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本編
27.研修での不在
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引っ越してから通勤時間は長くなったが、ルーカスもエルネストも自分の部屋があって、寝室は広くて、将来は子ども部屋にできそうな空いている部屋もあって、大きな家での暮らしは快適だった。
結婚の証明書を職場に出すと、ジャンルカが受け取って祝ってくれた。
「結婚おめでとう。これから妊娠や出産で休むことがあるかもしれないが、そのときには隠さずにすぐに知らせてくれ。妊娠はめでたいものだからな」
「ありがとうございます、ジャンルカ課長」
「結婚式には出席してくださいね」
デスクに戻るとパーシーとアーリンもルーカスとエルネストを祝ってくれた。
「おめでとう、ルーカス、エルネスト」
「先を越されちゃったわね。私たちもそのうち結婚するから、そのときには祝ってね」
「ありがとう、パーシー、アーリン」
「パーシーとアーリンの結婚の報告も待っているよ」
パーシーとアーリンはずっと恋愛関係だったのを隠していたこともあって、なかなか結婚には踏み切れない様子だった。恋人同士で相棒であることが認められてから、二人はやっと一緒に暮らし始めたと聞いている。一緒に暮らし始めるとまた見えてくる面が変わってくるし、家事の分担なども考えなければいけないのだろう。
ルーカスとエルネストが出会ってから数か月で結婚までこぎつけたことの方が奇跡のような出来事だった。
出会ったときには冬だった季節も、春へと移り変わっている。
人身売買組織の大きな事件もひと段落して、ルーカスとエルネストは研修に駆り出されていた。
結婚したパートナー同士が相棒となることを認める代わりに、ルーカスとエルネスト、パーシーとアーリンは研修を課せられたのだ。
研修も仕事のうちなのでルーカスは仕方なく出ることにするが、日程がずらされていてエルネストと別々なのが気に入らない。しかも泊りがけの研修なので、エルネストと会えない日ができてしまう。
研修所の宿泊施設は警察学校の寮ほど厳しくないので、寝るときにベッドサイドの灯りをつけておくことくらいはできるだろうが、エルネストがいないとルーカスはよく眠れなかった。研修自体は警察官が順守する事項を確認する講義と、銃の扱いに関する実技と、緊急時の対応に関する事項の確認と、面談などで、難しいことはなかったが、隣りにエルネストがいないだけでルーカスは人生に光がなくなったような気分になってしまう。
「ルーカス・ソロウ、あなたはカウンセリングを受けていたようですが、その結果はどうなのですか?」
「カウンセラーからは定期的にカウンセリングを受ける必要はなくなっていると言われています」
「エルネスト・デュマに何かあった場合、あなたは冷静に警察官として対処できますか?」
「相棒に何かあったときに冷静でいられなくなるのは、俺がエルネストと結婚しているからではなく、誰でもだと思います。警察官が発砲事件に巻き込まれた場合には、撃った警察官も撃たれた警察官もそれを目撃していた警察官にもカウンセリングが課せられます。誰もが同僚、相棒、上司に何かあって冷静でいられない証拠ではないでしょうか?」
面談でエルネストのことを言われてもルーカスは少しも動揺しなかった。面接官はルーカスの答えを聞いてメモを取っていたが、反論はしてこなかった。
やっと研修が終わったと思うと、入れ違いにエルネストの研修が入る。
エルネストも泊りがけで同じ研修を受けてくるので、その間はルーカスはエルネストに会えない。
せっかくエルネストのために用意した広いベッドも、エルネストがいないと寒くて寂しいだけだ。気候は暖かくなってきていたが、ルーカスはエルネストの衣装ケースをあさって、エルネストの普段着を引っ張り出して、それに包まれて眠った。
最近はルーカスもエルネストと同様に本性で眠ることに慣れてきたので、チーターの姿になってエルネストのシャツやズボンの中に埋もれるルーカスを誰も見ていないのが幸いだった。
