1 / 45
第一部 後天性オメガは美女に抱かれる (雪峻編)
1.俺がオメガのはずがない
しおりを挟む
人類の八割はベータと呼ばれる平凡な人々である。優秀で眉目秀麗と言われるアルファや、男女問わず子どもを産むことができて発情期と呼ばれる期間にはアルファを誘惑することができるオメガは、それぞれ人口の一割程度で、義務教育のクラスに一人いるかいないかくらいの遠い存在だった。
高嶺雪峻の両親はベータで、思春期頃に行われる検査でも、ベータと言われていて、それを疑ったことはなかった。ただ、匂いに敏感なのか、近くでオメガが突発的に発情期になると、そのフェロモンの香りを感じることはあった。
ベータと診断されていた人間が、後天的にアルファやオメガとして覚醒する例も今までになかったわけではない。
もしかすると自分はアルファなのかもしれない。
白い肌に色素が薄くて、そこそこ綺麗な顔立ちもしているし、背も低いわけではない。自惚れて、自分のバース性をアルファかもしれないと偽って、ナンパに成功したこともある。
医学部に入学したばかりの18歳。そういう欲は人一倍あった。
何よりも、国立の医学部に現役で合格できた自分の実力に酔いしれていたのもあった。
周囲にはアルファがそこそこいて、自分もその仲間入りをしたような気分になっていた18歳の春、友人とカラオケで徹夜で歌って帰る途中で、気分が悪くなって、雪峻は路上に座り込んでしまった。時刻はまだ早朝で、通りには人が少ない。昨夜飲みながら歌ったのもあって、体調を崩してしまったようだ。
動けない雪峻に、頭上から声が降ってきた。
「あなた、大丈夫?」
しっとりとした大人の女性の声。見上げると長い黒髪をシニヨンに纏めた、黒目がちの胸の大きな美女が雪峻を覗き込んでいた。豊かな胸に目がいって、顔を上げた瞬間、思わぬ強さの力で肩を貸して立たされる。
「すごく匂ってるわよ。こんなところにいたら危ない」
「匂う……?」
吐いてもいないが、昨日風呂にも入らずにいたせいで汗臭かったのかと訝しむ雪峻だが、肩を貸す女性の体温にぞくぞくとあらぬ場所が疼いた。喉がからからで、喘ぐようにしか息ができない。
欲しい。
欲望が胎を疼かせる。
「いや、だ……」
「安全な場所に連れて行くだけよ」
手近なホテルに連れ込まれて、雪峻はバスルームに籠もっていた。体が熱くて、冷たいシャワーを浴びても少しも胎の疼きが治らない。それどころか、後孔まで濡れてきている気がする。
「もしかして、抑制剤持ってないの?」
「よくせいざい……なんで、そんなもの……」
自分はアルファ寄りのベータなのだから、そんなものがいるはずがない。
そう信じている雪峻は、バスルームに充満している、甘い香りを認めたくなくて、濡れる中心を扱き上げるが、そっちで達しても、少しも満足感が得られない。中心を扱いて白濁を吐き出す行為も、扱きすぎてそこが痛くなるだけ。
欲しいのはこんな刺激ではない。
「たすけて……こんなの、俺じゃない……」
「病院に連れて行ってあげたいけど、その状態で外を連れ回すのは危険すぎる」
バスルームのガラス越しに、美女が話しかけてくるのに、雪峻の本能が反応していた。発情期のフェロモンに、ベータは気付かない。気付くとすれば、アルファかオメガだ。雪峻の異変にすぐに気付いた彼女は、アルファかオメガの可能性が高い。
抑制剤を本人は持っていないとなると、彼女はアルファ、という答えが導き出される。
初めての発情期に理性は飛んでいた。
ただ、この熱を沈めて欲しかった。
「たすけて……」
バスルームから出て、全裸で縋った雪峻に、彼女は美しい弧を描く眉を潜める。
「こんなに冷えて。ダメよ、行きずりの相手となんて……」
「苦しいんだ、頼む、助けてくれ」
懇願する雪峻は濡れそぼって、体も冷え切っていた。バスタオルを被せられて、拭く手の優しさに、もっと激しい熱が欲しくて、体が疼く。口付けた彼女の唇は、肉厚で柔らかかった。
「後悔、するよ?」
ベッドまで連れて行かれるのすら、焦れてしまう。直接肌の触れるシーツの冷たさに震えていると、美女の柔らかな手が雪峻の白い肌を撫でる。胸の尖りを指先が掠めると、そんな場所に触れられたこともないのに、甘い声が喉を突いて出た。
「ひぁんっ!」
「完全に、発情期で理性を失ってるね」
