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一章 勇者と聖女と妖精種
3.生活に加わる三人の女性
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山の中の家に青慈を訪ねて女性たちが来るようになった。魔法薬を買いに来たという名目で、青慈と遊んで帰って行く。
「私の子どもも産めていたらこれくらいになっていたかもしれない」
一人の女性が呟くと、他の女性たちも青慈に注目する。オムツを付けた上にズボンを穿いたぷっくりとしたお尻をふりふり、青慈はご機嫌でその辺の草花を摘んでいた。古い鍋やまな板やお玉を遊び道具として渡しているので、それで薬草を調合するごっこをして遊んでいるのだ。
「おねたん、おくつり、つくう」
「私に薬を作ってくれるの? 嬉しいわ」
「げんち、でう!」
元気になる魔法薬を作ってくれるという青慈に、女性は目頭を押さえていた。
「あの子を引き取りたいって言ったら、朱雀さんは寂しいわよね」
本気の目で問いかけられて、朱雀は言葉に詰まってしまう。青慈は妖精種ではない普通の人間の子どもで、年は2歳くらい、普通の人間の元で育てられるのならばそっちの方がいいに決まっている。それでも青慈を手放せないのは、朱雀が青慈を可愛がり過ぎているせいだった。
本当に愛しているのならば青慈の幸せのために人間と共に生きさせる方がいい。分かっているのに、朱雀の唇は了承の言葉を紡がない。
黙り込んでいると、女性がふふっと笑った。
「旦那と分かれて、この山に住もうかしら。青慈のそばで暮らしたいわ」
「そんなことができるのか?」
「無理ね。でも、洗濯女でも、下働きでもいいから、この家で働かせてくれない?」
その間は青慈と触れ合うことができるという彼女の言葉に、朱雀は悩んだが答えた。
「青慈のオムツを洗ったりさせるよ?」
「それが嬉しいんじゃない」
「私も!」
「私もここで働きたいわ」
女性たちが次々と声を上げていく。麓の街では女性はあまり働く場所がない。結婚させられて家で家事と子育てをさせられるか、農地で作物を育てる手伝いをするか。雑貨屋の母親は店を持っているからよかったが、世の中はそんなに女性に甘くはできていなかった。
「薬草の栽培や、庭の整備、青慈が眠っているときの番、洗濯なんかをしてもらえると助かるな」
それほど広い家でもなかったけれど、朱雀の元に使用人が集った。使用人が寝起きするための別の棟も立てて朱雀は麓の街では働くところのない彼女たちを受け入れた。
別の棟を立てたのは、山には大黒熊や毒蛇などが出て、通うには危険だと朱雀が判断したからだった。
麓の街に降りると「今夜どうだ?」とか「一晩いくら?」とか妙な声をかけられるが、雇った若い女性たちはそんなことをする人格ではなかった。どちらかと言えば身持ちの固いしっかりとした女性たちで、働きたいというのも家を出て女性が一人で自立するためだった。
「青慈、私は調合をしてくるから、目が覚めたらお姉さんに声をかけるんだよ」
「あい……ねんね……」
眠ることを嫌がることなく寝台でお腹にお布団をかけられた青慈は、ぽんぽんとお腹を優しく叩いているとぐっすりと眠ってしまう。食いしん坊の丸いお腹とふっくらとした薔薇色の頬が愛らしい。垂れる涎すら朱雀には可愛かった。
使用人として家を手伝ってくれるようになった女性たちは、緑、杏、藍という名前の三人だった。緑は長身で黒髪に緑色の目で、杏は小柄で赤茶色の髪に杏色の目で、藍は中肉中背で黒髪に藍色の目をしていた。
「旦那と別れる」と宣言した藍は、その宣言通りに夫と離縁して朱雀の家に働きに来ていた。
「旦那は私が子どもを流産して、もう子どもが望めないかもしれないっていう体になったら、別の女のところに通いだしたのよ。あんなに情熱的に私を口説いていたのに」
子どもを産むためにしか自分の価値を見出されていなかったことを知った藍は、ずっと夫と離縁して家を出たかったのだという。
「離縁したいって言っても、出戻りの娘はいらないって実家には言われるし、戻るところがなくて、家では帰って来ない旦那を待つなんてもう嫌だったんだよ」
台所で魔法薬を作るために使った鍋や器を洗いながら話す藍に、朱雀は女性の幸せとは何だろうと真剣に考えてしまう。
