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二章 高等学校二年生の王子
5.アルマスの相談
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僕の日常を見たいからダミアーン伯父上は高等学校のある平日に訪ねてきた。
高等学校のある平日にはアルマスも訪ねて来ることはないだろうし、ダミアーン伯父上もお忍びのような形でやって来ていたので、僕は特にアルマスに注意も促していなかったのだ。
それがいけなかった。
ダミアーン伯父上の訪問とアルマスの訪問が重なってしまった。
高等学校を休んで訪問に備えていれば、アルマスも今日はミエト家に誰か来るのだと分かっていただろうし、一言アルマスに伝えるだけでもよかったのだ。
それを怠ってしまったがために、アルマスとアクセリとアンニーナはダミアーン伯父上に会って、アンニーナがダミアーン伯父上と結婚の約束をするようなことになってしまった。
「ダミアーン王太子殿下のアンニーナとの約束、アンニーナを納得させるための方便だよな?」
「僕もそう思いたいけど、ダミアーン伯父上は読めないところがあるから」
正直に言うと、分からないとしか答えられない。
アンニーナが高等学校に入学して、卒業する年になったが、ダミアーン伯父上が迎えに来たなんてことが起きても、僕は全く不思議ではなかった。
「エドヴァルド殿下の伯父上ってことはかなり年上だよな」
「僕の父上よりも年上だよ。でも、魔族は年を取るのが遅いから、まだ結婚してないんだ」
容貌も若いし、ダミアーン伯父上はすごく整った顔立ちをしている。
まだ幼いアンニーナが一目で惚れてしまっても仕方がない。
「私、あの方と結婚するのよ」
「アンニーナ、誤魔化されてるだけだからな」
「いいえ、あの方は言ってくれたの。高等学校に行きなさいって。私、お勉強頑張るわ。お兄ちゃんみたいに、授業料免除で高等学校に入れるようになる」
アンニーナが勉強を頑張るというのは悪いことではなかったが、それがダミアーン伯父上と結婚するためとなると、ちょっと話は変わってくる。
魔族の国の王太子が我が国の平民の娘を嫁に貰う。
それは非常に周囲からの圧力も強そうだった。
「王家に嫁に行くなんて、楽じゃないぞ……」
貴族社会の煩雑さを知ったアルマスの言葉は重い。
王家の一員である僕の前でその言葉を吐くということは、それだけアンニーナを心配しているのだろう。
「お兄ちゃん、僕も高等学校に行く」
「高等学校に行くのはいいんだけど、アクセリはもうちょっと勉強を頑張らないといけないな」
「アンニーナを守ってあげなくちゃ」
高等学校に行くと決めているアンニーナを守るために、兄であるアクセリも高等学校に行くと言っている。麗しき兄弟愛なのだが、アンニーナの方は高等学校に行く動機が不純なので、僕は苦笑いするしかなかった。
話を元に戻して、アルマスが今日来た理由を話す。
「マンドラゴラの収穫を終えて、かなりの数のマンドラゴラが取れたんだけど、どのマンドラゴラをラインダンスさせるか迷ってるんだよ。ラインダンスさせた後は、売っちゃって構わないし」
マンドラゴラのラインダンスをするメンバーを選抜するのと、ラインダンスが終わってからマンドラゴラが売れるような場所を提供してほしいというのがアルマスの願いだった。
マンドラゴラは薬効があって栄養価も高く、常人にも食べられる。高値で売ることができれば、アルマスは今の借家ではなくて、もっといい場所に引っ越せるのではないだろうか。
そうなればアルマスの念願のペットを飼うこともできるかもしれない。
「アルマス、マンドラゴラを売ったお金は何に使うつもり?」