早朝、起き出してもエルネストはいないので朝食を作ってくれるひとはいない。以前ならば食べないで出ようとしたかもしれないが、エルネストに食事の大切さを叩きこまれていたので、ルーカスはパンの上にチーズとハムと輪切りにしたゆで卵を乗せて、トースターで焼いてコーヒーと一緒に食べた。
出勤する車の中でも、エルネストがいない。エルネストと交代で運転するのだが、今日はエルネストが朝運転する番だったのに、ルーカスが運転しなければいけない。
エルネストが帰ってきたらエルネストに甘えて、寂しかったことを伝えて、甘やかしてもらわなければ。
出勤して行ってもエルネストがいないので現場に出られずに、デスク仕事かと思ったら、近くのデスクのアーリンと目が合った。
「パーシーが研修でいないから、今日と明日は特別にルーカスと組むように言われてるのよね」
アーリンとルーカスが組むように出された書類をタブレット端末で確認して、ルーカスは仕方なくデスクから立ち上がった。
出動の要請を受けて、アーリンを車に乗せて通報者の元に行く。ルーカスの車の助手席はエルネストのものなのにと言いたいルーカスと、運転してくれるのはパーシーのはずなのにと言いたいアーリンは、二人とも口を噤んでいた。
通報者は若い女性だった。
「弟をひどく叱ってしまって、昨夜から弟が帰ってきていないんです。弟はまだ中学生なんです」
成績のことで言い争いになって、姉が弟を叱ってしまって、弟が家出をした。そういう状況のようだ。
人外の子どもは人身売買組織にも狙われやすいし、人外の本性になると普通の警察官では見つけることができないので、人外課に話が入ってきたのだろう。
「弟さんの本性は?」
「セキセイインコです」
セキセイインコならば一晩くらいは野外でも過ごせるかもしれない。時期的にも暖かくなっていて野外で過ごすのは難しくない。
それにしても、セキセイインコを一匹、この広い都会の町で見つけるのは非常に難しい。
セキセイインコの本性になっているとすれば、カラスなどに襲われないとも限らないのだ。できるだけ早く保護する必要があった。
「私が飛んで探すわ。地上から補佐をして」
以前だったらルーカスはアーリンの申し出を受け入れられなかっただろう。アーリンは隼の人外なので、空からセキセイインコを探すことができる。
「分かった。無理はしないでくれ」
「ルーカスにそんなこと言われるとは思わなかった。気を付けるわね」
隼の姿になって飛び立ったアーリンを見送って、ルーカスの方は人間の姿で潜伏している可能性を考えて行方不明の少年の携帯電話の位置情報を情報捜査班に調べてもらう。
最後に位置情報が記録されていたのは近くの公園だった。
「アーリン、公園にいるかもしれない」
『分かったわ。そっちに向かってみる』
人外の本性になっても繋がっている特製のイヤフォンで伝えると、アーリンは了解して講演の方に飛び立つ。ルーカスも後を追って公園に行った。
公園の木々には様々な鳥が留まっている。その中でセキセイインコを探すのは一苦労だが、人外同士はお互いを認識しあうので、セキセイインコの姿になっていようともアーリンの隼の鋭い目は隠せなかった。
アーリンがセキセイインコを捕まえて空から降りてくる。
隼だったアーリンは人間の姿になって、セキセイインコだった少年も人間の姿になった。
「お姉ちゃんは僕がいない方がいいと思ってるんだ!」
「そんなことはない。ものすごく心配して警察に通報してきた」
「僕、帰らないよ!」
帰らないと駄々をこねる少年を無理やり車に乗せて姉のところに送り返すと、姉は泣きながら少年を抱き締めていた。
「私が悪かったわ。本当にごめんなさい。あなたのことが心配で、つい、言いすぎてしまった」
「お姉ちゃんなんか嫌いだよ!」
「嫌いでもいい。帰ってきて。一人で外にいるのは本当に危ないから」
「お姉ちゃん……」
後は姉弟の関係性だろうとルーカスはアーリンと一緒に警察署に戻った。
警察署で報告の書類を書いて、昼の休憩時間になってルーカスは気付いた。エルネストがいないのでお弁当を作ってくれるひとがいない。
何も持ってきていなかったルーカスは、休憩室の自動販売機でパンを買ってコーヒーと一緒に食べた。昼食もエルネストと一緒に過ごし始めてからは食べるようにしているので、食べない方が調子が狂うようになっている。
