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1.魔女の娘、リラ
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リラは双子の兄のラーイと一緒に生後すぐに土地神様であるレイリとセイランの元に預けられた。
リラとラーイは魔女の子で、魔女に男子が生まれると「災厄の子」と呼ばれ、魔女族を滅ぼすと言われていたから、ラーイは魔女族から命を狙われていたのだ。
ラーイとリラの母親である仕立て屋の魔女のアマリエは、ラーイとリラが四歳のときに魔女族の長を倒して自分が魔女族の長になって、ラーイとリラが狙われないように守ってくれた。
魔女族の長の座は決闘によって決められる。
魔法を使って戦うと危ないので、肉体強化の魔法以外は使うことを許されず、殴り合って決めるのだ。
魔女の森の広場にせり出したリングで殴り合うアマリエと魔女の長との血の飛び散る決闘に、ラーイは怯えて泣いていた。
「ふぇぇぇぇ! セイランさま、こわいー!」
逆にリラは自分も戦う気になってレイリの腕から逃れようとしていた。
「わたしもやる! あいつ、やっつける!」
誰のせいで自由に生きられなかったのか、リラははっきりとそのときに知った。魔女族の長は許さないとリングに上がろうとするリラをレイリが抱き留めて止める。
「レイリさま、はなして! わたし、あいつ、やっつけるんだから!」
「リラ、危険なことはしないでください」
大好きなレイリが止めてもリラはリングに上がろうともがいていた。
その間に決着がついて、魔女族の長に殴られて目の周りに青あざを作りながら、アマリエは魔女族の長の鳩尾に拳を叩き込んで、馬乗りになって殴っていた。
これで勝敗は決した。
殴り続けるアマリエを魔女族の仲間が止めて立たせる。
「勝者、アマリエ!」
魔女族の長は本当の長ではなくて、別の人物が化けていたのだと分かったが、そこから先は四歳児なのでリラの記憶は曖昧になっている。
ただ、アマリエが魔女族の長となってラーイとリラに危険がなくなったとしても、ラーイはセイランと、リラはレイリと暮らしたいという願いを叶えてくれて、セイランとレイリから引き離さずにいてくれたのだ。
小さな頃からいた社の巫女でリラとラーイの世話をしてくれるマオと、セイランとレイリの双子の土地神様と、リラとラーイはまた変わらず暮らせるようになった。
「セイランさまといっしょにいます! セイランさまといっしょがいいです」
「ばいばい、いやなのー! わたしはレイリさまといるのー!」
ラーイはリラと同じ四歳だったはずだが、喋り方がリラとは全く違った。その理由をリラは分からなかったが、兄は賢いのだろうとは思っていた。
泣きながらリラはレイリの足にしがみ付いた。
「わたしは、レイリさまとけっこんするのー! レイリさまとずっとずっとずっといっしょなのー!」
このころからリラはレイリが大好きだった。結婚するのならばレイリ以外に考えられないくらいだった。
「こんなにラーイもリラも土地神様を慕っている。引き離すことはできないよ」
「それでいいのか?」
「共に暮らすためにこれまで頑張ったのではないのですか?」
「子どもたちの幸せを願ってやれなくて、何が母親よ。子どもたちが健康で幸せに暮らすのが一番嬉しいものよ」
アマリエはラーイとリラに理解を示して、ラーイとリラを土地神様であるセイランとレイリに預けたままでいる選択をした。
「かえろー、レイリさま」
「リラ……」
「わたしのおうちは、おやしろだけよ」
これまで育ててくれたのもレイリとセイランだった。
リラにお乳を与えてくれて、大事にしてくれたレイリのことをリラは心から慕っていた。
手を握ると、レイリも心を決めたようだった。
「僕はリラを育てていきます。僕にとってリラは可愛い娘です」
「私もラーイを育てよう。ラーイは私の可愛い息子だ」
四歳でリラはレイリへの気持ちをはっきりと自覚していた。
大きくなったらレイリと結婚する。
レイリはリラの赤ちゃんを産んでくれて、リラとずっと一緒に暮らすのだ。
性別というものがまだ曖昧なのでリラは赤ちゃんのでき方も知らなかったし、レイリはお乳が出るので赤ちゃんも生めるはずだとずっと考えていた。
社に帰るとレイリの部屋でリラはお乳を飲ませてもらう。
レイリの豊かな胸から出るお乳は甘く、心が落ち着く味がする。
リラは魔女なので魔力を得なければ成長できなかった。
魔女の森には魔力が満ちているので、そこで生活するだけで魔女の子どもは育つことができる。
魔女の森に住んでいないリラにとっては、レイリのお乳を飲んで魔力の代わりに神力を体に入れることが必要不可欠だった。それがなければリラの体は弱って寝込んでしまう。
生存本能のままにレイリの胸を吸って、リラはお乳を飲んだ。
セイランとレイリは白虎の本性を持つ白虎族だ。
魔女の森でのことが落ち着いてからリラとラーイは白虎族の村に連れて行かれた。
巨大な白い虎の姿のセイランとレイリの両親に会って、挨拶をしてもらったのだが、リラには難しい大人の話は分からなかった。
「ラーイです。よんさいです。セイランさまとレイリさまといっしょにくらしています」
「リラよ。よっつなの。レイリさまのおとうさんとおかあさんってことは、わたしのおじいちゃんとおばあちゃん?」
自己紹介をして、疑問に思っていることを聞いてみる。
リラはレイリと二人きりになるとレイリのことを「ママ」と呼んで慕っていたから、レイリの両親となれば祖父母に当たるのではないかと思ったのだ。
「セイランとレイリが育てておるのならば、そなたたちの祖父と祖母になるのかの」
「孫の顔がこんなに早く見られるなんて思いませんでした」
セイランとレイリの両親は笑いながらもリラの言葉を受け入れてくれた。
「おおきくなったら、セイランさまとけっこんしたいんです」
「わたしはレイリさまとけっこんするのよ」
結婚したいことも告げると、セイランとレイリの両親はそれも真剣に受け止めてくれる。
「それほどにセイランとレイリのことを思ってくれるのか」
「セイランに婿、レイリに嫁が来るなんて嬉しいことですね」
「本当に結婚するかは分からないですよ。まだ子どもの言うことですから」
レイリの方が慌てるくらいだった。
それから何か難しい話をまたしていたが、四歳のリラにはよく分からなかったし、自分の言いたいことを全部行ったので満足してしまっていた。
五歳になって無邪気にリラが遊んでいると、ラーイの泣き声が聞こえた。
「ぶええええええ!」
大声で泣いているラーイなど珍しいので、リラは駆け寄ってラーイを泣かせた相手と戦うことにした。
「おにいちゃん、どうしたの? だれがおにいちゃんをいじめたの!? でてこい! わたしがあいてだ!」
戦いの構えを取ったリラに、ラーイが泣きながら答える。
「ぜいらんざまど、れいりざまがー!」
「えぇ!? セイランさまとレイリさまがいじめたの!? セイランさま、レイリさま、おにいちゃんはすぐないちゃうんだから、いじわるしちゃだめなのよ!」
「私は苛めたつもりはないのだが」
「僕も何もしていませんが」
リラよりもずっと繊細なラーイを泣かせたとなると、セイランとレイリでも事情を聞かなければいけない。リラが詰め寄ると、ラーイがセイランに泣きながらしがみ付いていた。
「ぼくと、リラを、まじょのもりにやってしまうおつもりなんだよー!」
「そんな!? セイランさま、レイリさま、わたしとおにいちゃんをまじょのもりにやってしまうの!?」
アマリエとの話し合いでセイランとレイリはラーイとリラを社で育てることにしたはずだ。
頭をよぎったのは、五歳になってからすぐに魔女の森でアマリエの家で半日過ごしたときのことだった。それを見てセイランとレイリはラーイとリラが魔女の森で暮らした方がいいと判断したのだろうか。