「貴族の集まりに俺も出ることがあるから、衣装代が必要なんだ。それに、授業料免除で高等学校にアクセリとアンニーナがいけなかったときのために、授業料を貯めておかなければいけないだろう」
アルマスが借家を出るのは簡単にはいかないようだ。
生まれたときから王族の僕は気付かなかったが、アルマスには貴族と過ごすための衣装もいる。アクセリとアンニーナの学費もいる。
簡単に借家から出られるなんて、僕は自分がどれだけ甘い考えでいたのかを反省した。
「会場を押さえて、マンドラゴラの舞台を終えた後に、競りが行えるようにしたらいいのかな?」
「そんな感じだ。会場費はマンドラゴラが売れたら、それで支払うから、お願いできるか?」
「会場費に関してはヘンリッキに相談してみるっていうのはどうかな?」
「ヘンリッキ様に?」
不思議そうな顔をしているアルマスに、僕は頷いて答える。
「ヘンリッキの領地でもマンドラゴラの栽培を始めたんでしょう? それなら、ヘンリッキもマンドラゴラを売りたいと思っているはずだよ」
マンドラゴラを売る前座にアルマスのマンドラゴラのラインダンスを見せて、マンドラゴラの魅力をしっかりと見せつけた上で、競りに移行する。
ハーヤネン公爵家は会場費を喜んで出してくれるだろう。
「大根一号と人参二号は、デュエットダンスを練習しているのよ」
「蕪三号は、フラダンスを踊ってるよ」
アルマスの飼っている大根マンドラゴラの大根一号と人参マンドラゴラの人参二号はデュエットダンスを踊っているらしい。蕪マンドラゴラの蕪三号はフラダンスを踊っているという。
アンニーナとアクセリが教えてくれた。
「どれも見てみたいな」
「ラインダンスはこれからメンバーを選抜して、練習に入るんだ」
「どの大根と人参と蕪がいいと思う?」
「蕪に踊れるのかしら」
マンドラゴラの話題になっているので、僕の蕪マンドラゴラのエーメルが顔を出してきていた。踊れるのかという疑問に答えるように、短い手足を一生懸命動かして、ラインダンスのように踊っているつもりなのだろうが、僕には赤ん坊が手足を動かしているようにしか見えない。
「エドヴァルド殿下の蕪さん上手!」
「エドヴァルド殿下の蕪さんも参加する?」
「いや、エーメルはいいかな」
誘ってもらったが、僕は丁重にお断りした。
「せっかくだから、おやつを食べていかれませんか?」
話を聞いていたロヴィーサ嬢が、アルマスとアクセリとアンニーナを居間に招く。
僕とロヴィーサ嬢とダミアーン伯父上が食べていたクレープは片付けられていて、新しくアルマスとアクセリとアンニーナのために、魔力の宿っていない普通のクレープが用意されていた。
アルマスとアクセリとアンニーナと僕が話している間に、ロヴィーサ嬢は厨房に声をかけて作らせたのだろう。
普通の林檎のカラメル煮の香ばしい匂いがしている。
「食べていいんですか?」
「いただきます!」
「いただきます!」
「アクセリ、アンニーナ、答えが来る前に食べるな!」
視線はクレープと林檎のカラメル煮とホイップした生クリームに釘付けで、食べる気満々のアクセリとアンニーナを、アルマスが必死に止めている。
アルマスのこういうところが末っ子の僕には頼りになって好きなのかもしれない。
「たくさん召し上がれ」
「ありがとうございます! って、もう食べてるー!」
「お兄ちゃん、美味しいよ!」
「とっても美味しい!」
アルマスがロヴィーサ嬢にお礼をいうときには、もうアクセリとアンニーナはお皿の上にクレープを取って林檎のカラメル煮と生クリームを乗せて、巻いて食べていた。
口の端に生クリームをつけているアンニーナの口元を、アルマスが拭ってあげている。
「アンニーナ嬢は、ダミアーン王太子殿下のどこを好きになったのですか?」
