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第一部 後天性オメガは美女に抱かれる (雪峻編)
5.愛してると何度でも (艶華視点) (R18)
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発情期が終わっても、雪峻は艶華を求めてくれていた。
「つやかぁ……もっと、はげしく、してぇっ!」
「雪峻くん、すっかり私の形に馴染んじゃって」
「ひぁっ!」
抱くたびに、雪峻はますます艶華好みになるような気がする。発情期ではなくてもフェロモンは心地よく甘く香り、艶華を誘う。内壁は艶華の中心を締め付けて、最奥まで突き上げてごりごりと擦れば、中だけで絶頂する姿も可愛い。
「ひぁっ! つやかぁっ!」
「可愛い雪峻くん、私の雪峻くん」
逃がさないとしっかりと抱き締めて眠っていたはずなのに、鷹野が来た日から雪峻は艶華の部屋に来なくなってしまった。連絡を取ろうとしても、着信は拒否されているし、メッセージもブロックされている。
こういうことが以前にもあった。
愛し合っていると思っていたのは艶華だけで、恋人はすげなく他の相手の元へ行ってしまう。艶華が生活面がだらしないから、仕事に集中するとそれ以外考えられない不器用だから、理由は山ほどあったのだろうが、それまではそれで諦めていた。
「雪峻くん……会いたいよぉ」
大学に訪ねて行っても、避けられていることが分かるだけ。
へこんで仕事も手につかない艶華を、鷹野は呆れながらも、辛抱強く話を聞いてくれた。
「ちゃんと気持ちは伝えたの?」
「分かってるって思ってた」
「口にしないと何も伝わらないんだよ」
「でも、赤ちゃんできても良いって、それくらい好きだって……」
好きだと口にしただろうか。
愛しい、可愛い、好きだと思っていたが、それを全部艶華は伝えた気になっていた。実際はどうだったか、鷹野に言われると自信がなくなる。
「鷹野ちゃん、匂いしないね……」
「え? 僕、フェロモン出てない?」
「うん、全然匂わない」
兄妹なのに艶華は鷹野のフェロモンにやたらと鋭くて、小さな頃から「いいにおいがする、たかのちゃん、だぁいすき」と言って、両親を慄かせていた。そのせいで二人は引き離されて別々に育てられることになったのだが、常に感じていた鷹野のフェロモンを感じなくなっている。
「『運命の番』だったんじゃないの?」
「そうだと思ってた!」
「それ、言った?」
「えーっと、どうだっけ?」
お互いにしかフェロモンが作用しなくなる番という関係に、抱き合っただけでなってしまうのが、「運命の番」と呼ばれる相手だ。運命だと確信していたがその通りだったので嬉しくなったものの、艶華の側には雪峻の姿がない。
どうすれば戻ってきてくれるのか、艶華には分からなかった。
八方ふさがりの中で、鷹野に泣き付いて、艶華は鷹野が帰った後で、キッチンに立った。
フライパンにどの油を引けばいいのかも分からない。卵は割ろうとして握り潰してしまう。野菜を切ろうとすれば、包丁がずれて転がる。玉ねぎを切れば涙が溢れて止まらない。
「ゆきちかくぅん……私、雪峻くんが、いないと、生きていけないよぉ」
泣きながらカレーに挑戦するが、水が少なかったのか焦がしてしまって鍋が真っ黒になった。ご飯を炊こうとして、水を入れるのを忘れて、カラカラの炒った米ができてしまった。
洗濯機は回せるが、干すときに伸ばすのを忘れてしわくちゃのまま。
掃除機をかけようとしたら、カーペットを吸いこんで、動かなくなってしまった。
自分はこんなにも何もできない。
挙句の果てに、できていたはずのカプセル式のコーヒーを淹れようとしたら、水を足していなくてカップの底に一センチほどだけしか入らなくて、艶華は泣き出してしまった。
雪峻との生活でどれだけ艶華は大事にされて、甘やかされていたのだろう。雪峻のことを大事にしていたつもりだが、艶華はそれ以上に大事にされていた。
ぼろぼろと涙が零れて止まらない。
このまま何も食べず、水も飲まず、死んでしまいたい。
