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五章 十六歳の性教育
29.僕の小さな頃の話
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ミルカとラウラは汗びっしょりで、蝉を逃がした後に子ども部屋に連れて行かれてシャワーを浴びさせられていた。
シャワーを浴びて着替えてさっぱりとして来たミルカとラウラは、お茶の席に参加する。ちゃっかりとラウラはロヴィーサ嬢の膝の上に座っていた。
「ロヴィーサ嬢がお気に入りになったようですね」
「光栄なことです」
「ろーた、むち!」
「ロヴィーサ嬢に蝉を取ってもらえて嬉しかったのね」
「あい!」
すっかりとロヴィーサ嬢に懐いているラウラとは反対に、ミルカは遠慮しながら父上に聞いていた。
「おじいたま、おひざにのってもいいれつか?」
「おいで、ミルカ」
「おじいたま!」
僕たちが来るのを楽しみにしていたミルカとラウラは、僕たちとお茶を楽しみたいのだろう。ラウラはロヴィーサ嬢の膝に、ミルカは父上の膝に抱っこされた。
焼き菓子とお茶がテーブルに置かれると、ミルカもラウラも身を乗り出して手を伸ばす。
ロヴィーサ嬢はラウラの手が届くようにお皿を引き寄せ、カップも口元に運んでやる。父上もミルカのためにカップを口元に運び、お世話をしていた。
「父上は四人の子どもの父親ですから慣れているのは分かりますが、ロヴィーサ嬢はどうしてそんなに慣れているんですか?」
「わたくしは、小さな頃の記憶があるからだと思います。母がこうしてくれたのを覚えています」
父上は分かるのだが、ロヴィーサ嬢がどうしてそんなに子どものお世話が上手なのか疑問を抱いた僕に、ロヴィーサ嬢は小さな頃の記憶があるからだと答えた。自分がしてもらったことを子どもにしてあげる。それは理にかなっている気がする。
「僕は小さい頃のことはあまり覚えていません」
「わたくしは、とてもおてんばだったと、母が何度も話してくれたのです。母の話を聞いて記憶を定着させた気がします」
ロヴィーサ嬢のお母上は、ロヴィーサ嬢が小さな頃の話をよくしてくれていたという。僕は小さな頃はベッドで寝込んでいた記憶しかない。熱が出て苦しくて、食事も水も喉を通らず、ヒルダ姉上が心配してお見舞いに来てくれていた。
「僕が小さい頃、ヒルダ姉上はよくお見舞いに来てくれましたよね」
「熱が感染するものかどうか分からなかったので、エリアスとエルランドは小さかったから、近くに行かせてはいけないと思っていたのです。でも、エドが一人で苦しんでいるのかと思うと、わたくしは行かずにはいられなかった」
僕が生まれたとき、ヒルダ姉上は九歳、エリアス兄上は七歳、エルランド兄上は四歳だった。そんな年で母上を亡くしてしまったヒルダ姉上もエリアス兄上もエルランド兄上も、悲しくてつらくて大変だったに違いないのに、生まれてきた僕は魔族で人間の食べ物が体に合わずに寝込んでばかりいた。
熱を出してベッドにいる僕に、ヒルダ姉上とエリアス兄上とエルランド兄上は、伝染性の病気だったらいけないので隔離されていたが、警備の目をかいくぐってヒルダ姉上は僕に会いに来てくれていた。
「わたくしは、エドが体調を崩しているのは食事のせいだと確信していました。わたくしが動けるようになったら、エドにモンスターの肉を食べさせてやろうと誓っていたのです」
「ヒルダ姉上は誓い通り、高等学校を卒業する頃から、自分で冒険者ギルドに通って、モンスターの肉を仕入れて来てくれましたね」
「エドが生きるためにはそうするしかないと思っていたのです」
ヒルダ姉上の助けのおかげで今の僕がある。父上もモンスターの肉を手に入れてくれていたが、王城の厨房で常人の毒となりうるモンスターの肉を調理することは難しかった。
あまりモンスターの肉を食べられずに栄養不良で弱っていく僕に、ヒルダ姉上は厨房の反対を押し切ってモンスターの肉を持ち込んだのだ。
「エドは魔族でしたが、わたくしの大事な弟。母上が命を懸けて産んだ弟です。絶対に死なせてはいけないと思っておりました」
「ヒルダ姉上、本当に感謝しています」
「ロヴィーサ嬢と出会って、こんなに大きくなって……。わたくしは頑張ってエドの命を繋いだ甲斐がありましたよ」
目を細めるヒルダ姉上は泣いているようだった。僕はこんなにもヒルダ姉上に愛されている。
