり、絶対に許せないわ」
「紫音のお母さんは王都で奉公をしていたって聞くし……」
「今は別の街に住んでるけど、奉公をしていた時期は王都にいたのよね」
ひそひそと紫音と藍が話しているのが漏れ聞こえてくる。嫌な予感はしていた。
難しい表情で台所に立っていた朱雀に、青慈が心配そうに声をかける。
「お父さん、朝ご飯の味付け失敗した?」
「え?」
「気にしなくていいよ。お父さんのご飯はいつも美味しいからね」
穏やかで心優しい青慈に和むのだが、気性の激しい紫音の動きはどうしても気になる。銀鼠が迎えに来たときに、朱雀も理由をつけて王都に連れて行ってもらうことにした。
「王都の魔法植物の品評会についてもっと詳しく知りたいんだ。調べたいから連れて行ってもらえるか?」
「お父さん、王都に行くの? 俺も行く」
「構わない。連れて行こう」
銀鼠にお願いして紫音の歌の練習の日に王都まで連れて行ってもらう。
「お父さんも来るのね。今、銀先生にマンドラゴラたちの楽曲を作ってもらっているのよ」
「マンドラゴラたちが紫音の歌で踊るのか。それは集落の子どもたちも喜びそうだな」
「脚本は青慈の書いた物語を使わせてもらっているの」
「俺の脚本が紫音ちゃんの歌でマンドラゴラたちに演じられるなんて嬉しいよ」
話しながら銀鼠の屋敷に行って、紫音が歌の練習をして、藍が街に買い物に出ている間に、朱雀と青慈は国立図書館に行った。銀鼠の名前で作ってもらった閲覧証を出してお目当ての本棚に向かう。
魔法植物の品評会の歴史と記録のある棚で、朱雀は調べ始めた。
「あの独特な掛け声は誉め言葉だったのか……」
「そうみたいだね」
「貴族が愛玩するためにできるだけ個性的な魔法植物が好まれるようになったって書いてあるな」
「お父さんの大根と人参と蕪、すごく可愛かったからね。高値で売れるのも分かるよ」
「可愛い……? 可愛いとは?」
筋肉質な大根と人参と蕪を青慈は無邪気に可愛いと言っている。その言葉に偽りがないのは分かっていても朱雀は真顔にならざるを得なかった。青慈にとっては可愛かったかもしれないが、朱雀にとっては奇妙にしか思えなかったのだ。
話しながら他の文献も閲覧していると、周囲から視線が集まっているのに気付く。身なりはそこそこにいいものを着せているが、青慈は目立つのだろうかとじっと見つめてしまう。
長身になってすっきりとした顔立ちで、さらさらの真っすぐな黒い髪を横で結んだ青慈。小さな頃から天使と見紛うばかりに可愛かったが、大きくなってからもますます可愛くなった気がしてならない。
「あのひと、妖精種じゃない?」
「隣りの青年もかっこいい」
「二人ともすごく素敵よね」
視線を向けられているのが青慈だけではなく、しかも二人とも格好いいと言われていることに朱雀は妙な不快感を抱いてしまった。青慈は自分の可愛い息子なのに、他の相手にそういう対象に見られるのが嫌でたまらない。
「出よう、青慈」
「うん。楽しかったね、お父さん」
一緒に文献を見られて楽しかったと無邪気に言う青慈は可愛い。青慈の可愛さを隠してしまいたいような独占欲が自分にあったことに、朱雀は多少の驚きを感じていた。
「藍さんはどこに行くって言ってたかな」
「どこだったっけ? 銀さんのお屋敷で一度合流する?」
お昼ご飯を目安に戻るつもりだったが、図書館での閲覧を切り上げたので早めになってしまった朱雀の目に、藍の姿が映ったような気がした。どこかの大きなお屋敷の入口に藍が立っている。
銀鼠のお屋敷も大きくて広いので、間違えたのかと近寄って声をかけようとしたら、藍の方が朱雀と青慈に気付いた。
「朱雀さん!? 青慈!? えーっと、これは、その……」
「お屋敷を間違えたのか?」
