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三章 十年後の勇者と聖女
8.国王軍の兵士と山への帰還
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王都の中心には店がたくさんあってどこに入るのかも迷ってしまう。
青慈は杏と緑のお土産を、紫音は白と雪にお土産を、藍は観光をしたいようだから何軒か店を見て回った方がいいのかもしれない。
「私も魔法具を少し見たいな」
「お父さん、別行動する?」
「それははぐれそうで怖い」
藍と紫音、朱雀と青慈で別行動するかと言われれば、この広い王都で人出も多い中はぐれる予感しかしないので朱雀は避けたかった。
「青慈はお父さんと二人きりになりたいのかもよ」
「紫音ちゃんだって藍さんと二人きりになりたいんだよね?」
「そりゃ当然よ」
紫音は藍が好きなので二人きりで行動したい。青慈は朱雀が好きなので二人きりで行動したい。その願いを叶えてやるべきか朱雀が悩んでいると、藍が提案した。
「昨日行った魔法具のお店なら、覚えてるから分かるわ。最後にそこで集合しましょう」
「時間はどうする?」
「塔の時計が見えるわ。あの時計で三時になる頃にしない?」
見上げると城下町の中心には高く塔がそびえている。そこに時計が設置されていて、藍はそれで三時になる頃に集合しようと言っていた。国王軍が青慈と紫音を攫いに来ないか心配はあったけれど、せっかくの王都観光の機会をなくしたくはない。これだけ楽しそうにしている紫音と藍の顔に朱雀は負けた。
別行動をすることにして、魔法具の店は最後に見るために、青慈と他の店に入って行く。そこは食器を扱っている店のようで、下にソーサーという皿を敷くティーカップという取っ手の付いた茶杯が売っていた。
「杏さんと緑さんのところで使ってた茶杯、割れちゃったって言ってたよ」
「そうだったっけ?」
「お子さんが落としちゃったんだって」
麓の雑貨屋に取っ手の付いた茶杯が入荷したときに買っていたが、その茶杯は割れてしまったようだ。家族の人数分もなかったようだし、ひと家族五組の茶杯を選んで買おうとすると、青慈が高い棚に手を伸ばした。
朱雀の横を通り過ぎて朱雀が立っているよりも高い位置に手が届く青慈にどきりと心臓が跳ねる。いつの間にこんなに大きくなってしまったのだろう。
「紫音ちゃんと藍さんと俺とお父さんで使うのも買おうよ。この桃色の花のが可愛いと思うんだ」
「桃の花……これは綺麗だ」
桃の花の描かれた茶杯の五組揃いのものも買って、朱雀は腰の鞄に詰め込んだ。続いて見に行った店は服が売っていた。
「これ、杏さんと緑さんの子どもさんにどうかな? お譲りばっかりって言ってたからさ」
杏の子どもは女の子で、緑の子どもは男の子で、綺麗な服を揃えて着せていた紫音と青慈のお譲りを喜んで杏と緑はもらって行っていた。それほど着古してもいないので綺麗だったはずだが、子どもの気持ちからすれば、お譲りというのは複雑なのだろう。
「私も青慈と紫音に服を選んだなぁ」
「今も選んでいいんだよ。お父さん好みの俺にして? 俺はお父さんのを選ぼうかな」
朱雀の山の麓の街や大きな街でも長身の朱雀や青慈の服はなかなか大きさがなくて選べるような状態になっていない。王都はさすがに様々な大きさがあって、朱雀も青慈も服を選べる。
立て襟の飾り紐の青に竜の刺繍の入った長衣を選ぶと、青慈は朱雀に立て襟の飾り紐の朱色の地に羽の模様の刺繍の入った長衣を選んでくれた。試着して大きさが合うことを確かめて、杏と緑の子どもの衣装と一緒にそれも買う。
買い物を楽しんで三時が近くなったので、魔法具の店に向かっていると、紫音の歌が聞こえて来た。歌っている紫音の前でくるくるとドレスを着た人参が踊っている。
「紫音?」
「歌劇団の歌を聞きたいって子がいて」
街を歩いていると子どもに話しかけられたのだそうだ。
「おねえちゃん、かげきだんにはいった? おうたうたえる?」
迷子だったようで泣いている子どもに、ひとが集まってくるかもしれないと紫音は歌い出した。ひとが集まって来て無事にその子どもは母親と合流できたのだが、楽しくなってしまった紫音は歌い続けていたようだ。