「私ができなかった分も、ヒルダがエドを助けてくれて、本当にありがたかった」
「父上には立場というものがありました。他の兄弟やご自分を守らねばならなかった。毒となるモンスターの肉を厨房に持ち込むのは、大変なことだったと思います」
「エドのためにもっと心を砕いてやっておけばと後悔している」
「いいえ、父上は十分にしてくれました」
父上は自分の力不足を後悔しているが、国王の立場で常人には毒となるモンスターの肉を厨房に持ち込ませるというのは立場上難しいところがあったのも確かだ。
僕は父上を責める気も、恨む気もなかった。
「私は幼くてエドになにもしてやれませんでした」
「エルランド兄上は、僕の熱が下がったときに絵本を読んでくれたではないですか」
「覚えているのか、エド?」
「もちろんです」
一人だけ別にされた僕の部屋に絵本を持ってきて、エルランド兄上は僕に聞いた。
「エド、どれがよみたい?」
「エルにぃに、これ!」
「それじゃ、これをよもうね」
枕元に座って一生懸命絵本を読んでくれるエルランド兄上に、僕は絵本を聞きながら幸せに眠りについたのを覚えている。エルランド兄上の絵本は、僕がかなり大きくなるまで続いた。
熱がないときにはエルランド兄上が部屋に来てくれるのを僕は楽しみにしていたのだ。
「エリアス兄上は、日記を書いてくれたのですよね」
「日記ですか?」
「今日は王城ではこんなことがあった、父上はこういうことをして、ヒルダ姉上はこうやって、エルランド兄上はこういうことをしていたというのを書いて、僕に届けてくれていたのです」
寝込んでいた間も日記は途切れず、僕は王城の様子をエリアス兄上の日記で知ることができた。
ロヴィーサ嬢に話していると、誰もが僕を大事に思ってくれていたのだと今更ながらに胸が熱くなる。
「素敵な家族ですね」
「僕は本当に幸せ者です。ロヴィーサ嬢と婚約するときも、父上とエリアス兄上とエルランド兄上が知恵を絞ってくれたのです」
「わたくしとの婚約のときも! それはありがたいことです」
ロヴィーサ嬢にはこの話はしていなかったかもしれない。
ミエト家が所領を取り戻すために家族で知恵を絞ったし、ロヴィーサ嬢と婚約した後も、ミエト家を公爵家にするために話し合った。
懐かしい思い出を話していると、これがもう五年も前のことなのだとしみじみしてくる。
ロヴィーサ嬢と出会って秋で六年目になる。
僕は夏休みが終われば高等学校の六年生になるのだ。
「今回はこの国に来てよかったです。ヒルダ姉上と深い話ができました」
「私もエドと昔の話ができました」
「お招きいただき本当にありがとうございました」
僕とエルランド兄上で頭を下げると、ヒルダ姉上とカスパル義兄上が微笑んで頭を下げる。
「こちらこそ、お越しいただきありがとうございました」
「これからもいらしてくださいね。ミルカもラウラも、すっかりと皆様が気に入ったようです」
カスパル義兄上の言葉にロヴィーサ嬢の膝の上に抱っこされているラウラを見ると、頭がぐらぐらして眠りかけている。ミルカは父上の胸に頭をくっ付けて、ぐっすりと眠っていた。
抱っこされて眠るくらいにミルカもラウラも安心しているのだろう。
ミルカとラウラは乳母に抱き上げられて、子ども部屋に連れて行かれた。
僕とロヴィーサ嬢とエルランド兄上と父上は、隣国を辞して、僕はエルランド兄上と父上を王城まで送って行った。
「魔法石とは本当に便利なものだな」
「魔族の国のお祖父様が僕のために作って下さったのです」
「これがあれば、列車を貸し切ることもないのだな」
「そうなのです。これは特別製で、色んな場所を記録できるのですが、普通の魔法石は一か所だけのようです」
「それでも便利には変わりない。私も作ってもらおうかな」
エルランド兄上は僕が魔法石を使って隣国や魔族の国と行き来しているのを知って、魔法石の注文を考えているようだった。
「魔族の国のお祖父様は仮病を使ってまで僕に会いたがります。エルランド兄上が訪ねて行ったら、絶対に喜ぶと思いますよ」
「お祖父様にお願いしてみよう」
「私も魔族の国の国王陛下にお願いしてみるかな」
エルランド兄上も父上も魔法石の導入に意欲的だった。
二人を王城に送ってから、僕とロヴィーサ嬢はミエト家に帰った。隣国はやはり暑くて、汗をかいていた僕とロヴィーサ嬢は順番にシャワーを浴びて、着替えて居間で寛ぐ。
「エド殿下の小さな頃の話が聞けてとても楽しかったです」