エルネストが戻るまで後一日。
ルーカスはアーリンとうまくやれるだろうか。
エルネストに早く帰ってきてほしいとルーカスは思っていた。
結婚の証明書を職場に出すと、ジャンルカが受け取って祝ってくれた。
「結婚おめでとう。これから妊娠や出産で休むことがあるかもしれないが、そのときには隠さずにすぐに知らせてくれ。妊娠はめでたいものだからな」
「ありがとうございます、ジャンルカ課長」
「結婚式には出席してくださいね」
デスクに戻るとパーシーとアーリンもルーカスとエルネストを祝ってくれた。
「おめでとう、ルーカス、エルネスト」
「先を越されちゃったわね。私たちもそのうち結婚するから、そのときには祝ってね」
「ありがとう、パーシー、アーリン」
「パーシーとアーリンの結婚の報告も待っているよ」
パーシーとアーリンはずっと恋愛関係だったのを隠していたこともあって、なかなか結婚には踏み切れない様子だった。恋人同士で相棒であることが認められてから、二人はやっと一緒に暮らし始めたと聞いている。一緒に暮らし始めるとまた見えてくる面が変わってくるし、家事の分担なども考えなければいけないのだろう。
ルーカスとエルネストが出会ってから数か月で結婚までこぎつけたことの方が奇跡のような出来事だった。
出会ったときには冬だった季節も、春へと移り変わっている。
人身売買組織の大きな事件もひと段落して、ルーカスとエルネストは研修に駆り出されていた。
結婚したパートナー同士が相棒となることを認める代わりに、ルーカスとエルネスト、パーシーとアーリンは研修を課せられたのだ。
研修も仕事のうちなのでルーカスは仕方なく出ることにするが、日程がずらされていてエルネストと別々なのが気に入らない。しかも泊りがけの研修なので、エルネストと会えない日ができてしまう。
研修所の宿泊施設は警察学校の寮ほど厳しくないので、寝るときにベッドサイドの灯りをつけておくことくらいはできるだろうが、エルネストがいないとルーカスはよく眠れなかった。研修自体は警察官が順守する事項を確認する講義と、銃の扱いに関する実技と、緊急時の対応に関する事項の確認と、面談などで、難しいことはなかったが、隣りにエルネストがいないだけでルーカスは人生に光がなくなったような気分になってしまう。
「ルーカス・ソロウ、あなたはカウンセリングを受けていたようですが、その結果はどうなのですか?」
「カウンセラーからは定期的にカウンセリングを受ける必要はなくなっていると言われています」
「エルネスト・デュマに何かあった場合、あなたは冷静に警察官として対処できますか?」
「相棒に何かあったときに冷静でいられなくなるのは、俺がエルネストと結婚しているからではなく、誰でもだと思います。警察官が発砲事件に巻き込まれた場合には、撃った警察官も撃たれた警察官もそれを目撃していた警察官にもカウンセリングが課せられます。誰もが同僚、相棒、上司に何かあって冷静でいられない証拠ではないでしょうか?」
面談でエルネストのことを言われてもルーカスは少しも動揺しなかった。面接官はルーカスの答えを聞いてメモを取っていたが、反論はしてこなかった。
やっと研修が終わったと思うと、入れ違いにエルネストの研修が入る。
エルネストも泊りがけで同じ研修を受けてくるので、その間はルーカスはエルネストに会えない。
せっかくエルネストのために用意した広いベッドも、エルネストがいないと寒くて寂しいだけだ。気候は暖かくなってきていたが、ルーカスはエルネストの衣装ケースをあさって、エルネストの普段着を引っ張り出して、それに包まれて眠った。
最近はルーカスもエルネストと同様に本性で眠ることに慣れてきたので、チーターの姿になってエルネストのシャツやズボンの中に埋もれるルーカスを誰も見ていないのが幸いだった。
早朝、起き出してもエルネストはいないので朝食を作ってくれるひとはいない。以前ならば食べないで出ようとしたかもしれないが、エルネストに食事の大切さを叩きこまれていたので、ルーカスはパンの上にチーズとハムと輪切りにしたゆで卵を乗せて、トースターで焼いてコーヒーと一緒に食べた。
