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本編
20.諮問会議とエルネストの家族
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諮問会議の期間、ルーカスとエルネストは現場に出ることができない。
相棒関係も一時的に解かれていて、デスク仕事だがそれぞれ一人でということになっていた。
諮問会議に同僚として呼ばれるアーリンとパーシーが、行く前にルーカスとエルネストに声をかけた。
「実は僕たちもずっと恋人同士なんだ」
「結婚を考えているけれど、そうなると相棒関係を解かれないか心配で言い出せていなかったの」
「この件を機に僕たちも言い出してみることにするよ。恋人同士で相棒として組んでいても何も支障をきたさないで何年もやってこれた実績があるし」
「このままだとずっと結婚できないものね。私たちが諮問会議にかけられるときには、同僚として証言をお願いね」
アーリンとパーシーは仲がよかったが、恋人同士だったとは思っていなくてルーカスは驚いたが、エルネストはそれほど驚いていなさそうだった。
「僕でよければ証言するよ」
「アーリンとパーシーも認められるように願っている」
アーリンとパーシーを送り出してデスクで書類仕事をしていると、フランスの警察から現地で行った事情聴取について報告が入った。フランス語で読めなかったので、ルーカスがタブレット端末をエルネストに見せる。
エルネストは慣れた様子でその報告を読み上げる。
「捕らえられた人身売買組織の人員はこの国に送り返されるらしい。その中の一人が取り引きがしたいと言っている。人身売買は短いものだと懲役三年から五年だが、人外が関わってくるとなると懲役が跳ね上がる。人外だけの刑務所に入れられて、売り飛ばしたひとたちと同じ扱いを受けるのならば、人身売買組織のボスのことを話すから減刑してほしいと言っている」
「取り引きに応じるつもりなのか?」
「それは課長と話し合って決めなければいけないけれど、人身売買組織のボスが野放しになっている限り、犯罪は繰り返されるだろう」
人身売買組織のボスを捕まえたい思いはルーカスもエルネストと同じだった。減刑を認めるのには抵抗があるが、人身売買組織のボスを捕らえられれば事件解決にも近付く。
エルネストの訳してくれたことをメモしてルーカスは自分のパソコンに打ち込んでおいた。
ルーカスやエルネストたちが警察署から持たされているタブレット端末は、基本的に情報共有が容易にできるものだった。そのための端末とも言っていい。
ルーカスはジャンルカの端末にも、アーリンとパーシーに端末にも、エルネストの訳を添えて情報を送っておいた。
諮問会議は午前中だけで終わったようだ。
戻ってきたパーシーとアーリン、ジャンルカの表情を見て、ルーカスもエルネストも勝利を確信していた。
ルーカスとエルネストはジャンルカに呼ばれる。
「アーリンとパーシーのこともだが、今回のことは特例として認められることになった。ルーカスにはエルネスト以外の相棒は考えられないからな」
「ありがとうございます、ジャンルカ課長」
「課長、ありがとうございます。アーリンとパーシーも認められたんですか?」
「そうだ。お前さんたちだけじゃ不公平だし、アーリンとパーシーは長い間恋愛関係だったのにそれを見せずに相棒として働いてきた。結婚もできないような職場ではいけないと私が強く主張したのだ」
ジャンルカはルーカスとエルネスト、アーリンとパーシーの味方だった。
無事に相棒であることが認められて、ルーカスもエルネストも安堵していた。
諮問会議に出席してくれたアーリンとパーシーにも礼を言いに行く。
「アーリン、パーシー、ありがとう」
「私たちのためでもあるから、お礼はいいわ」
「これでやっとアーリンと結婚できるよ」
「おめでとう、アーリン、パーシー」