「ここ、ちょうだい! ほしい!」
泣いて強請って、自ら膝裏を抱えて、広げて見せた足の間、中心はとろとろと白濁を零しながら、露わになった後孔は濡れて滑って、そこを埋めてくれるものを待っている。
「私は、艶華」
「つや、か?」
「そう、これから、あなたを抱くアルファよ?」
ワンピースの後ろのチャックを下ろして、脱ぎ捨てた艶華が、ストッキングと下着も脱いでしまう。そこには、雪峻よりもよほど立派で逞しい中心がそそり立っていた。
欲しくてたまらないものを目にして、雪峻の喉が鳴る。
先端を宛てがわれると、期待で入口がきゅっとそこを締め付けた。押し込まれても、痛みなど感じない。ただただ、気持ち良くて、涙が溢れる。
豊かな胸を揺らしながら、腰を打ち付けてくる艶華に、雪峻は溺れていた。
「つやかぁ! あぁっ! すごいっ! もっとぉ!」
追い立てられて、内壁をごりごりと擦られると、気持ちよさでおかしくなりそうになる。アルファの吐精は量が多いというが、逆流するほど大量に中で放たれて、その熱さに、雪峻は中を痙攣させて達していた。
絶頂しても発情期の体は満足することなく、艶華の中心を締め付け続ける。再び力を取り戻した中心に突き上げられて、雪峻は苦しいくらいの快感に溺れていた。
喘いで、泣いて、抱かれた後で、治まってきた発情期が、雪峻に理性を取り戻させる。
自分が抱かれた。
相手はものすごく好みの美女だが、それは自分が抱くときの話であって、抱かれるなんてあり得ない。
それなのに、浅ましく自分から強請って、脚を広げて、迎え入れた。
気怠さの中で、ベッドの隣りに横たわっている艶華のふっくらとした色っぽい唇、黒目がちな目、白い肌、乱れた長い黒髪、豊かな胸も、引き締まった腰も、女性としては好みでしかない。理想の相手が目の前に現れた、夢のような瞬間だ。
ただし、彼女がアルファで、雪峻がオメガ。
「嘘だろ……逆だよな……」
ナンパをしたこともあるし、これまで付き合ったこともあるが、雪峻はまだ18歳。キスはしたことがあっても、体を交わしたことはなかった。誰かを抱く前に、抱かれる方になるなんて。
「体、キツくない?」
その言葉を言うのも、本来ならば自分の方だったわけで、白い頬を撫でられて、雪峻は絶望感に布団に潜ってしまった。
「初めてだったみたいだし、優しくしたかったんだけど、私も理性が限界で……ごめんなさいね?」
謝られると、ますます惨めで、雪峻は布団から顔を出せずにいた。自分から誘ったことははっきりと覚えているし、こう言う場合にはアルファに襲われたと訴えても、オメガの方が発情期の抑制をしていなかったということで、アルファが罪に問われることはない。それどころか、雪峻を助けてくれようとした艶華を、無理やりに誘って、フェロモンで誘惑したのは、雪峻の方に違いなかった。
これが逆ならば幸福な夢なのに、現実は悪夢でしかない。
「迷惑をかけてすみませんでした……もう大丈夫です。病院にも行きますから」
「余裕がなくて、避妊具も付けなかったから、大丈夫じゃないよ。病院に一緒に行きましょう?」
優しく気遣ってくれる艶華に、雪峻はこれ以上惨めにはなりたくなかった。
「一人にしてください……」
最悪の初めてに落ち込む雪峻に、艶華は枕元に何か置いて、「気を付けて」と出て行ってくれた。
もそもそと布団から出てそれを確認すると、封筒に一万円札が二枚に、「園部艶華」と書かれた名刺が添えてあった。名刺の裏には、連絡先もある。
「ヤり捨てじゃないんだ……」
知り合いのアルファなど女性を食い散らかしているが、彼女はそうではない。残したお金も、「タクシー代とホテル代と病院代に使ってください」と封筒に走り書きがされていた。
クリエイターで絵を描いている職業だと名刺には彼女の描いたものらしき、写実的な猫の絵が印刷されている。それを摘んで起き上がった瞬間、どろりと後孔から白濁が流れ出て、太腿を伝い、雪峻は現実を再び見せつけられたのだった。
高嶺雪峻の両親はベータで、思春期頃に行われる検査でも、ベータと言われていて、それを疑ったことはなかった。ただ、匂いに敏感なのか、近くでオメガが突発的に発情期になると、そのフェロモンの香りを感じることはあった。
