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一章 勇者と聖女と妖精種
12.人参と大根の正体
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夏の終わり、庭の畑の薬草たちは青々と茂っている。マンドラゴラと呼ばれる異国の魔法生物もそろそろ収穫の時期だったが、収穫するにあたって、朱雀は例年にない違和感を覚えていた。マンドラゴラの畝がもぞもぞと蠢いており、中から「びぎゃ」とか「びょえ」とか話しているような声が聞こえるのだ。
マンドラゴラは引き抜くときには最期の抵抗として「死の絶叫」と呼ばれるものすごい叫び声を上げる。それを聞くと頭痛に苛まれたり、吐き気を覚えたりするので、マンドラゴラの収穫は特に気を付けないといけないことだった。
青慈は普通に大根を可愛がって、定期的に栄養剤を飲ませて飼っているし、紫音も人参を大事にいつも握り締めているが、畑の土から出た時点でマンドラゴラはもう動かなくなるのが普通だった。
栄養剤も育て方も何も変えていないのに、何かがおかしい。青慈の元に土から逃げ出していった大根は、朱雀は前年の秋の前に間違いなく全部収穫したはずだったし、大根を見て自分も欲しくなったのか紫音が畑から引き抜いた人参も、種を植えたばかりの時期であんなに大きくなっているはずはない。
もしかすると魔王の策略か何かかと勘ぐっているのだが、大根と人参を青慈と紫音はとても気に入っていつも一緒に行動していたので取り上げるわけにもいかなかった。
青慈の大根はどこから来たのか。紫音の人参は何故一本だけ急成長していたのか。その答えが分からないままに、朱雀は今年の収穫に入っていた。
特製の耳栓をして青慈と紫音を遠ざけて大根の葉っぱに手をかけた瞬間、すっぽーんと大根が自ら抜けた。
「大根が!?」
驚いていると、大根に続いて人参も蕪も次々と抜けていって走って庭の中を駆け出す。「死の絶叫」が聞こえないように濡れ縁で遊ばせていた青慈と紫音が、逃げ出した大根と人参と蕪を見て、走り出した。
「にげちゃめー! つかまえうー!」
「めー!」
「びぎゃー!」
「びょえー!」
走り出す青慈の足は3歳とは思えないほどしっかりとしていて早い。紫音も1歳とは思えないくらい素早く走っている。それに続けて大根と人参も叫び声を上げながら逃げ出した大根と人参と蕪を追い駆けていく。
「めーよ!」
「びゃーびゃ!」
「めっ!」
「びゃっ!」
大根と人参と青慈と紫音に回り込まれて、逃げ出した大根と人参と蕪がじりじりと後退る。
「抜けたマンドラゴラは、動かないはず……なんで動いているんだ?」
意味が分からない光景に混乱している朱雀の前で、青慈が逃げ出した大根と人参と蕪を指さして説教を始めた。
「にげちゃめーなの! おにーたん、こまるでしょ! だいじなおくつりつくうのよ! みんなをげんちにするおくつりなの! おくつりになるのに、にげちゃめー!」
「びゃ! びょびょえ! ぎょわ! びょわわ! びょえぎょわぎょえぎょー!」
青慈が言うのに合わせて大根が身振り手振りを交えながら必死に自己主張すると、ビシッと逃げ出した大根と人参と蕪は背筋を伸ばした。敬礼をして大根は大根で、人参は人参で、蕪は蕪で、一列に並んで朱雀の元に歩いてくる。
「びょわ!」
「ぎょえ!」
「ぎょわ!」
心は決めました。使ってください。
そう言っているかのように朱雀の前に並んだ大根と人参と蕪を洗って腰の鞄に納めながら、朱雀はずっと首を捻っていた。
マンドラゴラとはこういうものだっただろうか。
「去年、マンドラゴラの収穫を手伝ってくれたよね。去年、こんなことあったっけ?」
「なかったわね」
「耳栓をしても頭痛が酷かったわ」
「そもそも、マンドラゴラって自分で土から出て来るの?」