お礼を言うルーカスをアーリンは遮るが、お祝いを言ったエルネストには嬉しそうな顔をしていた。
人身売買組織のボスの話はすぐにジャンルカにまで伝わった。
「取り引きをしようという人員がこの国に戻されてきたら話してみようと思う」
できれば情報を引き出して取り引きはしないでおきたいというジャンルカに、ルーカスは賛成だった。人身売買を行っていたものは等しく裁きを受けてもらいたい。
それが小さいころに人身売買組織に売られかけたルーカスの望みだった。
次の休みにはルーカスはエルネストに連れられて、隣りの州の郊外の町に連れてこられていた。そこにエルネストの実家があるのだという。
ラフな格好のエルネストに対して、ルーカスは一番いいスーツを着て車を運転してその町に行った。プライベートでもルーカスは運転を担い、エルネストを助手席に乗せて移動するようになっていた。
「初めまして、ルーカス・ソロウです。エルネストと結婚を前提にお付き合いさせてもらってます」
がちがちに緊張して挨拶をすれば、白銀の髪の男性が微笑んでルーカスを軽くハグする。
「オーギュスト・デュマだよ。エルネストの父親だ」
「アデライド・デュマよ。エルネストの母です」
オーギュストは白銀の髪に金色の目、アデライドは黒髪に青い目の長身の夫婦だった。オーギュストの色彩はエルネストそのものだし、アデライドの顔はエルネストの面影がある。
「ボドワン・デュマ。エルネストの兄だよ」
「ドナシアン・デュマ。ボドワンの弟で、エルネストの兄だ」
庭ではバーベキューの準備がしてあって、そこにひとが集まっている。
その中にはクロヴィスもいた。
「ルーカス、エルネストと付き合うことになったんだな。こっちは俺の夫のウジェーヌ」
「ウジェーヌ・トリベールです。初めまして」
黒髪のボドワンとドナシアンに、灰色っぽい髪のウジェーヌも加わってルーカスはとてもではないが覚えられそうになくて焦る。仕事でもっとたくさんのひとの対応をしたこともあったが、それはタブレット端末に情報が出ていたので何とかなったが、ここではタブレット端末を出してメモをすることも失礼に当たるだろう。
「覚えられない……どうすれば」
「少しずつでいいよ。ルーカスは僕にプロポーズしてくれたんだ。だから、義父さん、義母さん、義兄さんでいいだろう?」
「もちろん、そう呼んでくれ」
「息子が増えたみたいで嬉しいわ。こんな若い子を連れてくるとは思わなかったけど」
「ルーカスは若いけど成人してるよ。……あれ? ルーカス、成人してるよね?」
「成人してるに決まってる」
聞き返されてルーカスは必死に自己主張する。
長身のボドワンやドナシアンに囲まれて、ルーカスは自分が小さくなった気分を味わっていた。
平均身長から言えば男性として決して小さい方ではないはずなのに、エルネストの家族が大きすぎるのだ。
「失礼でなければ、本性をお聞きしてもいいかな?」
オーギュストに言われて、ルーカスは背筋を伸ばした。
「チーターです」
狼の群れは結束が強く、狼以外を受け入れないとも聞いたことがある。チーターだということで結婚を反対されたらどうしよう。
不安が胸を過るが、オーギュストはそれを聞いてエルネストの背中を叩いていた。
「あんな細い体だから、無理をさせるんじゃないよ」
「それは大丈夫。彼と僕の間では、無理をさせるとかそういうことはないから」
自信満々に答えるエルネストに、認められたのかとルーカスはほっとする。
単独行動をするチーターからしてみれば考えられない世界だが、狼の群れは暖かくルーカスを受け入れてくれた。
「エルネスト、飲み物くらい出してくれよ」
「いつも自分で勝手に取ってるだろう」
クロヴィスに対してエルネストが冷たい対応を取るのにはルーカスは驚いてしまった。クロヴィスとは特別な関係と言っていたくらいなので、仲がいいのだとばかり思っていた。
「クロヴィスと、その……喧嘩してるのか?」
「ううん、そんなことないよ。クロヴィスは小さいころから一緒だから、ずっとこんな感じだよ」
「そ、そうか」
家族というものが分からなければ、親戚というものも分からない。
ルーカスにとってはエルネストの家族が初めてできた自分の家族だった。
相棒関係も一時的に解かれていて、デスク仕事だがそれぞれ一人でということになっていた。
諮問会議に同僚として呼ばれるアーリンとパーシーが、行く前にルーカスとエルネストに声をかけた。
「実は僕たちもずっと恋人同士なんだ」
「結婚を考えているけれど、そうなると相棒関係を解かれないか心配で言い出せていなかったの」
「この件を機に僕たちも言い出してみることにするよ。恋人同士で相棒として組んでいても何も支障をきたさないで何年もやってこれた実績があるし」
「このままだとずっと結婚できないものね。私たちが諮問会議にかけられるときには、同僚として証言をお願いね」
アーリンとパーシーは仲がよかったが、恋人同士だったとは思っていなくてルーカスは驚いたが、エルネストはそれほど驚いていなさそうだった。
「僕でよければ証言するよ」
「アーリンとパーシーも認められるように願っている」
アーリンとパーシーを送り出してデスクで書類仕事をしていると、フランスの警察から現地で行った事情聴取について報告が入った。フランス語で読めなかったので、ルーカスがタブレット端末をエルネストに見せる。
エルネストは慣れた様子でその報告を読み上げる。
「捕らえられた人身売買組織の人員はこの国に送り返されるらしい。その中の一人が取り引きがしたいと言っている。人身売買は短いものだと懲役三年から五年だが、人外が関わってくるとなると懲役が跳ね上がる。人外だけの刑務所に入れられて、売り飛ばしたひとたちと同じ扱いを受けるのならば、人身売買組織のボスのことを話すから減刑してほしいと言っている」
「取り引きに応じるつもりなのか?」
「それは課長と話し合って決めなければいけないけれど、人身売買組織のボスが野放しになっている限り、犯罪は繰り返されるだろう」
人身売買組織のボスを捕まえたい思いはルーカスもエルネストと同じだった。減刑を認めるのには抵抗があるが、人身売買組織のボスを捕らえられれば事件解決にも近付く。
エルネストの訳してくれたことをメモしてルーカスは自分のパソコンに打ち込んでおいた。
ルーカスやエルネストたちが警察署から持たされているタブレット端末は、基本的に情報共有が容易にできるものだった。そのための端末とも言っていい。
ルーカスはジャンルカの端末にも、アーリンとパーシーに端末にも、エルネストの訳を添えて情報を送っておいた。
諮問会議は午前中だけで終わったようだ。
戻ってきたパーシーとアーリン、ジャンルカの表情を見て、ルーカスもエルネストも勝利を確信していた。
ルーカスとエルネストはジャンルカに呼ばれる。
「アーリンとパーシーのこともだが、今回のことは特例として認められることになった。ルーカスにはエルネスト以外の相棒は考えられないからな」
「ありがとうございます、ジャンルカ課長」
「課長、ありがとうございます。アーリンとパーシーも認められたんですか?」
「そうだ。お前さんたちだけじゃ不公平だし、アーリンとパーシーは長い間恋愛関係だったのにそれを見せずに相棒として働いてきた。結婚もできないような職場ではいけないと私が強く主張したのだ」
ジャンルカはルーカスとエルネスト、アーリンとパーシーの味方だった。
無事に相棒であることが認められて、ルーカスもエルネストも安堵していた。
諮問会議に出席してくれたアーリンとパーシーにも礼を言いに行く。
「アーリン、パーシー、ありがとう」
「私たちのためでもあるから、お礼はいいわ」
「これでやっとアーリンと結婚できるよ」
「おめでとう、アーリン、パーシー」
お礼を言うルーカスをアーリンは遮るが、お祝いを言ったエルネストには嬉しそうな顔をしていた。
人身売買組織のボスの話はすぐにジャンルカにまで伝わった。
「取り引きをしようという人員がこの国に戻されてきたら話してみようと思う」
できれば情報を引き出して取り引きはしないでおきたいというジャンルカに、ルーカスは賛成だった。人身売買を行っていたものは等しく裁きを受けてもらいたい。
それが小さいころに人身売買組織に売られかけたルーカスの望みだった。
次の休みにはルーカスはエルネストに連れられて、隣りの州の郊外の町に連れてこられていた。そこにエルネストの実家があるのだという。
ラフな格好のエルネストに対して、ルーカスは一番いいスーツを着て車を運転してその町に行った。プライベートでもルーカスは運転を担い、エルネストを助手席に乗せて移動するようになっていた。
「初めまして、ルーカス・ソロウです。エルネストと結婚を前提にお付き合いさせてもらってます」
がちがちに緊張して挨拶をすれば、白銀の髪の男性が微笑んでルーカスを軽くハグする。
「オーギュスト・デュマだよ。エルネストの父親だ」
「アデライド・デュマよ。エルネストの母です」
オーギュストは白銀の髪に金色の目、アデライドは黒髪に青い目の長身の夫婦だった。オーギュストの色彩はエルネストそのものだし、アデライドの顔はエルネストの面影がある。
「ボドワン・デュマ。エルネストの兄だよ」
「ドナシアン・デュマ。ボドワンの弟で、エルネストの兄だ」
庭ではバーベキューの準備がしてあって、そこにひとが集まっている。
その中にはクロヴィスもいた。
「ルーカス、エルネストと付き合うことになったんだな。こっちは俺の夫のウジェーヌ」
「ウジェーヌ・トリベールです。初めまして」
黒髪のボドワンとドナシアンに、灰色っぽい髪のウジェーヌも加わってルーカスはとてもではないが覚えられそうになくて焦る。仕事でもっとたくさんのひとの対応をしたこともあったが、それはタブレット端末に情報が出ていたので何とかなったが、ここではタブレット端末を出してメモをすることも失礼に当たるだろう。
「覚えられない……どうすれば」
「少しずつでいいよ。ルーカスは僕にプロポーズしてくれたんだ。だから、義父さん、義母さん、義兄さんでいいだろう?」
「もちろん、そう呼んでくれ」
「息子が増えたみたいで嬉しいわ。こんな若い子を連れてくるとは思わなかったけど」
「ルーカスは若いけど成人してるよ。……あれ? ルーカス、成人してるよね?」
「成人してるに決まってる」
聞き返されてルーカスは必死に自己主張する。
長身のボドワンやドナシアンに囲まれて、ルーカスは自分が小さくなった気分を味わっていた。
平均身長から言えば男性として決して小さい方ではないはずなのに、エルネストの家族が大きすぎるのだ。
「失礼でなければ、本性をお聞きしてもいいかな?」
オーギュストに言われて、ルーカスは背筋を伸ばした。
「チーターです」
狼の群れは結束が強く、狼以外を受け入れないとも聞いたことがある。チーターだということで結婚を反対されたらどうしよう。
不安が胸を過るが、オーギュストはそれを聞いてエルネストの背中を叩いていた。
「あんな細い体だから、無理をさせるんじゃないよ」
「それは大丈夫。彼と僕の間では、無理をさせるとかそういうことはないから」
自信満々に答えるエルネストに、認められたのかとルーカスはほっとする。
単独行動をするチーターからしてみれば考えられない世界だが、狼の群れは暖かくルーカスを受け入れてくれた。
「エルネスト、飲み物くらい出してくれよ」
「いつも自分で勝手に取ってるだろう」
クロヴィスに対してエルネストが冷たい対応を取るのにはルーカスは驚いてしまった。クロヴィスとは特別な関係と言っていたくらいなので、仲がいいのだとばかり思っていた。
「クロヴィスと、その……喧嘩してるのか?」
「ううん、そんなことないよ。クロヴィスは小さいころから一緒だから、ずっとこんな感じだよ」
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