ドレスを着た人参が踊っているのに気付いたのか、青慈のがま口から鎧を着た大根が飛び出してくる。大根と人参の踊りを見て脚を止めた人々は拍手をしていた。
歌い終わった紫音とそばに立って見ていた藍と合流して、魔法具のお店に入る。朱雀が買いたいものは決まっていた。
ずっと首から下げるがま口を十年間使っているので、青慈と紫音は違和感はないのだろうが、流石にそれは子どもっぽくなっている。二人ともよく動くので腰につける小さな鞄を買ってやると、驚きつつ喜んでいた。
「新しい鞄だわ」
「がま口も好きだから入れておこう」
「お父さんありがとう!」
「大事に使うよ」
喜んでくれている紫音と青慈に朱雀が満足してお金を払って店を出たところで、妙な気配を感じた。店を出た瞬間、鎧を着た兵士に囲まれる。
「聖女と勇者だな? 国王陛下の元へ来てもらおう」
「抵抗しても無駄だ」
「無駄なのはどっちかしらね?」
脅す口調の兵士たちに、紫音が鞄の中から林檎を取り出した。白と雪のお土産に買ったものだろう。林檎は紫音の手に握られると、あっけなく砕けた。
「ひぇ!?」
「あなたたちのタマもこうしてあげるわよ?」
「紫音、それはやめて!」
「お父さん、こいつら、私と青慈を人間と思ってないのよ?」
勇者と聖女という肩書だけで青慈と紫音を見て、魔王除けのために王都に閉じ込めようとする国王は確かに酷い。だが朱雀は青慈にも紫音にも手を汚して欲しくなかった。
「紫音、青慈、ダメだ!」
「かかってきなさい!」
「相手になるよ!」
手甲を付けた紫音と、深靴を履いた青慈にじりじりと歩み寄って来た国王軍の兵士が飛びかかろうとしている。朱雀は素早く腰の鞄の中から魔力を増強する魔法薬を取り出した。
一気に飲み干すと、身構えている青慈と紫音とそばにいる藍も一まとめに長い腕で捕まえて転移の魔法を唱える。飛んだ先は銀鼠のお屋敷だった。
お屋敷の前で倒れてしまう朱雀を、青慈が泣きそうになりながら抱え上げてお屋敷の中に連れ込んでいる。長椅子に寝かされて朱雀はしばらく意識を失っていたようだ。
気が付いたのは日がすっかりと暮れてからだった。
短距離だが転移の魔法を無理やりに使ったので、消耗しすぎたようだった。銀鼠がお茶の入った湯呑を渡してくれる。
「できるだけ早く、私たちを山に帰してくれるか?」
このお屋敷にもいつ国王軍が来るか分からない。朱雀の言葉に銀鼠が頷く。
「そうするから、お茶は飲め。回復するはずだ」
促されて飲んだお茶は甘くて体力を回復する薬が入っているようだった。
銀鼠の転移の魔法で朱雀と青慈と紫音と藍は山の集落の手前に連れて行ってもらった。辺りはもうすっかりと暗くなっている。
「今回の旅行は世話になったな、銀さん」
「最後に騒ぎが起きて大変だったな」
「ごめんなさい、私が街で歌ったから目立ってしまったのね」
反省して肩を落としている紫音を、朱雀は責める気はなかった。次からは紫音も気を付けるだろうし、迷子の子どもの母親を見付けたいという優しい気持ちがあったのだから仕方がない。
「紫音ちゃんを王都に連れて行くときには十分気を付ける」
「お願いするよ」
誓うように言って銀鼠は王都に戻って行った。
門を開けると巨大猪の屍の山があった。
「な、なんだこれは!?」
「あ! お帰りなさい、朱雀さん!」
「巨大猪の大群が集落を襲ってきたのよ」
屍をどう処理するか迷っていた杏と緑の声に、朱雀は説明を求める。
「柵を破って巨大猪が集落を襲おうとしたの」
「そしたら、檻から出た白ちゃんが柵を飛び越えて、巨大猪を全部蹴り倒したのよ」
「白が!?」
兎に蹴り倒されて昇天した巨大猪の屍の山を朱雀が呆然と見ていると、青慈が動き出す。
「猟師のおじさんたちと血抜きして捌くよ。こんなにいっぱい食べられないだろうな」
「麓の街の肉屋に売ったらいいんじゃない?」
「そうだね、明日麓の街に行こうか」
青慈と紫音は普通にこの状況を受け入れているけれど、兎の白が魔物の巨大猪を何匹も屠ったという事実が朱雀には受け入れがたかった。
「白ちゃん、お留守番ありがとう。雪ちゃん、待たせてごめんね。これ、割れちゃったけど、林檎よ」
お土産の林檎を差し出している紫音に、林檎の果汁で濡れた紫音の手を舐めて、林檎のカケラを雪が食べる。白は雪を先にしてあげて、自分は待っているようだ。