そう思っていても、時間が過ぎるとお腹は空くもので、艶華はフライパンに卵を落として焼いていた。
全然火が通らないので、強火にするとぶすぶすと黒い煙を上げて焦げていくのが分かる。慌てて弱火にしたが、もう遅かった。
「焦げ臭い……艶華さん!? 大丈夫!?」
玄関から雪峻が走ってきてくれたとき、艶華は顔もぐしゃぐしゃで、髪も服もよれよれで、美しいとは言えなかったはずだ。それなのに、雪峻の態度は変わらなかった。
「炭作ってるのか?」
「雪峻くんに、捨てられないように、ちょっとくらいできるようになろうと思ったんだけど、卵が炭になっちゃった……」
説明をしていると、雪峻が戻ってきてくれたという安堵に、新しく涙が零れ始める。
「あまりに何にもできないから、嫌になったのかと思ったの」
「そもそも、俺、何も言われてないし」
「なにそれ? どういうこと? 雪峻くんは私のお嫁さんじゃないの?」
「は?」
もう結婚を前提に付き合っているのだと信じ込んでいた。
雪峻は艶華のお嫁に来てくれて、一緒に暮らしている気でいたのだ。
そのことを話すと、雪峻は沈痛な面持ちで問いかける。
「俺のことはどう思ってるの?」
「好きだよ? 好きじゃなきゃ、あんなことしないもん! 愛してないと、赤ちゃん産んでとか言わないし!」
「好き!? 愛してる!?」
「そうだよ、大好きだよ!」
何一つ、通じていなかった。
艶華が雪峻に遊ばれたと思っていたように、雪峻もずっと艶華に遊ばれていると思っていた。
そんなことはない。
愛しているのだと告げると、雪峻からも返事がもらえる。
「俺も、艶華さんが、好きだよ」
「良かった……捨てられてなかった……」
焦げ臭いキッチンは換気扇を回して、艶華を抱き締めて雪峻はソファに連れて行ってくれた。そのときに艶華は初めてキッチンに換気扇が付いていることを知った。
「虹華って、誰?」
「すっごく可愛い、うちの子……なんだけど、私があまりに部屋が汚いし、面倒も見切れないから、鷹野ちゃんが連れて行っちゃったの」
「うちの子? やっぱり、子どもがいたのか?」
「そう、可愛いトイプードル」
虹華についても説明すると、雪峻は苦み走った顔になる。
ペットショップで一目惚れして買って、艶華なりに面倒は見ていたのだが、排せつ物もそのまま、餌も水も忘れてしまうという状況に、鷹野に取り上げられてしまった可愛い子。
「雪峻くんが今はいてくれるし、私もご飯食べるようになって、餌もお水もあげられると思うから、返してもらいたかったんだけど……先に相談した方が良かった?」
「なんて、紛らわしい……。艶華さん、モテるから他に隠し子がいたのかと」
「いないよ! 雪峻くんが初めてだもん、赤ちゃん欲しいなって思ったの」
「本当に?」
「子どもって可愛いけど、ちょっと苦手で。でも雪峻くんの赤ちゃんなら可愛いと思うの」
隠し子などいるはずがない。それだけの深い関係を、雪峻以外に望んだことはなかった。赤ん坊が欲しかったのだって、雪峻が初めてだ。
何もかもを話してしまえば、雪峻は艶華の元に戻ってきてくれると約束をした。
その代わりに。
「もうちょっと、艶華さんは言葉で伝える努力をして」
そう要求されて、艶華は早速雪峻に愛を囁く。
「はぁい。雪峻くん、愛してるよ」
「あ、あぁ」
求めても実際に言われたら真っ赤になって照れてしまうのも、雪峻の可愛いところだ。
虹かも返してもらって、雪峻に毎日のように「結婚しよう」とプロポーズする艶華が、良い返事をもらえるのは、もう少し後のこと。
描きかけの絵が仕上がって、雪峻と虹華を描いたそれが、年末の美術展で賞をとった。
その絵を、雪峻も認めてくれた。
「写真より、あったかく感じられる……」
「でしょう?」
ずっと小さな頃から、絵を描くのが好きだった。
世界にあるものは全て、ひとが作り出したものも、自然のものも、完璧な造形をしているとその美しさに感動して、それを描いて生きていきたかった。
「それを雪峻くんのご両親にプレゼントしたらダメ?」
それを具現化した絵を、雪峻の両親にも見てもらいたい。
「今度の日曜日、行ってみるか?」
「いいの?」
「本当にうちの親は普通の平凡なベータだからな?」
冬の日に、艶華は鷹野にお願いしてついてきてもらって、雪峻の両親にご挨拶に行くのだった。
「つやかぁ……もっと、はげしく、してぇっ!」
「雪峻くん、すっかり私の形に馴染んじゃって」
「ひぁっ!」
抱くたびに、雪峻はますます艶華好みになるような気がする。発情期ではなくてもフェロモンは心地よく甘く香り、艶華を誘う。内壁は艶華の中心を締め付けて、最奥まで突き上げてごりごりと擦れば、中だけで絶頂する姿も可愛い。
「ひぁっ! つやかぁっ!」
「可愛い雪峻くん、私の雪峻くん」
逃がさないとしっかりと抱き締めて眠っていたはずなのに、鷹野が来た日から雪峻は艶華の部屋に来なくなってしまった。連絡を取ろうとしても、着信は拒否されているし、メッセージもブロックされている。
こういうことが以前にもあった。
愛し合っていると思っていたのは艶華だけで、恋人はすげなく他の相手の元へ行ってしまう。艶華が生活面がだらしないから、仕事に集中するとそれ以外考えられない不器用だから、理由は山ほどあったのだろうが、それまではそれで諦めていた。
「雪峻くん……会いたいよぉ」
大学に訪ねて行っても、避けられていることが分かるだけ。
へこんで仕事も手につかない艶華を、鷹野は呆れながらも、辛抱強く話を聞いてくれた。
「ちゃんと気持ちは伝えたの?」
「分かってるって思ってた」
「口にしないと何も伝わらないんだよ」
「でも、赤ちゃんできても良いって、それくらい好きだって……」
好きだと口にしただろうか。
愛しい、可愛い、好きだと思っていたが、それを全部艶華は伝えた気になっていた。実際はどうだったか、鷹野に言われると自信がなくなる。
「鷹野ちゃん、匂いしないね……」
「え? 僕、フェロモン出てない?」
「うん、全然匂わない」
兄妹なのに艶華は鷹野のフェロモンにやたらと鋭くて、小さな頃から「いいにおいがする、たかのちゃん、だぁいすき」と言って、両親を慄かせていた。そのせいで二人は引き離されて別々に育てられることになったのだが、常に感じていた鷹野のフェロモンを感じなくなっている。
「『運命の番』だったんじゃないの?」
「そうだと思ってた!」
「それ、言った?」
「えーっと、どうだっけ?」
お互いにしかフェロモンが作用しなくなる番という関係に、抱き合っただけでなってしまうのが、「運命の番」と呼ばれる相手だ。運命だと確信していたがその通りだったので嬉しくなったものの、艶華の側には雪峻の姿がない。
どうすれば戻ってきてくれるのか、艶華には分からなかった。
八方ふさがりの中で、鷹野に泣き付いて、艶華は鷹野が帰った後で、キッチンに立った。
フライパンにどの油を引けばいいのかも分からない。卵は割ろうとして握り潰してしまう。野菜を切ろうとすれば、包丁がずれて転がる。玉ねぎを切れば涙が溢れて止まらない。
「ゆきちかくぅん……私、雪峻くんが、いないと、生きていけないよぉ」
泣きながらカレーに挑戦するが、水が少なかったのか焦がしてしまって鍋が真っ黒になった。ご飯を炊こうとして、水を入れるのを忘れて、カラカラの炒った米ができてしまった。
洗濯機は回せるが、干すときに伸ばすのを忘れてしわくちゃのまま。
掃除機をかけようとしたら、カーペットを吸いこんで、動かなくなってしまった。
自分はこんなにも何もできない。
挙句の果てに、できていたはずのカプセル式のコーヒーを淹れようとしたら、水を足していなくてカップの底に一センチほどだけしか入らなくて、艶華は泣き出してしまった。
雪峻との生活でどれだけ艶華は大事にされて、甘やかされていたのだろう。雪峻のことを大事にしていたつもりだが、艶華はそれ以上に大事にされていた。
ぼろぼろと涙が零れて止まらない。
このまま何も食べず、水も飲まず、死んでしまいたい。
そう思っていても、時間が過ぎるとお腹は空くもので、艶華はフライパンに卵を落として焼いていた。