庭で他の薬草を収穫していた緑と、洗濯物を干していた杏と、青慈と紫音を見ていた藍に聞いてみると、やはり去年とは全く違うという答えが返ってくる。藍の疑問は朱雀のものと同じだった。
「何かがおかしい」
腕組みして考えていると、緑が「もしかして」と声を上げた。
「最近、紫音がよく歌うじゃない。青慈も庭の畑の面倒はよく見てくれてるわ。勇者と聖女の影響なのかもしれないわね」
勇者と聖女に影響されて魔法生物のマンドラゴラが自分の意志を持ったかのような動きをする。あり得ない話ではない。
「青慈と、青慈の大根の言うことを、マンドラゴラは聞いていたからな」
「せー、おとーたんのためにがんばったの」
「ありがとう、青慈」
誇らしげな顔の青慈のさらさらの艶のある真っすぐな黒髪を撫でると、青慈が青い目を細めて嬉しそうに微笑む。
青慈と紫音は勇者と聖女なので、その影響でマンドラゴラが二人を守るように成長してもおかしくはない。勇者と聖女を守れる使い魔が周囲にいないこともあるが、まさか大根と人参がそれに相当するようになるだなんて、朱雀は思いもしていなかった。
「青慈、大根を貸してもらってもいいかな?」
「あい!」
青慈の隣りに控えている大根を捕まえて青慈が差し出すのを受け取って、朱雀は大根に手を翳す。魔力が宿っているのは想定内のことだった。青慈に大根を返して、次は紫音にお願いする。
「紫音、人参を借りてもいいかな?」
「うー……あい!」
少し悩んでいたが、紫音も素直に人参を渡してくれた。人参に手を翳すと、やはり魔力が宿っている。
紫音に人参を返して、朱雀は腰の小さな鞄から大根を一本取り出して手を翳す。掴んでいるとじたばたと暴れている大根は、青慈と紫音のものほどではないが、少しだけ魔力を感じることができた。
「このマンドラゴラたちは、紫音と青慈を守るために成長したのか……それなら、調合に使わない方がいいのかな……」
「ううん、おとーたん、だいこんたんとじんじんたんとかぶたん、おくつりになるのよ」
「青慈はマンドラゴラの言葉が分かるのか?」
「だいこんたんが、そういってるようなきがすゆの」
青慈が大事に買っている大根は、自分たちがいれば大丈夫だから収穫した大根と人参と蕪は調合に使っていいと言っていると青慈は伝えてくる。青慈の言葉を疑うつもりはなかったので、朱雀はその通りにさせてもらおうと思っていた。
それにしても、勇者と聖女の影響力というのはすごいものだ。今年の春に青慈の元に大根が逃げ出してきたのも、紫音が一本だけなぜか育っていた人参を引き抜いたのも、青慈と紫音の身を守るためだったのならば、納得できるような気がする。
疑問なのは、マンドラゴラがどうやって青慈と紫音を守るかなのだが。
じっと見つめる大根は青慈のそばにぴったりとくっ付いて離れず、人参は紫音に握られてじたばたともがいている。大根と人参に何ができるのか。
その答えは青慈の両親のお墓参りに行ったときに出た。
最近は紫音も青慈の真似をして、花や草を摘みながら道を歩く。横道に反れる紫音を藍も朱雀も辛抱強く待っているつもりだったが、青慈が逆方向に走って行ってしまった。
「きれーなおはなー!」
「青慈、待って! 藍さん、紫音を見てて」
「分かったわ」
しゃがみ込んでお花を摘んでいる紫音を藍に任せて、走って行った青慈を捕まえて小脇に抱えて戻ってくると、紫音の足元にひとの拳くらいあるような巨大な蟻がひっくり返っていた。
「藍さん、これは?」
「巨大蟻が紫音を襲おうとしたんだけど、人参が叫んだら、ひっくり返っちゃったのよ」
ひっくり返ったままぴくぴくと脚を動かしている巨大蟻を拾った棒で叩いて仕留めてから、朱雀はまじまじと紫音の握っている人参を見詰めた。人参はどこか誇らし気な顔をしているような気がする。
「じんじんたん、めってちたの」
「青慈、分かるのか?」
巨大蟻は一匹ではそれほど脅威ではないが、匂いで仲間を呼びよせて集団で人間を襲うことがある。一匹目に目を付けられて、仲間を呼ぼうとする巨大蟻を人参が「死の絶叫」を使って気絶させたのだろう。
