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一章 勇者と聖女と妖精種
19.青慈と紫音の兄妹喧嘩
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雑貨屋の母親のところに生まれた男の子は、店が開いている間は祖父母の元に預けられるようになっていた。青慈と紫音にとってはその子と会うのも雑貨屋に来る楽しみだったので、いないことに気付いてきょろきょろと店の中を見回していた。
「あの子はお祖父ちゃんとお祖母ちゃんのところに行ってるよ」
「おじいたん、おばあたん、なぁに?」
「私の両親……お父さんとお母さんだね」
「せーのおじいたんとおばあたん、どこ?」
興味津々で問いかけてくる青慈に、祖父母がいる可能性を朱雀はこれまで考えたことがなかった。勇者である青慈を守って両親は亡くなったが、青慈の祖父母は生きている可能性があるかもしれない。
「しー、じっじ、ばっば?」
紫音に至っては両親は生きているだろうし、祖父母も生きている可能性が高い。妻子のある男性との間に子どもを作ってしまって、育てられずに紫音を山に捨てたという母親が、紫音を今更取り返しに来ても朱雀は渡す気などさらさらなかった。しかし、青慈の祖父母ならばどうだろう。探して見付かったなら、青慈を返さなくてはいけないのだろうか。
「とーた、しー、じっじ、ばっば!」
疑問に答えてもらえない紫音が朱雀のズボンを引っ張って一生懸命に自己主張している。考え事に耽りそうになっていた朱雀は我に返った。
「青慈のお祖父さんとお祖母さんのことも、紫音のお祖父さんとお祖母さんのことも、私はよく分からないんだ」
「せー、ほんとうのおとーたんとおかーたん、おはかにいるよ。しおたんのほんとうのおとーたんとおかーたんは?」
「しー、とーと、かーか、せー、ちやう!?」
時々お墓参りに行く青慈の両親を紫音は自分の両親だと思っていたようで、違うことを理解すると衝撃を受けている。紫色のお目目を見開いている紫音にどう説明していいのか分からないでいると、藍が雑貨屋の棚から箱を持ってきた。
「蜜蝋で作った幼児用の筆記用具だって。青慈と紫音にどうかしら?」
「それはうちの子のために仕入れたんだけど、楽しそうに使ってたよ。ちょっとお値段が高いのが玉に瑕だけど、朱雀さんなら平気だろう?」
箱の中には色とりどりの丸い持つ部分が紙に包まれた筆記用具が入っている。
「クレヨンっていうんだよ」
「クレヨン……青慈も紫音もお絵描きを初めてもいい頃かもしれませんね」
買うことを決めて腰の鞄から財布を取り出すと、雑貨屋の母親が言う。
「一人ひと箱ないと喧嘩になっちゃうかもしれないよ」
「それもそうかもしれない」
商売上手の雑貨屋の母親に負けて、朱雀は紫音と青慈の分の二箱クレヨンを買った。
帰り道で朱雀は足元をちょこちょこ走る青慈と紫音を見ながら考え込んでしまう。
青慈の両親は亡くなっていることが分かっている。祖父母は生きているのかどうか分からない。
紫音の両親は恐らく生きていることは分かっている。祖父母も生きているだろうが、朱雀は紫音を捨てた母親に紫音を返すつもりはない。
問題はこのことをどうやって青慈と紫音に伝えるかである。まだ紫音は幼くてよく分かっていないが、青慈の方は自分の両親の墓参りにも行っているし、家族に興味のあるお年頃だ。
「おえかき、できるんだよ」
「おえかい!」
「しおたん、なにをかく?」
「あーた!」
「あいたんをかくの?」
楽しそうに話しながら帰っている青慈も紫音も、雑貨屋での会話はすっかり忘れてしまっているようだったが、いつかは話さなければいけないことだと朱雀は覚悟していた。
家に戻るとお昼寝をしてから、おやつを食べて、青慈と紫音は紙を広げてクレヨンでお絵描きを始める。紫音はまだぐるぐると円を描くようなものしか描けないが、青慈の方は大根や人参を楽しそうに描いて塗っていた。
「これ、しおたんのにんじんたんだよ」
「しーのじんじん」
「こっちが、せーのだいこんたん。よろいをきてるんだ。かっこいいでしょう?」
「だーこ!」
紫音も青慈を真似して形のあるものを描きたいようだが、小さな手がそれについて行かない。飽きてしまったのか紙を投げ出して椅子から降りた紫音に、青慈はしばらくお絵描きを続けていたが、部屋の隅に行った紫音の方に椅子から降りて歩いて行く。