「藍さん迷子になっちゃったの?」
「え? そ、そうかな。間違えちゃったかも」
歯切れの悪い藍の返事に朱雀は嫌な予感を覚えていた。屋敷に走り込むと、悲鳴が聞こえる。
「旦那様、見知らぬ少女が……」
「聖女と名乗っております」
「なんだと!?」
聖女と名乗っているということは、紫音に違いない。駆け付けた朱雀は紫音を止めようと必死に手を伸ばした。紫音の目の前には中背で太った男性が立っている。
「聖女様が何の用かな? 国王陛下にお渡しすればお喜びになることだろう」
「あなたがお母さんに手を出したのね!」
学校を卒業して働き出した紫音の母親は、手籠めにされて紫音を産んだ時点でまだ十代の半ばだったはずである。今の紫音や青慈と変わらない年齢だ。年端も行かぬ少女を手籠めにするような奉公先の主人を紫音は許すはずがなかった。
「紫音、やめてー!」
「許さないんだから!」
朱雀が止めたときには既に遅かった。
奉公先の主人は股間を真っ赤に染めて床の上に蹲っていた。
「連れて行くわ」
「し、紫音、どこに?」
「こんなやつ、寺の下男になってこき使われるといいのよ!」
股間を真っ赤に染めた紫音の母親の元奉公先の主人を、紫音は担いで出て行った。それを朱雀は見送ることしかできなかった。
凄惨な場面を見てしまった朱雀が呆然と立ち尽くしていると、青慈が優しく肩を抱いてくれる。
「お父さん、銀さんのお屋敷に戻ろう」
「紫音が……」
「お父さんは優しいから衝撃的だったよね。銀さんの屋敷で休もう」
何度も歌の練習で王都に来ている紫音は、買い物に行きたいという名目でついていった藍に頼んで、母親の元奉公先を探してもらっていたのだろう。男性にとって一番大事な場所をもぎ取られた紫音の母親の元奉公先の主人は、男性としてはもう使い物にならないだろう。
年端も行かない少女を手籠めにするような奴のそんな場所はもぎ取ってしまって構わないと朱雀も思うのだが、紫音にとってはあの男は最悪の相手でも父親に違いなかった。紫音の手を汚させてしまったことだけを朱雀は後悔していた。
「ただいまー! 銀先生、お腹空いちゃった」
「お帰り。昼ご飯はできている」
先に銀鼠の屋敷の長椅子で寛いでいた朱雀と青慈と藍の元に、元気よく紫音が帰ってくる。お昼ご飯に用意されていた水餃子とスープと青椒肉絲をもりもりと食べる紫音は、自分のしたことを全く気にしていないようだった。
「紫音、もうあんなことはしないで欲しい」
「あの男だからやったのよ。もうしないわ。あんな男が今後、出てこない限りは」
「それは、同じようなことをする男がいれば、またするってことだよね?」
「藍さんも、杏さんも、緑さんも、していいって言ったのよ!」
藍も杏も緑も満場一致で紫音の味方だった。どっと疲れを覚えた朱雀に紫音はにこにこと明るく笑顔で食後のお茶まで飲んでいた。
ピアノのそばに立って紫音が歌い出すと、青慈の鞄から飛び出した鎧を着た大根が西瓜猫に跨って勇ましく刀を抜き、ドレスを着た人参が踊り出す。
「俺の脚本の通りだ」
青慈の脚本で、国王の音楽隊の曲を作ったり、歌劇団の曲も作ったりする銀鼠が、わざわざ紫音のために作曲してくれた曲。伸びやかな紫音の歌声が銀鼠の屋敷の居間に響く。
大根勇者が人参聖女と出会い、冒険していく物語は、青慈が一生懸命考えて、集落の子どもたちのために絵本としてまとめたものだった。王都で買って来た絵具と紙を使って、紙芝居形式に青慈は作り上げていた。
それが、青慈の大根と紫音の人参と西瓜猫によって演じられる。
「お父さん、実は役者が足りないんだ」
「何が必要なんだ?」
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