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一章 勇者と聖女と妖精種
17.白虎の来訪
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転移の魔法を得意とする白虎は、風のように現れる。
門の前に現れた白虎の気配に、朱雀は庭の畑で収穫をしていたが、すぐに気付いて門を開けた。
「魔法薬で結界を張っているのだな。私には見抜けたがな」
「白虎、久しぶりだね。ずっと不義理をしていてすまない」
「気にすることはない。朱雀はあの村で理不尽な扱いをされていた。私たちはそれを庇いきれなかった。青龍も玄武も私も、ずっと後悔していた」
それなのに自分たちを頼ってくれて嬉しい。
白い髪を横は肩にかかるくらいで、後ろは長く伸ばした白虎は細身で長身で、男性とも女性とも分からないような姿をしていた。青龍と白虎は女性で姉妹のようにして育ち、玄武と朱雀は男性で兄弟のようにして育った。同じ時期に生まれた男女四人は、幼い頃からとても仲がよかった。
「おとーたん、このひと、だぁれ?」
「とーた、だぁえ?」
興味津々で朱雀の足にしがみ付いて白虎を見上げる青慈と紫音を、朱雀は紹介する。
「この子は青慈。最近4歳になったんだ。保護したときには両親は亡くなっていたから正確な年齢は分からないけどね。こっちは紫音。2歳になったよ」
「青慈が勇者で、紫音が聖女なのか?」
「そうだと思う。魔族が襲ってきたこともあるし、多分、間違いない」
朱雀が白虎と話していると、もじもじしながら青慈が頭を下げる。
「せーです」
「しー! しーよ!」
紫音も自己紹介をするのに、白虎は膝を折って青慈と紫音と視線を合わせた。
「私は白虎だ。朱雀とは姉弟のようなものだ」
「おとーたんの、おねーたん?」
「そうなるな」
「よろしく、おねーたん!」
「ねーた!」
手を握ってにっこり笑う青慈と、手を上げて自己主張する紫音に、白虎も表情を和らげている。幼い頃からあまり感情表現のはっきりした方ではなくて、無表情で淡々と話すことの多い白虎にしては珍しい表情だった。
「この家で働いてくれているひとたちも紹介するよ。私の家族みたいなものなんだ」
「藍です。紫音と青慈の乳母をしてます」
「杏です! お裁縫とお洗濯は得意よ! お掃除はちょっと苦手」
「緑です。編み物が得意です。お掃除は任せて! 畑の世話も得意よ」
珍しい来客の白虎に近付きたそうだった藍と杏と緑を呼ぶと、それぞれに自己紹介している。三人の自己紹介を聞いて、白虎は僅かに金色の目を見開いていた。
「白虎だ。よろしく。朱雀が人間と暮らしているなんて思わなかった」
「青慈と紫音も人間だよ?」
「その子たちは勇者と聖女なのだろう。特別な力を持った人知を超える存在だ」
「そうなのかな。二人とも普通のいい子たちだよ」
足にへばりついて白虎を見上げている青慈のさらさらとした艶々の真っすぐな黒髪を撫で、もう片方の手で紫音のふわふわのくるくるとした黒髪を撫でる朱雀。大黒熊の顎を蹴って砕き、襲ってきた魔族の股間のものを蹴り上げて潰すような子どもが普通の子どもでないことは、朱雀は全く頭の中から消えていた。
朱雀にとっては青慈は初めて出会ったときから天使のように愛らしく、育つにつれてますます可愛くてたまらない存在になっている。
庭で藍と杏と緑に習って、青慈と紫音が「敵のブツを的確に蹴り上げる運動ー!」と声をかけられて、「えい!」「やー!」と脚を蹴り上げていたり、「敵の股間にめり込ませる拳の運動!」と号令をかけられて、「せい!」「とー!」と拳を突き出して殴る動作を練習していたりしても、それは見なかったことにしている。
「お茶の時間にしよう。藍さんも杏さんも緑さんも、休んでくれ」
「畑の雑草の処理が終わったら行きます!」
「洗濯物を取り入れて行きますね!」
「青慈、紫音、お手手を洗ってお部屋に戻るわよ」
白虎がせっかく来てくれたのでお茶でもてなそうとする朱雀に、緑も杏も今やっていることがひと段落したら行くと告げて、藍は紫音を抱っこして手を洗わせて、青慈が手を洗うのを見守って、家の中に入って行く。
「おねーたん、せー、おとーたんとけっこんするんだよ」
「青慈は朱雀と結婚するのか」
「白虎!? 子どもの言うことだからね!?」
「おとーたんとけっこんして、ずっといっしょにくらすの」
「朱雀にこんな相手が現れたなんて……良かったな、朱雀」
「青慈はまだ4歳だからね!?」
外堀を埋めるように青慈は朱雀と結婚することを白虎に宣言している。まだ4歳の幼子の言葉と馬鹿にせずに真剣に白虎は聞いて、朱雀の幸せを願ってくれている。幸せを願われるのは嬉しいのだが、青慈はまだ4歳で結婚の意味もよく分かっていないのではないだろうか。大人になれば朱雀のことなど親代わりとしか思わなくなって、他の相手に心を奪われるかもしれない。今朱雀を好きと言っているのも、子どもが「おおきくなったらおとうさんとけっこんする」と言うのと変わりなく、そんなものを信じられるわけがないと朱雀は思っていた。
思いながらも、一生青慈が自分のそばを離れて欲しくないという矛盾する気持ちも生まれて、複雑な心境で朱雀は台所に立つ。
桃饅頭を蒸かして出すと、白虎は僅かに金色の目を輝かせる。表情はあまり変わらないが、白虎の感情の変化を僅かな違いで朱雀は見抜くことができた。
「桃饅頭が好きだっただろう」
「覚えていてくれたのか。嬉しいな」
「青慈も紫音も大好きなんだ」
蒸したての桃饅頭は熱くて危険だ。藍が吹き冷ましているが、紫音は食べたくて手を伸ばして子ども用の椅子から立ち上がって転げ落ちそうになっている。
「危ない!」
「ねーた!」
転げ落ちそうになった紫音を白虎が素早く抱き留めてくれた。抱き締められて紫音は笑顔になっている。
「あいがちょ」
「どういたしまして。椅子の上に立ったら危ない」
「あい。ごめちゃい」
言い聞かせる様子が、小さい頃にやんちゃだった青龍や朱雀に冷静に話をしていた姿を思い起こさせて、朱雀は懐かしい気持ちになっていた。
杏と緑もやってきて、それぞれにお茶を淹れて桃饅頭を食べて休憩する。杏は自分の茶器を持ち出していた。
「これが青龍から預かった文献だ。こっちが玄武から預かった薬草と種」
肩にかけていた小さな鞄から白虎が取り出して卓の上に置いたのは、山積みの本と大量の薬草と種の入った袋だった。白虎の鞄も魔法で中が拡張されていて、大量に物が入るようになっているのだろう。
「朱雀が幸せそうで安心した。また何かあったら、いつでも呼んでくれ。玄武も青龍も同じことを言っている。私たちでよければ、いつでも力になる」
「勝手に村を出て行った薄情者に、申し訳ない」
「そんなことは気にするな。私たちも家族だろう?」
魔法の才能がないことで居場所がないように思って、妖精種の村を出てこの山に住むようになったが、兄弟姉妹のようにして育った青龍も白虎も玄武も、みんな朱雀のことを案じてくれていた。家族だと言われて、青慈に出会うまでずっと一人だと思っていて、一人で生きて一人でひっそりと死んでいくのだと決めていた朱雀は、自分の浅はかさを反省する。妖精種の村にも朱雀には家族がいた。
「ねーた、ねーた」
「おねーたん、またきてね」
桃饅頭を食べてお茶を飲み終わると、白虎は紫音と青慈に見送られて帰って行った。これからは困ったときには頼れる相手がいるのだと思うと、朱雀も少し安心する。
「あいたん、せー、ちゃんとごあいさつできた?」
「青慈はとても立派にご挨拶ができたわよ」
「おねーたん、おとーたんとのけっこんをみとめてくれるかな?」
「大丈夫。青慈が大きくなったら、朱雀さんときっと結婚できるわ」
真剣に藍に話しかける青慈の言葉に朱雀はお茶を吹きそうになったし、それに対する藍の答えにも頭を抱えそうになった。
「青慈に妙なことを教えないでくれるかな?」
注意しようとすると、すかさず杏と緑が口を挟んでくる。
「朱雀さんは青慈が嫌いなんですか?」
「え? そんなことは……」
「おとーたん、せーがきらい!?」
「違うよ。青慈のことは大好きだよ」
「それなら両想いじゃないですか」
「それは……」
「きらい!?」
「嫌いじゃないよ! 青慈はこの世で一番可愛いよ」
杏と緑の口車に乗せられている気になるが、青慈のことが嫌いなはずはないし、青慈とずっと一緒にいたい気持ちに偽りはない。ただ、結婚と言われると4歳の青慈には早すぎるというのを、なぜか誰も理解してくれない。
