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四章 キスがしたい十五歳
2.魔窟の収穫時
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魔窟の管理人のお魚四号さんから調査所が届いていた。
「下層のアナゴのドラゴンと烏賊のモンスターが上層に上がって来ようとしているようですね」
「アナゴ……アナゴとはどんな生き物ですか?」
「姿はウナギに似ているでしょうか。細長い魚ですね」
話を聞いて僕はウナギのかば焼きを思い出す。あれはご飯に乗せると絶品だった。
「味もウナギに似ているのですか?」
「調理方法によっては似せることはできますが、アナゴは天ぷらも美味しいのですよ」
「天ぷら!」
「身がふわふわになって癖がないのです」
天ぷらは僕の大好物だ。ロヴィーサ嬢に言われると僕は食べたくなってくる。
管理人のお魚四号さんとオリーヴィアさんがいるので、魔窟からモンスターが溢れ出るようなことはない。周辺住民も安心だし、僕はよく育ったモンスターを食べられるのであり難い。
魔窟の入口はすっかりとお魚四号さんとオリーヴィアさんの私室になっていた。
オリーヴィアさん用の水の溜まったスペースが半分ある。残り半分はお魚四号さん用の乾いたスペースに家具やクローゼットを置いてある。
『いらっしゃいましたね。今日は収穫ですか?』
「アナゴのドラゴンと烏賊のモンスターを狩りに来ました」
『気を付けて行ってらっしゃいませ』
お魚四号さんとオリーヴィアさんに詳しい場所を教えてもらって、僕とロヴィーサ嬢は下層に降りていく。途中のモンスターに襲われそうになった僕を、ロヴィーサ嬢が抱き上げた。
「失礼します」
「お姫様抱っこ!?」
ショックを受けながら僕は抱き上げられて連れて行かれる。僕がロヴィーサ嬢をお姫様抱っこしたいと考えていたのに、僕の方がお姫様抱っこされている。
モンスターの追撃を避けながら、ロヴィーサ嬢は次の階層に入って行く。
「ロヴィーサ嬢、恥ずかしいです。降ろしてください」
「エド殿下、危険なので少し我慢してください」
「で、でも」
恥ずかしさに顔を覆った僕をロヴィーサ嬢はずっとお姫様抱っこしていた。
烏賊のモンスターのいる階層に入ると、ロヴィーサ嬢がベストを脱いで水の中に入って行く。巨大なクラーケン級の烏賊がロヴィーサ嬢を襲ってくるが、ロヴィーサ嬢は巻き付く烏賊の腕を引き千切り、ナイフで切り裂いて真っ二つにして仕留めた。
烏賊のモンスターは爺やに特殊処理の魔法をかけてもらっておいて、ロヴィーサ嬢と僕はアナゴのドラゴンの階層に降りる。水の溜まった下層には、にょろりと長い魚に手足をつけたようなドラゴンが気が荒く尻尾を振り、上層を目指していた。
ロヴィーサ嬢は素早くアナゴのドラゴンの前に立って気を引く。
アナゴのドラゴンはロヴィーサ嬢を見ると咆哮を上げた。
魔窟を揺るがすような咆哮にもロヴィーサ嬢は怯まない。
素早く駆け寄って切り付けるロヴィーサ嬢の勇敢さに僕は見惚れてしまう。
ロヴィーサ嬢はアナゴのドラゴンの四肢を傷付けて、立てないようにして、最後に喉元にナイフを叩きこんで仕留めた。
アナゴのドラゴンも烏賊のモンスターも下処理をしてから上層に行く。
ロヴィーサ嬢がアナゴのドラゴンを、爺やが烏賊のモンスターを担いでいるのを見て、お魚四号さんとオリーヴィアさんが記録をつけていた。
『アナゴのドラゴンと烏賊のモンスターは収穫されましたね』
『次回収穫時期になったものがありましたら、ご連絡いたします』
「よろしくおねがいします。いつも魔窟を管理していただいてありがとうございます」
『魔窟のおかげで私と妻は結婚できました。こちらこそ感謝しています』
『私たちとあなたたち人間と、共存して行けたらよいと思っております』
お魚四号さんもオリーヴィアさんも魔窟での新婚生活は快適なようでよかった。魔窟にはお魚四号さんやオリーヴィアさんの食事となるモンスターがたくさんいる。子どもが生まれても魔窟ならばしっかりと食べさせていけるだろう。
ロヴィーサ嬢とお魚四号さんとオリーヴィアさんは頭を下げ合っていた。
魔窟から出てミエト家に帰ると僕はお腹がぺこぺこだった。
