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第三部 七海とのぶくん (七海編)
4.しばしの別れ
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この国の法律では、女性は16歳、男性は18歳で結婚できる。七海は女性なので、16歳になったら信久と結婚する気でいた。その頃には信久は25歳。釣り合いも取れると思うのだ。
高校を卒業と同時に、信久が海外の製菓学校で勉強をすると聞いて、七海は泣いてしまった。
「大学を出てから修行するという選択肢もあったんだけど、留学の話が来てて、丁度良かったからな。俺、立派なパティシエになってくるから、ななちゃん泣かないで」
「のぶくんと離れるの嫌だよー!」
「長期休みには帰ってくるし、電話もするよ」
「のぶくん、うなじ噛まないと、他のひとにとられちゃうかも」
泣き止まない七海を抱っこして、うなじを噛ませてくれて、次の長期休みには戻ってきてうなじを噛ませると約束して、信久は旅立って行った。
洟が垂れて、ぐしゃぐしゃの泣き顔でも、信久は七海を可愛いと言ってくれる。最初の出会いは最悪だったけれど、もう信久が運動会にも応援に来てくれない、お弁当も作ってくれない、おやつの差し入れもしてくれないとなると、七海も流石に落ち込んだ。
相変わらず鷹野のご飯は美味しいけれど、信久のご飯が恋しくてたまらない。
ご飯のたびに要に似た薄茶色のお目目に涙をいっぱい溜めて、洟を啜りながら食べる七海を鷹野も要も梓も隼斗も心配してくれていたようだった。
「七海ちゃん、猫、好きかな?」
落ち込んでいる七海を励まそうとしたのか、鷹野が話しかけてくれる。
「猫ちゃん? 虹華ちゃん?」
「虹華ちゃんは犬、トイプードルね。のぶくんのお家の前に猫ちゃん捨てられてたんだって」
最初は数匹いたと思われる子猫は、烏に襲われて食べられて、一匹だけが生き残っていた。信久の家は飲食店なので猫が飼えないために、鷹野に相談を持ちかけたのだという。
「のぶくんのお家の前に捨てられてた猫ちゃん……兄弟が食べられちゃったの?」
「すごく怯えてるから、良いひとが貰ってくれたら嬉しいって言ってるんだけど、七海ちゃん、お世話できるかな?」
「ママ、隼斗くん小さいけど、猫ちゃん平気?」
「分からないけど、僕も見捨てたくないと思ってるんだ」
まだ3歳の梓と1歳の隼斗に、9歳の七海、それに子猫まで引き取ると大変になるのは分かっていたが、鷹野は誰かに見捨てられた小さな命を諦めたくないようだった。
引き取りに行くと、震えて小さなサビ猫が、箱に入れられてタオルにしがみ付いていた。
「のぶくんのお父さんとお母さん、久恵ちゃん、大事に育てるから、ななに猫ちゃんくれますか?」
「うちでは飼えないから、引き取ってくれると嬉しいよ」
箱ごと貰ってきたサビ猫だったが、ガリガリに痩せていて、離乳食も警戒してほとんど食べない。スプーンで七海が口に持っていくと、少しだけペロペロと舐めていた。
「のぶくんに教えなきゃ。ママ、かなちゃん、猫ちゃんのお名前、どうしよう?」
「ななちゃんが責任もって、育てるんだったら、ななちゃんが付けたら?」
「ななが?」
梓のお着替えをさせていた要に言われて、七海は一生懸命考えた。考えている間にも、手を出して握ろうとしてくる隼斗や、触りたがる梓から子猫を守ることは忘れない。
時々離乳食をスプーンで舐めさせて、温かな濡れタオルで排泄も促していると、七海はすごくお姉さんになったような気になった。隼斗や梓もいるが、七海の体が小柄なので、おむつ変えも鷹野と要がほとんどやっている。母乳が出る体質なので、鷹野は梓にも、隼斗にもほとんど母乳をあげていて、離乳食も七海で慣れていたので、七海が手伝うことはほとんどなかった。
まだ小さな七海が子どもらしく生きられるように、鷹野は気を配ってくれるが、その分だけ七海は梓や隼斗と遊ぶことがあっても、食事介助などはしたことがない。
初めて自分で一から育てる子猫に、七海は夢中になっていた。
「のんちゃん! 名前、のんちゃんにする!」
「のぶくんにも教えてあげたら?」
「うん!」
子猫を引き取ったことと、七海が育てること、信久の名前からとって「のん」と名付けたことを鷹野の携帯を借りて、写真付きのメッセージで送ると、時間差で返事が帰ってくる。
「『俺たちの子どもみたいだな』って、のぶくんったら、ロマンチストなのー!」
返事を見せてもらってにやけながら、七海はまた子猫に離乳食を食べさせた。最初は怯えて箱から出てこなかった子猫も、一ヶ月もすると慣れてきて、梓を追いかけたり、隼斗のところに行ってみたり、やんちゃ盛りになったが、カラスに兄弟を食べられたことを忘れていないのか、ベランダをものすごく怖がって、鳥の影が過ぎると、七海のところに駆けてきた。