「妖精種の寿命は長いんだから、青慈と少しでも長く一緒にいる方法を考えた方がいいんじゃない?」
ぽつりと呟いた藍の言葉が、朱雀の胸に刺さって離れなかった。
門の前に現れた白虎の気配に、朱雀は庭の畑で収穫をしていたが、すぐに気付いて門を開けた。
「魔法薬で結界を張っているのだな。私には見抜けたがな」
「白虎、久しぶりだね。ずっと不義理をしていてすまない」
「気にすることはない。朱雀はあの村で理不尽な扱いをされていた。私たちはそれを庇いきれなかった。青龍も玄武も私も、ずっと後悔していた」
それなのに自分たちを頼ってくれて嬉しい。
白い髪を横は肩にかかるくらいで、後ろは長く伸ばした白虎は細身で長身で、男性とも女性とも分からないような姿をしていた。青龍と白虎は女性で姉妹のようにして育ち、玄武と朱雀は男性で兄弟のようにして育った。同じ時期に生まれた男女四人は、幼い頃からとても仲がよかった。
「おとーたん、このひと、だぁれ?」
「とーた、だぁえ?」
興味津々で朱雀の足にしがみ付いて白虎を見上げる青慈と紫音を、朱雀は紹介する。
「この子は青慈。最近4歳になったんだ。保護したときには両親は亡くなっていたから正確な年齢は分からないけどね。こっちは紫音。2歳になったよ」
「青慈が勇者で、紫音が聖女なのか?」
「そうだと思う。魔族が襲ってきたこともあるし、多分、間違いない」
朱雀が白虎と話していると、もじもじしながら青慈が頭を下げる。
「せーです」
「しー! しーよ!」
紫音も自己紹介をするのに、白虎は膝を折って青慈と紫音と視線を合わせた。
「私は白虎だ。朱雀とは姉弟のようなものだ」
「おとーたんの、おねーたん?」
「そうなるな」
「よろしく、おねーたん!」
「ねーた!」
手を握ってにっこり笑う青慈と、手を上げて自己主張する紫音に、白虎も表情を和らげている。幼い頃からあまり感情表現のはっきりした方ではなくて、無表情で淡々と話すことの多い白虎にしては珍しい表情だった。
「この家で働いてくれているひとたちも紹介するよ。私の家族みたいなものなんだ」
「藍です。紫音と青慈の乳母をしてます」
「杏です! お裁縫とお洗濯は得意よ! お掃除はちょっと苦手」
「緑です。編み物が得意です。お掃除は任せて! 畑の世話も得意よ」
珍しい来客の白虎に近付きたそうだった藍と杏と緑を呼ぶと、それぞれに自己紹介している。三人の自己紹介を聞いて、白虎は僅かに金色の目を見開いていた。
「白虎だ。よろしく。朱雀が人間と暮らしているなんて思わなかった」
「青慈と紫音も人間だよ?」
「その子たちは勇者と聖女なのだろう。特別な力を持った人知を超える存在だ」
「そうなのかな。二人とも普通のいい子たちだよ」
足にへばりついて白虎を見上げている青慈のさらさらとした艶々の真っすぐな黒髪を撫で、もう片方の手で紫音のふわふわのくるくるとした黒髪を撫でる朱雀。大黒熊の顎を蹴って砕き、襲ってきた魔族の股間のものを蹴り上げて潰すような子どもが普通の子どもでないことは、朱雀は全く頭の中から消えていた。
朱雀にとっては青慈は初めて出会ったときから天使のように愛らしく、育つにつれてますます可愛くてたまらない存在になっている。
庭で藍と杏と緑に習って、青慈と紫音が「敵のブツを的確に蹴り上げる運動ー!」と声をかけられて、「えい!」「やー!」と脚を蹴り上げていたり、「敵の股間にめり込ませる拳の運動!」と号令をかけられて、「せい!」「とー!」と拳を突き出して殴る動作を練習していたりしても、それは見なかったことにしている。
「お茶の時間にしよう。藍さんも杏さんも緑さんも、休んでくれ」
「畑の雑草の処理が終わったら行きます!」
「洗濯物を取り入れて行きますね!」
「青慈、紫音、お手手を洗ってお部屋に戻るわよ」
白虎がせっかく来てくれたのでお茶でもてなそうとする朱雀に、緑も杏も今やっていることがひと段落したら行くと告げて、藍は紫音を抱っこして手を洗わせて、青慈が手を洗うのを見守って、家の中に入って行く。
「おねーたん、せー、おとーたんとけっこんするんだよ」
「青慈は朱雀と結婚するのか」
「白虎!? 子どもの言うことだからね!?」
「おとーたんとけっこんして、ずっといっしょにくらすの」
「朱雀にこんな相手が現れたなんて……良かったな、朱雀」