「僕も楽しい時間でした」
隣国の特産のミントティーを冷やして飲みながら、僕とロヴィーサ嬢は語り合った。
シャワーを浴びて着替えてさっぱりとして来たミルカとラウラは、お茶の席に参加する。ちゃっかりとラウラはロヴィーサ嬢の膝の上に座っていた。
「ロヴィーサ嬢がお気に入りになったようですね」
「光栄なことです」
「ろーた、むち!」
「ロヴィーサ嬢に蝉を取ってもらえて嬉しかったのね」
「あい!」
すっかりとロヴィーサ嬢に懐いているラウラとは反対に、ミルカは遠慮しながら父上に聞いていた。
「おじいたま、おひざにのってもいいれつか?」
「おいで、ミルカ」
「おじいたま!」
僕たちが来るのを楽しみにしていたミルカとラウラは、僕たちとお茶を楽しみたいのだろう。ラウラはロヴィーサ嬢の膝に、ミルカは父上の膝に抱っこされた。
焼き菓子とお茶がテーブルに置かれると、ミルカもラウラも身を乗り出して手を伸ばす。
ロヴィーサ嬢はラウラの手が届くようにお皿を引き寄せ、カップも口元に運んでやる。父上もミルカのためにカップを口元に運び、お世話をしていた。
「父上は四人の子どもの父親ですから慣れているのは分かりますが、ロヴィーサ嬢はどうしてそんなに慣れているんですか?」
「わたくしは、小さな頃の記憶があるからだと思います。母がこうしてくれたのを覚えています」
父上は分かるのだが、ロヴィーサ嬢がどうしてそんなに子どものお世話が上手なのか疑問を抱いた僕に、ロヴィーサ嬢は小さな頃の記憶があるからだと答えた。自分がしてもらったことを子どもにしてあげる。それは理にかなっている気がする。
「僕は小さい頃のことはあまり覚えていません」
「わたくしは、とてもおてんばだったと、母が何度も話してくれたのです。母の話を聞いて記憶を定着させた気がします」
ロヴィーサ嬢のお母上は、ロヴィーサ嬢が小さな頃の話をよくしてくれていたという。僕は小さな頃はベッドで寝込んでいた記憶しかない。熱が出て苦しくて、食事も水も喉を通らず、ヒルダ姉上が心配してお見舞いに来てくれていた。
「僕が小さい頃、ヒルダ姉上はよくお見舞いに来てくれましたよね」
「熱が感染するものかどうか分からなかったので、エリアスとエルランドは小さかったから、近くに行かせてはいけないと思っていたのです。でも、エドが一人で苦しんでいるのかと思うと、わたくしは行かずにはいられなかった」
僕が生まれたとき、ヒルダ姉上は九歳、エリアス兄上は七歳、エルランド兄上は四歳だった。そんな年で母上を亡くしてしまったヒルダ姉上もエリアス兄上もエルランド兄上も、悲しくてつらくて大変だったに違いないのに、生まれてきた僕は魔族で人間の食べ物が体に合わずに寝込んでばかりいた。
熱を出してベッドにいる僕に、ヒルダ姉上とエリアス兄上とエルランド兄上は、伝染性の病気だったらいけないので隔離されていたが、警備の目をかいくぐってヒルダ姉上は僕に会いに来てくれていた。
「わたくしは、エドが体調を崩しているのは食事のせいだと確信していました。わたくしが動けるようになったら、エドにモンスターの肉を食べさせてやろうと誓っていたのです」
「ヒルダ姉上は誓い通り、高等学校を卒業する頃から、自分で冒険者ギルドに通って、モンスターの肉を仕入れて来てくれましたね」
「エドが生きるためにはそうするしかないと思っていたのです」
ヒルダ姉上の助けのおかげで今の僕がある。父上もモンスターの肉を手に入れてくれていたが、王城の厨房で常人の毒となりうるモンスターの肉を調理することは難しかった。
あまりモンスターの肉を食べられずに栄養不良で弱っていく僕に、ヒルダ姉上は厨房の反対を押し切ってモンスターの肉を持ち込んだのだ。
「エドは魔族でしたが、わたくしの大事な弟。母上が命を懸けて産んだ弟です。絶対に死なせてはいけないと思っておりました」
「ヒルダ姉上、本当に感謝しています」
「ロヴィーサ嬢と出会って、こんなに大きくなって……。わたくしは頑張ってエドの命を繋いだ甲斐がありましたよ」
目を細めるヒルダ姉上は泣いているようだった。僕はこんなにもヒルダ姉上に愛されている。
「私ができなかった分も、ヒルダがエドを助けてくれて、本当にありがたかった」
「父上には立場というものがありました。他の兄弟やご自分を守らねばならなかった。毒となるモンスターの肉を厨房に持ち込むのは、大変なことだったと思います」