全然火が通らないので、強火にするとぶすぶすと黒い煙を上げて焦げていくのが分かる。慌てて弱火にしたが、もう遅かった。
「焦げ臭い……艶華さん!? 大丈夫!?」
玄関から雪峻が走ってきてくれたとき、艶華は顔もぐしゃぐしゃで、髪も服もよれよれで、美しいとは言えなかったはずだ。それなのに、雪峻の態度は変わらなかった。
「炭作ってるのか?」
「雪峻くんに、捨てられないように、ちょっとくらいできるようになろうと思ったんだけど、卵が炭になっちゃった……」
説明をしていると、雪峻が戻ってきてくれたという安堵に、新しく涙が零れ始める。
「あまりに何にもできないから、嫌になったのかと思ったの」
「そもそも、俺、何も言われてないし」
「なにそれ? どういうこと? 雪峻くんは私のお嫁さんじゃないの?」
「は?」
もう結婚を前提に付き合っているのだと信じ込んでいた。
雪峻は艶華のお嫁に来てくれて、一緒に暮らしている気でいたのだ。
そのことを話すと、雪峻は沈痛な面持ちで問いかける。
「俺のことはどう思ってるの?」
「好きだよ? 好きじゃなきゃ、あんなことしないもん! 愛してないと、赤ちゃん産んでとか言わないし!」
「好き!? 愛してる!?」
「そうだよ、大好きだよ!」
何一つ、通じていなかった。
艶華が雪峻に遊ばれたと思っていたように、雪峻もずっと艶華に遊ばれていると思っていた。
そんなことはない。
愛しているのだと告げると、雪峻からも返事がもらえる。
「俺も、艶華さんが、好きだよ」
「良かった……捨てられてなかった……」
焦げ臭いキッチンは換気扇を回して、艶華を抱き締めて雪峻はソファに連れて行ってくれた。そのときに艶華は初めてキッチンに換気扇が付いていることを知った。
「虹華って、誰?」
「すっごく可愛い、うちの子……なんだけど、私があまりに部屋が汚いし、面倒も見切れないから、鷹野ちゃんが連れて行っちゃったの」
「うちの子? やっぱり、子どもがいたのか?」
「そう、可愛いトイプードル」
虹華についても説明すると、雪峻は苦み走った顔になる。
ペットショップで一目惚れして買って、艶華なりに面倒は見ていたのだが、排せつ物もそのまま、餌も水も忘れてしまうという状況に、鷹野に取り上げられてしまった可愛い子。
「雪峻くんが今はいてくれるし、私もご飯食べるようになって、餌もお水もあげられると思うから、返してもらいたかったんだけど……先に相談した方が良かった?」
「なんて、紛らわしい……。艶華さん、モテるから他に隠し子がいたのかと」
「いないよ! 雪峻くんが初めてだもん、赤ちゃん欲しいなって思ったの」
「本当に?」
「子どもって可愛いけど、ちょっと苦手で。でも雪峻くんの赤ちゃんなら可愛いと思うの」
隠し子などいるはずがない。それだけの深い関係を、雪峻以外に望んだことはなかった。赤ん坊が欲しかったのだって、雪峻が初めてだ。
何もかもを話してしまえば、雪峻は艶華の元に戻ってきてくれると約束をした。
その代わりに。
「もうちょっと、艶華さんは言葉で伝える努力をして」
そう要求されて、艶華は早速雪峻に愛を囁く。
「はぁい。雪峻くん、愛してるよ」
「あ、あぁ」
求めても実際に言われたら真っ赤になって照れてしまうのも、雪峻の可愛いところだ。
虹かも返してもらって、雪峻に毎日のように「結婚しよう」とプロポーズする艶華が、良い返事をもらえるのは、もう少し後のこと。
描きかけの絵が仕上がって、雪峻と虹華を描いたそれが、年末の美術展で賞をとった。
その絵を、雪峻も認めてくれた。
「写真より、あったかく感じられる……」
「でしょう?」
ずっと小さな頃から、絵を描くのが好きだった。
世界にあるものは全て、ひとが作り出したものも、自然のものも、完璧な造形をしているとその美しさに感動して、それを描いて生きていきたかった。
「それを雪峻くんのご両親にプレゼントしたらダメ?」
それを具現化した絵を、雪峻の両親にも見てもらいたい。
「今度の日曜日、行ってみるか?」
「いいの?」
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