「しおたん、おかたづけしよ……あー! しおたん、かべにかきかきしたの?」
「ちやう! せーよ!」
「え? せー、かきかきしてないよ!?」
クレヨンを握り締めて紫音が座っている前の部屋の隅の壁にぐるぐると渦巻のようなものが見える。青慈は今そこに行ったので描いているわけはないし、クレヨンも持っていない。紫音は橙色のクレヨンと緑色のクレヨンを両手に持っていて、壁に描かれた渦巻は橙と緑なのに、紫音はビシッと青慈を指さした。
「せー、ちた!」
「せーじゃない! せー、してないもん!」
「せー、ちた! しー、ちらない!」
罪を擦り付けられて青慈は涙目になって朱雀と藍のところに走って来た。
「せー、してないのに、しおたんが、せーがしたっていう!」
「青慈、紫音と話してみましょうね」
「おとーたん、せー、してないのよ?」
「分かっているよ。紫音と話すよ」
青慈を抱っこして紫音の元に行くと、紫音は眉を吊り上げてぷるぷると震えている。
「しー、ちやう! せー、ちた!」
「紫音、壁にお絵描きをしたのはいけないけど、それよりもっといけないことは、自分がしたことを他のひとのせいにしてしまうことだよ」
「しー、ちやうー!」
声を上げて泣き出した紫音に、青慈もぽろぽろと涙を零しだす。
「せー、ちがうよー! しおたんだもん!」
「ちやうー! せーよ!」
泣き喚く二人に朱雀が困っていると、藍が近付いて来て紫音を膝に抱き上げてぎゅっと抱き締める。紫音の手からぽろりとクレヨンが落ちて、藍の胸に縋り付いてぐすぐすと泣いている。
「紫音は、人参や大根が描けなくて悔しかったの?」
「しー、かちたかった」
「青慈が羨ましかったのね」
ゆっくりと心を解くように話しかける藍に、洟を垂らした紫音が涙を拭いている。
「悔しかったから、羨ましかったから、青慈のせいにするのは違うわ。紫音、自分がしたのだったら、ちゃんと謝らないとだめよ」
「せー、えんえん」
「紫音が青慈がしたって言い張るから、青慈は泣いてしまったわ」
「せー、ごめちゃい……しー、ちた。ごめちゃい!」
ぼろぼろと涙を流しながら謝る紫音の顔を藍が拭いてあげる。誤解が解けて朱雀に抱っこされていた青慈も涙を拭いていた。
「いいよ、しおたん。せーはしおたんのおにーたんだから、いっしょにかべをふいてあげる」
「ふちふちすゆ」
「ふいて、きれいきれいしようね」
雑巾を藍に絞ってもらって、壁に描かれた緑と橙の渦巻きを消していく紫音と青慈。紫音が拭いたところはひと拭きでクレヨンが消えていくのに、青慈が拭いたところはなかなか消えない。結局紫音がほとんどのクレヨンを消してしまった。
「これは、もしかして聖女の浄化の力」
まさかクレヨンの落書きを消すときに発動するとは思わなかったが、紫音から魔力を感じ取って朱雀は戸惑っていた。泣いたせいか二人とも疲れて長椅子で座って、ぐったりしている。泣き疲れた紫音と青慈には、藍が麦茶を飲ませていた。
「少し早いけど、ご飯を食べたらすぐに眠れるようにお風呂に入りましょうか」
「あい」
「あいたん、はいろ」
お風呂場に連れていかれる青慈と紫音を見送った朱雀は、そばで一部始終を見ていた杏と緑に話しかけた。
「ああいうとき、親代わりとして私はどうすればよかったんだろう」
「私にもよく分からないわ。藍さんは子育てに慣れてるみたいだからできたけど」
「朱雀さんは青慈を抱き締めてあげたじゃない。あれで正解だったと思う」
親代わりとして自信を無くしそうになっているのは今回の紫音と青慈の諍いが原因ではなかった。青慈と紫音を祖父母や血縁が迎えに来ることを考えてしまったのだ。
「青慈は勇者で、紫音は聖女だ。二人の能力を知ったら、血縁が探しに来ないだろうか」
「朱雀さん、何を言ってるのよ」
「青慈と紫音をこれまで育てたのは朱雀さんでしょう? 放り出しておいて、実は勇者と聖女だったから返せなんて言う輩は、蹴り出せばいいのよ」
「そうじゃなくて、青慈の両親が亡くなったのを知らない祖父母がやってきたら?」
それが朱雀にとっては一番怖いのだと口にすると、杏と緑に苦笑されてしまう。
「祖父母がいたとして、四年間も行方が知れないなら血眼になって探しているはずだわ」
「それをしていない時点で、そのひとたちは祖父母として青慈を引き取る資格はないし、そうであって見つけられなかっただけならば、朱雀さんがどれだけ青慈を愛して育てて来たかを知れば、納得してもらえるわよ」