「こうやって朱雀さんの家で働けて、私は幸運だよ。旦那と別れたくても別れられない、行く場所がないからって女はいっぱいいるからね」
今は朱雀の元で働いて、青慈の面倒も見られるので幸せだと藍は言う。流産した藍の子どもは男の子だったらしいと医者からは聞かされていたのだと藍は話した。朱雀にとっては青慈を失うのは考えられないのに、産む前に赤ん坊が死んでしまったなど藍はどれだけ苦しかっただろうと考えるだけで胸が締め付けられるように痛む。
「藍さんと杏さんと緑さんがこの家で家事を手伝ってくれて、本当に助かっている。でも、家事をさせられていたころと変わらないんじゃないかな?」
「全然違うわよ。朱雀さんは私にお給金を払って、住む場所も提供してくれている。旦那は家に金も碌に入れなかったし、感謝の言葉もなかった。そもそも、旦那と私は対等ではなかった」
朱雀と藍は雇用者と使用人として、お給金を払うことによって契約で結ばれている。どちらが偉いというのはないと朱雀は思っているので、働いてくれるだけ藍にも杏にも緑にもお給金は払うし、必要なら休みも取らせるつもりだった。
「家にいても『結婚しろ』としか言われないし、ここの暮らしは快適だわ」
「自分でお金が稼げるなんて、すごく嬉しい」
外の掃除をして洗濯物を取り込んでくれた緑と杏が部屋に来て、話に加わる。そろそろ青慈が起きる時間だったので寝室を覗きに行くと、もぞもぞと青慈は寝台から降りようとしていた。
「とーた……ちっち、じぇた……」
「隠そうとしなくていいんだよ。着替えようね」
およその年齢しか分からないが2歳を超えたはずの青慈は、おしっこを漏らすことに恥じらいを感じるようになってきていた。お昼寝をして起きたときにオムツが濡れていると、それを脱いで隠そうとする。そこまではいいのだが、自分でオムツをはけないから、お尻が丸出しになってしまっていることを、青慈は気付いていないのだ。
お尻が丸出しで必死に寝台の下に隠した濡れたオムツの前に立つ青慈は、幼くて物が分かっていないことが可愛くてならないのだが、朱雀としては漏らしたことを怒るつもりはないし、この年齢ならば仕方がないと思っている。
「おしっこが漏れてもいいんだよ」
「せー、おおちくなりたい」
おしっこを漏らさないようになりたいと涙目で呟く青慈を抱き上げて、オムツを替えてから、朱雀は膝の上に乗せた。
「青慈のお腹の中には膀胱っていう袋があるんだ」
「ぼーこー?」
「おしっこを溜める場所なんだけど、そこが育たないと、青慈はおしっこが上手く溜められなくて、お手洗いに行くまでもたないんだ」
「ぼーこー、おおちくなる?」
「青慈の体が大きくならないと膀胱も育たない。青慈はまだ小さいから、おしっこが漏れてしまうのは仕方がないんだよ」
理論的に説明すると納得したのか、青慈も涙を拭って一生懸命耐えていた。
青慈が山で両親を失ったのは大黒熊が冬ごもりをする前の秋の終わりで、そろそろそれから二年目の秋が終わろうとしていた。冬には山に雪が積もるので気軽に麓の街に降りられなくなる。
藍と緑と杏の分も今年の冬は食料を買い込まなければいけないので、朱雀は青慈を抱っこして、藍と緑と杏と一緒に麓の街に降りた。
保存食になる加工肉や干した魚を買い込んで、魔法で拡張された小さな鞄の中に入れていく。魔法がかかっているので鞄の中に入れると鮮度も保たれるので安心だ。
野菜類もたっぷりと買って、穀物も山ほど買い込んでいる間に、久しぶりの街を藍と杏と緑も満喫していたようだ。最終的にいつもの雑貨屋で合流した。
「この茶器、すごく綺麗ね」
「お給金で買っちゃったら?」
「買っても使うところが……ううん! 私、買う! 自分の部屋で使えばいいし、青慈とお茶をしてもいいわ。自分で稼いだお金なんだもの、自分のために使う」
白地に薄紅の睡蓮の描かれた茶器のセットを見ていた杏が躊躇うのに、緑が声をかけて、杏は自分のために茶器を買うことを決めたようだった。
「私のものよ。青慈にも貸してあげる。緑さんと藍さんも、一緒にお茶をしましょうね」
「それじゃ、私は茶葉を買おうかな」
「私はお茶菓子を」
姦しく杏と緑と藍が買い物をしている。藍が一番年上だが、緑と杏はまだ二十代に届かないくらいの年齢だった。頻繁に街に連れて来ることはできないが、街に行くときには三人を連れていこうと朱雀は思う。