「髪が銀色で、お目目が薄い色で、肌も真っ白で、雪の王子様みたいだったの。とても素敵で、一目で恋に落ちちゃったのよ」
「エドヴァルド殿下は?」
「エドヴァルド殿下は、ロヴィーサ様のものでしょう?」
「まぁ!?」
おませなアンニーナにロヴィーサ嬢が頬を赤くしている。
アルマスとアクセリとアンニーナがおやつに夢中になっている間、ロヴィーサ嬢はそっと僕に話してくれた。
「アンニーナ嬢が、エドヴァルド殿下をお慕いしてしまったらどうしようかと思ったのです」
「え? 僕に?」
「エドヴァルド殿下の方が、ダミアーン王太子殿下よりもアンニーナ嬢に年齢が近いでしょう? ふとエドヴァルド殿下を見たら、お顔が整っていて、将来はダミアーン王太子殿下よりもいい男になるかもしれないなんて思われたら、わたくしは……」
そんなことをロヴィーサ嬢は考えていたのか。
僕とロヴィーサ嬢の婚約は国王である父上の前で誓いを立てているし、誰にも邪魔をされることのないものだ。そもそも、王家と公爵家の婚約なのだ。国の一大事業であり、覆されることはあり得ない。
それが分かっていても、ロヴィーサ嬢は僕を取られないかと嫉妬してくれていた。
「僕はロヴィーサ嬢のもので、ロヴィーサ嬢は僕のものです」
「アンニーナ嬢の方が年が近いですし、わたくしはエドヴァルド殿下よりも六つも年上です」
「六つなど王族や貴族の結婚ではよくあることです。年の差が少ない方ですよ」
十歳や二十歳年が離れていても、政略結婚をさせられることはよくあるのだ。それを考えると、ロヴィーサ嬢と僕の六歳の年の差など少ないものだった。
「ダミアーン伯父上とアンニーナの結婚が成立したら何歳年が離れていることになるのか……」
僕はダミアーン伯父上のはっきりとした年齢を知らないが、父上よりも年上だと聞いている。父上は今年二十五歳になったヒルダ姉上が生まれたのが、二十歳のときなので、四十五歳になるはずだった。
爺やも同じくらいの年齢のはずだ。
アンニーナとダミアーン伯父上の関係はこれから気になるところだった。
高等学校のある平日にはアルマスも訪ねて来ることはないだろうし、ダミアーン伯父上もお忍びのような形でやって来ていたので、僕は特にアルマスに注意も促していなかったのだ。
それがいけなかった。
ダミアーン伯父上の訪問とアルマスの訪問が重なってしまった。
高等学校を休んで訪問に備えていれば、アルマスも今日はミエト家に誰か来るのだと分かっていただろうし、一言アルマスに伝えるだけでもよかったのだ。
それを怠ってしまったがために、アルマスとアクセリとアンニーナはダミアーン伯父上に会って、アンニーナがダミアーン伯父上と結婚の約束をするようなことになってしまった。
「ダミアーン王太子殿下のアンニーナとの約束、アンニーナを納得させるための方便だよな?」
「僕もそう思いたいけど、ダミアーン伯父上は読めないところがあるから」
正直に言うと、分からないとしか答えられない。
アンニーナが高等学校に入学して、卒業する年になったが、ダミアーン伯父上が迎えに来たなんてことが起きても、僕は全く不思議ではなかった。
「エドヴァルド殿下の伯父上ってことはかなり年上だよな」
「僕の父上よりも年上だよ。でも、魔族は年を取るのが遅いから、まだ結婚してないんだ」
容貌も若いし、ダミアーン伯父上はすごく整った顔立ちをしている。
まだ幼いアンニーナが一目で惚れてしまっても仕方がない。
「私、あの方と結婚するのよ」
「アンニーナ、誤魔化されてるだけだからな」
「いいえ、あの方は言ってくれたの。高等学校に行きなさいって。私、お勉強頑張るわ。お兄ちゃんみたいに、授業料免除で高等学校に入れるようになる」
アンニーナが勉強を頑張るというのは悪いことではなかったが、それがダミアーン伯父上と結婚するためとなると、ちょっと話は変わってくる。
魔族の国の王太子が我が国の平民の娘を嫁に貰う。
それは非常に周囲からの圧力も強そうだった。
「王家に嫁に行くなんて、楽じゃないぞ……」
貴族社会の煩雑さを知ったアルマスの言葉は重い。
王家の一員である僕の前でその言葉を吐くということは、それだけアンニーナを心配しているのだろう。
「お兄ちゃん、僕も高等学校に行く」
「高等学校に行くのはいいんだけど、アクセリはもうちょっと勉強を頑張らないといけないな」
「アンニーナを守ってあげなくちゃ」
高等学校に行くと決めているアンニーナを守るために、兄であるアクセリも高等学校に行くと言っている。麗しき兄弟愛なのだが、アンニーナの方は高等学校に行く動機が不純なので、僕は苦笑いするしかなかった。
話を元に戻して、アルマスが今日来た理由を話す。
「マンドラゴラの収穫を終えて、かなりの数のマンドラゴラが取れたんだけど、どのマンドラゴラをラインダンスさせるか迷ってるんだよ。ラインダンスさせた後は、売っちゃって構わないし」
マンドラゴラのラインダンスをするメンバーを選抜するのと、ラインダンスが終わってからマンドラゴラが売れるような場所を提供してほしいというのがアルマスの願いだった。
マンドラゴラは薬効があって栄養価も高く、常人にも食べられる。高値で売ることができれば、アルマスは今の借家ではなくて、もっといい場所に引っ越せるのではないだろうか。
そうなればアルマスの念願のペットを飼うこともできるかもしれない。
「アルマス、マンドラゴラを売ったお金は何に使うつもり?」
「貴族の集まりに俺も出ることがあるから、衣装代が必要なんだ。それに、授業料免除で高等学校にアクセリとアンニーナがいけなかったときのために、授業料を貯めておかなければいけないだろう」
アルマスが借家を出るのは簡単にはいかないようだ。
生まれたときから王族の僕は気付かなかったが、アルマスには貴族と過ごすための衣装もいる。アクセリとアンニーナの学費もいる。
簡単に借家から出られるなんて、僕は自分がどれだけ甘い考えでいたのかを反省した。
「会場を押さえて、マンドラゴラの舞台を終えた後に、競りが行えるようにしたらいいのかな?」
「そんな感じだ。会場費はマンドラゴラが売れたら、それで支払うから、お願いできるか?」
「会場費に関してはヘンリッキに相談してみるっていうのはどうかな?」
「ヘンリッキ様に?」
不思議そうな顔をしているアルマスに、僕は頷いて答える。
「ヘンリッキの領地でもマンドラゴラの栽培を始めたんでしょう? それなら、ヘンリッキもマンドラゴラを売りたいと思っているはずだよ」
マンドラゴラを売る前座にアルマスのマンドラゴラのラインダンスを見せて、マンドラゴラの魅力をしっかりと見せつけた上で、競りに移行する。
ハーヤネン公爵家は会場費を喜んで出してくれるだろう。
「大根一号と人参二号は、デュエットダンスを練習しているのよ」
「蕪三号は、フラダンスを踊ってるよ」
アルマスの飼っている大根マンドラゴラの大根一号と人参マンドラゴラの人参二号はデュエットダンスを踊っているらしい。蕪マンドラゴラの蕪三号はフラダンスを踊っているという。
アンニーナとアクセリが教えてくれた。
「どれも見てみたいな」
「ラインダンスはこれからメンバーを選抜して、練習に入るんだ」
「どの大根と人参と蕪がいいと思う?」
「蕪に踊れるのかしら」
マンドラゴラの話題になっているので、僕の蕪マンドラゴラのエーメルが顔を出してきていた。踊れるのかという疑問に答えるように、短い手足を一生懸命動かして、ラインダンスのように踊っているつもりなのだろうが、僕には赤ん坊が手足を動かしているようにしか見えない。
「エドヴァルド殿下の蕪さん上手!」
「エドヴァルド殿下の蕪さんも参加する?」
「いや、エーメルはいいかな」
誘ってもらったが、僕は丁重にお断りした。
「せっかくだから、おやつを食べていかれませんか?」
話を聞いていたロヴィーサ嬢が、アルマスとアクセリとアンニーナを居間に招く。
僕とロヴィーサ嬢とダミアーン伯父上が食べていたクレープは片付けられていて、新しくアルマスとアクセリとアンニーナのために、魔力の宿っていない普通のクレープが用意されていた。
アルマスとアクセリとアンニーナと僕が話している間に、ロヴィーサ嬢は厨房に声をかけて作らせたのだろう。
普通の林檎のカラメル煮の香ばしい匂いがしている。
「食べていいんですか?」
「いただきます!」
「いただきます!」
「アクセリ、アンニーナ、答えが来る前に食べるな!」
視線はクレープと林檎のカラメル煮とホイップした生クリームに釘付けで、食べる気満々のアクセリとアンニーナを、アルマスが必死に止めている。
アルマスのこういうところが末っ子の僕には頼りになって好きなのかもしれない。
「たくさん召し上がれ」
「ありがとうございます! って、もう食べてるー!」
「お兄ちゃん、美味しいよ!」
「とっても美味しい!」
アルマスがロヴィーサ嬢にお礼をいうときには、もうアクセリとアンニーナはお皿の上にクレープを取って林檎のカラメル煮と生クリームを乗せて、巻いて食べていた。
口の端に生クリームをつけているアンニーナの口元を、アルマスが拭ってあげている。
「アンニーナ嬢は、ダミアーン王太子殿下のどこを好きになったのですか?」
「髪が銀色で、お目目が薄い色で、肌も真っ白で、雪の王子様みたいだったの。とても素敵で、一目で恋に落ちちゃったのよ」
「エドヴァルド殿下は?」
「エドヴァルド殿下は、ロヴィーサ様のものでしょう?」
「まぁ!?」
おませなアンニーナにロヴィーサ嬢が頬を赤くしている。
アルマスとアクセリとアンニーナがおやつに夢中になっている間、ロヴィーサ嬢はそっと僕に話してくれた。
「アンニーナ嬢が、エドヴァルド殿下をお慕いしてしまったらどうしようかと思ったのです」
「え? 僕に?」
「エドヴァルド殿下の方が、ダミアーン王太子殿下よりもアンニーナ嬢に年齢が近いでしょう? ふとエドヴァルド殿下を見たら、お顔が整っていて、将来はダミアーン王太子殿下よりもいい男になるかもしれないなんて思われたら、わたくしは……」
そんなことをロヴィーサ嬢は考えていたのか。
僕とロヴィーサ嬢の婚約は国王である父上の前で誓いを立てているし、誰にも邪魔をされることのないものだ。そもそも、王家と公爵家の婚約なのだ。国の一大事業であり、覆されることはあり得ない。
それが分かっていても、ロヴィーサ嬢は僕を取られないかと嫉妬してくれていた。
「僕はロヴィーサ嬢のもので、ロヴィーサ嬢は僕のものです」
「アンニーナ嬢の方が年が近いですし、わたくしはエドヴァルド殿下よりも六つも年上です」
「六つなど王族や貴族の結婚ではよくあることです。年の差が少ない方ですよ」
十歳や二十歳年が離れていても、政略結婚をさせられることはよくあるのだ。それを考えると、ロヴィーサ嬢と僕の六歳の年の差など少ないものだった。
「ダミアーン伯父上とアンニーナの結婚が成立したら何歳年が離れていることになるのか……」
僕はダミアーン伯父上のはっきりとした年齢を知らないが、父上よりも年上だと聞いている。父上は今年二十五歳になったヒルダ姉上が生まれたのが、二十歳のときなので、四十五歳になるはずだった。
爺やも同じくらいの年齢のはずだ。
アンニーナとダミアーン伯父上の関係はこれから気になるところだった。
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