「さすが聖女の使役ね」
「使役が人参か……」
人参と大根は聖女と勇者の使役だった。
マンドラゴラは引き抜くときには最期の抵抗として「死の絶叫」と呼ばれるものすごい叫び声を上げる。それを聞くと頭痛に苛まれたり、吐き気を覚えたりするので、マンドラゴラの収穫は特に気を付けないといけないことだった。
青慈は普通に大根を可愛がって、定期的に栄養剤を飲ませて飼っているし、紫音も人参を大事にいつも握り締めているが、畑の土から出た時点でマンドラゴラはもう動かなくなるのが普通だった。
栄養剤も育て方も何も変えていないのに、何かがおかしい。青慈の元に土から逃げ出していった大根は、朱雀は前年の秋の前に間違いなく全部収穫したはずだったし、大根を見て自分も欲しくなったのか紫音が畑から引き抜いた人参も、種を植えたばかりの時期であんなに大きくなっているはずはない。
もしかすると魔王の策略か何かかと勘ぐっているのだが、大根と人参を青慈と紫音はとても気に入っていつも一緒に行動していたので取り上げるわけにもいかなかった。
青慈の大根はどこから来たのか。紫音の人参は何故一本だけ急成長していたのか。その答えが分からないままに、朱雀は今年の収穫に入っていた。
特製の耳栓をして青慈と紫音を遠ざけて大根の葉っぱに手をかけた瞬間、すっぽーんと大根が自ら抜けた。
「大根が!?」
驚いていると、大根に続いて人参も蕪も次々と抜けていって走って庭の中を駆け出す。「死の絶叫」が聞こえないように濡れ縁で遊ばせていた青慈と紫音が、逃げ出した大根と人参と蕪を見て、走り出した。
「にげちゃめー! つかまえうー!」
「めー!」
「びぎゃー!」
「びょえー!」
走り出す青慈の足は3歳とは思えないほどしっかりとしていて早い。紫音も1歳とは思えないくらい素早く走っている。それに続けて大根と人参も叫び声を上げながら逃げ出した大根と人参と蕪を追い駆けていく。
「めーよ!」
「びゃーびゃ!」
「めっ!」
「びゃっ!」
大根と人参と青慈と紫音に回り込まれて、逃げ出した大根と人参と蕪がじりじりと後退る。
「抜けたマンドラゴラは、動かないはず……なんで動いているんだ?」
意味が分からない光景に混乱している朱雀の前で、青慈が逃げ出した大根と人参と蕪を指さして説教を始めた。
「にげちゃめーなの! おにーたん、こまるでしょ! だいじなおくつりつくうのよ! みんなをげんちにするおくつりなの! おくつりになるのに、にげちゃめー!」
「びゃ! びょびょえ! ぎょわ! びょわわ! びょえぎょわぎょえぎょー!」
青慈が言うのに合わせて大根が身振り手振りを交えながら必死に自己主張すると、ビシッと逃げ出した大根と人参と蕪は背筋を伸ばした。敬礼をして大根は大根で、人参は人参で、蕪は蕪で、一列に並んで朱雀の元に歩いてくる。
「びょわ!」
「ぎょえ!」
「ぎょわ!」
心は決めました。使ってください。
そう言っているかのように朱雀の前に並んだ大根と人参と蕪を洗って腰の鞄に納めながら、朱雀はずっと首を捻っていた。
マンドラゴラとはこういうものだっただろうか。
「去年、マンドラゴラの収穫を手伝ってくれたよね。去年、こんなことあったっけ?」
「なかったわね」
「耳栓をしても頭痛が酷かったわ」
「そもそも、マンドラゴラって自分で土から出て来るの?」
庭で他の薬草を収穫していた緑と、洗濯物を干していた杏と、青慈と紫音を見ていた藍に聞いてみると、やはり去年とは全く違うという答えが返ってくる。藍の疑問は朱雀のものと同じだった。
「何かがおかしい」
腕組みして考えていると、緑が「もしかして」と声を上げた。
「最近、紫音がよく歌うじゃない。青慈も庭の畑の面倒はよく見てくれてるわ。勇者と聖女の影響なのかもしれないわね」