セイランとレイリに捨てられると思うとリラも涙が出て来る。
「そういうわけではないのだ」
「ラーイとリラのためなのですよ」
「いやだー! びえええええ!」
「レイリさまー! びええええええ!」
大声を上げて泣いてしまうリラもまだ五歳の子どもだった。セイランがラーイを抱き締めて、レイリがリラを抱き締めてくれる。
いつの間にか来ていたアマリエが呆れた様子でそれを見ていた。
「ちゃんと説明してあげるから、泣くのはおよし」
「ふぇ……セイランさまとはなれたくないよー!」
「びぇっ……レイリさまのそばにいるー!」
泣いているリラとラーイの顔を拭いて、セイランとレイリが説明する。
「ラーイとリラを少し早いが、魔女の森の学校に通わせないかとアマリエから言われたのだ」
「前に半日魔女の森で過ごしたときに、ラーイもリラも乳を飲まなくても済んだでしょう? 日中だけでも魔女の森で過ごして、魔女の森で昼食をとれば、乳がいらなくなるのではないかと思ったのです」
「がっこうに、いくだけ?」
「セイランさまとレイリさまとくらしていいの?」
「学校に通うだけで、朝は社で準備をするし、夕方には迎えに行って社に帰ってくる」
「ラーイとリラは五歳なので一年早いのですがね」
小学校がどんなところか分からないが、そこに行って帰ってくるだけならばリラも問題なくできる気がする。
小学校は六歳から入学するようだが、リラは五歳になったばかりだった。少し早いがセイランとレイリはラーイとリラを小学校に入れる話をしていたのだ。
魔女の森にやられると思っていたから、リラは心から安心した。
小学校の準備をするのだが、リラにはまだできないことがあった。
レイリに甘えているので、日常生活での着替えがあまり上手ではないのだ。
「わたし、パンツじょうずにはけない」
「リラ、座ってはいていいのですよ」
「くつしたも、はけない」
「座って、じっくりと落ち着いてはくのです」
小学校に行くための着替えとトイレの猛特訓が始まった。
リラとラーイは魔女の子で、魔女に男子が生まれると「災厄の子」と呼ばれ、魔女族を滅ぼすと言われていたから、ラーイは魔女族から命を狙われていたのだ。
ラーイとリラの母親である仕立て屋の魔女のアマリエは、ラーイとリラが四歳のときに魔女族の長を倒して自分が魔女族の長になって、ラーイとリラが狙われないように守ってくれた。
魔女族の長の座は決闘によって決められる。
魔法を使って戦うと危ないので、肉体強化の魔法以外は使うことを許されず、殴り合って決めるのだ。
魔女の森の広場にせり出したリングで殴り合うアマリエと魔女の長との血の飛び散る決闘に、ラーイは怯えて泣いていた。
「ふぇぇぇぇ! セイランさま、こわいー!」
逆にリラは自分も戦う気になってレイリの腕から逃れようとしていた。
「わたしもやる! あいつ、やっつける!」
誰のせいで自由に生きられなかったのか、リラははっきりとそのときに知った。魔女族の長は許さないとリングに上がろうとするリラをレイリが抱き留めて止める。
「レイリさま、はなして! わたし、あいつ、やっつけるんだから!」
「リラ、危険なことはしないでください」
大好きなレイリが止めてもリラはリングに上がろうともがいていた。
その間に決着がついて、魔女族の長に殴られて目の周りに青あざを作りながら、アマリエは魔女族の長の鳩尾に拳を叩き込んで、馬乗りになって殴っていた。
これで勝敗は決した。
殴り続けるアマリエを魔女族の仲間が止めて立たせる。
「勝者、アマリエ!」
魔女族の長は本当の長ではなくて、別の人物が化けていたのだと分かったが、そこから先は四歳児なのでリラの記憶は曖昧になっている。
ただ、アマリエが魔女族の長となってラーイとリラに危険がなくなったとしても、ラーイはセイランと、リラはレイリと暮らしたいという願いを叶えてくれて、セイランとレイリから引き離さずにいてくれたのだ。
