18 / 100
一章 勇者と聖女と妖精種
18.朱雀のお誕生日
しおりを挟む
季節は夏に移り変わる。
日差しは日に日に強くなって、日除けの上着を羽織った青慈と紫音は、屋根のある濡れ縁で遊んでも汗びっしょりになるようになった。畑の薬草は青々と茂っていて、皿に畑を広げて白虎経由で玄武からもらった種も育って葉を収穫できるようになっている。
青い花を摘んでいる朱雀も、日差しに汗が滲んで緩やかに波打つ銀色の髪も湿っぽくなっていた。
「あちゅい!」
「のどがかわいたねー」
「おなか、ちーた!」
お昼ご飯の時間が近くなって、青慈と紫音は一度風呂場で水浴びをさせられていた。
「庭に水遊び用の大きな盥があったらいいんだけどね」
「おみず、あそびたい!」
「みじゅ、ぴちゃぴちゃ!」
頭から冷たい水をかけられてさっぱりと現れた青慈と紫音は、新しい服に着替えて、長椅子で麦茶を飲んでいた。昼食のために今にやって来た緑と杏も汗をかいていたが、二人は別のことに意識が向いているようだった。
「お昼ご飯を食べ終わったら、私と緑さんにお休みをくれない?」
「台所を使いたいの!」
何をするのか分からなかったが、休みが欲しいのならば朱雀はいつでも与える気でいたし、台所も使いたいと申し出れば貸す気でいた。午後は調合をしようと考えていたが、それは別の日に回せばいい。
「構わないよ。藍さんも休みをもらう?」
「私はいらないわ。それより、青慈と紫音が水遊びをできるようにしたいの。暑いから、少しでも涼しいことをさせてあげたい」
冬場に使っていた盥では二人一度に中に入ることはできない。二人が水遊びをできる盥となるともっと大きなものが必要になるが、麓の街には売っていないだろう。
藍の願いはできる限り叶えたかったが、難しそうで朱雀は悩んでしまう。思案している朱雀に青慈が元気にお手手を上げて発言した。
「ちいさなたらいでも、じゅんばんにつかえばだいじょうぶだよ」
「じゅんばん?」
「しおたんがなかであそんだら、つぎはせーがあそぶの」
「しー、せー?」
「そう。じゅんばんだよ」
紫音に言い聞かせる青慈の成長した様子に朱雀は感動してしまっていた。一つの盥を取り合うことなく二人は仲良く使うことができる。4歳にもなると子どもはこんなに成長するのだろうか。
感動しつつ昼食を卓に並べると、青慈も紫音もたっぷりと食べていた。暑い日は続いているが、山の森の中なので風が吹けばそれなりに過ごせる温度になる。日差しは強いが、日陰は涼しい。
お昼ご飯を食べると青慈と紫音は眠ってしまったが、朱雀は盥を濡れ縁に出して、水を張っておいた。台所には入らないで欲しいと杏と緑に言われているので、家を囲う柵に魔法薬を垂らしていって結界の強化を図る。一周して帰ってくる頃には汗びっしょりになっていたので、朱雀も風呂場で水を浴びた。
着替えてさっぱりして居間に出ると香ばしい匂いがしている。杏と緑は何か作っているようだ。二階の寝室でお昼寝をしている紫音と青慈には藍が付いていてくれるので、白虎から届けてもらった文献を長椅子に座って朱雀は読み耽っていた。
「おちたー!」
「おなかすいたね」
「ねー」
お昼寝からすっきりと目覚めて来た青慈と紫音におやつを求められているのだと気付いて、朱雀は台所の方を見た。台所から杏と緑が甘く香ばしい匂いのするものを持って出て来ていた。
「あんたん、みどりたん、なぁに?」
「ケーキは難しくて作れなかったけど、カステラに生クリームを挟んでみたわ」
「朱雀さんお誕生日おめでとう!」
夏が誕生日だと朱雀は教えていたが、正確な日付は朱雀自身も覚えていなかった。青慈と紫音のときのように、杏と緑は朱雀のお誕生日をいつか考えて決めて、祝うことにしてくれたのだ。
「私のお誕生日……」
「おとーたん、おめでとう!」
「おめめと!」
青慈と紫音にもお祝いを言われて、朱雀は笑顔になる。
「晩ご飯はご馳走にしないといけなくなったな」
「やったー! ごちそう!」
「ごちとー!」
自分の誕生日を自分で祝うのもおかしいが、料理を作るのは朱雀と決めているので、期待する青慈と紫音のためにも晩ご飯はご馳走をつくらなければいけない。
お皿に乗せられた生クリームを挟んだカステラは、甘いいい香りがしている。
「たらきまつっ!」
「紫音、待って。先にすることがあったでしょう?」
「あ! しー、おうた!」
カステラを見ると涎を垂らして食べようとする紫音に、藍が囁くと、紫音は子ども用の椅子に座ったままで歌い出した。2歳と思えないくらい旋律のしっかりとした歌は、歌詞は聞き取れないけれど、とても美しいものだった。