勇者と聖女に影響されて魔法生物のマンドラゴラが自分の意志を持ったかのような動きをする。あり得ない話ではない。
「青慈と、青慈の大根の言うことを、マンドラゴラは聞いていたからな」
「せー、おとーたんのためにがんばったの」
「ありがとう、青慈」
誇らしげな顔の青慈のさらさらの艶のある真っすぐな黒髪を撫でると、青慈が青い目を細めて嬉しそうに微笑む。
青慈と紫音は勇者と聖女なので、その影響でマンドラゴラが二人を守るように成長してもおかしくはない。勇者と聖女を守れる使い魔が周囲にいないこともあるが、まさか大根と人参がそれに相当するようになるだなんて、朱雀は思いもしていなかった。
「青慈、大根を貸してもらってもいいかな?」
「あい!」
青慈の隣りに控えている大根を捕まえて青慈が差し出すのを受け取って、朱雀は大根に手を翳す。魔力が宿っているのは想定内のことだった。青慈に大根を返して、次は紫音にお願いする。
「紫音、人参を借りてもいいかな?」
「うー……あい!」
少し悩んでいたが、紫音も素直に人参を渡してくれた。人参に手を翳すと、やはり魔力が宿っている。
紫音に人参を返して、朱雀は腰の小さな鞄から大根を一本取り出して手を翳す。掴んでいるとじたばたと暴れている大根は、青慈と紫音のものほどではないが、少しだけ魔力を感じることができた。
「このマンドラゴラたちは、紫音と青慈を守るために成長したのか……それなら、調合に使わない方がいいのかな……」
「ううん、おとーたん、だいこんたんとじんじんたんとかぶたん、おくつりになるのよ」
「青慈はマンドラゴラの言葉が分かるのか?」
「だいこんたんが、そういってるようなきがすゆの」
青慈が大事に買っている大根は、自分たちがいれば大丈夫だから収穫した大根と人参と蕪は調合に使っていいと言っていると青慈は伝えてくる。青慈の言葉を疑うつもりはなかったので、朱雀はその通りにさせてもらおうと思っていた。
それにしても、勇者と聖女の影響力というのはすごいものだ。今年の春に青慈の元に大根が逃げ出してきたのも、紫音が一本だけなぜか育っていた人参を引き抜いたのも、青慈と紫音の身を守るためだったのならば、納得できるような気がする。
疑問なのは、マンドラゴラがどうやって青慈と紫音を守るかなのだが。
じっと見つめる大根は青慈のそばにぴったりとくっ付いて離れず、人参は紫音に握られてじたばたともがいている。大根と人参に何ができるのか。
その答えは青慈の両親のお墓参りに行ったときに出た。
最近は紫音も青慈の真似をして、花や草を摘みながら道を歩く。横道に反れる紫音を藍も朱雀も辛抱強く待っているつもりだったが、青慈が逆方向に走って行ってしまった。
「きれーなおはなー!」
「青慈、待って! 藍さん、紫音を見てて」
「分かったわ」
しゃがみ込んでお花を摘んでいる紫音を藍に任せて、走って行った青慈を捕まえて小脇に抱えて戻ってくると、紫音の足元にひとの拳くらいあるような巨大な蟻がひっくり返っていた。
「藍さん、これは?」
「巨大蟻が紫音を襲おうとしたんだけど、人参が叫んだら、ひっくり返っちゃったのよ」
ひっくり返ったままぴくぴくと脚を動かしている巨大蟻を拾った棒で叩いて仕留めてから、朱雀はまじまじと紫音の握っている人参を見詰めた。人参はどこか誇らし気な顔をしているような気がする。
「じんじんたん、めってちたの」
「青慈、分かるのか?」
巨大蟻は一匹ではそれほど脅威ではないが、匂いで仲間を呼びよせて集団で人間を襲うことがある。一匹目に目を付けられて、仲間を呼ぼうとする巨大蟻を人参が「死の絶叫」を使って気絶させたのだろう。
「さすが聖女の使役ね」
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人参と大根は聖女と勇者の使役だった。
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