小さな頃からいた社の巫女でリラとラーイの世話をしてくれるマオと、セイランとレイリの双子の土地神様と、リラとラーイはまた変わらず暮らせるようになった。
「セイランさまといっしょにいます! セイランさまといっしょがいいです」
「ばいばい、いやなのー! わたしはレイリさまといるのー!」
ラーイはリラと同じ四歳だったはずだが、喋り方がリラとは全く違った。その理由をリラは分からなかったが、兄は賢いのだろうとは思っていた。
泣きながらリラはレイリの足にしがみ付いた。
「わたしは、レイリさまとけっこんするのー! レイリさまとずっとずっとずっといっしょなのー!」
このころからリラはレイリが大好きだった。結婚するのならばレイリ以外に考えられないくらいだった。
「こんなにラーイもリラも土地神様を慕っている。引き離すことはできないよ」
「それでいいのか?」
「共に暮らすためにこれまで頑張ったのではないのですか?」
「子どもたちの幸せを願ってやれなくて、何が母親よ。子どもたちが健康で幸せに暮らすのが一番嬉しいものよ」
アマリエはラーイとリラに理解を示して、ラーイとリラを土地神様であるセイランとレイリに預けたままでいる選択をした。
「かえろー、レイリさま」
「リラ……」
「わたしのおうちは、おやしろだけよ」
これまで育ててくれたのもレイリとセイランだった。
リラにお乳を与えてくれて、大事にしてくれたレイリのことをリラは心から慕っていた。
手を握ると、レイリも心を決めたようだった。
「僕はリラを育てていきます。僕にとってリラは可愛い娘です」
「私もラーイを育てよう。ラーイは私の可愛い息子だ」
四歳でリラはレイリへの気持ちをはっきりと自覚していた。
大きくなったらレイリと結婚する。
レイリはリラの赤ちゃんを産んでくれて、リラとずっと一緒に暮らすのだ。
性別というものがまだ曖昧なのでリラは赤ちゃんのでき方も知らなかったし、レイリはお乳が出るので赤ちゃんも生めるはずだとずっと考えていた。
社に帰るとレイリの部屋でリラはお乳を飲ませてもらう。
レイリの豊かな胸から出るお乳は甘く、心が落ち着く味がする。
リラは魔女なので魔力を得なければ成長できなかった。
魔女の森には魔力が満ちているので、そこで生活するだけで魔女の子どもは育つことができる。
魔女の森に住んでいないリラにとっては、レイリのお乳を飲んで魔力の代わりに神力を体に入れることが必要不可欠だった。それがなければリラの体は弱って寝込んでしまう。
生存本能のままにレイリの胸を吸って、リラはお乳を飲んだ。
セイランとレイリは白虎の本性を持つ白虎族だ。
魔女の森でのことが落ち着いてからリラとラーイは白虎族の村に連れて行かれた。
巨大な白い虎の姿のセイランとレイリの両親に会って、挨拶をしてもらったのだが、リラには難しい大人の話は分からなかった。
「ラーイです。よんさいです。セイランさまとレイリさまといっしょにくらしています」
「リラよ。よっつなの。レイリさまのおとうさんとおかあさんってことは、わたしのおじいちゃんとおばあちゃん?」
自己紹介をして、疑問に思っていることを聞いてみる。
リラはレイリと二人きりになるとレイリのことを「ママ」と呼んで慕っていたから、レイリの両親となれば祖父母に当たるのではないかと思ったのだ。
「セイランとレイリが育てておるのならば、そなたたちの祖父と祖母になるのかの」
「孫の顔がこんなに早く見られるなんて思いませんでした」
セイランとレイリの両親は笑いながらもリラの言葉を受け入れてくれた。
「おおきくなったら、セイランさまとけっこんしたいんです」
「わたしはレイリさまとけっこんするのよ」
結婚したいことも告げると、セイランとレイリの両親はそれも真剣に受け止めてくれる。
「それほどにセイランとレイリのことを思ってくれるのか」