「せーからは、これ!」
青慈からは庭の花を摘んだ花束が渡される。
「あいたんがしおたんとせーにおしえてくれたの」
ケーキ代わりのカステラを作るのは杏と緑の担当で、藍は紫音に歌を教えて、青慈に花束を作らせる担当だったようだ。
「贈り物もあるのよ」
「私と緑さんで作ったの」
手渡された贈り物は、生成りの生地で作られた青慈と紫音とお揃いの立て襟で紐の付いたボタンのある上衣だった。
「ありがとう」
「朱雀さんは薬草で染めて魔法の力をつけるみたいだから、生成りを選んだのよ」
「染めて使ってね」
自分が青慈と紫音を守ることばかりに気を取られていて、自分の身なりは気にしていなかったことに杏と緑は気付かせてくれる。これからは藍と杏と緑の分も服を薬草で染めようと朱雀は決めていた。
生クリームを挟んだカステラを食べた後で、青慈と紫音は濡れ縁に出した盥の水で遊んでいた。パンツ一枚になって、盥の中に入ったり、盥の水を如雨露で汲んでお互いにかけあったりして笑い合っている。
「しおたん、つぎはせーのばんよ!」
「やーの!」
「せーのばんー!」
仲良く遊べるかと思っていたが4歳と2歳ではまだ順番を守るのは難しいようだ。盥の中に入っている紫音が動こうとしなくて、青慈は涙目になって堪えている。
「かわってー!」
「やーの!」
「あいたん、しおたんがかわってくれないー!」
拒否し続ける紫音に、青慈が藍に泣き付く。
「紫音、順番で遊ぶ約束でしょう?」
「やーの!」
「順番が守れるいい子だと、私は紫音のこと、信じてる。代わってくれるの待ってるね」
頭ごなしに叱ったりせずに、びしょ濡れで泣き出しそうになっている青慈を慰めつつ、藍が辛抱強く盥の前で待っていると、紫音がしょんぼりとして盥から出て来る。
「せー、ごめちゃい」
「しおたん、いいよ」
青慈を待たせていたことは分かっていたようで謝る紫音に、青慈は明るく許して喜び勇んで盥の中に入っていった。
「青慈は、やろうと思えば、紫音を持ち上げることもできるはずなのに……」
2歳のときにはひと蹴りで大黒熊の顎を砕き、3歳のときには飛び蹴りで魔族の股間を潰した青慈。本当に怒っていたなら、実力行使で紫音を盥から追い出すことも、紫音が入ったままの盥をひっくり返すこともできたはずだ。それをしないで、泣きそうになりながら藍に訴えるだけで我慢したのは、4歳にしては見上げた自制心だと朱雀は感心していた。
盥の中で遊ぶ青慈に近寄ると、上半身裸で紫音に如雨露で水をかけられてはしゃいでいる。
「青慈は、紫音を持ち上げたり、無理やり盥から出したりしなかったね。偉いよ」
「せー、えらい?」
「うん、とても偉い」
「えいってしていいのは、てきだけなんだって、あいたんとあんたんとみどりたんがいってたの。しおたんは、てきじゃない。せーのいもうとだもん」
紫音は妹で、大事だから絶対に自分の腕力を使ったりしない。
それを誓っている青慈は、藍と杏と緑の教育がよかったのだろう。
「しー、せー、えい! ちない」
「しおたんもしないよね。せーはしおたんのおにーたんだもんね」
「あい、にーた!」
紫音も蹴りや殴りを練習しているが、青慈にはしないし、家族にもしないと教え込まれているようだった。
「紫音も青慈もなんていい子なんだろう」
子どもたちの成長を感じられて、朱雀は今日は最高の誕生日だと感じていた。
日差しは日に日に強くなって、日除けの上着を羽織った青慈と紫音は、屋根のある濡れ縁で遊んでも汗びっしょりになるようになった。畑の薬草は青々と茂っていて、皿に畑を広げて白虎経由で玄武からもらった種も育って葉を収穫できるようになっている。
青い花を摘んでいる朱雀も、日差しに汗が滲んで緩やかに波打つ銀色の髪も湿っぽくなっていた。
「あちゅい!」
「のどがかわいたねー」
「おなか、ちーた!」
お昼ご飯の時間が近くなって、青慈と紫音は一度風呂場で水浴びをさせられていた。
「庭に水遊び用の大きな盥があったらいいんだけどね」
「おみず、あそびたい!」
「みじゅ、ぴちゃぴちゃ!」
頭から冷たい水をかけられてさっぱりと現れた青慈と紫音は、新しい服に着替えて、長椅子で麦茶を飲んでいた。昼食のために今にやって来た緑と杏も汗をかいていたが、二人は別のことに意識が向いているようだった。
「お昼ご飯を食べ終わったら、私と緑さんにお休みをくれない?」
「台所を使いたいの!」
何をするのか分からなかったが、休みが欲しいのならば朱雀はいつでも与える気でいたし、台所も使いたいと申し出れば貸す気でいた。午後は調合をしようと考えていたが、それは別の日に回せばいい。
「構わないよ。藍さんも休みをもらう?」
「私はいらないわ。それより、青慈と紫音が水遊びをできるようにしたいの。暑いから、少しでも涼しいことをさせてあげたい」
冬場に使っていた盥では二人一度に中に入ることはできない。二人が水遊びをできる盥となるともっと大きなものが必要になるが、麓の街には売っていないだろう。
藍の願いはできる限り叶えたかったが、難しそうで朱雀は悩んでしまう。思案している朱雀に青慈が元気にお手手を上げて発言した。
「ちいさなたらいでも、じゅんばんにつかえばだいじょうぶだよ」
「じゅんばん?」
「しおたんがなかであそんだら、つぎはせーがあそぶの」
「しー、せー?」
「そう。じゅんばんだよ」
紫音に言い聞かせる青慈の成長した様子に朱雀は感動してしまっていた。一つの盥を取り合うことなく二人は仲良く使うことができる。4歳にもなると子どもはこんなに成長するのだろうか。
感動しつつ昼食を卓に並べると、青慈も紫音もたっぷりと食べていた。暑い日は続いているが、山の森の中なので風が吹けばそれなりに過ごせる温度になる。日差しは強いが、日陰は涼しい。
お昼ご飯を食べると青慈と紫音は眠ってしまったが、朱雀は盥を濡れ縁に出して、水を張っておいた。台所には入らないで欲しいと杏と緑に言われているので、家を囲う柵に魔法薬を垂らしていって結界の強化を図る。一周して帰ってくる頃には汗びっしょりになっていたので、朱雀も風呂場で水を浴びた。
着替えてさっぱりして居間に出ると香ばしい匂いがしている。杏と緑は何か作っているようだ。二階の寝室でお昼寝をしている紫音と青慈には藍が付いていてくれるので、白虎から届けてもらった文献を長椅子に座って朱雀は読み耽っていた。
「おちたー!」
「おなかすいたね」
「ねー」
お昼寝からすっきりと目覚めて来た青慈と紫音におやつを求められているのだと気付いて、朱雀は台所の方を見た。台所から杏と緑が甘く香ばしい匂いのするものを持って出て来ていた。
「あんたん、みどりたん、なぁに?」
「ケーキは難しくて作れなかったけど、カステラに生クリームを挟んでみたわ」
「朱雀さんお誕生日おめでとう!」
夏が誕生日だと朱雀は教えていたが、正確な日付は朱雀自身も覚えていなかった。青慈と紫音のときのように、杏と緑は朱雀のお誕生日をいつか考えて決めて、祝うことにしてくれたのだ。
「私のお誕生日……」
「おとーたん、おめでとう!」
「おめめと!」
青慈と紫音にもお祝いを言われて、朱雀は笑顔になる。
「晩ご飯はご馳走にしないといけなくなったな」
「やったー! ごちそう!」
「ごちとー!」
自分の誕生日を自分で祝うのもおかしいが、料理を作るのは朱雀と決めているので、期待する青慈と紫音のためにも晩ご飯はご馳走をつくらなければいけない。
お皿に乗せられた生クリームを挟んだカステラは、甘いいい香りがしている。
「たらきまつっ!」
「紫音、待って。先にすることがあったでしょう?」
「あ! しー、おうた!」
カステラを見ると涎を垂らして食べようとする紫音に、藍が囁くと、紫音は子ども用の椅子に座ったままで歌い出した。2歳と思えないくらい旋律のしっかりとした歌は、歌詞は聞き取れないけれど、とても美しいものだった。
「せーからは、これ!」
青慈からは庭の花を摘んだ花束が渡される。
「あいたんがしおたんとせーにおしえてくれたの」
ケーキ代わりのカステラを作るのは杏と緑の担当で、藍は紫音に歌を教えて、青慈に花束を作らせる担当だったようだ。
「贈り物もあるのよ」
「私と緑さんで作ったの」
手渡された贈り物は、生成りの生地で作られた青慈と紫音とお揃いの立て襟で紐の付いたボタンのある上衣だった。
「ありがとう」
「朱雀さんは薬草で染めて魔法の力をつけるみたいだから、生成りを選んだのよ」
「染めて使ってね」
自分が青慈と紫音を守ることばかりに気を取られていて、自分の身なりは気にしていなかったことに杏と緑は気付かせてくれる。これからは藍と杏と緑の分も服を薬草で染めようと朱雀は決めていた。
生クリームを挟んだカステラを食べた後で、青慈と紫音は濡れ縁に出した盥の水で遊んでいた。パンツ一枚になって、盥の中に入ったり、盥の水を如雨露で汲んでお互いにかけあったりして笑い合っている。
「しおたん、つぎはせーのばんよ!」
「やーの!」
「せーのばんー!」