帰りの山道で、朱雀は赤ん坊の入った籠を見つけるのだった。
「私の子どもも産めていたらこれくらいになっていたかもしれない」
一人の女性が呟くと、他の女性たちも青慈に注目する。オムツを付けた上にズボンを穿いたぷっくりとしたお尻をふりふり、青慈はご機嫌でその辺の草花を摘んでいた。古い鍋やまな板やお玉を遊び道具として渡しているので、それで薬草を調合するごっこをして遊んでいるのだ。
「おねたん、おくつり、つくう」
「私に薬を作ってくれるの? 嬉しいわ」
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元気になる魔法薬を作ってくれるという青慈に、女性は目頭を押さえていた。
「あの子を引き取りたいって言ったら、朱雀さんは寂しいわよね」
本気の目で問いかけられて、朱雀は言葉に詰まってしまう。青慈は妖精種ではない普通の人間の子どもで、年は2歳くらい、普通の人間の元で育てられるのならばそっちの方がいいに決まっている。それでも青慈を手放せないのは、朱雀が青慈を可愛がり過ぎているせいだった。
本当に愛しているのならば青慈の幸せのために人間と共に生きさせる方がいい。分かっているのに、朱雀の唇は了承の言葉を紡がない。
黙り込んでいると、女性がふふっと笑った。
「旦那と分かれて、この山に住もうかしら。青慈のそばで暮らしたいわ」
「そんなことができるのか?」
「無理ね。でも、洗濯女でも、下働きでもいいから、この家で働かせてくれない?」
その間は青慈と触れ合うことができるという彼女の言葉に、朱雀は悩んだが答えた。
「青慈のオムツを洗ったりさせるよ?」
「それが嬉しいんじゃない」
「私も!」
「私もここで働きたいわ」
女性たちが次々と声を上げていく。麓の街では女性はあまり働く場所がない。結婚させられて家で家事と子育てをさせられるか、農地で作物を育てる手伝いをするか。雑貨屋の母親は店を持っているからよかったが、世の中はそんなに女性に甘くはできていなかった。
「薬草の栽培や、庭の整備、青慈が眠っているときの番、洗濯なんかをしてもらえると助かるな」
それほど広い家でもなかったけれど、朱雀の元に使用人が集った。使用人が寝起きするための別の棟も立てて朱雀は麓の街では働くところのない彼女たちを受け入れた。
別の棟を立てたのは、山には大黒熊や毒蛇などが出て、通うには危険だと朱雀が判断したからだった。
麓の街に降りると「今夜どうだ?」とか「一晩いくら?」とか妙な声をかけられるが、雇った若い女性たちはそんなことをする人格ではなかった。どちらかと言えば身持ちの固いしっかりとした女性たちで、働きたいというのも家を出て女性が一人で自立するためだった。
「青慈、私は調合をしてくるから、目が覚めたらお姉さんに声をかけるんだよ」
「あい……ねんね……」
眠ることを嫌がることなく寝台でお腹にお布団をかけられた青慈は、ぽんぽんとお腹を優しく叩いているとぐっすりと眠ってしまう。食いしん坊の丸いお腹とふっくらとした薔薇色の頬が愛らしい。垂れる涎すら朱雀には可愛かった。
使用人として家を手伝ってくれるようになった女性たちは、緑、杏、藍という名前の三人だった。緑は長身で黒髪に緑色の目で、杏は小柄で赤茶色の髪に杏色の目で、藍は中肉中背で黒髪に藍色の目をしていた。
「旦那と別れる」と宣言した藍は、その宣言通りに夫と離縁して朱雀の家に働きに来ていた。
「旦那は私が子どもを流産して、もう子どもが望めないかもしれないっていう体になったら、別の女のところに通いだしたのよ。あんなに情熱的に私を口説いていたのに」
子どもを産むためにしか自分の価値を見出されていなかったことを知った藍は、ずっと夫と離縁して家を出たかったのだという。
「離縁したいって言っても、出戻りの娘はいらないって実家には言われるし、戻るところがなくて、家では帰って来ない旦那を待つなんてもう嫌だったんだよ」
台所で魔法薬を作るために使った鍋や器を洗いながら話す藍に、朱雀は女性の幸せとは何だろうと真剣に考えてしまう。
「こうやって朱雀さんの家で働けて、私は幸運だよ。旦那と別れたくても別れられない、行く場所がないからって女はいっぱいいるからね」