「エドのためにもっと心を砕いてやっておけばと後悔している」
「いいえ、父上は十分にしてくれました」
父上は自分の力不足を後悔しているが、国王の立場で常人には毒となるモンスターの肉を厨房に持ち込ませるというのは立場上難しいところがあったのも確かだ。
僕は父上を責める気も、恨む気もなかった。
「私は幼くてエドになにもしてやれませんでした」
「エルランド兄上は、僕の熱が下がったときに絵本を読んでくれたではないですか」
「覚えているのか、エド?」
「もちろんです」
一人だけ別にされた僕の部屋に絵本を持ってきて、エルランド兄上は僕に聞いた。
「エド、どれがよみたい?」
「エルにぃに、これ!」
「それじゃ、これをよもうね」
枕元に座って一生懸命絵本を読んでくれるエルランド兄上に、僕は絵本を聞きながら幸せに眠りについたのを覚えている。エルランド兄上の絵本は、僕がかなり大きくなるまで続いた。
熱がないときにはエルランド兄上が部屋に来てくれるのを僕は楽しみにしていたのだ。
「エリアス兄上は、日記を書いてくれたのですよね」
「日記ですか?」
「今日は王城ではこんなことがあった、父上はこういうことをして、ヒルダ姉上はこうやって、エルランド兄上はこういうことをしていたというのを書いて、僕に届けてくれていたのです」
寝込んでいた間も日記は途切れず、僕は王城の様子をエリアス兄上の日記で知ることができた。
ロヴィーサ嬢に話していると、誰もが僕を大事に思ってくれていたのだと今更ながらに胸が熱くなる。
「素敵な家族ですね」
「僕は本当に幸せ者です。ロヴィーサ嬢と婚約するときも、父上とエリアス兄上とエルランド兄上が知恵を絞ってくれたのです」
「わたくしとの婚約のときも! それはありがたいことです」
ロヴィーサ嬢にはこの話はしていなかったかもしれない。
ミエト家が所領を取り戻すために家族で知恵を絞ったし、ロヴィーサ嬢と婚約した後も、ミエト家を公爵家にするために話し合った。
懐かしい思い出を話していると、これがもう五年も前のことなのだとしみじみしてくる。
ロヴィーサ嬢と出会って秋で六年目になる。
僕は夏休みが終われば高等学校の六年生になるのだ。
「今回はこの国に来てよかったです。ヒルダ姉上と深い話ができました」
「私もエドと昔の話ができました」
「お招きいただき本当にありがとうございました」
僕とエルランド兄上で頭を下げると、ヒルダ姉上とカスパル義兄上が微笑んで頭を下げる。
「こちらこそ、お越しいただきありがとうございました」
「これからもいらしてくださいね。ミルカもラウラも、すっかりと皆様が気に入ったようです」
カスパル義兄上の言葉にロヴィーサ嬢の膝の上に抱っこされているラウラを見ると、頭がぐらぐらして眠りかけている。ミルカは父上の胸に頭をくっ付けて、ぐっすりと眠っていた。
抱っこされて眠るくらいにミルカもラウラも安心しているのだろう。
ミルカとラウラは乳母に抱き上げられて、子ども部屋に連れて行かれた。
僕とロヴィーサ嬢とエルランド兄上と父上は、隣国を辞して、僕はエルランド兄上と父上を王城まで送って行った。
「魔法石とは本当に便利なものだな」
「魔族の国のお祖父様が僕のために作って下さったのです」
「これがあれば、列車を貸し切ることもないのだな」
「そうなのです。これは特別製で、色んな場所を記録できるのですが、普通の魔法石は一か所だけのようです」
「それでも便利には変わりない。私も作ってもらおうかな」
エルランド兄上は僕が魔法石を使って隣国や魔族の国と行き来しているのを知って、魔法石の注文を考えているようだった。
「魔族の国のお祖父様は仮病を使ってまで僕に会いたがります。エルランド兄上が訪ねて行ったら、絶対に喜ぶと思いますよ」
「お祖父様にお願いしてみよう」
「私も魔族の国の国王陛下にお願いしてみるかな」
エルランド兄上も父上も魔法石の導入に意欲的だった。
二人を王城に送ってから、僕とロヴィーサ嬢はミエト家に帰った。隣国はやはり暑くて、汗をかいていた僕とロヴィーサ嬢は順番にシャワーを浴びて、着替えて居間で寛ぐ。
「エド殿下の小さな頃の話が聞けてとても楽しかったです」
「僕も楽しい時間でした」
隣国の特産のミントティーを冷やして飲みながら、僕とロヴィーサ嬢は語り合った。
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