「セイランに婿、レイリに嫁が来るなんて嬉しいことですね」
「本当に結婚するかは分からないですよ。まだ子どもの言うことですから」
レイリの方が慌てるくらいだった。
それから何か難しい話をまたしていたが、四歳のリラにはよく分からなかったし、自分の言いたいことを全部行ったので満足してしまっていた。
五歳になって無邪気にリラが遊んでいると、ラーイの泣き声が聞こえた。
「ぶええええええ!」
大声で泣いているラーイなど珍しいので、リラは駆け寄ってラーイを泣かせた相手と戦うことにした。
「おにいちゃん、どうしたの? だれがおにいちゃんをいじめたの!? でてこい! わたしがあいてだ!」
戦いの構えを取ったリラに、ラーイが泣きながら答える。
「ぜいらんざまど、れいりざまがー!」
「えぇ!? セイランさまとレイリさまがいじめたの!? セイランさま、レイリさま、おにいちゃんはすぐないちゃうんだから、いじわるしちゃだめなのよ!」
「私は苛めたつもりはないのだが」
「僕も何もしていませんが」
リラよりもずっと繊細なラーイを泣かせたとなると、セイランとレイリでも事情を聞かなければいけない。リラが詰め寄ると、ラーイがセイランに泣きながらしがみ付いていた。
「ぼくと、リラを、まじょのもりにやってしまうおつもりなんだよー!」
「そんな!? セイランさま、レイリさま、わたしとおにいちゃんをまじょのもりにやってしまうの!?」
アマリエとの話し合いでセイランとレイリはラーイとリラを社で育てることにしたはずだ。
頭をよぎったのは、五歳になってからすぐに魔女の森でアマリエの家で半日過ごしたときのことだった。それを見てセイランとレイリはラーイとリラが魔女の森で暮らした方がいいと判断したのだろうか。
セイランとレイリに捨てられると思うとリラも涙が出て来る。
「そういうわけではないのだ」
「ラーイとリラのためなのですよ」
「いやだー! びえええええ!」
「レイリさまー! びええええええ!」
大声を上げて泣いてしまうリラもまだ五歳の子どもだった。セイランがラーイを抱き締めて、レイリがリラを抱き締めてくれる。
いつの間にか来ていたアマリエが呆れた様子でそれを見ていた。
「ちゃんと説明してあげるから、泣くのはおよし」
「ふぇ……セイランさまとはなれたくないよー!」
「びぇっ……レイリさまのそばにいるー!」
泣いているリラとラーイの顔を拭いて、セイランとレイリが説明する。
「ラーイとリラを少し早いが、魔女の森の学校に通わせないかとアマリエから言われたのだ」
「前に半日魔女の森で過ごしたときに、ラーイもリラも乳を飲まなくても済んだでしょう? 日中だけでも魔女の森で過ごして、魔女の森で昼食をとれば、乳がいらなくなるのではないかと思ったのです」
「がっこうに、いくだけ?」
「セイランさまとレイリさまとくらしていいの?」
「学校に通うだけで、朝は社で準備をするし、夕方には迎えに行って社に帰ってくる」
「ラーイとリラは五歳なので一年早いのですがね」
小学校がどんなところか分からないが、そこに行って帰ってくるだけならばリラも問題なくできる気がする。
小学校は六歳から入学するようだが、リラは五歳になったばかりだった。少し早いがセイランとレイリはラーイとリラを小学校に入れる話をしていたのだ。
魔女の森にやられると思っていたから、リラは心から安心した。
小学校の準備をするのだが、リラにはまだできないことがあった。
レイリに甘えているので、日常生活での着替えがあまり上手ではないのだ。
「わたし、パンツじょうずにはけない」
「リラ、座ってはいていいのですよ」
「くつしたも、はけない」
「座って、じっくりと落ち着いてはくのです」
小学校に行くための着替えとトイレの猛特訓が始まった。
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