本当にいいひとたちであるのならば、朱雀が青慈を大事に育てて可愛がっているのを見れば納得してくれる。そうでないのならば碌な祖父母ではないというのが、杏と緑の見解だった。確かに言われてみればその通りに思えてくる。
杏と緑の言葉に朱雀は少し落ち着くことができた。
「あの子はお祖父ちゃんとお祖母ちゃんのところに行ってるよ」
「おじいたん、おばあたん、なぁに?」
「私の両親……お父さんとお母さんだね」
「せーのおじいたんとおばあたん、どこ?」
興味津々で問いかけてくる青慈に、祖父母がいる可能性を朱雀はこれまで考えたことがなかった。勇者である青慈を守って両親は亡くなったが、青慈の祖父母は生きている可能性があるかもしれない。
「しー、じっじ、ばっば?」
紫音に至っては両親は生きているだろうし、祖父母も生きている可能性が高い。妻子のある男性との間に子どもを作ってしまって、育てられずに紫音を山に捨てたという母親が、紫音を今更取り返しに来ても朱雀は渡す気などさらさらなかった。しかし、青慈の祖父母ならばどうだろう。探して見付かったなら、青慈を返さなくてはいけないのだろうか。
「とーた、しー、じっじ、ばっば!」
疑問に答えてもらえない紫音が朱雀のズボンを引っ張って一生懸命に自己主張している。考え事に耽りそうになっていた朱雀は我に返った。
「青慈のお祖父さんとお祖母さんのことも、紫音のお祖父さんとお祖母さんのことも、私はよく分からないんだ」
「せー、ほんとうのおとーたんとおかーたん、おはかにいるよ。しおたんのほんとうのおとーたんとおかーたんは?」
「しー、とーと、かーか、せー、ちやう!?」
時々お墓参りに行く青慈の両親を紫音は自分の両親だと思っていたようで、違うことを理解すると衝撃を受けている。紫色のお目目を見開いている紫音にどう説明していいのか分からないでいると、藍が雑貨屋の棚から箱を持ってきた。
「蜜蝋で作った幼児用の筆記用具だって。青慈と紫音にどうかしら?」
「それはうちの子のために仕入れたんだけど、楽しそうに使ってたよ。ちょっとお値段が高いのが玉に瑕だけど、朱雀さんなら平気だろう?」
箱の中には色とりどりの丸い持つ部分が紙に包まれた筆記用具が入っている。
「クレヨンっていうんだよ」
「クレヨン……青慈も紫音もお絵描きを初めてもいい頃かもしれませんね」
買うことを決めて腰の鞄から財布を取り出すと、雑貨屋の母親が言う。
「一人ひと箱ないと喧嘩になっちゃうかもしれないよ」
「それもそうかもしれない」
商売上手の雑貨屋の母親に負けて、朱雀は紫音と青慈の分の二箱クレヨンを買った。
帰り道で朱雀は足元をちょこちょこ走る青慈と紫音を見ながら考え込んでしまう。
青慈の両親は亡くなっていることが分かっている。祖父母は生きているのかどうか分からない。
紫音の両親は恐らく生きていることは分かっている。祖父母も生きているだろうが、朱雀は紫音を捨てた母親に紫音を返すつもりはない。
問題はこのことをどうやって青慈と紫音に伝えるかである。まだ紫音は幼くてよく分かっていないが、青慈の方は自分の両親の墓参りにも行っているし、家族に興味のあるお年頃だ。
「おえかき、できるんだよ」
「おえかい!」
「しおたん、なにをかく?」
「あーた!」
「あいたんをかくの?」
楽しそうに話しながら帰っている青慈も紫音も、雑貨屋での会話はすっかり忘れてしまっているようだったが、いつかは話さなければいけないことだと朱雀は覚悟していた。
家に戻るとお昼寝をしてから、おやつを食べて、青慈と紫音は紙を広げてクレヨンでお絵描きを始める。紫音はまだぐるぐると円を描くようなものしか描けないが、青慈の方は大根や人参を楽しそうに描いて塗っていた。
「これ、しおたんのにんじんたんだよ」
「しーのじんじん」
「こっちが、せーのだいこんたん。よろいをきてるんだ。かっこいいでしょう?」
「だーこ!」
紫音も青慈を真似して形のあるものを描きたいようだが、小さな手がそれについて行かない。飽きてしまったのか紙を投げ出して椅子から降りた紫音に、青慈はしばらくお絵描きを続けていたが、部屋の隅に行った紫音の方に椅子から降りて歩いて行く。
「しおたん、おかたづけしよ……あー! しおたん、かべにかきかきしたの?」
「ちやう! せーよ!」
「え? せー、かきかきしてないよ!?」
クレヨンを握り締めて紫音が座っている前の部屋の隅の壁にぐるぐると渦巻のようなものが見える。青慈は今そこに行ったので描いているわけはないし、クレヨンも持っていない。紫音は橙色のクレヨンと緑色のクレヨンを両手に持っていて、壁に描かれた渦巻は橙と緑なのに、紫音はビシッと青慈を指さした。
「せー、ちた!」
「せーじゃない! せー、してないもん!」
「せー、ちた! しー、ちらない!」
罪を擦り付けられて青慈は涙目になって朱雀と藍のところに走って来た。
「せー、してないのに、しおたんが、せーがしたっていう!」
「青慈、紫音と話してみましょうね」
「おとーたん、せー、してないのよ?」
「分かっているよ。紫音と話すよ」
青慈を抱っこして紫音の元に行くと、紫音は眉を吊り上げてぷるぷると震えている。
「しー、ちやう! せー、ちた!」
「紫音、壁にお絵描きをしたのはいけないけど、それよりもっといけないことは、自分がしたことを他のひとのせいにしてしまうことだよ」
「しー、ちやうー!」
声を上げて泣き出した紫音に、青慈もぽろぽろと涙を零しだす。
「せー、ちがうよー! しおたんだもん!」
「ちやうー! せーよ!」
泣き喚く二人に朱雀が困っていると、藍が近付いて来て紫音を膝に抱き上げてぎゅっと抱き締める。紫音の手からぽろりとクレヨンが落ちて、藍の胸に縋り付いてぐすぐすと泣いている。
「紫音は、人参や大根が描けなくて悔しかったの?」
「しー、かちたかった」
「青慈が羨ましかったのね」
ゆっくりと心を解くように話しかける藍に、洟を垂らした紫音が涙を拭いている。
「悔しかったから、羨ましかったから、青慈のせいにするのは違うわ。紫音、自分がしたのだったら、ちゃんと謝らないとだめよ」
「せー、えんえん」
「紫音が青慈がしたって言い張るから、青慈は泣いてしまったわ」
「せー、ごめちゃい……しー、ちた。ごめちゃい!」
ぼろぼろと涙を流しながら謝る紫音の顔を藍が拭いてあげる。誤解が解けて朱雀に抱っこされていた青慈も涙を拭いていた。
「いいよ、しおたん。せーはしおたんのおにーたんだから、いっしょにかべをふいてあげる」
「ふちふちすゆ」
「ふいて、きれいきれいしようね」
雑巾を藍に絞ってもらって、壁に描かれた緑と橙の渦巻きを消していく紫音と青慈。紫音が拭いたところはひと拭きでクレヨンが消えていくのに、青慈が拭いたところはなかなか消えない。結局紫音がほとんどのクレヨンを消してしまった。
「これは、もしかして聖女の浄化の力」
まさかクレヨンの落書きを消すときに発動するとは思わなかったが、紫音から魔力を感じ取って朱雀は戸惑っていた。泣いたせいか二人とも疲れて長椅子で座って、ぐったりしている。泣き疲れた紫音と青慈には、藍が麦茶を飲ませていた。
「少し早いけど、ご飯を食べたらすぐに眠れるようにお風呂に入りましょうか」
「あい」
「あいたん、はいろ」
お風呂場に連れていかれる青慈と紫音を見送った朱雀は、そばで一部始終を見ていた杏と緑に話しかけた。
「ああいうとき、親代わりとして私はどうすればよかったんだろう」
「私にもよく分からないわ。藍さんは子育てに慣れてるみたいだからできたけど」
「朱雀さんは青慈を抱き締めてあげたじゃない。あれで正解だったと思う」
親代わりとして自信を無くしそうになっているのは今回の紫音と青慈の諍いが原因ではなかった。青慈と紫音を祖父母や血縁が迎えに来ることを考えてしまったのだ。
「青慈は勇者で、紫音は聖女だ。二人の能力を知ったら、血縁が探しに来ないだろうか」
「朱雀さん、何を言ってるのよ」
「青慈と紫音をこれまで育てたのは朱雀さんでしょう? 放り出しておいて、実は勇者と聖女だったから返せなんて言う輩は、蹴り出せばいいのよ」
「そうじゃなくて、青慈の両親が亡くなったのを知らない祖父母がやってきたら?」
それが朱雀にとっては一番怖いのだと口にすると、杏と緑に苦笑されてしまう。
「祖父母がいたとして、四年間も行方が知れないなら血眼になって探しているはずだわ」
「それをしていない時点で、そのひとたちは祖父母として青慈を引き取る資格はないし、そうであって見つけられなかっただけならば、朱雀さんがどれだけ青慈を愛して育てて来たかを知れば、納得してもらえるわよ」
本当にいいひとたちであるのならば、朱雀が青慈を大事に育てて可愛がっているのを見れば納得してくれる。そうでないのならば碌な祖父母ではないというのが、杏と緑の見解だった。確かに言われてみればその通りに思えてくる。
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