ロヴィーサ嬢は巨大なアナゴのドラゴンを捌いて身を切っていく。烏賊は身をお刺身にして、足を天ぷらにするようだ。
透明な美しい烏賊のお刺身に僕は唾を飲み込んでいた。
大量に取れたので、ロヴィーサ嬢のお父上も一緒に晩ご飯にすることになった。ロヴィーサ嬢は目の前で揚げてくれるようにテーブルに火と油の入った鍋を用意している。
ロヴィーサ嬢がアナゴの天ぷらと烏賊の足の天ぷらと、野菜の天ぷらを揚げている間に、僕は烏賊のお刺身を食べてみた。
「あまぁい!」
「烏賊は新鮮だととても甘いのですよ」
「とても美味しいです」
「たくさんあるので、たくさん食べてくださいね」
僕が烏賊のお刺身にお醤油をつけて美味しくいただいていると、お父上が釜を持ち出して来た。
「実は私も作って来たのですよ。エドヴァルド殿下が食べられるようにマンドラゴラで処理しました」
「なんですか?」
「貝の釜飯です」
ロヴィーサ嬢のお父上も料理のできる方だった。
「これをロヴィーサの母親と一緒に作ったのを思い出したのです。炊き立ての釜飯は美味しかった。エドヴァルド殿下にも是非食べて欲しくて作りました」
「いただきます」
釜を開けると、炊き立てのご飯が入っている。ご飯には貝が混ぜ込んであって、いい香りがする。
ご飯をお茶碗に盛って食べると、あっという間に食べてしまった。お代りをする僕をお父上は目を細めて見ている。
「エド殿下、烏賊とアナゴが揚がりましたよ。お野菜も順次揚がって来ます。カレー塩でお食べ下さい」
「カレー塩?」
「カレーのスパイスと塩を混ぜたものです」
スパイスの香りのする塩を舐めてみると、確かにカレーの味がする。そのカレー塩にアナゴをつけて食べると、口の中で蕩けるように柔らかい。烏賊はぷりぷりとしてとても美味しい。
何もかもが美味しくて、僕はお腹いっぱい食べてしまった。
「私はまだ会ったことがありませんが、魔窟の管理人は人間ではないそうですね。どのようなものなのですか?」
「管理人さんが上半身が魚で、下半身が人間のマーマンです。そのお嫁さんが、上半身が人間で下半身が魚のマーメイドです」
マーマンとマーメイドは同じ種族だったのだというのは驚いたが、海に生きる種族として男女で形は違うが、共に生きられるのだろう。
僕が説明するとお父上は驚いている。
「マーマンもマーメイドも、見たことがありませんな」
「一度会ってみるといいですよ。とても礼儀正しくて有能なひとたちです」
「魔窟の周辺の住民からの信頼も厚いと聞いています」
「種族は違いますが、魔窟を管理してくれていることは確かですからね。周辺住民も受け入れてくれていますよ」
お父上と僕が話している間も、ロヴィーサ嬢は天ぷらを揚げていて、大皿の上にはヤングコーン、サツマイモ、アスパラガス、茄子、ピーマンが乗っていた。熱々のそれを、カレー塩につけて食べるととても美味しい。
「ロヴィーサ嬢も食べてください」
「はい、いただきます」
エプロンを取って席に着いたロヴィーサ嬢が白いワンピースを着ていることに僕は気付く。
ロヴィーサ嬢の黒髪がよく映えてとても美しい。
「ロヴィーサ嬢、そのワンピース、とてもお似合いです」
「ありがとうございます。エド殿下が褒めてくださるので、つい誂えてしまいました」
「とてもいいです。ロヴィーサ嬢が清楚で美しく見えます」
「エド殿下ったら、褒めすぎです」
顔を赤くして頬を押さえるロヴィーサ嬢に、もっともっと美辞麗句を並べ立てたかったが、僕はぐっと我慢した。
ロヴィーサ嬢は貝の入った釜飯をお茶碗に盛って、烏賊のお刺身と天ぷらと一緒に食べている。
「管理人さんがいると収穫が効率的に行えて本当に楽ですね」
「こんなに美味しいものも食べられるし」
「エド殿下、お腹はいっぱいになりましたか?」
「はい、すっかり」
釜飯も二杯食べていたし、お刺身も天ぷらも大量に食べていた。僕はすっかりとお腹がいっぱいだった。
食べ終わると使用人さんたちが片付けてくれて、デザートが運ばれて来る。
デザートはよく冷えた完熟マンゴーだった。
「マンゴーじゃないですか!」
「ダミアーン王太子殿下が送ってくださったのです」
「ダミアーン伯父上が! お礼状を書かないと」
「お礼状の前に食べてくださいな」
