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二章 成長する勇者と聖女
15.冬の襲撃者
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がりがりに痩せて肋骨の見えていた兎の雪も、朱雀の家で餌を安心して食べられるようになって、体に肉がついてきた。まだまだ華奢だが体の大きさも一回りは大きくなった。
外は雪が降っている中、濡れ縁に出て紫音と青慈は毎日雪を白と合わせていた。最初は警戒していた雪も、白に受け入れられていることが分かって、自分よりずっと巨大な白と仲良く戯れるようになった。
白の方が大きいし、雪はまだ子兎の域を出ない。子どもが生まれることもないだろうと、朱雀も紫音と青慈が白の元に雪を連れて行くのを止めなかった。
「しろたん、ゆきたんがきたら、ニンジンのカケラをあげてたの」
「しろちゃんとゆきちゃんはすっかりなかよしだね」
「しろたんは、ゆきたんがおよめたんになるって、わかってるのよ」
話しながら雪を抱いて部屋の中に戻って来た紫音と青慈の体には、粉雪が付いている。粉雪を払う藍の黒髪にも、粉雪が散っていた。
「寒いから外で遊べなくて紫音も青慈も退屈よね」
「おれ、たいくつじゃないよ。おれ、じのれんしゅうをはじめたんだ」
「わたち、たいくつちやう! えほん、よむの」
気にしている藍に、青慈は字を書く練習を始めて、紫音は絵本で字を読む練習を始めたことを話している。学校に入る前で青慈は少し早いかもしれないが、学校に憧れているので、それくらいしたいのかもしれない。卓の椅子に座って真剣に勉強用の帳面に字を書いていく青慈と、声を出して絵本を読んでいく紫音。暖炉では火が燃えて部屋の中を温かく保っている。
「緑さんが新しい手袋を編んでくれたから、お昼ご飯を食べてお昼寝も終わった後は、外で雪合戦をするかな?」
「ゆきがっせん!」
「したい!」
去年の手袋はもう入らないくらいに青慈と紫音は大きくなっている。青慈と紫音のために緑さんは小さな手袋を編んでくれていた。魔法のかかった毛糸なので、防寒に優れて、防水でもある。水で濡れても平気な手袋ならば、小さな手が冷たくならずに長時間遊べた。
新しく編んでもらった手袋を枕元に置いて紫音はお昼寝をして、青慈は長椅子で寛ぎながら静かに過ごす。時々眠ることもあったが、学校に行くにはお昼寝は卒業しなければいけないと聞いてから、青慈は寝台でお昼寝をしなくなった。長椅子でうとうとしていることもあったが、最近はほとんど眠らずに静かに体を休めながら本を読んでいる。
学校に憧れる青慈のために買って来た少し分厚い児童書を真剣に読んでいる様子を見ながら、藍は洗濯物を畳んで整理して、朱雀は魔法薬を調合する。紫音の眠っている二時間くらいの間はとても家が静かになる時間だった。
お昼寝から紫音が起きて来ると、朱雀はおやつの準備をする。食事やおやつは基本的に杏と緑も合流してみんなで食べているのだが、その日は杏も緑もおやつが出来上がっても姿を現さなかった。
不審に思った朱雀が藍と青慈と紫音と一緒に母屋から離れの棟を通って、杏と緑の家兼店に行くと、客らしき男性が怒鳴るのが聞こえてくる。
「勇者と聖女を出せ!」
「何を言っているんですか?」
「勇者と聖女を捕えて国王に差し出せば、懸賞金がもらえるに違いないんだ」
国王はまだ青慈と紫音を王都に置くことを諦めていないようだ。何を勘違いしたのかその男性は青慈と紫音を王都の国王のところに連れて行こうとしている。
「まだ小さいんだろう? どうせ魔王を倒したのは山の賢者で、勇者も聖女も簡単に連れ去れるはずだ。早く連れて来い」
杏の手を引っ張って人質にして緑に勇者と聖女を連れてくるように緑に要求する男性に、藍が呆れた様子でため息を吐いた。まだ男性は朱雀と藍と青慈と紫音に気付いていない。
青慈と紫音を抱き寄せた藍が、ひそひそと二人の耳に囁いている。
「人間を相手にするときには、青慈も紫音も、手加減をしなきゃダメよ?」
「てかげん?」
「てがけん、なぁに?」
不思議そうに聞く青慈と紫音に藍が説明する。
「殺しちゃいけないから、本気で殴ったり蹴ったりしないのよ。骨が折れない程度に優しくね」
「やさしく! わかった!」
「わかった、やさしい!」
「部屋の中で暴れると杏さんと緑さんのお家が壊れちゃうかもしれないから、暴れるのはお外に出てからね?」
「おそとにでてから! わかったよ!」
「おそとで、あばれる!」
しっかりと藍の説明を聞いてから、青慈と紫音が走り出る。後ろから出て来た藍が、杏と緑に頷いて合図をしている。
「この子たちが勇者と聖女よ。杏さんを放して。勇者と聖女と取り換えましょう」
「よし、いいだろう!」
杏を放した男性が、青慈と紫音を両脇に抱える。荷物のように抱えられて青慈も紫音も不満そうな顔だったが、家の中では暴れないという藍との約束を守って、男性が靴を履いて外に出るまで大人しくしていた。
男性を追い駆けて外に出た朱雀が見たのは、紫音の拳が鳩尾にめり込み、青慈の蹴りが頭に当たって吹っ飛ばされて雪の上に倒れる男性だった。防寒具も着ていなくて靴も履いていないので、雪の上に落ちた青慈と紫音はぷるぷると震えている。朱雀が青慈を抱き上げて、藍が紫音を抱き上げて引き寄せて温める。
「これでも勇者と聖女を連れて行くとまだ言うつもりか?」
「ひぃ!? お許しを!?」
朱雀が男性を睨み付けると、男性は腰を抜かしたままずりずりと雪の中を這いずって逃げて行った。
「青慈と紫音を連れて行こうなんて命知らずな奴だったわね」
「杏さん、大丈夫だったか?」
呆れ顔の藍に、朱雀が杏を案じると、杏は気丈にこくりと頷いた。
「びっくりしたけど平気よ。青慈、紫音、ありがとう」
「あんずさん、けががなくてよかったよ」
「あんたん、みどりたん、おやつにしよ?」
「そうだったわ。紫音、お腹が空いたのね」
きゅるきゅるとお腹を鳴らしている紫音を連れて家に戻った藍に、朱雀も青慈を抱いて家に戻る。部屋用の靴には雪が付いてしまったが、払って家の中に入った。
おやつのカステラを出すと、紫音が「にゅーにゅー!」と茶杯を差し出して待っている。紫音の茶杯には牛乳を、青慈の茶杯にはお茶と牛乳を入れて、藍と杏と緑はそれぞれお茶を淹れておやつを食べた。
おやつを食べ終わると、雪の上で青慈と紫音は防寒用の外套を着て、手袋もつけて遊び始めたのだが、男性が倒れたあたりを見て、紫音が鼻をつまんでいた。
「くさい! ここ、きいろいの!」
「あ、おしっこだ! あのひと、おしっこもらしたんだよ!」
雪の上に残る黄色いものは、男性が紫音に殴られ、青慈に蹴られて吹っ飛んで、痛みと恐怖のあまり失禁した痕だった。
藍が嫌そうにそこの雪を掘って、門の外に捨てた。
「お客のふりをして、店に来たのよ」
「青慈と紫音を攫って行って、王都で国王に引き渡して懸賞金をもらうつもりだったみたい」
杏と緑の言葉に、朱雀は顔を顰める。
青慈と紫音がどれだけ強いかを知っていたら、そんなことを考えもしなかっただろうに。命知らずな悪党だと、気の毒に思ってしまう。もしかすると肋骨の一本や二本折れていたかもしれないが、青慈と紫音を攫おうとした輩のことなど気にしないことにした。
青慈と紫音を攫おうとして漏らして帰った男性については、すぐに噂が広まるだろう。その噂が人々の中にある限りは、青慈と紫音を攫いに来るものはいない気がする。
庭の雪を丸めて、青慈と紫音が投げ合っている。かなりの剛速球になっているが、雪玉が小さいのでそれほど破壊力はなかった。
「しおんちゃん、まとあて、しよう!」
「まとあて、なぁに?」
「えっとね、あそこにておけがあるでしょう? あそこになんこゆきだまをいれられるか、きょうそうだよ!」
「ゆきだま、いれる!」
張り切っている紫音に青慈が雪玉を作ってあげている。青慈の作った雪玉を、藍に数えてもらっている間投げて、最後に手桶を持って来て中に入っている雪玉を数える。次は青慈が雪玉を投げて、数える。
寒い中でも頬っぺたと鼻の頭を真っ赤にしながら遊ぶ青慈と紫音を見て、朱雀は温かいお茶を淹れて二人に声をかけた。
「体が冷えただろう? ちょっと休憩しないかな?」
濡れ縁で温かいお茶をふうふうと吹き冷ましながら飲む青慈と紫音。もくもくと上がる蒸気が外の寒さを表していた。
外は雪が降っている中、濡れ縁に出て紫音と青慈は毎日雪を白と合わせていた。最初は警戒していた雪も、白に受け入れられていることが分かって、自分よりずっと巨大な白と仲良く戯れるようになった。
白の方が大きいし、雪はまだ子兎の域を出ない。子どもが生まれることもないだろうと、朱雀も紫音と青慈が白の元に雪を連れて行くのを止めなかった。
「しろたん、ゆきたんがきたら、ニンジンのカケラをあげてたの」
「しろちゃんとゆきちゃんはすっかりなかよしだね」
「しろたんは、ゆきたんがおよめたんになるって、わかってるのよ」
話しながら雪を抱いて部屋の中に戻って来た紫音と青慈の体には、粉雪が付いている。粉雪を払う藍の黒髪にも、粉雪が散っていた。
「寒いから外で遊べなくて紫音も青慈も退屈よね」
「おれ、たいくつじゃないよ。おれ、じのれんしゅうをはじめたんだ」
「わたち、たいくつちやう! えほん、よむの」
気にしている藍に、青慈は字を書く練習を始めて、紫音は絵本で字を読む練習を始めたことを話している。学校に入る前で青慈は少し早いかもしれないが、学校に憧れているので、それくらいしたいのかもしれない。卓の椅子に座って真剣に勉強用の帳面に字を書いていく青慈と、声を出して絵本を読んでいく紫音。暖炉では火が燃えて部屋の中を温かく保っている。
「緑さんが新しい手袋を編んでくれたから、お昼ご飯を食べてお昼寝も終わった後は、外で雪合戦をするかな?」
「ゆきがっせん!」
「したい!」
去年の手袋はもう入らないくらいに青慈と紫音は大きくなっている。青慈と紫音のために緑さんは小さな手袋を編んでくれていた。魔法のかかった毛糸なので、防寒に優れて、防水でもある。水で濡れても平気な手袋ならば、小さな手が冷たくならずに長時間遊べた。
新しく編んでもらった手袋を枕元に置いて紫音はお昼寝をして、青慈は長椅子で寛ぎながら静かに過ごす。時々眠ることもあったが、学校に行くにはお昼寝は卒業しなければいけないと聞いてから、青慈は寝台でお昼寝をしなくなった。長椅子でうとうとしていることもあったが、最近はほとんど眠らずに静かに体を休めながら本を読んでいる。
学校に憧れる青慈のために買って来た少し分厚い児童書を真剣に読んでいる様子を見ながら、藍は洗濯物を畳んで整理して、朱雀は魔法薬を調合する。紫音の眠っている二時間くらいの間はとても家が静かになる時間だった。
お昼寝から紫音が起きて来ると、朱雀はおやつの準備をする。食事やおやつは基本的に杏と緑も合流してみんなで食べているのだが、その日は杏も緑もおやつが出来上がっても姿を現さなかった。
不審に思った朱雀が藍と青慈と紫音と一緒に母屋から離れの棟を通って、杏と緑の家兼店に行くと、客らしき男性が怒鳴るのが聞こえてくる。
「勇者と聖女を出せ!」
「何を言っているんですか?」
「勇者と聖女を捕えて国王に差し出せば、懸賞金がもらえるに違いないんだ」
国王はまだ青慈と紫音を王都に置くことを諦めていないようだ。何を勘違いしたのかその男性は青慈と紫音を王都の国王のところに連れて行こうとしている。
「まだ小さいんだろう? どうせ魔王を倒したのは山の賢者で、勇者も聖女も簡単に連れ去れるはずだ。早く連れて来い」
杏の手を引っ張って人質にして緑に勇者と聖女を連れてくるように緑に要求する男性に、藍が呆れた様子でため息を吐いた。まだ男性は朱雀と藍と青慈と紫音に気付いていない。
青慈と紫音を抱き寄せた藍が、ひそひそと二人の耳に囁いている。
「人間を相手にするときには、青慈も紫音も、手加減をしなきゃダメよ?」
「てかげん?」
「てがけん、なぁに?」
不思議そうに聞く青慈と紫音に藍が説明する。
「殺しちゃいけないから、本気で殴ったり蹴ったりしないのよ。骨が折れない程度に優しくね」
「やさしく! わかった!」
「わかった、やさしい!」
「部屋の中で暴れると杏さんと緑さんのお家が壊れちゃうかもしれないから、暴れるのはお外に出てからね?」
「おそとにでてから! わかったよ!」
「おそとで、あばれる!」
しっかりと藍の説明を聞いてから、青慈と紫音が走り出る。後ろから出て来た藍が、杏と緑に頷いて合図をしている。
「この子たちが勇者と聖女よ。杏さんを放して。勇者と聖女と取り換えましょう」
「よし、いいだろう!」
杏を放した男性が、青慈と紫音を両脇に抱える。荷物のように抱えられて青慈も紫音も不満そうな顔だったが、家の中では暴れないという藍との約束を守って、男性が靴を履いて外に出るまで大人しくしていた。
男性を追い駆けて外に出た朱雀が見たのは、紫音の拳が鳩尾にめり込み、青慈の蹴りが頭に当たって吹っ飛ばされて雪の上に倒れる男性だった。防寒具も着ていなくて靴も履いていないので、雪の上に落ちた青慈と紫音はぷるぷると震えている。朱雀が青慈を抱き上げて、藍が紫音を抱き上げて引き寄せて温める。
「これでも勇者と聖女を連れて行くとまだ言うつもりか?」
「ひぃ!? お許しを!?」
朱雀が男性を睨み付けると、男性は腰を抜かしたままずりずりと雪の中を這いずって逃げて行った。
「青慈と紫音を連れて行こうなんて命知らずな奴だったわね」
「杏さん、大丈夫だったか?」
呆れ顔の藍に、朱雀が杏を案じると、杏は気丈にこくりと頷いた。
「びっくりしたけど平気よ。青慈、紫音、ありがとう」
「あんずさん、けががなくてよかったよ」
「あんたん、みどりたん、おやつにしよ?」
「そうだったわ。紫音、お腹が空いたのね」
きゅるきゅるとお腹を鳴らしている紫音を連れて家に戻った藍に、朱雀も青慈を抱いて家に戻る。部屋用の靴には雪が付いてしまったが、払って家の中に入った。
おやつのカステラを出すと、紫音が「にゅーにゅー!」と茶杯を差し出して待っている。紫音の茶杯には牛乳を、青慈の茶杯にはお茶と牛乳を入れて、藍と杏と緑はそれぞれお茶を淹れておやつを食べた。
おやつを食べ終わると、雪の上で青慈と紫音は防寒用の外套を着て、手袋もつけて遊び始めたのだが、男性が倒れたあたりを見て、紫音が鼻をつまんでいた。
「くさい! ここ、きいろいの!」
「あ、おしっこだ! あのひと、おしっこもらしたんだよ!」
雪の上に残る黄色いものは、男性が紫音に殴られ、青慈に蹴られて吹っ飛んで、痛みと恐怖のあまり失禁した痕だった。
藍が嫌そうにそこの雪を掘って、門の外に捨てた。
「お客のふりをして、店に来たのよ」
「青慈と紫音を攫って行って、王都で国王に引き渡して懸賞金をもらうつもりだったみたい」
杏と緑の言葉に、朱雀は顔を顰める。
青慈と紫音がどれだけ強いかを知っていたら、そんなことを考えもしなかっただろうに。命知らずな悪党だと、気の毒に思ってしまう。もしかすると肋骨の一本や二本折れていたかもしれないが、青慈と紫音を攫おうとした輩のことなど気にしないことにした。
青慈と紫音を攫おうとして漏らして帰った男性については、すぐに噂が広まるだろう。その噂が人々の中にある限りは、青慈と紫音を攫いに来るものはいない気がする。
庭の雪を丸めて、青慈と紫音が投げ合っている。かなりの剛速球になっているが、雪玉が小さいのでそれほど破壊力はなかった。
「しおんちゃん、まとあて、しよう!」
「まとあて、なぁに?」
「えっとね、あそこにておけがあるでしょう? あそこになんこゆきだまをいれられるか、きょうそうだよ!」
「ゆきだま、いれる!」
張り切っている紫音に青慈が雪玉を作ってあげている。青慈の作った雪玉を、藍に数えてもらっている間投げて、最後に手桶を持って来て中に入っている雪玉を数える。次は青慈が雪玉を投げて、数える。
寒い中でも頬っぺたと鼻の頭を真っ赤にしながら遊ぶ青慈と紫音を見て、朱雀は温かいお茶を淹れて二人に声をかけた。
「体が冷えただろう? ちょっと休憩しないかな?」
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