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本編
26.引っ越し
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逮捕された後でアルマンドは検察官に取り引きを持ちかけているらしい。
「私が売った顧客を教えるので、減刑をしてほしいのです」
それに検察が応じるかどうかは分からない。
大きな人身売買組織だったから、その被害者は相当の数になっているはずである。人外の犯罪なので何年続けられたかも分からない。人身売買は買った方も罪になるので検察官は慎重に聞き取りと捜査を進めていくはずだ。
アルマンドの逮捕で全てが終わったわけではなくて、ここからまた始まったともいえる。
仕事は検察官に移っていたので、警察の人外課では普段通りに仕事をすることになる。
夫婦喧嘩で身の危険を感じた夫が通報してくるというよくあるパターンもあれば、人外の子どもが獣の本性になって人間の親に見えなくなってしまったという通報もある。
どれも大事な仕事なのでルーカスはエルネスト共に出動して対処していた。
仕事も怪我をすることなくエルネストと協力してできているが、私生活もルーカスは充実していた。
休みの日には引っ越す候補の家を見に行っていた。
庭のある大きな家は、ルーカスの望みで職場からは遠くなってしまうが隣りの州の狼の群れの暮らす町で探された。
「何かあったときにお義父さんとお義母さんの近くで暮らしていた方がいいんじゃないかと思うんだ。エルネストもあの町で育ったんだし、人外が多い場所で子育てができるとなると、助かることもたくさんあると思う」
獣の正体に戻って逃げ出してしまった子どもを探すのは、人外課に頼るとしても、人数的な問題で厳しいところがある。それを考えると、人外の知り合いが多い町で暮らすのは悪くない選択だろう。
「そうだね。何が起きるか分からないからね」
結婚も子育ても何が起きるか分からない。
未知の世界に飛び込むのだから味方が近くに多くいてくれた方が助かる。
エルネストもルーカスの考えに賛成してくれた。
不動産会社が紹介してくれたのは二階建ての大きな家で、広い庭がついていて、キッチンも広く、寝室も十分な広さがあったし、立地的にもエルネストの両親の家に近かったので即決で買うことにした。
仕事ばかりしていたのでルーカスにも貯金はあったし、エルネストにも同じく貯金がある。
半分ずつ出すことにしてその家と土地を買って、ルーカスとエルネストは引っ越してきた。
仕事場の警察の人外課までは二時間以上かかるようになったが、毎朝ルーカスとエルネストで交代で運転して、帰りも交代で運転すればそれほど大変でもないだろう。
ジャンルカからは隣りの州の人外課に移らなくていいかと聞かれたが、ルーカスもエルネストも今の仕事で満足していたので、異動は申し出なかった。
引っ越しの日にはオーギュストもアデライドもボドワンもドナシアンも手伝いに来てくれた。
ほとんどの時間をエルネストの部屋で過ごしていたので、ルーカスが部屋を引き上げて持ってきたものはほんの少しだったが、エルネストの荷物はかなりあった。
食器の梱包材を外して食器棚に並べてくれるボドワンに、新しく来たベッドを組み立ててくれるドナシアン。オーギュストは食事の手配をしてくれたし、アデライドは棚を組み立てて運んでくれた。
「宅配のヌードルだけど、皿に乗せるだけで全然見栄えが違うからな」
「ありがとうございます、お義父さん」
「食洗器の取り付けも終わったわよ」
「お義母さん、ありがとうございます」
協力的な家族のおかげで、共用の部分はほとんど片付いて、後はそれぞれの部屋を残すのみだった。
それぞれの部屋は時間があるときに自分たちで片付けて行けばいいだろう。
中華風のヌードルを食べながらルーカスは何度もオーギュストとアデライドとボドワンとドナシアンにお礼を言った。
「結婚式は親しいひとだけ呼んで、庭でするのはどうかな?」
「ほとんどがエルネストの親族になるんじゃないか?」
「課長やパーシーやアーリンも呼ぶよね?」
「それは呼ぶけど」