そうして子猫の面倒を見ているうちに、信久がいなくても寂しくなくなったし、毎日信久に今日の子猫の様子を送って話題もできたので、七海は泣かなくなっていた。これを見越して鷹野は子猫を引き取ろうと言ってくれたのだと思うと、優しいママの思いやりにじんと胸が熱くなる。
「のぶくん、後三年で帰ってくるんだって」
「その頃にはななちゃんも中学生だね」
「中学生……なな、制服着られるかな?」
中学の制服は要のお下がりのものがあるが、要も大柄ではないが、七海は更にほっそりとして小柄である。中学から要を見習って剣道を始めようと考えていたが、子猫を引き取ることになってから、それもやめて帰宅部を通そうと決めていた。
「のんちゃん、のぶくんはね、良い匂いがしてね、美味しいお菓子を作ってくれてね、優しくてね、おっきいの」
初めて目にした自分に優しくしてくれる相手が、鷹野という長身で屈強な体付きだった七海にとっては、お嫁さんにする相手の理想は鷹野のような大きなひとだった。
「なぅん」と鳴いて手にじゃれてくるのんに、七海は話しかける。
「のぶくん、会いたいけど、我慢してるの。夏休み、帰ってくるかなぁ」
楽しみにしていた夏休みだが、信久は試験があって休みが細切れになるために帰れないという話を聞いて、七海は心配で胸がドキドキとした。春に出かけるときに信久のうなじを噛んでから、もう三ヶ月以上経つ。発情期は個人差があるがおよそ三ヶ月ごとに来るので、うなじを噛んだ効果が薄れていて、信久に発情期が来てしまったら、遠く離れている七海には何もできない。
「なな、なんで年が離れてるの? なな、なんで、一人でのぶくんに会いに行けないの?」
理不尽に打ちひしがれて泣き付くと鷹野は、要としばらく話し合っていたようだった。
「七海ちゃん、行こう!」
「でも、隼斗くんも梓ちゃんもいるし、かなちゃんも実習があるでしょう?」
「お仕事は休めるから、ななちゃんが泣いてる方が私は嫌だよ」
「いいの?」
優しい鷹野と要は、隼斗と梓を連れて、七海と一緒に信久のいる国まで行ってくれるという。飛行機の都合で、中間地点のスイスで会うことにして、夏休みは七海は飛行機に乗ってヨーロッパ旅行の旅に出た。
信久が帰ってこられないなら、会いに行けばいい。
それを実行してくれる保護者であることに、七海は感謝する。猫ののんは旅行の間だけ、信久の実家に預けられることになった。
初めての長距離旅行、初めての飛行機で、隼斗も梓も泣いてしまったが、キャビンアテンダントさんはとても親切にしてくれて、他のお客さんからも苦情は出なかった。
「私も鷹野さんと年が離れてるのを気にしてたから、ななちゃんの気持ちはよく分かるんだ。好きなひとには会いたいよね」
「かなちゃん、ありがとう」
保護者と隼斗と梓付きで、七海はスイスのホテルで信久との合流の日を待っていた。
高校を卒業と同時に、信久が海外の製菓学校で勉強をすると聞いて、七海は泣いてしまった。
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「のぶくんと離れるの嫌だよー!」
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洟が垂れて、ぐしゃぐしゃの泣き顔でも、信久は七海を可愛いと言ってくれる。最初の出会いは最悪だったけれど、もう信久が運動会にも応援に来てくれない、お弁当も作ってくれない、おやつの差し入れもしてくれないとなると、七海も流石に落ち込んだ。
相変わらず鷹野のご飯は美味しいけれど、信久のご飯が恋しくてたまらない。
ご飯のたびに要に似た薄茶色のお目目に涙をいっぱい溜めて、洟を啜りながら食べる七海を鷹野も要も梓も隼斗も心配してくれていたようだった。
「七海ちゃん、猫、好きかな?」
落ち込んでいる七海を励まそうとしたのか、鷹野が話しかけてくれる。
「猫ちゃん? 虹華ちゃん?」
「虹華ちゃんは犬、トイプードルね。のぶくんのお家の前に猫ちゃん捨てられてたんだって」
最初は数匹いたと思われる子猫は、烏に襲われて食べられて、一匹だけが生き残っていた。信久の家は飲食店なので猫が飼えないために、鷹野に相談を持ちかけたのだという。
「のぶくんのお家の前に捨てられてた猫ちゃん……兄弟が食べられちゃったの?」
「すごく怯えてるから、良いひとが貰ってくれたら嬉しいって言ってるんだけど、七海ちゃん、お世話できるかな?」
「ママ、隼斗くん小さいけど、猫ちゃん平気?」
「分からないけど、僕も見捨てたくないと思ってるんだ」
まだ3歳の梓と1歳の隼斗に、9歳の七海、それに子猫まで引き取ると大変になるのは分かっていたが、鷹野は誰かに見捨てられた小さな命を諦めたくないようだった。
引き取りに行くと、震えて小さなサビ猫が、箱に入れられてタオルにしがみ付いていた。
「のぶくんのお父さんとお母さん、久恵ちゃん、大事に育てるから、ななに猫ちゃんくれますか?」