仲良く遊べるかと思っていたが4歳と2歳ではまだ順番を守るのは難しいようだ。盥の中に入っている紫音が動こうとしなくて、青慈は涙目になって堪えている。
「かわってー!」
「やーの!」
「あいたん、しおたんがかわってくれないー!」
拒否し続ける紫音に、青慈が藍に泣き付く。
「紫音、順番で遊ぶ約束でしょう?」
「やーの!」
「順番が守れるいい子だと、私は紫音のこと、信じてる。代わってくれるの待ってるね」
頭ごなしに叱ったりせずに、びしょ濡れで泣き出しそうになっている青慈を慰めつつ、藍が辛抱強く盥の前で待っていると、紫音がしょんぼりとして盥から出て来る。
「せー、ごめちゃい」
「しおたん、いいよ」
青慈を待たせていたことは分かっていたようで謝る紫音に、青慈は明るく許して喜び勇んで盥の中に入っていった。
「青慈は、やろうと思えば、紫音を持ち上げることもできるはずなのに……」
2歳のときにはひと蹴りで大黒熊の顎を砕き、3歳のときには飛び蹴りで魔族の股間を潰した青慈。本当に怒っていたなら、実力行使で紫音を盥から追い出すことも、紫音が入ったままの盥をひっくり返すこともできたはずだ。それをしないで、泣きそうになりながら藍に訴えるだけで我慢したのは、4歳にしては見上げた自制心だと朱雀は感心していた。
盥の中で遊ぶ青慈に近寄ると、上半身裸で紫音に如雨露で水をかけられてはしゃいでいる。
「青慈は、紫音を持ち上げたり、無理やり盥から出したりしなかったね。偉いよ」
「せー、えらい?」
「うん、とても偉い」
「えいってしていいのは、てきだけなんだって、あいたんとあんたんとみどりたんがいってたの。しおたんは、てきじゃない。せーのいもうとだもん」
紫音は妹で、大事だから絶対に自分の腕力を使ったりしない。
それを誓っている青慈は、藍と杏と緑の教育がよかったのだろう。
「しー、せー、えい! ちない」
「しおたんもしないよね。せーはしおたんのおにーたんだもんね」
「あい、にーた!」
紫音も蹴りや殴りを練習しているが、青慈にはしないし、家族にもしないと教え込まれているようだった。
「紫音も青慈もなんていい子なんだろう」
子どもたちの成長を感じられて、朱雀は今日は最高の誕生日だと感じていた。
10
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説


絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
新訳 美女と野獣 〜獣人と少年の物語〜
若目
BL
いまはすっかり財政難となった商家マルシャン家は父シャルル、長兄ジャンティー、長女アヴァール、次女リュゼの4人家族。
妹たちが経済状況を顧みずに贅沢三昧するなか、一家はジャンティーの頑張りによってなんとか暮らしていた。
ある日、父が商用で出かける際に、何か欲しいものはないかと聞かれて、ジャンティーは一輪の薔薇をねだる。
しかし、帰る途中で父は道に迷ってしまう。
父があてもなく歩いていると、偶然、美しく奇妙な古城に辿り着く。
父はそこで、庭に薔薇の木で作られた生垣を見つけた。
ジャンティーとの約束を思い出した父が薔薇を一輪摘むと、彼の前に怒り狂った様子の野獣が現れ、「親切にしてやったのに、厚かましくも薔薇まで盗むとは」と吠えかかる。
野獣は父に死をもって償うように迫るが、薔薇が土産であったことを知ると、代わりに子どもを差し出すように要求してきて…
そこから、ジャンティーの運命が大きく変わり出す。
童話の「美女と野獣」パロのBLです
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
某国の皇子、冒険者となる
くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。
転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。
俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために……
異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。
主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。
※ BL要素は控えめです。
2020年1月30日(木)完結しました。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる