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二章 成長する勇者と聖女
16.不思議なお客
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調合のために朱雀が西瓜の頭と西瓜の胴体のある、西瓜猫を取り出すと、青慈と紫音が興味津々で近寄って来た。
「これ、なぁに?」
「ねこちゃんみたいだね」
不思議そうに問いかけてずっしりと身の詰まって重い西瓜猫を抱き締めた青慈に、朱雀は説明する。
「これは西瓜猫だよ。西瓜でできている猫で、マンドラゴラの仲間の魔法生物だよ」
「マンドラゴラのなかま!」
「スイカねこちゃん!」
すっかり青慈と紫音が西瓜猫を気に入ってしまったので、朱雀はその一匹は青慈と紫音にあげることにして、調合のために新しい西瓜猫を取り出した。
「にゃーにゃ、うさたん、たべない?」
「西瓜だから食べないよ。栄養剤しか飲まない」
「しろちゃんとゆきちゃんともあそべるね」
心配そうな紫音に朱雀が答えると、青慈が嬉しそうににこにこしている。青慈が楽しそうなので二人に西瓜猫を一匹上げて、朱雀は調合を始めた。
魔法薬を求めて朱雀の元へ訪れる客の中には、変わったものもいる。
杏と緑に呼ばれて二人の家兼店に顔を出すと、青慈と紫音も当然のようについてくる。止めても無駄だから諦めていると、藍が話をしている間青慈と紫音の相手をしてくれるようだった。
「実は、特別な魔法薬を作って欲しいんです」
美しい女性は目を伏せながら呟く。
「お金ならばあります。どれだけかかってもいい。私のために、魔法薬を調合してくれませんか?」
「どんな魔法薬ですか?」
「猫になりたいのです」
「は?」
あまりのことに朱雀は言葉を失ってしまった。美しい女性は長い睫毛を伏せながら、悲し気に呟く。
「私の夫はとても優しいひとです。愛し合っていて、幸せに暮らしています。でも、夫は猫に好かれないのです」
ものすごく猫好きの夫が猫に好かれない。野良猫に餌をやろうとしても威嚇されてしまうし、猫を飼おうと子猫をもらってきても懐かない挙句、親猫が迎えに来て連れ帰ってしまう。そんな状態で意気消沈している夫のために、若い美しい妻は猫になりたいと言っている。
「魔法薬で一日だけでも私の姿を猫に変えられませんか? 私が猫になって、夫にたくさん甘えて、撫でさせてあげたいのです」
健気な美しい妻の行動は、一見間違っているようにも思えるが、必死であることは確かだった。着ているものも上質で、この若く美しい妻は、貴族か裕福な家の出身だろうと分かる。
「猫になる魔法薬……変化の魔法薬が作れないわけではないですが、一日で効果はなくなりますよ」
「一日だけでも、存分に夫に猫と触れ合わせてあげたい」
「一度猫を可愛がってしまうと、旦那さんはその猫を探すかもしれない」
「そうですね……それでも、一回だけでも」
どうしても猫になりたい美しい妻のために、朱雀は魔法薬を調合することにした。変化の魔法薬は悪用されると困るものだが、健気な妻は嘘をついているように見えないし、一日だけ夫の願いを叶えてやりたいという気持ちは伝わって来た。
マンドラゴラの実に薬草を混ぜて、魔法をかけて作った魔法薬を薬瓶に入れて、朱雀はその美しい妻に渡した。お礼に大量のお金はもらえたけれど、これが根本的な解決になっていないことは、朱雀には分かっていた。
「あのおんなのひと、なんのおくすりをかっていったの?」
「猫になる魔法薬だよ」
「ねこたん……うさたんがかーいーよ?」
不思議に思って聞いてくる青慈に答えると、紫音は兎の方が可愛いと言う。兎で我慢できるのならば何の問題もないのにと朱雀は思わずにいられなかった。
数日後、若い美しい妻はまた杏と緑の家兼店にやって来た。
「あの日から、夫は私が化けた猫を探し続けています。どうすればいいのでしょう?」
「そうなると思ったのですよ」
「どうにかして、夫が猫に好かれる方法はないのかしら……」
意気消沈している若い美しい妻の言葉に、青慈が前に出て来た。
「おとうさん、ここにねこちゃんがいるよ!」
「え? 青慈、どこに猫が?」
「ほら!」
青慈が差し出したのは西瓜猫だった。
「びにゃー!」
「確かに猫だわ。猫じゃないけど猫……これならば、夫の猫への執着も満たされるかもしれない」
差し出された西瓜猫を見て、若い美しい妻は納得しそうになっている。
西瓜猫ならば飼い方を教えれば飼えないこともないと、朱雀は自分の腰の鞄から西瓜猫を一匹取り出した。
「この西瓜猫を飼ってみますか?」
「よろしいんですか?」
「栄養剤が必要になります。定期的に栄養剤を与えてください」
栄養剤に必要な薬草やその作り方を書いた紙も添えて西瓜猫を渡すと、若い美しい妻は西瓜猫を大事そうに抱いて帰って行った。
数日後、若い美しい妻はやって来て嬉しそうに報告してくれた。
「西瓜猫に夫は満足しています。とても可愛がっていて、妬けちゃうくらいです。西瓜猫も夫に懐いてくれて、私たちは幸せです」
解決したようでよかったが、結局朱雀がしたのは余計なことだった気がしてならなかった。青慈と紫音は西瓜猫と兎の雪と部屋で遊んでいた。
「あのおんなのひとは、どうしたの?」
「西瓜猫を可愛がるって言ってたよ」
「さいしょからそうすればよかったのにね」
「そうだよね」
白虎も猫を飼っているが、猫にはそんなに魅力があるのだろうか。紫音が兎を飼っているので朱雀の家ではこれ以上猫も犬も飼えなかったけれど、猫には他にないよさがあるのかもしれない。それが青慈の提案した西瓜猫で満たされたのならばそれはそれでいいのだろう。
こんな不思議な依頼が朱雀の元には時々舞い込むのだった。
「ねこちゃんになるおくすり、おれものんでみたいな」
「青慈も猫になりたいのかな?」
「ねこちゃんになったら、おもしろそうじゃない?」
興味津々の青慈に、紫音が首を傾げる。
「わたち、うさたんがいーなー」
「紫音は兎になりたいのかな」
「なったら、たのしいかなって」
猫になった青慈と兎になった紫音は可愛いだろうが、魔法薬はできる限り二人には使わせたくない。
「猫や兎にならなくても、青慈も紫音も可愛いから、魔法薬は作らない」
「えー! おれもなってみたかった」
「わたち、うさたん!」
「それじゃ、猫ちゃん、兎さんごっこをしたら?」
藍の提案で、青慈と紫音の猫と兎ごっこが始まる。
「にゃーご! ごろごろ、にゃー!」
「びにゃー!」
青慈は猫になったつもりで朱雀の足元に擦り寄って来ていた。西瓜猫も鳴きながら自己主張してくる。長椅子に座って朱雀は青慈を膝の上に乗せて撫でてやる。
「にゃー」
満足そうな青慈は、単純に朱雀に甘えて撫でられたかったのかもしれない。
兎は鳴かないと白と雪で知っているので、紫音は無言で跳ねて藍に擦り寄っていた。藍が抱っこすると、藍の胸に顔を擦り付けている。
「可愛い兎ちゃんね」
「わたち、うさたん……あ! しゃべっちゃった!」
「紫音ったら」
くすくすと笑われて、紫音は顔を赤くしていた。
たっぷり甘えたら満足したのか、青慈も紫音もおやつを食べる頃には猫ごっこと兎ごっこに飽きて、普通に遊んでいた。
「夫への愛情があると言っても、一日も猫になっていたのは大変だっただろうな」
「猫の餌を食べさせられたのかしら」
「夫への愛情で食べたのかな」
猫に姿を変える魔法薬を飲んだ若く美しい妻は、一日の間は猫の姿だったはずだ。その間に、餌も食べさせられただろうし、おやつももらったかもしれない。どれだけ愛情があっても、猫の餌や猫のおやつを食べることは難しい気がして、朱雀は純粋の彼女を尊敬してしまった。
「青慈も猫の餌を食べたい?」
「ねこのごはんはなぁに?」
「魚とか、鶏肉かな」
「それなら、たべられるよ」
「猫の健康のために、味はついてないんだよ?」
「え!? あじがないの!?」
猫の餌について青慈に言ってみると、最初は平気そうだったが、味がないと分かると嫌がっている。
「わたち、うさたんのごはん、やーよ!」
「紫音はお野菜そんなに好きじゃないものね」
「おやたい、たべられるけど、なまでぼりぼりたべない」
火を通した野菜は食べられる紫音だが、生野菜は胡瓜と赤茄子くらいしか食べない。火を通していないお野菜を食べるのは、紫音にとってはどうしても嫌なようだ。
「紫音は兎になれないわね。ならなくても可愛いからいいけど」
「わたち、にんげんがいい」
「そうね、私も紫音が人間の方がいいわ」
藍に言われて紫音は頬を赤らめて頷いている。
猫も可愛いかもしれないが、朱雀にとってこの世で一番可愛いのは青慈と紫音だった。
「これ、なぁに?」
「ねこちゃんみたいだね」
不思議そうに問いかけてずっしりと身の詰まって重い西瓜猫を抱き締めた青慈に、朱雀は説明する。
「これは西瓜猫だよ。西瓜でできている猫で、マンドラゴラの仲間の魔法生物だよ」
「マンドラゴラのなかま!」
「スイカねこちゃん!」
すっかり青慈と紫音が西瓜猫を気に入ってしまったので、朱雀はその一匹は青慈と紫音にあげることにして、調合のために新しい西瓜猫を取り出した。
「にゃーにゃ、うさたん、たべない?」
「西瓜だから食べないよ。栄養剤しか飲まない」
「しろちゃんとゆきちゃんともあそべるね」
心配そうな紫音に朱雀が答えると、青慈が嬉しそうににこにこしている。青慈が楽しそうなので二人に西瓜猫を一匹上げて、朱雀は調合を始めた。
魔法薬を求めて朱雀の元へ訪れる客の中には、変わったものもいる。
杏と緑に呼ばれて二人の家兼店に顔を出すと、青慈と紫音も当然のようについてくる。止めても無駄だから諦めていると、藍が話をしている間青慈と紫音の相手をしてくれるようだった。
「実は、特別な魔法薬を作って欲しいんです」
美しい女性は目を伏せながら呟く。
「お金ならばあります。どれだけかかってもいい。私のために、魔法薬を調合してくれませんか?」
「どんな魔法薬ですか?」
「猫になりたいのです」
「は?」
あまりのことに朱雀は言葉を失ってしまった。美しい女性は長い睫毛を伏せながら、悲し気に呟く。
「私の夫はとても優しいひとです。愛し合っていて、幸せに暮らしています。でも、夫は猫に好かれないのです」
ものすごく猫好きの夫が猫に好かれない。野良猫に餌をやろうとしても威嚇されてしまうし、猫を飼おうと子猫をもらってきても懐かない挙句、親猫が迎えに来て連れ帰ってしまう。そんな状態で意気消沈している夫のために、若い美しい妻は猫になりたいと言っている。
「魔法薬で一日だけでも私の姿を猫に変えられませんか? 私が猫になって、夫にたくさん甘えて、撫でさせてあげたいのです」
健気な美しい妻の行動は、一見間違っているようにも思えるが、必死であることは確かだった。着ているものも上質で、この若く美しい妻は、貴族か裕福な家の出身だろうと分かる。
「猫になる魔法薬……変化の魔法薬が作れないわけではないですが、一日で効果はなくなりますよ」
「一日だけでも、存分に夫に猫と触れ合わせてあげたい」
「一度猫を可愛がってしまうと、旦那さんはその猫を探すかもしれない」
「そうですね……それでも、一回だけでも」
どうしても猫になりたい美しい妻のために、朱雀は魔法薬を調合することにした。変化の魔法薬は悪用されると困るものだが、健気な妻は嘘をついているように見えないし、一日だけ夫の願いを叶えてやりたいという気持ちは伝わって来た。
マンドラゴラの実に薬草を混ぜて、魔法をかけて作った魔法薬を薬瓶に入れて、朱雀はその美しい妻に渡した。お礼に大量のお金はもらえたけれど、これが根本的な解決になっていないことは、朱雀には分かっていた。
「あのおんなのひと、なんのおくすりをかっていったの?」
「猫になる魔法薬だよ」
「ねこたん……うさたんがかーいーよ?」
不思議に思って聞いてくる青慈に答えると、紫音は兎の方が可愛いと言う。兎で我慢できるのならば何の問題もないのにと朱雀は思わずにいられなかった。
数日後、若い美しい妻はまた杏と緑の家兼店にやって来た。
「あの日から、夫は私が化けた猫を探し続けています。どうすればいいのでしょう?」
「そうなると思ったのですよ」
「どうにかして、夫が猫に好かれる方法はないのかしら……」
意気消沈している若い美しい妻の言葉に、青慈が前に出て来た。
「おとうさん、ここにねこちゃんがいるよ!」
「え? 青慈、どこに猫が?」
「ほら!」
青慈が差し出したのは西瓜猫だった。
「びにゃー!」
「確かに猫だわ。猫じゃないけど猫……これならば、夫の猫への執着も満たされるかもしれない」
差し出された西瓜猫を見て、若い美しい妻は納得しそうになっている。
西瓜猫ならば飼い方を教えれば飼えないこともないと、朱雀は自分の腰の鞄から西瓜猫を一匹取り出した。
「この西瓜猫を飼ってみますか?」
「よろしいんですか?」
「栄養剤が必要になります。定期的に栄養剤を与えてください」
栄養剤に必要な薬草やその作り方を書いた紙も添えて西瓜猫を渡すと、若い美しい妻は西瓜猫を大事そうに抱いて帰って行った。
数日後、若い美しい妻はやって来て嬉しそうに報告してくれた。
「西瓜猫に夫は満足しています。とても可愛がっていて、妬けちゃうくらいです。西瓜猫も夫に懐いてくれて、私たちは幸せです」
解決したようでよかったが、結局朱雀がしたのは余計なことだった気がしてならなかった。青慈と紫音は西瓜猫と兎の雪と部屋で遊んでいた。
「あのおんなのひとは、どうしたの?」
「西瓜猫を可愛がるって言ってたよ」
「さいしょからそうすればよかったのにね」
「そうだよね」
白虎も猫を飼っているが、猫にはそんなに魅力があるのだろうか。紫音が兎を飼っているので朱雀の家ではこれ以上猫も犬も飼えなかったけれど、猫には他にないよさがあるのかもしれない。それが青慈の提案した西瓜猫で満たされたのならばそれはそれでいいのだろう。
こんな不思議な依頼が朱雀の元には時々舞い込むのだった。
「ねこちゃんになるおくすり、おれものんでみたいな」
「青慈も猫になりたいのかな?」
「ねこちゃんになったら、おもしろそうじゃない?」
興味津々の青慈に、紫音が首を傾げる。
「わたち、うさたんがいーなー」
「紫音は兎になりたいのかな」
「なったら、たのしいかなって」
猫になった青慈と兎になった紫音は可愛いだろうが、魔法薬はできる限り二人には使わせたくない。
「猫や兎にならなくても、青慈も紫音も可愛いから、魔法薬は作らない」
「えー! おれもなってみたかった」
「わたち、うさたん!」
「それじゃ、猫ちゃん、兎さんごっこをしたら?」
藍の提案で、青慈と紫音の猫と兎ごっこが始まる。
「にゃーご! ごろごろ、にゃー!」
「びにゃー!」
青慈は猫になったつもりで朱雀の足元に擦り寄って来ていた。西瓜猫も鳴きながら自己主張してくる。長椅子に座って朱雀は青慈を膝の上に乗せて撫でてやる。
「にゃー」
満足そうな青慈は、単純に朱雀に甘えて撫でられたかったのかもしれない。
兎は鳴かないと白と雪で知っているので、紫音は無言で跳ねて藍に擦り寄っていた。藍が抱っこすると、藍の胸に顔を擦り付けている。
「可愛い兎ちゃんね」
「わたち、うさたん……あ! しゃべっちゃった!」
「紫音ったら」
くすくすと笑われて、紫音は顔を赤くしていた。
たっぷり甘えたら満足したのか、青慈も紫音もおやつを食べる頃には猫ごっこと兎ごっこに飽きて、普通に遊んでいた。
「夫への愛情があると言っても、一日も猫になっていたのは大変だっただろうな」
「猫の餌を食べさせられたのかしら」
「夫への愛情で食べたのかな」
猫に姿を変える魔法薬を飲んだ若く美しい妻は、一日の間は猫の姿だったはずだ。その間に、餌も食べさせられただろうし、おやつももらったかもしれない。どれだけ愛情があっても、猫の餌や猫のおやつを食べることは難しい気がして、朱雀は純粋の彼女を尊敬してしまった。
「青慈も猫の餌を食べたい?」
「ねこのごはんはなぁに?」
「魚とか、鶏肉かな」
「それなら、たべられるよ」
「猫の健康のために、味はついてないんだよ?」
「え!? あじがないの!?」
猫の餌について青慈に言ってみると、最初は平気そうだったが、味がないと分かると嫌がっている。
「わたち、うさたんのごはん、やーよ!」
「紫音はお野菜そんなに好きじゃないものね」
「おやたい、たべられるけど、なまでぼりぼりたべない」
火を通した野菜は食べられる紫音だが、生野菜は胡瓜と赤茄子くらいしか食べない。火を通していないお野菜を食べるのは、紫音にとってはどうしても嫌なようだ。
「紫音は兎になれないわね。ならなくても可愛いからいいけど」
「わたち、にんげんがいい」
「そうね、私も紫音が人間の方がいいわ」
藍に言われて紫音は頬を赤らめて頷いている。
猫も可愛いかもしれないが、朱雀にとってこの世で一番可愛いのは青慈と紫音だった。
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