「うちでは飼えないから、引き取ってくれると嬉しいよ」
箱ごと貰ってきたサビ猫だったが、ガリガリに痩せていて、離乳食も警戒してほとんど食べない。スプーンで七海が口に持っていくと、少しだけペロペロと舐めていた。
「のぶくんに教えなきゃ。ママ、かなちゃん、猫ちゃんのお名前、どうしよう?」
「ななちゃんが責任もって、育てるんだったら、ななちゃんが付けたら?」
「ななが?」
梓のお着替えをさせていた要に言われて、七海は一生懸命考えた。考えている間にも、手を出して握ろうとしてくる隼斗や、触りたがる梓から子猫を守ることは忘れない。
時々離乳食をスプーンで舐めさせて、温かな濡れタオルで排泄も促していると、七海はすごくお姉さんになったような気になった。隼斗や梓もいるが、七海の体が小柄なので、おむつ変えも鷹野と要がほとんどやっている。母乳が出る体質なので、鷹野は梓にも、隼斗にもほとんど母乳をあげていて、離乳食も七海で慣れていたので、七海が手伝うことはほとんどなかった。
まだ小さな七海が子どもらしく生きられるように、鷹野は気を配ってくれるが、その分だけ七海は梓や隼斗と遊ぶことがあっても、食事介助などはしたことがない。
初めて自分で一から育てる子猫に、七海は夢中になっていた。
「のんちゃん! 名前、のんちゃんにする!」
「のぶくんにも教えてあげたら?」
「うん!」
子猫を引き取ったことと、七海が育てること、信久の名前からとって「のん」と名付けたことを鷹野の携帯を借りて、写真付きのメッセージで送ると、時間差で返事が帰ってくる。
「『俺たちの子どもみたいだな』って、のぶくんったら、ロマンチストなのー!」
返事を見せてもらってにやけながら、七海はまた子猫に離乳食を食べさせた。最初は怯えて箱から出てこなかった子猫も、一ヶ月もすると慣れてきて、梓を追いかけたり、隼斗のところに行ってみたり、やんちゃ盛りになったが、カラスに兄弟を食べられたことを忘れていないのか、ベランダをものすごく怖がって、鳥の影が過ぎると、七海のところに駆けてきた。
そうして子猫の面倒を見ているうちに、信久がいなくても寂しくなくなったし、毎日信久に今日の子猫の様子を送って話題もできたので、七海は泣かなくなっていた。これを見越して鷹野は子猫を引き取ろうと言ってくれたのだと思うと、優しいママの思いやりにじんと胸が熱くなる。
「のぶくん、後三年で帰ってくるんだって」
「その頃にはななちゃんも中学生だね」
「中学生……なな、制服着られるかな?」
中学の制服は要のお下がりのものがあるが、要も大柄ではないが、七海は更にほっそりとして小柄である。中学から要を見習って剣道を始めようと考えていたが、子猫を引き取ることになってから、それもやめて帰宅部を通そうと決めていた。
「のんちゃん、のぶくんはね、良い匂いがしてね、美味しいお菓子を作ってくれてね、優しくてね、おっきいの」
初めて目にした自分に優しくしてくれる相手が、鷹野という長身で屈強な体付きだった七海にとっては、お嫁さんにする相手の理想は鷹野のような大きなひとだった。
「なぅん」と鳴いて手にじゃれてくるのんに、七海は話しかける。
「のぶくん、会いたいけど、我慢してるの。夏休み、帰ってくるかなぁ」
楽しみにしていた夏休みだが、信久は試験があって休みが細切れになるために帰れないという話を聞いて、七海は心配で胸がドキドキとした。春に出かけるときに信久のうなじを噛んでから、もう三ヶ月以上経つ。発情期は個人差があるがおよそ三ヶ月ごとに来るので、うなじを噛んだ効果が薄れていて、信久に発情期が来てしまったら、遠く離れている七海には何もできない。
「なな、なんで年が離れてるの? なな、なんで、一人でのぶくんに会いに行けないの?」
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「七海ちゃん、行こう!」
「でも、隼斗くんも梓ちゃんもいるし、かなちゃんも実習があるでしょう?」
「お仕事は休めるから、ななちゃんが泣いてる方が私は嫌だよ」
「いいの?」
優しい鷹野と要は、隼斗と梓を連れて、七海と一緒に信久のいる国まで行ってくれるという。飛行機の都合で、中間地点のスイスで会うことにして、夏休みは七海は飛行機に乗ってヨーロッパ旅行の旅に出た。
信久が帰ってこられないなら、会いに行けばいい。
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初めての長距離旅行、初めての飛行機で、隼斗も梓も泣いてしまったが、キャビンアテンダントさんはとても親切にしてくれて、他のお客さんからも苦情は出なかった。
「私も鷹野さんと年が離れてるのを気にしてたから、ななちゃんの気持ちはよく分かるんだ。好きなひとには会いたいよね」
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