家族がいないルーカスにしてみれば結婚式に呼ぶ相手が職場の上司と同僚くらいしかいない。それを考えると、エルネストと自分は全く違うのだとルーカスは考えてしまわずにはいられない。
これだけ価値観の違う二人だが、一緒に暮らしていって困ったことはなかったし、ルーカスが不安になったときにはエルネストがいつも助けてくれた。
エルネストの包容力がなければ二人の結婚は成立していないのではないだろうか。
「エルネスト、婚姻届けを出しに行こう。お義父さん、お義母さん、義兄さんたち、見届けてくれますか?」
「もちろんだよ」
「おめでとう、エルネスト、ルーカス」
「立ち会わせてもらえて嬉しいよ」
「可愛いエルネストが結婚となるとちょっと寂しいけど、距離的には近くなるしね」
ボドワンとドナシアンも成人して人外専門の科学捜査班に勤め始めてから、家を出ているようだが、住む場所はこの町の中だった。
困ればすぐにでも助けを求められる距離に家族がいる。クロヴィスもウジェーヌもクロヴィスの両親もこの町に住んでいるので、人手が必要な時にはいつでも助けを求められる。
「僕は人外の医師免許も持っているから、困ったらいつでも相談してね」
「ボドワンは死体相手にしかそれを使ってないじゃないか」
「それでも、医師免許は医師免許だよ。素人よりは役に立つ」
ドナシアンに言われているが、ボドワンは医師免許も持っているようだ。科学捜査班では検死の仕事をしているのだろう。
家族に医者がいるというのは心強いことなので、ルーカスは頭を下げる。
「何かあったらよろしくお願いします」
「ルーカスはこんなに腰が細いんだから、エルネストに無理をさせられたらいつでも相談していいからね?」
「エルネストは俺に無理をさせたりしません。とても優しいんです」
「弟が紳士でよかったと思うよ」
エルネストがルーカスを乱暴に扱うことなどない。ルーカスもエルネストを乱暴に扱うことなどない。二人は愛し合っているのだから。
役所に行って婚姻届けに記入して提出して、職場に提出する分の婚姻の証明書も出してもらうと、役所の職員がエルネストとルーカスに教えてくれた。
「役所の隣りの建物、教会になってますから、行ったらブーケをお祝いにもらえますよ」
隣りの建物が小さな教会になっているというのだ。
行ってみるとブーケを置いてあるスペースと自由に使っていい教会の檀上があって、エルネストに手を引かれてルーカスはブーケを持ってそこに上がる。
「ルーカス・ソロウはエルネスト・デュマを夫とし、健やかなるときも病めるときも愛し、生涯を共に過ごすことを誓いますか?」
壇上でオーギュストが神父役をやってくれる。
「誓います」
答えたルーカスにエルネストが次に問われる。
「エルネスト・デュマはルーカス・ソロウを夫とし、健やかなるときも病めるときも愛し、生涯を共に過ごすことを誓いますか?」
「誓います」
簡易な結婚式を挙げた気分でルーカスとエルネストはオーギュストに礼を言い、家に戻った。
寝室にはキングサイズのベッドが二つ並んでいる。
それだけで寝室のほとんどを占めてしまっているのだが、それだけの広さがエルネストの願いだったからルーカスはそれが叶ったので満足だった。
夕食まではもう少し時間があったが、エルネストがルーカスをテラスに連れて行ってシリコン製のブラシを持ってくる。
狼の姿で横になったエルネストはルーカスの手に咥えていたシリコン製のブラシをぽとりと落とした。
「ルーカス、ブラッシングしてくれる?」
「え!?」
「僕も後でルーカスにしてあげるから」
シリコン製のブラシが動物用のブラッシングのためのものとは知っていたが、まさかパートナーをブラッシングする日が来るとは思っていなかったのでルーカスは戸惑ったが、ブラシを手にはめてエルネストの毛をブラッシングしていると気持ちよさそうにエルネストが目を細めている。
ブラッシングが終わるとかなりの毛が周囲に舞っていた。
エルネストは人間の姿になってテラスに座り、膝をポンポンと叩いてルーカスを招く。そんなことされたことがなかったので、ルーカスは手を振って遠慮した。
「俺はいいよ」
「いいから、おいで。ルーカス」
甘く低い声で「おいで」と言われると弱い。