呆然と突っ立っていた朱雀もようやく動き出して杏と緑にお土産を渡した。
二日間の王都旅行が終わった。
青慈は杏と緑のお土産を、紫音は白と雪にお土産を、藍は観光をしたいようだから何軒か店を見て回った方がいいのかもしれない。
「私も魔法具を少し見たいな」
「お父さん、別行動する?」
「それははぐれそうで怖い」
藍と紫音、朱雀と青慈で別行動するかと言われれば、この広い王都で人出も多い中はぐれる予感しかしないので朱雀は避けたかった。
「青慈はお父さんと二人きりになりたいのかもよ」
「紫音ちゃんだって藍さんと二人きりになりたいんだよね?」
「そりゃ当然よ」
紫音は藍が好きなので二人きりで行動したい。青慈は朱雀が好きなので二人きりで行動したい。その願いを叶えてやるべきか朱雀が悩んでいると、藍が提案した。
「昨日行った魔法具のお店なら、覚えてるから分かるわ。最後にそこで集合しましょう」
「時間はどうする?」
「塔の時計が見えるわ。あの時計で三時になる頃にしない?」
見上げると城下町の中心には高く塔がそびえている。そこに時計が設置されていて、藍はそれで三時になる頃に集合しようと言っていた。国王軍が青慈と紫音を攫いに来ないか心配はあったけれど、せっかくの王都観光の機会をなくしたくはない。これだけ楽しそうにしている紫音と藍の顔に朱雀は負けた。
別行動をすることにして、魔法具の店は最後に見るために、青慈と他の店に入って行く。そこは食器を扱っている店のようで、下にソーサーという皿を敷くティーカップという取っ手の付いた茶杯が売っていた。
「杏さんと緑さんのところで使ってた茶杯、割れちゃったって言ってたよ」
「そうだったっけ?」
「お子さんが落としちゃったんだって」
麓の雑貨屋に取っ手の付いた茶杯が入荷したときに買っていたが、その茶杯は割れてしまったようだ。家族の人数分もなかったようだし、ひと家族五組の茶杯を選んで買おうとすると、青慈が高い棚に手を伸ばした。
朱雀の横を通り過ぎて朱雀が立っているよりも高い位置に手が届く青慈にどきりと心臓が跳ねる。いつの間にこんなに大きくなってしまったのだろう。
「紫音ちゃんと藍さんと俺とお父さんで使うのも買おうよ。この桃色の花のが可愛いと思うんだ」
「桃の花……これは綺麗だ」
桃の花の描かれた茶杯の五組揃いのものも買って、朱雀は腰の鞄に詰め込んだ。続いて見に行った店は服が売っていた。
「これ、杏さんと緑さんの子どもさんにどうかな? お譲りばっかりって言ってたからさ」
杏の子どもは女の子で、緑の子どもは男の子で、綺麗な服を揃えて着せていた紫音と青慈のお譲りを喜んで杏と緑はもらって行っていた。それほど着古してもいないので綺麗だったはずだが、子どもの気持ちからすれば、お譲りというのは複雑なのだろう。
「私も青慈と紫音に服を選んだなぁ」
「今も選んでいいんだよ。お父さん好みの俺にして? 俺はお父さんのを選ぼうかな」
朱雀の山の麓の街や大きな街でも長身の朱雀や青慈の服はなかなか大きさがなくて選べるような状態になっていない。王都はさすがに様々な大きさがあって、朱雀も青慈も服を選べる。
立て襟の飾り紐の青に竜の刺繍の入った長衣を選ぶと、青慈は朱雀に立て襟の飾り紐の朱色の地に羽の模様の刺繍の入った長衣を選んでくれた。試着して大きさが合うことを確かめて、杏と緑の子どもの衣装と一緒にそれも買う。
買い物を楽しんで三時が近くなったので、魔法具の店に向かっていると、紫音の歌が聞こえて来た。歌っている紫音の前でくるくるとドレスを着た人参が踊っている。
「紫音?」
「歌劇団の歌を聞きたいって子がいて」
街を歩いていると子どもに話しかけられたのだそうだ。
「おねえちゃん、かげきだんにはいった? おうたうたえる?」
迷子だったようで泣いている子どもに、ひとが集まってくるかもしれないと紫音は歌い出した。ひとが集まって来て無事にその子どもは母親と合流できたのだが、楽しくなってしまった紫音は歌い続けていたようだ。
ドレスを着た人参が踊っているのに気付いたのか、青慈のがま口から鎧を着た大根が飛び出してくる。大根と人参の踊りを見て脚を止めた人々は拍手をしていた。
歌い終わった紫音とそばに立って見ていた藍と合流して、魔法具のお店に入る。朱雀が買いたいものは決まっていた。
