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三章 十年後の勇者と聖女
13.指輪の意味
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大きな街に着くと初めに行くのは魔法具の店と決まっている。そこで朱雀は新しい調合用の魔法具がないかを確認するのだ。杏と緑も一緒に来ていた頃は、二人は魔法具の店には興味がなくて、大きな街の他の店を見て回っていた。紫音と青慈は朱雀と一緒に行動していて、藍は二人を見てくれる乳母だったので、四人で行動することが普通だった。
今日は青慈と二人だけというのが落ち着かない。王都でも紫音と藍と別れて青慈と二人きりになったことがあったが、あのときは国王軍がいつ来るのかと警戒していたのでそれどころではなかった。今はじっくりと青慈と向かい合っているからこそ、気恥ずかしさのようなものがわいてくる。
「お父さん、この蒸籠すごくよさそうだよ。こっちの硝子瓶、そろそろ買い足した方がいいんじゃない?」
これまで使っていた蒸籠が壊れかけてきていることも、青慈は知っている。魔法薬を入れる硝子瓶が足りなくなっていることも知っている。青慈は朱雀が調合をするのをよく見ていてくれた。
「乳鉢を落として割っちゃったんじゃなかったっけ?」
「そうだったな」
興味がないと朱雀が足りないものまでは分からないであろう。青慈は朱雀にいつも興味関心を持ってくれているのだと思うと、そわそわしてしまう。調合用の魔法具を買い足した朱雀に、青慈が何か見つけていそいそと買っている。魔法具の店のものは全て魔法がかかっているので決して安いものではない。朱雀が払おうとしても、青慈はそれを断った。
「これは俺に買わせて」
そこまで言われてしまうと朱雀も強くは出られない。
魔法具の店を出てから画材が売っている店に移動した。画材の売っている店では綺麗な箱に入った二十四色の絵の具が置いてあった。
「絵具と固形絵具……どう違うんだ?」
「固形絵具は水で溶かして使うんですよ。固まってるから、保存が利くし、場所も取りません」
「普通の絵の具は保存が利かないのか?」
「長期間放っておくと固まることがありますね」
固まると容器から押し出せないのだと聞いて、値段は高かったが朱雀は固形絵具を買うことを決めた。固形絵具を買って、水彩画用の紙も買う。量が多くなってしまったが、魔法のかかった鞄に入れればそれも気にならなかった。
買い物を終えると青慈が朱雀に手招きする。
「お父さん、あれ、気にならない?」
「団子か。藍さんも紫音も甘味を食べてるだろうし、私たちも食べていくか?」
「やった!」
団子屋の前に座って、団子を注文して一串ずつ分けて食べる。三串あった団子を残りの一串は青慈に二つ、朱雀が一つで分けた。とろりとした甘じょっぱいみたらし団子はとても美味しい。
食べ終わってお茶を飲んで、宿に向かう。おやつを食べたので宿の晩ご飯は控えめかと思ったが、青慈は若いのでもりもりと食べていた。
宿の部屋に青慈と朱雀の二人きりで、これまでと変わらないはずなのに、朱雀は妙に意識してしまう。先に風呂に入った青慈が出てきて、二つある寝台の内一つに座っている。朱雀も風呂に入って体を洗って湯船に浸かったが、青慈のことを考えると逆上せそうになっていた。
ぼーっとしながら風呂から出て来ると、青慈は起きて待っていた。
「お父さん、これを受け取って」
青慈が差し出したのは小さな箱だった。中身を開けてみると、指輪が入っている。夜空のような硝子玉のはめられた指輪は魔法具なのだろう。
「魔力を少しだけ上げる魔法具って書いてあったんだ。お父さん、自分の魔力が低いのを気にしてるみたいだから、使ってくれると嬉しい」
「青慈、私のことを考えて買ってくれたのか」
「お父さんのことを、俺はずっと考えているよ」
毎日朱雀のことばかり考えていると答える青慈に、朱雀はこくりと唾を飲み込んで一歩下がってしまった。寝台に膝の後ろが当たって、寝台の上に倒れ込んでしまう。
青慈が立ち上がって、朱雀の方に来る。
手を伸ばされて、朱雀はぎゅっと目を瞑った。口付けをされると思ったのだ。
「お父さん、気を付けてよね」
青慈が触れたのは朱雀の手だった。朱雀の手を握って立たせてくれる。
「あ、あぁ、気を付ける」
答えながら朱雀は自分が何を期待していたのかと恥ずかしくて頭から湯気が上がりそうになっていた。濃い色の肌をしているので赤面しているのが分からないのが救いだ。
熱い頬を手で押さえていると、青慈が耳元で囁く。
「そんなに隙だらけだったら、俺に食べられちゃうよ?」
「ふぁ!?」
「嘘だよ、お父さん。俺はお父さんの嫌がることは絶対にしない」
それは朱雀が嫌がっていなければ青慈は朱雀に何かしたいということではないのだろうか。嫌がっているわけではないが、青慈とそういう関係になるのが朱雀は怖くてならない。
妖精種としては若い方だが、この年齢まで朱雀は他人と深い関係になったことがなかった。恋愛関係どころか、恋もしたことがない。
青慈の姿を見て胸がときめいて、落ち着かなくなるのが恋なのかどうかも、朱雀には分からなかった。こんなみっともなくて、恥ずかしい感情が恋ならば、世間のひとたちはどうやってそれを乗り越えて生きているのだろう。
恋とはもっと甘く心地よいものではないのだろうか。
格好悪くて情けないこれが恋などとは朱雀は認めたくなかった。
一夜明けて、朱雀と青慈は馬車に乗って麓の街まで帰る。帰る頃には昼は過ぎていて、山を登って集落に辿り着く頃にはおやつの時間になっていた。
紫音と藍はもう家に帰り付いていた。
「青慈、どうだったの? 二人きりだったんでしょう?」
「紫音ちゃん、からかわないでよ。お父さんは恥ずかしがり屋なんだから」
「進展あったの?」
「ないよ! 俺はお父さんの嫌がることはしないんだよ」
答える青慈が真っ赤な顔をしているのに、紫音がにやにやと青慈を見ている。妹の紫音の方が強くて、青慈のことを呼び捨てにしているし、青慈のことをからかっている。
「あら、朱雀さん、その指輪は?」
「青慈がくれたんだ」
「まぁ! 指輪を?」
藍が目を輝かせているのに、朱雀は不思議そうに首を傾げる。嬉しそうな藍の表情の意味がよく分からない。
「異国では指輪を渡すのは結婚の約束をしたり、結婚のときだったりするらしいわよ」
「え!?」
魔力が上がる指輪を見つけたので買ったと青慈は言っていた。朱雀には指輪にそんな意味があるなんて知らない。青慈もきっと知らなかっただろう。
「その話、青慈には内緒にして」
「内緒にしても、杏さんか緑さんが言うわよ」
「そ、そうか……」
それでも藍には口止めをして、朱雀は指輪を外して箱に入れて鞄の中に仕舞っておくことにした。誰かに見られて言及されたら恥ずかしすぎる。
「お父さん、指輪、外しちゃったの?」
「こういうものは、使うと壊れることが多いから、一番大事な場面で使えるように取っておこうと思ったんだ」
「そっか。大事にしてくれてるんだね」
言い訳だったが青慈は朱雀の言葉に嬉しそうにしていた。
青慈の贈り物が嬉しくなかったわけではないが、朱雀は気軽に着けられる気はしていなかった。
「お父さん、お誕生日には私と藍さんでケーキを作るわ!」
「紫音ちゃんのケーキ? 大丈夫かな?」
「酷いわね、青慈! 私だってケーキを焼けるわよ! 藍さんもいるし」
「私がいるから、材料は無駄にはさせないわ」
「藍さんがそういうなら安心かな」
紫音の料理の腕を全く信用していない青慈に、紫音は頬を膨らませて怒っているが、紫音はあまり料理が上手くないのは確かだった。藍は魚を捌いたり、料理の手伝いもしてくれているので、少しは安心である。
「私の誕生日を今年も祝ってもらえるのか」
「祝うわよ。来年も、再来年も、ずっとずっとずっと、私たちが一緒の限り、お父さんのお誕生日はお祝いするの」
「俺もお祝いするよ」
紫音も青慈も学校を卒業してしまったら、どこか遠くへ行くのではないかと朱雀は恐れていた。12歳で学校を卒業した後で、青慈は当然のように朱雀の家に残る選択をして、紫音も二年前に学校を卒業した後は朱雀の家に残っている。離れていくのが大人になることだと覚悟していただけに、朱雀は拍子抜けすると共に、ますます青慈と紫音が可愛くて手放せなくなっている自覚があった。