出勤する車の中でも、エルネストがいない。エルネストと交代で運転するのだが、今日はエルネストが朝運転する番だったのに、ルーカスが運転しなければいけない。
エルネストが帰ってきたらエルネストに甘えて、寂しかったことを伝えて、甘やかしてもらわなければ。
出勤して行ってもエルネストがいないので現場に出られずに、デスク仕事かと思ったら、近くのデスクのアーリンと目が合った。
「パーシーが研修でいないから、今日と明日は特別にルーカスと組むように言われてるのよね」
アーリンとルーカスが組むように出された書類をタブレット端末で確認して、ルーカスは仕方なくデスクから立ち上がった。
出動の要請を受けて、アーリンを車に乗せて通報者の元に行く。ルーカスの車の助手席はエルネストのものなのにと言いたいルーカスと、運転してくれるのはパーシーのはずなのにと言いたいアーリンは、二人とも口を噤んでいた。
通報者は若い女性だった。
「弟をひどく叱ってしまって、昨夜から弟が帰ってきていないんです。弟はまだ中学生なんです」
成績のことで言い争いになって、姉が弟を叱ってしまって、弟が家出をした。そういう状況のようだ。
人外の子どもは人身売買組織にも狙われやすいし、人外の本性になると普通の警察官では見つけることができないので、人外課に話が入ってきたのだろう。
「弟さんの本性は?」
「セキセイインコです」
セキセイインコならば一晩くらいは野外でも過ごせるかもしれない。時期的にも暖かくなっていて野外で過ごすのは難しくない。
それにしても、セキセイインコを一匹、この広い都会の町で見つけるのは非常に難しい。
セキセイインコの本性になっているとすれば、カラスなどに襲われないとも限らないのだ。できるだけ早く保護する必要があった。
「私が飛んで探すわ。地上から補佐をして」
以前だったらルーカスはアーリンの申し出を受け入れられなかっただろう。アーリンは隼の人外なので、空からセキセイインコを探すことができる。
「分かった。無理はしないでくれ」
「ルーカスにそんなこと言われるとは思わなかった。気を付けるわね」
隼の姿になって飛び立ったアーリンを見送って、ルーカスの方は人間の姿で潜伏している可能性を考えて行方不明の少年の携帯電話の位置情報を情報捜査班に調べてもらう。
最後に位置情報が記録されていたのは近くの公園だった。
「アーリン、公園にいるかもしれない」
『分かったわ。そっちに向かってみる』
人外の本性になっても繋がっている特製のイヤフォンで伝えると、アーリンは了解して講演の方に飛び立つ。ルーカスも後を追って公園に行った。
公園の木々には様々な鳥が留まっている。その中でセキセイインコを探すのは一苦労だが、人外同士はお互いを認識しあうので、セキセイインコの姿になっていようともアーリンの隼の鋭い目は隠せなかった。
アーリンがセキセイインコを捕まえて空から降りてくる。
隼だったアーリンは人間の姿になって、セキセイインコだった少年も人間の姿になった。
「お姉ちゃんは僕がいない方がいいと思ってるんだ!」
「そんなことはない。ものすごく心配して警察に通報してきた」
「僕、帰らないよ!」
帰らないと駄々をこねる少年を無理やり車に乗せて姉のところに送り返すと、姉は泣きながら少年を抱き締めていた。
「私が悪かったわ。本当にごめんなさい。あなたのことが心配で、つい、言いすぎてしまった」
「お姉ちゃんなんか嫌いだよ!」
「嫌いでもいい。帰ってきて。一人で外にいるのは本当に危ないから」
「お姉ちゃん……」
後は姉弟の関係性だろうとルーカスはアーリンと一緒に警察署に戻った。
警察署で報告の書類を書いて、昼の休憩時間になってルーカスは気付いた。エルネストがいないのでお弁当を作ってくれるひとがいない。
何も持ってきていなかったルーカスは、休憩室の自動販売機でパンを買ってコーヒーと一緒に食べた。昼食もエルネストと一緒に過ごし始めてからは食べるようにしているので、食べない方が調子が狂うようになっている。
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