ルーカスがチーターの姿でエルネストの膝の上に乗ると、エルネストは丁寧にルーカスをブラッシングした。
ブラッシングされるのがこんなにも気持ちいいなんてルーカスは知らなかった。
「私が売った顧客を教えるので、減刑をしてほしいのです」
それに検察が応じるかどうかは分からない。
大きな人身売買組織だったから、その被害者は相当の数になっているはずである。人外の犯罪なので何年続けられたかも分からない。人身売買は買った方も罪になるので検察官は慎重に聞き取りと捜査を進めていくはずだ。
アルマンドの逮捕で全てが終わったわけではなくて、ここからまた始まったともいえる。
仕事は検察官に移っていたので、警察の人外課では普段通りに仕事をすることになる。
夫婦喧嘩で身の危険を感じた夫が通報してくるというよくあるパターンもあれば、人外の子どもが獣の本性になって人間の親に見えなくなってしまったという通報もある。
どれも大事な仕事なのでルーカスはエルネスト共に出動して対処していた。
仕事も怪我をすることなくエルネストと協力してできているが、私生活もルーカスは充実していた。
休みの日には引っ越す候補の家を見に行っていた。
庭のある大きな家は、ルーカスの望みで職場からは遠くなってしまうが隣りの州の狼の群れの暮らす町で探された。
「何かあったときにお義父さんとお義母さんの近くで暮らしていた方がいいんじゃないかと思うんだ。エルネストもあの町で育ったんだし、人外が多い場所で子育てができるとなると、助かることもたくさんあると思う」
獣の正体に戻って逃げ出してしまった子どもを探すのは、人外課に頼るとしても、人数的な問題で厳しいところがある。それを考えると、人外の知り合いが多い町で暮らすのは悪くない選択だろう。
「そうだね。何が起きるか分からないからね」
結婚も子育ても何が起きるか分からない。
未知の世界に飛び込むのだから味方が近くに多くいてくれた方が助かる。
エルネストもルーカスの考えに賛成してくれた。
不動産会社が紹介してくれたのは二階建ての大きな家で、広い庭がついていて、キッチンも広く、寝室も十分な広さがあったし、立地的にもエルネストの両親の家に近かったので即決で買うことにした。
仕事ばかりしていたのでルーカスにも貯金はあったし、エルネストにも同じく貯金がある。
半分ずつ出すことにしてその家と土地を買って、ルーカスとエルネストは引っ越してきた。
仕事場の警察の人外課までは二時間以上かかるようになったが、毎朝ルーカスとエルネストで交代で運転して、帰りも交代で運転すればそれほど大変でもないだろう。
ジャンルカからは隣りの州の人外課に移らなくていいかと聞かれたが、ルーカスもエルネストも今の仕事で満足していたので、異動は申し出なかった。
引っ越しの日にはオーギュストもアデライドもボドワンもドナシアンも手伝いに来てくれた。
ほとんどの時間をエルネストの部屋で過ごしていたので、ルーカスが部屋を引き上げて持ってきたものはほんの少しだったが、エルネストの荷物はかなりあった。
食器の梱包材を外して食器棚に並べてくれるボドワンに、新しく来たベッドを組み立ててくれるドナシアン。オーギュストは食事の手配をしてくれたし、アデライドは棚を組み立てて運んでくれた。
「宅配のヌードルだけど、皿に乗せるだけで全然見栄えが違うからな」
「ありがとうございます、お義父さん」
「食洗器の取り付けも終わったわよ」
「お義母さん、ありがとうございます」
協力的な家族のおかげで、共用の部分はほとんど片付いて、後はそれぞれの部屋を残すのみだった。
それぞれの部屋は時間があるときに自分たちで片付けて行けばいいだろう。
中華風のヌードルを食べながらルーカスは何度もオーギュストとアデライドとボドワンとドナシアンにお礼を言った。
「結婚式は親しいひとだけ呼んで、庭でするのはどうかな?」
「ほとんどがエルネストの親族になるんじゃないか?」
「課長やパーシーやアーリンも呼ぶよね?」
「それは呼ぶけど」
家族がいないルーカスにしてみれば結婚式に呼ぶ相手が職場の上司と同僚くらいしかいない。それを考えると、エルネストと自分は全く違うのだとルーカスは考えてしまわずにはいられない。
これだけ価値観の違う二人だが、一緒に暮らしていって困ったことはなかったし、ルーカスが不安になったときにはエルネストがいつも助けてくれた。
エルネストの包容力がなければ二人の結婚は成立していないのではないだろうか。
「エルネスト、婚姻届けを出しに行こう。お義父さん、お義母さん、義兄さんたち、見届けてくれますか?」
「もちろんだよ」
「おめでとう、エルネスト、ルーカス」
「立ち会わせてもらえて嬉しいよ」
「可愛いエルネストが結婚となるとちょっと寂しいけど、距離的には近くなるしね」
ボドワンとドナシアンも成人して人外専門の科学捜査班に勤め始めてから、家を出ているようだが、住む場所はこの町の中だった。
困ればすぐにでも助けを求められる距離に家族がいる。クロヴィスもウジェーヌもクロヴィスの両親もこの町に住んでいるので、人手が必要な時にはいつでも助けを求められる。
「僕は人外の医師免許も持っているから、困ったらいつでも相談してね」
「ボドワンは死体相手にしかそれを使ってないじゃないか」
「それでも、医師免許は医師免許だよ。素人よりは役に立つ」
ドナシアンに言われているが、ボドワンは医師免許も持っているようだ。科学捜査班では検死の仕事をしているのだろう。
家族に医者がいるというのは心強いことなので、ルーカスは頭を下げる。
「何かあったらよろしくお願いします」
「ルーカスはこんなに腰が細いんだから、エルネストに無理をさせられたらいつでも相談していいからね?」
「エルネストは俺に無理をさせたりしません。とても優しいんです」
「弟が紳士でよかったと思うよ」
エルネストがルーカスを乱暴に扱うことなどない。ルーカスもエルネストを乱暴に扱うことなどない。二人は愛し合っているのだから。
役所に行って婚姻届けに記入して提出して、職場に提出する分の婚姻の証明書も出してもらうと、役所の職員がエルネストとルーカスに教えてくれた。
「役所の隣りの建物、教会になってますから、行ったらブーケをお祝いにもらえますよ」
隣りの建物が小さな教会になっているというのだ。
行ってみるとブーケを置いてあるスペースと自由に使っていい教会の檀上があって、エルネストに手を引かれてルーカスはブーケを持ってそこに上がる。
「ルーカス・ソロウはエルネスト・デュマを夫とし、健やかなるときも病めるときも愛し、生涯を共に過ごすことを誓いますか?」
壇上でオーギュストが神父役をやってくれる。
「誓います」
答えたルーカスにエルネストが次に問われる。
「エルネスト・デュマはルーカス・ソロウを夫とし、健やかなるときも病めるときも愛し、生涯を共に過ごすことを誓いますか?」
「誓います」
簡易な結婚式を挙げた気分でルーカスとエルネストはオーギュストに礼を言い、家に戻った。
寝室にはキングサイズのベッドが二つ並んでいる。
それだけで寝室のほとんどを占めてしまっているのだが、それだけの広さがエルネストの願いだったからルーカスはそれが叶ったので満足だった。
夕食まではもう少し時間があったが、エルネストがルーカスをテラスに連れて行ってシリコン製のブラシを持ってくる。
狼の姿で横になったエルネストはルーカスの手に咥えていたシリコン製のブラシをぽとりと落とした。
「ルーカス、ブラッシングしてくれる?」
「え!?」
「僕も後でルーカスにしてあげるから」
シリコン製のブラシが動物用のブラッシングのためのものとは知っていたが、まさかパートナーをブラッシングする日が来るとは思っていなかったのでルーカスは戸惑ったが、ブラシを手にはめてエルネストの毛をブラッシングしていると気持ちよさそうにエルネストが目を細めている。
ブラッシングが終わるとかなりの毛が周囲に舞っていた。
エルネストは人間の姿になってテラスに座り、膝をポンポンと叩いてルーカスを招く。そんなことされたことがなかったので、ルーカスは手を振って遠慮した。
「俺はいいよ」
「いいから、おいで。ルーカス」
甘く低い声で「おいで」と言われると弱い。
ルーカスがチーターの姿でエルネストの膝の上に乗ると、エルネストは丁寧にルーカスをブラッシングした。
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