子どもは親の手を離れて自立するもの。それが当然なのに、離れて行かないで欲しいと思っている自分がいる。
複雑な心の内を朱雀は誰にも打ち明けられなかった。
今日は青慈と二人だけというのが落ち着かない。王都でも紫音と藍と別れて青慈と二人きりになったことがあったが、あのときは国王軍がいつ来るのかと警戒していたのでそれどころではなかった。今はじっくりと青慈と向かい合っているからこそ、気恥ずかしさのようなものがわいてくる。
「お父さん、この蒸籠すごくよさそうだよ。こっちの硝子瓶、そろそろ買い足した方がいいんじゃない?」
これまで使っていた蒸籠が壊れかけてきていることも、青慈は知っている。魔法薬を入れる硝子瓶が足りなくなっていることも知っている。青慈は朱雀が調合をするのをよく見ていてくれた。
「乳鉢を落として割っちゃったんじゃなかったっけ?」
「そうだったな」
興味がないと朱雀が足りないものまでは分からないであろう。青慈は朱雀にいつも興味関心を持ってくれているのだと思うと、そわそわしてしまう。調合用の魔法具を買い足した朱雀に、青慈が何か見つけていそいそと買っている。魔法具の店のものは全て魔法がかかっているので決して安いものではない。朱雀が払おうとしても、青慈はそれを断った。
「これは俺に買わせて」
そこまで言われてしまうと朱雀も強くは出られない。
魔法具の店を出てから画材が売っている店に移動した。画材の売っている店では綺麗な箱に入った二十四色の絵の具が置いてあった。
「絵具と固形絵具……どう違うんだ?」
「固形絵具は水で溶かして使うんですよ。固まってるから、保存が利くし、場所も取りません」
「普通の絵の具は保存が利かないのか?」
「長期間放っておくと固まることがありますね」
固まると容器から押し出せないのだと聞いて、値段は高かったが朱雀は固形絵具を買うことを決めた。固形絵具を買って、水彩画用の紙も買う。量が多くなってしまったが、魔法のかかった鞄に入れればそれも気にならなかった。
買い物を終えると青慈が朱雀に手招きする。
「お父さん、あれ、気にならない?」
「団子か。藍さんも紫音も甘味を食べてるだろうし、私たちも食べていくか?」
「やった!」
団子屋の前に座って、団子を注文して一串ずつ分けて食べる。三串あった団子を残りの一串は青慈に二つ、朱雀が一つで分けた。とろりとした甘じょっぱいみたらし団子はとても美味しい。
食べ終わってお茶を飲んで、宿に向かう。おやつを食べたので宿の晩ご飯は控えめかと思ったが、青慈は若いのでもりもりと食べていた。
宿の部屋に青慈と朱雀の二人きりで、これまでと変わらないはずなのに、朱雀は妙に意識してしまう。先に風呂に入った青慈が出てきて、二つある寝台の内一つに座っている。朱雀も風呂に入って体を洗って湯船に浸かったが、青慈のことを考えると逆上せそうになっていた。
ぼーっとしながら風呂から出て来ると、青慈は起きて待っていた。
「お父さん、これを受け取って」
青慈が差し出したのは小さな箱だった。中身を開けてみると、指輪が入っている。夜空のような硝子玉のはめられた指輪は魔法具なのだろう。
「魔力を少しだけ上げる魔法具って書いてあったんだ。お父さん、自分の魔力が低いのを気にしてるみたいだから、使ってくれると嬉しい」
「青慈、私のことを考えて買ってくれたのか」
「お父さんのことを、俺はずっと考えているよ」
毎日朱雀のことばかり考えていると答える青慈に、朱雀はこくりと唾を飲み込んで一歩下がってしまった。寝台に膝の後ろが当たって、寝台の上に倒れ込んでしまう。
青慈が立ち上がって、朱雀の方に来る。
手を伸ばされて、朱雀はぎゅっと目を瞑った。口付けをされると思ったのだ。
「お父さん、気を付けてよね」
青慈が触れたのは朱雀の手だった。朱雀の手を握って立たせてくれる。
「あ、あぁ、気を付ける」
答えながら朱雀は自分が何を期待していたのかと恥ずかしくて頭から湯気が上がりそうになっていた。濃い色の肌をしているので赤面しているのが分からないのが救いだ。
熱い頬を手で押さえていると、青慈が耳元で囁く。
「そんなに隙だらけだったら、俺に食べられちゃうよ?」
「ふぁ!?」
「嘘だよ、お父さん。俺はお父さんの嫌がることは絶対にしない」
それは朱雀が嫌がっていなければ青慈は朱雀に何かしたいということではないのだろうか。嫌がっているわけではないが、青慈とそういう関係になるのが朱雀は怖くてならない。
妖精種としては若い方だが、この年齢まで朱雀は他人と深い関係になったことがなかった。恋愛関係どころか、恋もしたことがない。
青慈の姿を見て胸がときめいて、落ち着かなくなるのが恋なのかどうかも、朱雀には分からなかった。こんなみっともなくて、恥ずかしい感情が恋ならば、世間のひとたちはどうやってそれを乗り越えて生きているのだろう。
恋とはもっと甘く心地よいものではないのだろうか。
格好悪くて情けないこれが恋などとは朱雀は認めたくなかった。
一夜明けて、朱雀と青慈は馬車に乗って麓の街まで帰る。帰る頃には昼は過ぎていて、山を登って集落に辿り着く頃にはおやつの時間になっていた。
紫音と藍はもう家に帰り付いていた。
「青慈、どうだったの? 二人きりだったんでしょう?」
「紫音ちゃん、からかわないでよ。お父さんは恥ずかしがり屋なんだから」
「進展あったの?」
「ないよ! 俺はお父さんの嫌がることはしないんだよ」
答える青慈が真っ赤な顔をしているのに、紫音がにやにやと青慈を見ている。妹の紫音の方が強くて、青慈のことを呼び捨てにしているし、青慈のことをからかっている。
「あら、朱雀さん、その指輪は?」
「青慈がくれたんだ」
「まぁ! 指輪を?」
藍が目を輝かせているのに、朱雀は不思議そうに首を傾げる。嬉しそうな藍の表情の意味がよく分からない。
「異国では指輪を渡すのは結婚の約束をしたり、結婚のときだったりするらしいわよ」
「え!?」
魔力が上がる指輪を見つけたので買ったと青慈は言っていた。朱雀には指輪にそんな意味があるなんて知らない。青慈もきっと知らなかっただろう。
「その話、青慈には内緒にして」
「内緒にしても、杏さんか緑さんが言うわよ」
「そ、そうか……」
それでも藍には口止めをして、朱雀は指輪を外して箱に入れて鞄の中に仕舞っておくことにした。誰かに見られて言及されたら恥ずかしすぎる。
「お父さん、指輪、外しちゃったの?」
「こういうものは、使うと壊れることが多いから、一番大事な場面で使えるように取っておこうと思ったんだ」
「そっか。大事にしてくれてるんだね」
言い訳だったが青慈は朱雀の言葉に嬉しそうにしていた。
青慈の贈り物が嬉しくなかったわけではないが、朱雀は気軽に着けられる気はしていなかった。
「お父さん、お誕生日には私と藍さんでケーキを作るわ!」
「紫音ちゃんのケーキ? 大丈夫かな?」
「酷いわね、青慈! 私だってケーキを焼けるわよ! 藍さんもいるし」
「私がいるから、材料は無駄にはさせないわ」
「藍さんがそういうなら安心かな」
紫音の料理の腕を全く信用していない青慈に、紫音は頬を膨らませて怒っているが、紫音はあまり料理が上手くないのは確かだった。藍は魚を捌いたり、料理の手伝いもしてくれているので、少しは安心である。
「私の誕生日を今年も祝ってもらえるのか」
「祝うわよ。来年も、再来年も、ずっとずっとずっと、私たちが一緒の限り、お父さんのお誕生日はお祝いするの」
「俺もお祝いするよ」
紫音も青慈も学校を卒業してしまったら、どこか遠くへ行くのではないかと朱雀は恐れていた。12歳で学校を卒業した後で、青慈は当然のように朱雀の家に残る選択をして、紫音も二年前に学校を卒業した後は朱雀の家に残っている。離れていくのが大人になることだと覚悟していただけに、朱雀は拍子抜けすると共に、ますます青慈と紫音が可愛くて手放せなくなっている自覚があった。
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