今は朱雀の元で働いて、青慈の面倒も見られるので幸せだと藍は言う。流産した藍の子どもは男の子だったらしいと医者からは聞かされていたのだと藍は話した。朱雀にとっては青慈を失うのは考えられないのに、産む前に赤ん坊が死んでしまったなど藍はどれだけ苦しかっただろうと考えるだけで胸が締め付けられるように痛む。
「藍さんと杏さんと緑さんがこの家で家事を手伝ってくれて、本当に助かっている。でも、家事をさせられていたころと変わらないんじゃないかな?」
「全然違うわよ。朱雀さんは私にお給金を払って、住む場所も提供してくれている。旦那は家に金も碌に入れなかったし、感謝の言葉もなかった。そもそも、旦那と私は対等ではなかった」
朱雀と藍は雇用者と使用人として、お給金を払うことによって契約で結ばれている。どちらが偉いというのはないと朱雀は思っているので、働いてくれるだけ藍にも杏にも緑にもお給金は払うし、必要なら休みも取らせるつもりだった。
「家にいても『結婚しろ』としか言われないし、ここの暮らしは快適だわ」
「自分でお金が稼げるなんて、すごく嬉しい」
外の掃除をして洗濯物を取り込んでくれた緑と杏が部屋に来て、話に加わる。そろそろ青慈が起きる時間だったので寝室を覗きに行くと、もぞもぞと青慈は寝台から降りようとしていた。
「とーた……ちっち、じぇた……」
「隠そうとしなくていいんだよ。着替えようね」
およその年齢しか分からないが2歳を超えたはずの青慈は、おしっこを漏らすことに恥じらいを感じるようになってきていた。お昼寝をして起きたときにオムツが濡れていると、それを脱いで隠そうとする。そこまではいいのだが、自分でオムツをはけないから、お尻が丸出しになってしまっていることを、青慈は気付いていないのだ。
お尻が丸出しで必死に寝台の下に隠した濡れたオムツの前に立つ青慈は、幼くて物が分かっていないことが可愛くてならないのだが、朱雀としては漏らしたことを怒るつもりはないし、この年齢ならば仕方がないと思っている。
「おしっこが漏れてもいいんだよ」
「せー、おおちくなりたい」
おしっこを漏らさないようになりたいと涙目で呟く青慈を抱き上げて、オムツを替えてから、朱雀は膝の上に乗せた。
「青慈のお腹の中には膀胱っていう袋があるんだ」
「ぼーこー?」
「おしっこを溜める場所なんだけど、そこが育たないと、青慈はおしっこが上手く溜められなくて、お手洗いに行くまでもたないんだ」
「ぼーこー、おおちくなる?」
「青慈の体が大きくならないと膀胱も育たない。青慈はまだ小さいから、おしっこが漏れてしまうのは仕方がないんだよ」
理論的に説明すると納得したのか、青慈も涙を拭って一生懸命耐えていた。
青慈が山で両親を失ったのは大黒熊が冬ごもりをする前の秋の終わりで、そろそろそれから二年目の秋が終わろうとしていた。冬には山に雪が積もるので気軽に麓の街に降りられなくなる。
藍と緑と杏の分も今年の冬は食料を買い込まなければいけないので、朱雀は青慈を抱っこして、藍と緑と杏と一緒に麓の街に降りた。
保存食になる加工肉や干した魚を買い込んで、魔法で拡張された小さな鞄の中に入れていく。魔法がかかっているので鞄の中に入れると鮮度も保たれるので安心だ。
野菜類もたっぷりと買って、穀物も山ほど買い込んでいる間に、久しぶりの街を藍と杏と緑も満喫していたようだ。最終的にいつもの雑貨屋で合流した。
「この茶器、すごく綺麗ね」
「お給金で買っちゃったら?」
「買っても使うところが……ううん! 私、買う! 自分の部屋で使えばいいし、青慈とお茶をしてもいいわ。自分で稼いだお金なんだもの、自分のために使う」
白地に薄紅の睡蓮の描かれた茶器のセットを見ていた杏が躊躇うのに、緑が声をかけて、杏は自分のために茶器を買うことを決めたようだった。
「私のものよ。青慈にも貸してあげる。緑さんと藍さんも、一緒にお茶をしましょうね」
「それじゃ、私は茶葉を買おうかな」
「私はお茶菓子を」
姦しく杏と緑と藍が買い物をしている。藍が一番年上だが、緑と杏はまだ二十代に届かないくらいの年齢だった。頻繁に街に連れて来ることはできないが、街に行くときには三人を連れていこうと朱雀は思う。
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