ベータと診断されていた人間が、後天的にアルファやオメガとして覚醒する例も今までになかったわけではない。
もしかすると自分はアルファなのかもしれない。
白い肌に色素が薄くて、そこそこ綺麗な顔立ちもしているし、背も低いわけではない。自惚れて、自分のバース性をアルファかもしれないと偽って、ナンパに成功したこともある。
医学部に入学したばかりの18歳。そういう欲は人一倍あった。
何よりも、国立の医学部に現役で合格できた自分の実力に酔いしれていたのもあった。
周囲にはアルファがそこそこいて、自分もその仲間入りをしたような気分になっていた18歳の春、友人とカラオケで徹夜で歌って帰る途中で、気分が悪くなって、雪峻は路上に座り込んでしまった。時刻はまだ早朝で、通りには人が少ない。昨夜飲みながら歌ったのもあって、体調を崩してしまったようだ。
動けない雪峻に、頭上から声が降ってきた。
「あなた、大丈夫?」
しっとりとした大人の女性の声。見上げると長い黒髪をシニヨンに纏めた、黒目がちの胸の大きな美女が雪峻を覗き込んでいた。豊かな胸に目がいって、顔を上げた瞬間、思わぬ強さの力で肩を貸して立たされる。
「すごく匂ってるわよ。こんなところにいたら危ない」
「匂う……?」
吐いてもいないが、昨日風呂にも入らずにいたせいで汗臭かったのかと訝しむ雪峻だが、肩を貸す女性の体温にぞくぞくとあらぬ場所が疼いた。喉がからからで、喘ぐようにしか息ができない。
欲しい。
欲望が胎を疼かせる。
「いや、だ……」
「安全な場所に連れて行くだけよ」
手近なホテルに連れ込まれて、雪峻はバスルームに籠もっていた。体が熱くて、冷たいシャワーを浴びても少しも胎の疼きが治らない。それどころか、後孔まで濡れてきている気がする。
「もしかして、抑制剤持ってないの?」
「よくせいざい……なんで、そんなもの……」
自分はアルファ寄りのベータなのだから、そんなものがいるはずがない。
そう信じている雪峻は、バスルームに充満している、甘い香りを認めたくなくて、濡れる中心を扱き上げるが、そっちで達しても、少しも満足感が得られない。中心を扱いて白濁を吐き出す行為も、扱きすぎてそこが痛くなるだけ。
欲しいのはこんな刺激ではない。
「たすけて……こんなの、俺じゃない……」
「病院に連れて行ってあげたいけど、その状態で外を連れ回すのは危険すぎる」
バスルームのガラス越しに、美女が話しかけてくるのに、雪峻の本能が反応していた。発情期のフェロモンに、ベータは気付かない。気付くとすれば、アルファかオメガだ。雪峻の異変にすぐに気付いた彼女は、アルファかオメガの可能性が高い。
抑制剤を本人は持っていないとなると、彼女はアルファ、という答えが導き出される。
初めての発情期に理性は飛んでいた。
ただ、この熱を沈めて欲しかった。
「たすけて……」
バスルームから出て、全裸で縋った雪峻に、彼女は美しい弧を描く眉を潜める。
「こんなに冷えて。ダメよ、行きずりの相手となんて……」
「苦しいんだ、頼む、助けてくれ」
懇願する雪峻は濡れそぼって、体も冷え切っていた。バスタオルを被せられて、拭く手の優しさに、もっと激しい熱が欲しくて、体が疼く。口付けた彼女の唇は、肉厚で柔らかかった。
「後悔、するよ?」
ベッドまで連れて行かれるのすら、焦れてしまう。直接肌の触れるシーツの冷たさに震えていると、美女の柔らかな手が雪峻の白い肌を撫でる。胸の尖りを指先が掠めると、そんな場所に触れられたこともないのに、甘い声が喉を突いて出た。
「ひぁんっ!」
「完全に、発情期で理性を失ってるね」
「ここ、ちょうだい! ほしい!」
泣いて強請って、自ら膝裏を抱えて、広げて見せた足の間、中心はとろとろと白濁を零しながら、露わになった後孔は濡れて滑って、そこを埋めてくれるものを待っている。
「私は、艶華」
「つや、か?」
「そう、これから、あなたを抱くアルファよ?」
ワンピースの後ろのチャックを下ろして、脱ぎ捨てた艶華が、ストッキングと下着も脱いでしまう。そこには、雪峻よりもよほど立派で逞しい中心がそそり立っていた。
欲しくてたまらないものを目にして、雪峻の喉が鳴る。
先端を宛てがわれると、期待で入口がきゅっとそこを締め付けた。押し込まれても、痛みなど感じない。ただただ、気持ち良くて、涙が溢れる。