口の中に入れると濃厚な甘みと蕩ける食感と冷たさに、僕は次々とマンゴーを食べてしまう。お皿はあっという間に空になった。
デザートまで食べて、僕は魔窟の管理人さんのありがたみを感じていた。
「下層のアナゴのドラゴンと烏賊のモンスターが上層に上がって来ようとしているようですね」
「アナゴ……アナゴとはどんな生き物ですか?」
「姿はウナギに似ているでしょうか。細長い魚ですね」
話を聞いて僕はウナギのかば焼きを思い出す。あれはご飯に乗せると絶品だった。
「味もウナギに似ているのですか?」
「調理方法によっては似せることはできますが、アナゴは天ぷらも美味しいのですよ」
「天ぷら!」
「身がふわふわになって癖がないのです」
天ぷらは僕の大好物だ。ロヴィーサ嬢に言われると僕は食べたくなってくる。
管理人のお魚四号さんとオリーヴィアさんがいるので、魔窟からモンスターが溢れ出るようなことはない。周辺住民も安心だし、僕はよく育ったモンスターを食べられるのであり難い。
魔窟の入口はすっかりとお魚四号さんとオリーヴィアさんの私室になっていた。
オリーヴィアさん用の水の溜まったスペースが半分ある。残り半分はお魚四号さん用の乾いたスペースに家具やクローゼットを置いてある。
『いらっしゃいましたね。今日は収穫ですか?』
「アナゴのドラゴンと烏賊のモンスターを狩りに来ました」
『気を付けて行ってらっしゃいませ』
お魚四号さんとオリーヴィアさんに詳しい場所を教えてもらって、僕とロヴィーサ嬢は下層に降りていく。途中のモンスターに襲われそうになった僕を、ロヴィーサ嬢が抱き上げた。
「失礼します」
「お姫様抱っこ!?」
ショックを受けながら僕は抱き上げられて連れて行かれる。僕がロヴィーサ嬢をお姫様抱っこしたいと考えていたのに、僕の方がお姫様抱っこされている。
モンスターの追撃を避けながら、ロヴィーサ嬢は次の階層に入って行く。
「ロヴィーサ嬢、恥ずかしいです。降ろしてください」
「エド殿下、危険なので少し我慢してください」
「で、でも」
恥ずかしさに顔を覆った僕をロヴィーサ嬢はずっとお姫様抱っこしていた。
烏賊のモンスターのいる階層に入ると、ロヴィーサ嬢がベストを脱いで水の中に入って行く。巨大なクラーケン級の烏賊がロヴィーサ嬢を襲ってくるが、ロヴィーサ嬢は巻き付く烏賊の腕を引き千切り、ナイフで切り裂いて真っ二つにして仕留めた。
烏賊のモンスターは爺やに特殊処理の魔法をかけてもらっておいて、ロヴィーサ嬢と僕はアナゴのドラゴンの階層に降りる。水の溜まった下層には、にょろりと長い魚に手足をつけたようなドラゴンが気が荒く尻尾を振り、上層を目指していた。
ロヴィーサ嬢は素早くアナゴのドラゴンの前に立って気を引く。
アナゴのドラゴンはロヴィーサ嬢を見ると咆哮を上げた。
魔窟を揺るがすような咆哮にもロヴィーサ嬢は怯まない。
素早く駆け寄って切り付けるロヴィーサ嬢の勇敢さに僕は見惚れてしまう。
ロヴィーサ嬢はアナゴのドラゴンの四肢を傷付けて、立てないようにして、最後に喉元にナイフを叩きこんで仕留めた。
アナゴのドラゴンも烏賊のモンスターも下処理をしてから上層に行く。
ロヴィーサ嬢がアナゴのドラゴンを、爺やが烏賊のモンスターを担いでいるのを見て、お魚四号さんとオリーヴィアさんが記録をつけていた。
『アナゴのドラゴンと烏賊のモンスターは収穫されましたね』
『次回収穫時期になったものがありましたら、ご連絡いたします』
「よろしくおねがいします。いつも魔窟を管理していただいてありがとうございます」
『魔窟のおかげで私と妻は結婚できました。こちらこそ感謝しています』
『私たちとあなたたち人間と、共存して行けたらよいと思っております』
お魚四号さんもオリーヴィアさんも魔窟での新婚生活は快適なようでよかった。魔窟にはお魚四号さんやオリーヴィアさんの食事となるモンスターがたくさんいる。子どもが生まれても魔窟ならばしっかりと食べさせていけるだろう。
ロヴィーサ嬢とお魚四号さんとオリーヴィアさんは頭を下げ合っていた。
魔窟から出てミエト家に帰ると僕はお腹がぺこぺこだった。
ロヴィーサ嬢は巨大なアナゴのドラゴンを捌いて身を切っていく。烏賊は身をお刺身にして、足を天ぷらにするようだ。
透明な美しい烏賊のお刺身に僕は唾を飲み込んでいた。