ずっと首から下げるがま口を十年間使っているので、青慈と紫音は違和感はないのだろうが、流石にそれは子どもっぽくなっている。二人ともよく動くので腰につける小さな鞄を買ってやると、驚きつつ喜んでいた。
「新しい鞄だわ」
「がま口も好きだから入れておこう」
「お父さんありがとう!」
「大事に使うよ」
喜んでくれている紫音と青慈に朱雀が満足してお金を払って店を出たところで、妙な気配を感じた。店を出た瞬間、鎧を着た兵士に囲まれる。
「聖女と勇者だな? 国王陛下の元へ来てもらおう」
「抵抗しても無駄だ」
「無駄なのはどっちかしらね?」
脅す口調の兵士たちに、紫音が鞄の中から林檎を取り出した。白と雪のお土産に買ったものだろう。林檎は紫音の手に握られると、あっけなく砕けた。
「ひぇ!?」
「あなたたちのタマもこうしてあげるわよ?」
「紫音、それはやめて!」
「お父さん、こいつら、私と青慈を人間と思ってないのよ?」
勇者と聖女という肩書だけで青慈と紫音を見て、魔王除けのために王都に閉じ込めようとする国王は確かに酷い。だが朱雀は青慈にも紫音にも手を汚して欲しくなかった。
「紫音、青慈、ダメだ!」
「かかってきなさい!」
「相手になるよ!」
手甲を付けた紫音と、深靴を履いた青慈にじりじりと歩み寄って来た国王軍の兵士が飛びかかろうとしている。朱雀は素早く腰の鞄の中から魔力を増強する魔法薬を取り出した。
一気に飲み干すと、身構えている青慈と紫音とそばにいる藍も一まとめに長い腕で捕まえて転移の魔法を唱える。飛んだ先は銀鼠のお屋敷だった。
お屋敷の前で倒れてしまう朱雀を、青慈が泣きそうになりながら抱え上げてお屋敷の中に連れ込んでいる。長椅子に寝かされて朱雀はしばらく意識を失っていたようだ。
気が付いたのは日がすっかりと暮れてからだった。
短距離だが転移の魔法を無理やりに使ったので、消耗しすぎたようだった。銀鼠がお茶の入った湯呑を渡してくれる。
「できるだけ早く、私たちを山に帰してくれるか?」
このお屋敷にもいつ国王軍が来るか分からない。朱雀の言葉に銀鼠が頷く。
「そうするから、お茶は飲め。回復するはずだ」
促されて飲んだお茶は甘くて体力を回復する薬が入っているようだった。
銀鼠の転移の魔法で朱雀と青慈と紫音と藍は山の集落の手前に連れて行ってもらった。辺りはもうすっかりと暗くなっている。
「今回の旅行は世話になったな、銀さん」
「最後に騒ぎが起きて大変だったな」
「ごめんなさい、私が街で歌ったから目立ってしまったのね」
反省して肩を落としている紫音を、朱雀は責める気はなかった。次からは紫音も気を付けるだろうし、迷子の子どもの母親を見付けたいという優しい気持ちがあったのだから仕方がない。
「紫音ちゃんを王都に連れて行くときには十分気を付ける」
「お願いするよ」
誓うように言って銀鼠は王都に戻って行った。
門を開けると巨大猪の屍の山があった。
「な、なんだこれは!?」
「あ! お帰りなさい、朱雀さん!」
「巨大猪の大群が集落を襲ってきたのよ」
屍をどう処理するか迷っていた杏と緑の声に、朱雀は説明を求める。
「柵を破って巨大猪が集落を襲おうとしたの」
「そしたら、檻から出た白ちゃんが柵を飛び越えて、巨大猪を全部蹴り倒したのよ」
「白が!?」
兎に蹴り倒されて昇天した巨大猪の屍の山を朱雀が呆然と見ていると、青慈が動き出す。
「猟師のおじさんたちと血抜きして捌くよ。こんなにいっぱい食べられないだろうな」
「麓の街の肉屋に売ったらいいんじゃない?」
「そうだね、明日麓の街に行こうか」
青慈と紫音は普通にこの状況を受け入れているけれど、兎の白が魔物の巨大猪を何匹も屠ったという事実が朱雀には受け入れがたかった。
「白ちゃん、お留守番ありがとう。雪ちゃん、待たせてごめんね。これ、割れちゃったけど、林檎よ」
お土産の林檎を差し出している紫音に、林檎の果汁で濡れた紫音の手を舐めて、林檎のカケラを雪が食べる。白は雪を先にしてあげて、自分は待っているようだ。
呆然と突っ立っていた朱雀もようやく動き出して杏と緑にお土産を渡した。
二日間の王都旅行が終わった。
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