「青慈はまだ4歳だからね!?」
外堀を埋めるように青慈は朱雀と結婚することを白虎に宣言している。まだ4歳の幼子の言葉と馬鹿にせずに真剣に白虎は聞いて、朱雀の幸せを願ってくれている。幸せを願われるのは嬉しいのだが、青慈はまだ4歳で結婚の意味もよく分かっていないのではないだろうか。大人になれば朱雀のことなど親代わりとしか思わなくなって、他の相手に心を奪われるかもしれない。今朱雀を好きと言っているのも、子どもが「おおきくなったらおとうさんとけっこんする」と言うのと変わりなく、そんなものを信じられるわけがないと朱雀は思っていた。
思いながらも、一生青慈が自分のそばを離れて欲しくないという矛盾する気持ちも生まれて、複雑な心境で朱雀は台所に立つ。
桃饅頭を蒸かして出すと、白虎は僅かに金色の目を輝かせる。表情はあまり変わらないが、白虎の感情の変化を僅かな違いで朱雀は見抜くことができた。
「桃饅頭が好きだっただろう」
「覚えていてくれたのか。嬉しいな」
「青慈も紫音も大好きなんだ」
蒸したての桃饅頭は熱くて危険だ。藍が吹き冷ましているが、紫音は食べたくて手を伸ばして子ども用の椅子から立ち上がって転げ落ちそうになっている。
「危ない!」
「ねーた!」
転げ落ちそうになった紫音を白虎が素早く抱き留めてくれた。抱き締められて紫音は笑顔になっている。
「あいがちょ」
「どういたしまして。椅子の上に立ったら危ない」
「あい。ごめちゃい」
言い聞かせる様子が、小さい頃にやんちゃだった青龍や朱雀に冷静に話をしていた姿を思い起こさせて、朱雀は懐かしい気持ちになっていた。
杏と緑もやってきて、それぞれにお茶を淹れて桃饅頭を食べて休憩する。杏は自分の茶器を持ち出していた。
「これが青龍から預かった文献だ。こっちが玄武から預かった薬草と種」
肩にかけていた小さな鞄から白虎が取り出して卓の上に置いたのは、山積みの本と大量の薬草と種の入った袋だった。白虎の鞄も魔法で中が拡張されていて、大量に物が入るようになっているのだろう。
「朱雀が幸せそうで安心した。また何かあったら、いつでも呼んでくれ。玄武も青龍も同じことを言っている。私たちでよければ、いつでも力になる」
「勝手に村を出て行った薄情者に、申し訳ない」
「そんなことは気にするな。私たちも家族だろう?」
魔法の才能がないことで居場所がないように思って、妖精種の村を出てこの山に住むようになったが、兄弟姉妹のようにして育った青龍も白虎も玄武も、みんな朱雀のことを案じてくれていた。家族だと言われて、青慈に出会うまでずっと一人だと思っていて、一人で生きて一人でひっそりと死んでいくのだと決めていた朱雀は、自分の浅はかさを反省する。妖精種の村にも朱雀には家族がいた。
「ねーた、ねーた」
「おねーたん、またきてね」
桃饅頭を食べてお茶を飲み終わると、白虎は紫音と青慈に見送られて帰って行った。これからは困ったときには頼れる相手がいるのだと思うと、朱雀も少し安心する。
「あいたん、せー、ちゃんとごあいさつできた?」
「青慈はとても立派にご挨拶ができたわよ」
「おねーたん、おとーたんとのけっこんをみとめてくれるかな?」
「大丈夫。青慈が大きくなったら、朱雀さんときっと結婚できるわ」
真剣に藍に話しかける青慈の言葉に朱雀はお茶を吹きそうになったし、それに対する藍の答えにも頭を抱えそうになった。
「青慈に妙なことを教えないでくれるかな?」
注意しようとすると、すかさず杏と緑が口を挟んでくる。
「朱雀さんは青慈が嫌いなんですか?」
「え? そんなことは……」
「おとーたん、せーがきらい!?」
「違うよ。青慈のことは大好きだよ」
「それなら両想いじゃないですか」
「それは……」
「きらい!?」
「嫌いじゃないよ! 青慈はこの世で一番可愛いよ」
杏と緑の口車に乗せられている気になるが、青慈のことが嫌いなはずはないし、青慈とずっと一緒にいたい気持ちに偽りはない。ただ、結婚と言われると4歳の青慈には早すぎるというのを、なぜか誰も理解してくれない。
「妖精種の寿命は長いんだから、青慈と少しでも長く一緒にいる方法を考えた方がいいんじゃない?」
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