大量に取れたので、ロヴィーサ嬢のお父上も一緒に晩ご飯にすることになった。ロヴィーサ嬢は目の前で揚げてくれるようにテーブルに火と油の入った鍋を用意している。
ロヴィーサ嬢がアナゴの天ぷらと烏賊の足の天ぷらと、野菜の天ぷらを揚げている間に、僕は烏賊のお刺身を食べてみた。
「あまぁい!」
「烏賊は新鮮だととても甘いのですよ」
「とても美味しいです」
「たくさんあるので、たくさん食べてくださいね」
僕が烏賊のお刺身にお醤油をつけて美味しくいただいていると、お父上が釜を持ち出して来た。
「実は私も作って来たのですよ。エドヴァルド殿下が食べられるようにマンドラゴラで処理しました」
「なんですか?」
「貝の釜飯です」
ロヴィーサ嬢のお父上も料理のできる方だった。
「これをロヴィーサの母親と一緒に作ったのを思い出したのです。炊き立ての釜飯は美味しかった。エドヴァルド殿下にも是非食べて欲しくて作りました」
「いただきます」
釜を開けると、炊き立てのご飯が入っている。ご飯には貝が混ぜ込んであって、いい香りがする。
ご飯をお茶碗に盛って食べると、あっという間に食べてしまった。お代りをする僕をお父上は目を細めて見ている。
「エド殿下、烏賊とアナゴが揚がりましたよ。お野菜も順次揚がって来ます。カレー塩でお食べ下さい」
「カレー塩?」
「カレーのスパイスと塩を混ぜたものです」
スパイスの香りのする塩を舐めてみると、確かにカレーの味がする。そのカレー塩にアナゴをつけて食べると、口の中で蕩けるように柔らかい。烏賊はぷりぷりとしてとても美味しい。
何もかもが美味しくて、僕はお腹いっぱい食べてしまった。
「私はまだ会ったことがありませんが、魔窟の管理人は人間ではないそうですね。どのようなものなのですか?」
「管理人さんが上半身が魚で、下半身が人間のマーマンです。そのお嫁さんが、上半身が人間で下半身が魚のマーメイドです」
マーマンとマーメイドは同じ種族だったのだというのは驚いたが、海に生きる種族として男女で形は違うが、共に生きられるのだろう。
僕が説明するとお父上は驚いている。
「マーマンもマーメイドも、見たことがありませんな」
「一度会ってみるといいですよ。とても礼儀正しくて有能なひとたちです」
「魔窟の周辺の住民からの信頼も厚いと聞いています」
「種族は違いますが、魔窟を管理してくれていることは確かですからね。周辺住民も受け入れてくれていますよ」
お父上と僕が話している間も、ロヴィーサ嬢は天ぷらを揚げていて、大皿の上にはヤングコーン、サツマイモ、アスパラガス、茄子、ピーマンが乗っていた。熱々のそれを、カレー塩につけて食べるととても美味しい。
「ロヴィーサ嬢も食べてください」
「はい、いただきます」
エプロンを取って席に着いたロヴィーサ嬢が白いワンピースを着ていることに僕は気付く。
ロヴィーサ嬢の黒髪がよく映えてとても美しい。
「ロヴィーサ嬢、そのワンピース、とてもお似合いです」
「ありがとうございます。エド殿下が褒めてくださるので、つい誂えてしまいました」
「とてもいいです。ロヴィーサ嬢が清楚で美しく見えます」
「エド殿下ったら、褒めすぎです」
顔を赤くして頬を押さえるロヴィーサ嬢に、もっともっと美辞麗句を並べ立てたかったが、僕はぐっと我慢した。
ロヴィーサ嬢は貝の入った釜飯をお茶碗に盛って、烏賊のお刺身と天ぷらと一緒に食べている。
「管理人さんがいると収穫が効率的に行えて本当に楽ですね」
「こんなに美味しいものも食べられるし」
「エド殿下、お腹はいっぱいになりましたか?」
「はい、すっかり」
釜飯も二杯食べていたし、お刺身も天ぷらも大量に食べていた。僕はすっかりとお腹がいっぱいだった。
食べ終わると使用人さんたちが片付けてくれて、デザートが運ばれて来る。
デザートはよく冷えた完熟マンゴーだった。
「マンゴーじゃないですか!」
「ダミアーン王太子殿下が送ってくださったのです」
「ダミアーン伯父上が! お礼状を書かないと」
「お礼状の前に食べてくださいな」
口の中に入れると濃厚な甘みと蕩ける食感と冷たさに、僕は次々とマンゴーを食べてしまう。お皿はあっという間に空になった。
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