豊かな胸を揺らしながら、腰を打ち付けてくる艶華に、雪峻は溺れていた。
「つやかぁ! あぁっ! すごいっ! もっとぉ!」
追い立てられて、内壁をごりごりと擦られると、気持ちよさでおかしくなりそうになる。アルファの吐精は量が多いというが、逆流するほど大量に中で放たれて、その熱さに、雪峻は中を痙攣させて達していた。
絶頂しても発情期の体は満足することなく、艶華の中心を締め付け続ける。再び力を取り戻した中心に突き上げられて、雪峻は苦しいくらいの快感に溺れていた。
喘いで、泣いて、抱かれた後で、治まってきた発情期が、雪峻に理性を取り戻させる。
自分が抱かれた。
相手はものすごく好みの美女だが、それは自分が抱くときの話であって、抱かれるなんてあり得ない。
それなのに、浅ましく自分から強請って、脚を広げて、迎え入れた。
気怠さの中で、ベッドの隣りに横たわっている艶華のふっくらとした色っぽい唇、黒目がちな目、白い肌、乱れた長い黒髪、豊かな胸も、引き締まった腰も、女性としては好みでしかない。理想の相手が目の前に現れた、夢のような瞬間だ。
ただし、彼女がアルファで、雪峻がオメガ。
「嘘だろ……逆だよな……」
ナンパをしたこともあるし、これまで付き合ったこともあるが、雪峻はまだ18歳。キスはしたことがあっても、体を交わしたことはなかった。誰かを抱く前に、抱かれる方になるなんて。
「体、キツくない?」
その言葉を言うのも、本来ならば自分の方だったわけで、白い頬を撫でられて、雪峻は絶望感に布団に潜ってしまった。
「初めてだったみたいだし、優しくしたかったんだけど、私も理性が限界で……ごめんなさいね?」
謝られると、ますます惨めで、雪峻は布団から顔を出せずにいた。自分から誘ったことははっきりと覚えているし、こう言う場合にはアルファに襲われたと訴えても、オメガの方が発情期の抑制をしていなかったということで、アルファが罪に問われることはない。それどころか、雪峻を助けてくれようとした艶華を、無理やりに誘って、フェロモンで誘惑したのは、雪峻の方に違いなかった。
これが逆ならば幸福な夢なのに、現実は悪夢でしかない。
「迷惑をかけてすみませんでした……もう大丈夫です。病院にも行きますから」
「余裕がなくて、避妊具も付けなかったから、大丈夫じゃないよ。病院に一緒に行きましょう?」
優しく気遣ってくれる艶華に、雪峻はこれ以上惨めにはなりたくなかった。
「一人にしてください……」
最悪の初めてに落ち込む雪峻に、艶華は枕元に何か置いて、「気を付けて」と出て行ってくれた。
もそもそと布団から出てそれを確認すると、封筒に一万円札が二枚に、「園部艶華」と書かれた名刺が添えてあった。名刺の裏には、連絡先もある。
「ヤり捨てじゃないんだ……」
知り合いのアルファなど女性を食い散らかしているが、彼女はそうではない。残したお金も、「タクシー代とホテル代と病院代に使ってください」と封筒に走り書きがされていた。
クリエイターで絵を描いている職業だと名刺には彼女の描いたものらしき、写実的な猫の絵が印刷されている。それを摘んで起き上がった瞬間、どろりと後孔から白濁が流れ出て、太腿を伝い、雪峻は現実を再び見せつけられたのだった。
1
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
小野寺社長のお気に入り
茜色
恋愛
朝岡渚(あさおかなぎさ)、28歳。小さなイベント企画会社に転職して以来、社長のアシスタント兼お守り役として振り回される毎日。34歳の社長・小野寺貢(おのでらみつぐ)は、ルックスは良いが生活態度はいい加減、デリカシーに欠ける困った男。
悪天候の夜、残業で家に帰れなくなった渚は小野寺と応接室で仮眠をとることに。思いがけず緊張する渚に、「おまえ、あんまり男を知らないだろう」と小野寺が突然迫ってきて・・・。
☆全19話です。「オフィスラブ」と謳っていますが、あまりオフィスっぽくありません。
☆「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しています。



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる